藥燉排骨│簡単薬膳カルビ

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾の夜市でおなじみの薬膳料理『藥燉排骨│超簡単薬膳カルビ』のレシピを紹介します。当帰、高麗人参、黄耆、山薬などの漢方薬材で豚肉を煮込んで作る台湾ではおなじみの薬膳料理です。今回は薬膳効果を簡単に再現するためエキス製剤を使って作る超お手軽レシピです。さすがに本物には少し風味が足りませんが、日本で再現するならこれ以上簡単に作る方法はありません。

日本人にはすっかりおなじみとなった漢方薬のエキス製剤は、日本の「小太郎漢方製薬」という会社が世界で初めて開発に成功した日本生まれの技術です。もともと煎じ薬や丸剤などしかなかった漢方薬を均一の品質で全国に広げることができるようになり、漢方薬を医療保険でカバーできるようにした根幹技術となりました。漢方薬のエキス製剤が生まれたのは1957年のことで、漢方薬が薬価基準(健康保険)に収載されたのが1967年のことです。その後も各メーカーによるたゆまぬ技術開発が続いています。

日本で生まれた煎じ薬のエキス製剤を作る技術は台湾にも渡り、今では日本を超える種類の多くの中国医学薬のエキス製剤が販売されています。日本と中国、台湾のエキス製剤で最も大きな違いは、やはり単味エキスの有無でしょう。中国、台湾では日本ではほとんど使用されない(というか薬価基準に収載されていない)単味のエキス製剤が非常に多くの種類あります。例えば紅参、大棗、桂皮、当帰など中国医学で良く用いられるほとんどすべての生薬単体のエキスが多数販売されており、中国医学の診療所では医師の処方に合わせ、これら単味(や処方)のエキス製剤を組み合わせて薬を作っているのです。

日本のエキス漢方ではほとんど実現できない「加減」を容易に実現できるようになっているのが、台湾や中国のエキス製剤の特徴と言えます。ちなみに台湾では製造しているメーカーによって同じ薬材のエキスでも濃度に大きなばらつきがあります。例えばA社製の黄耆エキスは1gに黄耆3.3gのエキスが、B社製のものには同じ1gのエキスでも黄耆1gしか入っていないという風にです。それでいて値段はほとんど変わらなかったりするのです。

製薬メーカーごとに製剤技術に差があるのかもしれませんが、さすがにこれだけ差があるのはどうかと思います。筆者であるHigene も最近は多くのお客様に漢方薬の調合を頼まれるようになりました、患者様の体調や薬によっては単味のエキス製剤を組み合わせて作ることも多いのですが、その昔は製材ごとにメーカーを選ぶのに四苦八苦していました。今では自作のプログラムで最も経済的な(一回に服用する量が少なくて済む)製剤とメーカーをチョイスしています。が、それでもなかなか…大変なんです(笑)。

台湾の薬局方は日本の物を大きく参考にしています(というか、ほぼそのままです)。しかし医療関連の法整備は独自のものが多く、とくに中国医学関連の法律はほとんど未整備と言っていい状態にあります。国民の健康のためにしっかりとした法整備がなされ、台湾の人たちがより健康で公平な医療を受けられるようになるといいですね。

それではレシピです。


[材料]
豚骨付きカルビ ……… 400g
水 ……… 700cc
漢方 十全大補湯エキス製剤 7.5-10g

[調味料]
塩 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ6

[作り方]
1.豚骨付きカルビを一口サイズに切り分け、お湯にくぐらせるなどしてアクを抜いておく。

2.炊飯器に作り方1の豚骨付きカルビと水、漢方 十全大補湯エキス製剤と、すべての調味料を入れ、蓋をしてスイッチを入れる。炊き上がったら器に盛り付けて完成。

Point!
水700ccにさらに豚肉が入るので、5.5号炊き以上の炊飯器が必要です。小型のものしかない場合は適宜量を調節して下さい。

十全大補湯のエキス製剤はどのメーカーのものを使っても構いません。大人の一日量より少し多めのエキスを入れるとよいでしょう。

スープは薬膳効果の塊です。忘れずに飲み干しましょう。





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