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清蒸牛腩│牛サーロインの中華蒸し

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難易度: 調理時間:3時間
台湾の家庭料理『清蒸牛腩│牛サーロインの中華蒸し』のレシピを紹介します。作るのにかなりの手間のかかる薬膳料理で、麺料理の付け合わせや野菜と組み合わせたサラダなどとして食べられる料理です。大規模な設備があれば大量に作り置きできるので、かける手間ほどの高級料理ではありませんが、家庭規模で再現すれば大量生産したものよりも濃厚なおいしさを楽しめます。

記事は後日!



肉末炒箭筍│箭筍と豚ひき肉炒め

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難易度:☆(材料入手による) 調理時間:30分以内
台湾特有のタケノコ「箭筍」を使った台湾料理『』のレシピを紹介します。箭筍と呼ばれる細長いタケノコと豚のひき肉を豆板醤で炒めた料理です。箭筍は台湾でしか採取できない食材のため難易度は☆三つとなっています。日本で作るなら普通のタケノコを使って作りましょう。

箭筍は「包籜箭竹」とよばれるタケの仲間のタケノコのことです。学名を Pseudosasa usawae といい、日本ではヤダケ科と呼ばれるササの仲間に分類される植物の一種です。包籜箭竹は日本には自生しない台湾固有種でもちろんそのタケノコである箭筍も台湾でしか食べられません。

タケは茎を包む皮がすぐに脱落してしまうもの、ササは成長しても茎を皮が包んでいるものという違いがあります。ヤダケは竹という名前が付いてはいますが皮が茎に残るためササの仲間です。非常に細い茎をのばし、その昔は矢の原料とされたためにヤダケと名づけられています。中国語の「箭竹」も
矢(箭)を作る竹という意味です。

包籜箭竹は台湾の山中至る所に群生しています。山間部では原住民による栽培もおこなわれており、タケノコの販売を生業にしています。台湾では非常にポピュラーな食材ですが、日本で入手することはほぼ不可能だと思います。ヤダケのタケノコも食べられると思いますので、自分の土地にヤダケが生えている方は採集して試してみましょう。

調べたところ、ササのタケノコは日本各地で郷土料理として食べる地域があるそうです。 姫タケなどの名前でスーパーで売られていることもあるらしいので、手に入れてみるとよいでしょう。

台湾のレストランで「箭筍」の名前を見つけたら、ぜひ食べてみましょう。

それではレシピです。


韭菜炒鴨腸│ニラと鴨モツ炒め

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難易度:☆(材料入手による) 調理時間:30分以内
屋台や熱炒の店でもおなじみな台湾の家庭料理『韭菜炒鴨腸│ニラと鴨モツ炒め』のレシピを紹介します。カモ(アヒル)の腸をニラと一緒に炒めた料理です。日本ではまず手に入らない食材ですので豚モツや牛モツなどで代用してみましょう。

カモ(アヒル)のモツは日本では友人に猟師さんがいるなら、頼んで手に入れてもらうのが一番早い入手の方法かもしれません。ただし普通は肉の臭みを抜くために仕留めてからすぐに取り除いてしまいますので、きちんと仕留めたその場で塩水などを使ってよく洗ってもらう必要があります。。中にはもちろん排せつ物が詰まっているので、その場できれいに洗浄しないと臭くて食べられなくなってしまいます。これを引き受けてくれる猟師さんはまれだと思うので、どうしても入手難易度が高くなってしまいます。

アヒルを養殖している場合は数日間絶食することできれいな腸を手に入れることができます。台湾ではこちらの方法で加工されていることが多いようです。普通にスーパーの精肉コーナーで手に入るので、台湾で調理が可能な方はぜひ料理に挑戦してみてください。

他にも台湾では鴨モツは屋台で串焼きにされていたり、滷味の具にされたりと様々に活用されています。台湾で手に入る食材のほとんどは日本でもなんとか手に入れることができるのですが、この鴨モツだけは食文化の違いから入手が難しい(そして輸入も難しい)食材となっています。

もし手に入ることがあれば、ぜひ挑戦してみましょう。

写真は葉ニンニクで作ったもの。

四川香辣蟹│激辛カニ炒め四川風

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難易度: 調理時間:1時間以内
たまには高難易度の四川料理に挑戦してみましょう。『四川香辣蟹│激辛カニ炒め四川風』のレシピを紹介します。トウガラシやニンニクをふんだんに使ったソースで、カニ、ジャガイモ、ヤマイモ、タケノコを炒めて作ります。辛さは調節できますが、ぜひ一度レシピ通りに作って本場の味を体験してみましょう。

カニといえば横歩き…が有名ですが、実は前に歩く種や後ろに歩く種も存在します。また前後左右に自由自在に動き回れる種も結構な数がおり、すべてのカニが横歩きしかできないわけではなさそうです。また歩くより泳ぐのが得意な種もいます。

実は横歩きしかできないカニも、回転して目を回させると前に歩ける種がいます。今日日なにかと動物虐待が叫ばれるのであまりお勧めはできませんが、海辺でカニを見かけたらぐるぐると振り回してみましょう。種にもよりますが、しばらく前に歩いてくれます。

日本では伝統的に文章を縦書きで書いていましたが、室町時代前後に初めて西洋の文字に接した人々は、横書きの文字に衝撃を受けたようで、これを「カニ文字」と呼びました。なるほど横に進む文字を適切に表している感じですね。今でも英語を話せない古い世代の日本人は西洋語を指して「あんなカニみたいな文字!」となじることがあります。昭和初期くらいまでは使われていた表現なのかもしれませんね。

カニは世界中の海水、淡水域に様々な種が生息しており、各地の歴史、文化とも密接に関係した様々な料理があります。今回は四川風のカニ料理です。手順が多いですがその手間を裏切らない絶品料理です。ぜひ挑戦してみましょう。



猪血湯│豚血スープ

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難易度: (材料入手による) 調理時間:30分以内
初めて見る人は必ず驚く「猪血(豚の血に加水加塩して固めたもの)」を具に作る『猪血湯│豚血スープ』のレシピを紹介します。基本はとんこつで取ったスープで作りますので、まさに豚尽くし!の料理です。夜市の定番料理でもあります。

「猪血」は新鮮な豚の血に三倍量の水と少量の塩を加えて軽く加温して固めた食材です。市販品は少量のゼラチンを加えて固めていますが、新鮮な血を使っていれば塩を加えるだけで固まります。もともとは四川省の地方料理(食材)でしたが、今では中国全土、台湾やシンガポールなどでも普通に食べられます。具の発祥が四川省なので、これを使った料理はすべて四川料理に数えられます。

「猪血」はいわゆる血小板の凝血作用を利用して固まっています。コラーゲンと架橋したvWFという物質が血小板と結合し、血小板が活性化されてさらに架橋を促し、その網構造に赤血球などが引っかかって…という原理で血は固まっていきます。猪血はこれらのたんぱく質の立体構造に水が取り込まれたものです。水はたんぱく質と結合しているわけではないので、いつ触っても表面はしっとり、力を加えると架橋が破壊される方向に割れます。その触感はプルプル、クニクニ。見た目はグロいですが、高たんぱく低カロリーの健康食材で、台湾では鍋の具として人気があります。貧血にもよさそうですね。

派生品として台湾には「鴨血」もあり、こちらは鴨の血で作ったものです。原理上動物の血なら何でも作れると思いますが、なぜか牛や鶏の物は見たことがありません。固まり方に違いがあるのでしょう。

日本ではなかなか猪血は売っておらず、自作にも"新鮮な豚の血"が必要なので、再現は難しいかもしれません。台湾訪問時に是非お楽しみください。

ちなみにこの猪血、中国医学では肺の気を調え、気持ちを落ち着けるという効能があります。のどが渇く、ヒステリックだなどの症状に悩まされている方には効果があるかもしれません。



碧玉金針|金針菜の中華炒め

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難易度: 調理時間:30分以内
台湾東部で食べられる季節料理『碧玉金針|金針花の中華炒め』のレシピを紹介します。中華料理ではスープの出汁取りに使われる「金針菜」の生のつぼみを豚肉と炒めた料理です。乾燥させたものは年中手に入りますが、生のつぼみは食べる季節が限定されます。

料理名にある碧玉とは金針菜の色づく前のつぼみの色を喩えています。美しい緑色で、ヤマイモの白との対比が非常に美しい料理です。

台湾や広東料理で特にスープ取りに使われる「金針菜」は和名がありませんが、類似の植物と混同されてよくワスレグサと呼ばれます。ワスレグサは狭義にはワスレグサ単体、学名 Hemerocallis fulva、中国語の正名「萱草」という植物を指しますが、広義にはワスレグサ属の全ての植物を指します。なので日本で金針菜をワスレグサと呼んでも間違いではないのですが、金針菜には和名がないことは覚えておきましょう。ヤブカンゾウやニッコウキスゲやユウスゲもワスレグサ属の植物です。ワスレグサ科の多くは食用になります(保護されている地域では採取しないように!)。属名はラテン語の「Hemera(日) + kallos(美)|一日だけの美しさ」という言葉が由来になっておりその名の通り一日ちょっとで花が萎れてしまいます。ロマンチックですね。

中国でも自生しており、古くから薬用植物としても使われてきました。台湾には1661年に華南地区から持ち込まれ、現在は花蓮、台東地区で盛んに栽培されています。金針菜は別名で、他にも忘憂草、黄花菜、宜男草、療愁、鹿箭などの名前があります。

☆ワスレ"ナ"グサ(正式な和名エゾムラサキ)とはまったく別物なので注意。

食材としての金針菜は開花直前のつぼみ紅色を摘み、蒸してから乾燥させたものを使いますが、この料理では色づく前のつぼみを用います。数日待ったほうが価値が上がるのでなかなかつぼみを生食するということがなく、つぼみを採取できる時期は1ヶ月ほどなのでその時期しか食べられません。

調べたところ日本でもヤブカンゾウなどのつぼみを食べる地域があるそうで、そういう場所に行けば手に入れることが出来そうです。種は違いますがヤブカンゾウのつぼみを売っているのを見かけたら作ってみましょう。ちなみに旬は8から9月です。



大腸麵線|モツ麺線

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難易度: 調理時間:30分以内
台湾人のソウルフードの一つ『大腸麵線|モツ麺線』のレシピを紹介します。日本ではなかなか手に入らない「紅麺線」という特殊な麺を使って作る台湾料理です。紅麺線は台湾でもなかなか市販されていない(工場や農協で手に入ります)ため、難易度は☆三つとさせていただきます。調理自体は☆一つ~二つくらいの手間なので、ソーメンで代用してもそれっぽいものが食べられます。

またまた選挙の話です。政治学の世界ではよく知られた「デュヴェルジュの法則」というものがあります。政治学や経済学を学んだ人ならピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。もともとは政党の数がある一定数に収束していくという経験則でしたが、現在は選挙区の票が当選者数+1に収束していくという風に理解されています。

これだけではさすがに難しいと思うので、簡単に例を上げて説明しましょう。例えば今回のある国の大統領選挙ではC、Z、Sという三人の候補がいます。当選者数はもちろん1名です。世論調査の結果Cが有利で、二位がZ、三位がSということが分かりました。

もしあなたがSの支持者だとしましょう。このままではあなたの票は死票です。投票してもしなくても結果は変わりません。あなたが応援するのはもちろんSですが、ZのこともCよりはマシと考えているとすると…、あなたの最善手はどうせ落選してしまうSに投票するよりも少しでもZの当選確率を上げるためにZに投票するということになってしまいます。全てのS支持者が自分の票を少しでも有効に活用しようとした場合、実際に投票される候補はCとZの二人、即ち当選者数+1人に収束していくという法則です。三人がほとんど同率に支持されている場合は、世論調査の結果次第でかなり大きく票が動くことがあります。

仮に候補者が6人で当選枠が3の場合、票は4人に集中していきます。日本の比例代表選挙でも割と綺麗この法則が現れます。

台湾の選挙の面白いところは、国民党支持者は民進党には投票しない、民進党支持者は国民党に投票しないというルールが加えられることです。歴史経緯が深く関連しており、実際の世論調査でも概ねこの傾向が現れます。国民党の不支持がそのまま民進党の支持に繋がるわけではない(逆も然り)のが台湾政治の面白いところなのです。数式を使って上手くモデル化できると、企業のマーケティングなどにも応用が出来そうですね。

台湾の選挙分析は例年多くの大学院生が修士・博士論文のテーマにします。それだけ若者の政治への関心が高いということでしょうか。旅行雑誌には「台湾では政治ネタは避けるのが無難」などかかれていたりしますが、今は誰もが四年に一度の選挙熱に浮かれています。話をしないほうがおかしいくらいなので、どんどん話を聞いてみましょう。自分にも相手にもよい刺激となるはずです。

熱く語ってお腹がすいたら、台湾軽食の出番です。空腹に染みる『大腸麵線|モツ麺線』、ぜひ挑戦してみましょう。


霸王花煲猪骨│サボテンの花と豚肉煮込み。

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難易度:☆(食材の入手による) 調理時間:2時間
「足のあるものは椅子以外なんでも食べる」でおなじみの広東料理からちょっと珍しい食材を使った『』のレシピを紹介します。覇王花という夜に咲くサボテンの花を使った料理で、広い中国でも広東地方くらいでしか食べられない特殊な料理です。出張時などにぜひ一度食べてみましょう。

さて、この「覇王花」と呼ばれる食材ですが、もともと中国語普通話では世界最大の花「ラフレシア」の中国語名として通用しています。覇王花がサボテンの花を指すのは広東(または海南)地方だけで、中国語でも方言にあたる表記なので注意が必要です。他にも量天尺花、龍骨花(海南)、三角柱、三棱箭(北京)、三棱劍、劍花、七星劍花、霸王鞭(海南、廣東)、假曇花など多くの別名を持ちます。

食材としての覇王花は南アメリカ原産のサボテン科 Hylocereus undatus という学名の植物で、成長すると最大で2-3mほどの高さになる直立サボテンの一種です。食材として使うのは広東省くらいですが、観賞用としては世界中で栽培されています。他に近縁の H. ocamponis や H. escuintlensisの二種も食用に使うようです。

新鮮な覇王花を使う場合もあり、その場合は粘液が多いためスープの口当たりが滑らかになるのだとか。また粘液には潤腸効果があるそうです。乾燥させたものは中薬でいう清熱の効果があり、肺にたまった熱をとる効果があるそうで、インフルエンザの食事療法に使ったりもするそうです。

南アメリカ原産のサボテンの花をなぜ広東料理の食材として使うようになったのかは不明ですが、何でも食べる広東人のこと、香港にこの植物がもたらされた直後から食材として利用しはじめたのではないでしょうか?みたことのない料理、食材に出会ったら「ひとまず食べてみる」の精神は我々日本人も学ぶところが多そうです。

ちなみに覇王花を使った料理は他にも『霸王花瘦肉湯』、『霸王花蒸雞 』などがあり、香港で食べられます。いいスープが取れるので香港を訪れることがあれば購入して日本で試して見ましょう。多くの広東料理店のある台湾でも、筆者の知る限り食べられません。



錦繡中華│中華絢爛盛り合わせ

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難易度: 調理時間:1時間以内
浙江省の名菜『錦繡中華│中華絢爛盛り合わせ』のレシピを紹介します。材料に火を通して薄切りにして並べるだけと、調理は非常に簡単なのですが、カボチャで彫刻をするのが必須という変わった料理です。技量の限りを尽くして美しい彫刻を彫り上げてください。調理時間のほとんどはカボチャに彫刻することになります。

この料理の中心となる彫刻は「華表」と呼ばれる中国各地にあるトーテムポールのような柱をモチーフにします。最も有名な華表はやはり北京天安門にある二対の華表でしょう。白玉で作られた高さ10mほどの八角柱で、先端には四肢を地に着け天を見上げた望天(犼とも)と呼ばれる生き物が彫られています。望天は九匹いる竜の子供の一つで、"主君の帰りを待つ"という意味がこめられているそうです。天安門の華表は500年以上の歴史があります。

元々は民の平和と賢帝を望む祈りが望天の姿を借り、徐々に民間信仰となったものといわれています。裏を返せばそれだけ世が乱れ、優れた統治能力を持った皇帝がいなかったということです。中国も毎度大変です。

筆者も数度天安門を訪れたことがありますが、今回のレシピを書くまで華表というものがあることを知りませんでした(笑)。あれだけ大きな広場と目の前に広がる紫禁城を見てしまうと、高さ10mほどの石の柱には気付かないものです。次回訪れる機会があればしっかりと目に焼き付けてきたいと思います。

華表は中華の象徴として各地の大学、役所、寺廟などに設置されることの多いようです。台湾では特に寺廟の入り口に設置されていることが多いので、見かけたら写真でも撮ってこの料理を作るときの参考にしてみてください。

天安門の華表。
望天の下部には雲をモチーフにした彫刻もあります。

精武鴨頸│武漢風カモ頸煮込み

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難易度: 調理時間:半日
湖北省武漢の名物料理『精武鴨頸│武漢風カモ頸煮込み』のレシピを紹介します。カモの頸を各種香辛料で煮込んだ料理で、かなり手間をかけて作ります。また排草(排香草)という特殊な香辛料と色付けに紅曲米という特殊な材料を使います。日本では手に入れにくいので代用して挑戦しましょう。

この料理以外にはまず使わないと思われる食材「排草」について記します。

排草は生薬・香料として使われる植物で、基原となる植物が数種類あります。通常生薬として用いる排草は学名を Lysimachia capillipes というサクラソウ科の植物が指定されています。お寺のお香の原料として使うこともあるので、台湾でもは少量が流通しているのですが、台湾市場で流通している排草はどう見ても土藿香と同じものです。台湾で香料として流通しているものは習慣的にこちらを使っているのでしょう。

生薬の問屋でも本物はまず手に入らない、というか長年流通に関わっている仕入れの専門家ですら知らないほどの珍しい生薬で、本物を手に入れるなら産地に行って自分で採ってきた方が簡単かもしれません。それほどレアです(笑)。

調べてみたところ土藿香 Agastache rugosa の別名に「排草香」というのがあり、こちらと混同されているようです。まぁ、この土藿香もかなりレアな香料ですけど…。料理に使う場合は手に入りやすく香りの似ている藿香などで代用するとよいでしょう。

今まで生薬学者が注目してこなかったのも基原が曖昧になっている理由の一つでしょう。こういったマイナー生薬を現地に赴いて調べるのも、伝統医学や生薬学の重要な研究分野です。今後の研究が待たれます。ちなみに筆者の専門の一つです。興味ある方の連絡お待ちしております(笑)!

もう一つ、この料理で使う「紅麹米(簡:紅曲米)」について説明します。

紅麹米とは紅麹の原料となる麹菌を繁殖させた米のことで、これを原料に紅麹や紅麹酒を作ります。日本酒の麹の育成と同じように、製作には過酷な肉体労働と職人技が必要な材料で、現在でも大量生産ができていない比較的高価な食材です。中国と日本が共同で大量生産の研究を行っているようですが、まだまだ経済規模での機械生産には成功していないようです。

排草も紅麹米も日本では手に入れにくいので他の材料で代用して作りましょう。鶏の頸肉でも同じように作れますが、カモの方が大型で肉が多いので食べやすいです。


蟠龍菜│湖北風ドラゴンオムレツ、コイルドドラゴン

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難易度: 調理時間:1時間以内
湖北省の名菜『蟠龍菜│コイルドドラゴン』のレシピを紹介します。豚ひき肉と魚肉を薄焼き卵で細長く包み、とぐろを巻かせてスープをかけた料理です。料理名はちょっと遊んでます。

「蟠龍」とは天に上る前の地上でとぐろを巻いている竜のことで、この料理の外観を形容しています。湖北省では前途の希望を祈るため若者の宴席などで提供されることの多い料理です。

湖北省は温和な気候に恵まれた土地で、省内には多くの河川が網目のように走っています。中国で最も淡水湖が集中している省で、千湖の省とも呼ばれます。古い地名を荊(荆)と呼び、古来より食材の宝庫として知られています。特に淡水魚の種類、質、料理に関しては中国随一とされ、古来より湖北の地の魚の種類が豊富であることが多くの文献に記載されています。《墨子・公輸》には"荊有雲夢、犀兕麋鹿滿之、江漢之魚鱉黿鼉為天下富"や"荊有長松、文梓、楩、枬、豫章"の文があり、豊富な資源(とそれを元にした優れた文化)があることを伝えています。(原文は隣国を攻めるかどうかについての議論ですが…)

また湖北省にある鄂西山地は世界で最も古くから茶の栽培を始めた場所として知られ、現在に至るまで良質な茶葉の産地として栄えました。この鄂西山地は"緑色宝庫"の異名をもち、このブログでもおなじみ《神農本草経》を書いたとされる神農の本拠地としても知られます。《神農本草経》にある“神農嘗百草、日遇七十二毒、得荼而解之”の一文にある茶とはこの地域産出の茶葉のことです。

この料理はもともと明12代皇帝嘉靖帝である朱厚熜が都に入る前に、料理人が開発した料理が元になっています。朱厚熜は先代皇帝の直系ではないため本来は皇帝にはなれないのですが、自分以外の王位継承者が様々な理由で急逝したため急遽皇帝の座に着くことになったという数奇な運命の人です。道教に篤かった朱厚熜はこの料理の蟠龍の故事にいたく感激し、非常に喜んだといわれています。

味だけでなく形象も大切な料理です。包丁細工を駆使した野菜などを添えて美しく作りましょう。ほどほどに手を抜いて作るなら難易度は☆2つくらいです(笑)。


發財好市│発財好市、干しガキと髪菜炒め

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難易度: 調理時間:3時間以内
広東省のおめでたい宴席料理『發財好市│発財好市、干しガキと髪菜炒め』のレシピを紹介します。干しガキ(蠔豉)と髪菜という日本ではなかなか手に入らない食材を使うので、他のカキや海藻を代用して作ってください。他の材料で代用して作る場合は難易度☆二つくらいでしょうか。

『發財好市』という非常にめでたい料理名は、使用される材料の名称からきています。干しガキは中国語で「蠔豉│Haochi (広東語でホウシー)」といいますが、これが好市(ハオシー)と発音が近いため、また海藻の一種である「髪菜│Facai (広東語でファッツェー)」が発財と発音が近いためそれぞれめでたい食材として使われています。

どちらも日本ではあまり出回らない食材なので、日本で作るなら干しガキはその他の貝類を干したものを、髪菜はヒジキなどで代用しましょう。干しガキなら中華食材やで手に入るかもしれません。

髪菜は海藻を乾燥させたものですが、中国では採取も販売も禁止されているため非常に高級です。なぜ禁止されているかというと、髪菜を採取する時に熊手のような器具を使うのですが、これが生息地の地表を荒してしまい表土流出や砂塵の原因となってしまうため。"あの"中国が環境破壊を原因に採集を禁止するくらいなので、相当ひどい環境破壊が起きてしまったのでしょう。

…そんなものがなぜ今でも売られているかというと…そう、偽物です(笑)。香港のホテル・レストランで出される『發財好市』はほぼ間違いなく偽物の髪菜を使ったものだそうです。似たような海藻で代用するのならまだ分かりますが、ひどいものになるとトウモロコシのヒゲを染色したものを使っていたりするそうです…。栽培や養殖の研究も行われているそうですが、早く成功して本物の髪菜がたくさん食べられるようになるといいですね。



火爆燎肉│山東風揚げ豚

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難易度:☆(火傷注意) 調理時間:30分以内
山東の濟南菜から『火爆燎肉│山東風揚げ豚』のレシピを紹介します。「火爆」とは強く熱した油で一瞬にして火を通す濟南菜の手法です。材料をいれた瞬間に鍋から火が立ち上るので、家庭で作る場合は火傷と火災にくれぐれも注意です。

※まず調理方法をよく読んで下さい。普通の家庭の調理設備では火災報知機が作動する恐れがあります。

台北市中正区には濟南路と呼ばれる道があります。青島東路と徐州路に挟まれて、西は中山北路、東は建国北路まで、中山南路から杭州南路までが一段、新生南路までが二段、そこから先が三段に分かれています。台湾大学医学部の裏手にあり、中華民国外交部領事事務所や教育部などがあります。

今でこそ公館のメインキャンパスの新しい建物に移転してしまいましたが、つい昨年まで台湾大学の社会学部と経済学部の授業は濟南路ににあった「台湾大学社会科学院(住所は徐州路ですが)」で行われていました。日本統治時代の1919年に設立された(旧)台湾総督府高等商業学校を改修した建物を使っており、赤レンガ造りでレトロな雰囲気溢れるキャンパスでした。設備的には堂考えても公館のキャンパスに劣っていましたが、たくさんの思い出があります。院生の研究室はかなりボロボロでしたけど(笑)。

台北市内では珍しく自由に出入りできる日本統治時代の建物ということで、コスプレや結婚の記念撮影を行っている人もいたり、市内にあって緑も多く喧騒から隔絶されているので近所の人が弁当を食べに来たりと都会のオアシスになっている場所でした。たぶん…今でも日中は開放されているはずですので、日本時代の建築ファンは訪れてみると良いでしょう。筆者が発見した「こっそり屋根に上れる階段」もまだ残っているでしょうか(笑)?近くを通るたびにいろんな思い出が湧いてくるそんな場所です。

母校ってなんか良いですよねぇ。

というわけで感慨に浸りながら料理のレシピです!火傷注意!


豬膽肝│干し豚レバーの客家蒸し

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難易度: 調理時間:数日
台湾客家の伝統料理『豬膽肝│干し豚レバーの客家蒸し』のレシピを紹介します。簡単な料理ですが、一度客家の人と一緒に作ってみないと、独学だけではたぶん日本では作れません…、悪しからず。お酒のおつまみにピッタリの料理です。

当ブログでは台湾の客家について時々紹介しています。今回は台湾南部の「六堆」と呼ばれる客家文化圏について簡単に紹介したいと思います。

「六堆」は台湾南部、現在の屏東縣に点在する客家の居住地が連合を組んだものの名称です。組織の名称としてだけでなくその居住地も「六堆」と呼びます。清代にこの地域に移り住んだ廣東省潮州府の鎮平縣(現在の蕉嶺)、程鄉縣(現在の梅縣)、平遠縣、大埔縣、汀州府の永定縣、武平縣、上杭縣の各地域出身の客家が「朱一貴事件」の混乱に対して組織した自衛団が元になっています。

朱一貴事件とは康煕60年(1721年)に台湾で発生した内乱で、廣東省潮州出身の杜君英と福建省漳州出身の朱一貴がそれぞれ明の復興を掲げて台湾の覇権を求めて対立した事件を指します。両者は実際に台湾府の府城(行政府)を攻め落とし、台湾の独立自治に限りなく近づきました。しかし両者は程なくして対立、激しい権力争いが起こり、ついに台湾全土の潮州出身者と漳州出身を巻き込んだ激しい内乱に発展してしまいます。結局朱一貴が内戦には勝利し、台湾で「大明」を建国、年号を永和と称しかなりの広範囲で自治権を得ることに成功しますが、宣誓の翌月にはあっけなく清軍に鎮圧されてしまいました。わずか一ヶ月ほどの期間ですが台湾で最初に生まれた自治王朝として、歴史上非常に重要な事件となっています。この内乱時に生まれた自警団が「六堆」の原型になります。今でも台湾南部には朱一貴を祀った廟がいくつか残っているので、興味のある方は参拝して見ましょう。

他にも台湾ではこれまた台湾府を攻め落として短期間ながら限定地域の自治を獲得し後の太平天国にも繋がる「林爽文事件」や清軍と長期に渡り対抗し続け明の復興を掲げた大海賊「蔡牽の乱」などの重大事件が数年から数十年に一度の頻度で起こります。また出身地を異にする漢族同士のいざこざや原住民との争いが頻発し、清代の台湾はけっして平和とは言えない状況でした。そのたびに「六堆」は自衛のための武器をふるい団結力を高めて行ったのです。最終的には下関条約後の日本軍進駐にも出兵して抵抗するのですが、数ヶ月に渡る交戦後に恭順します。ちなみにこの時の日本軍の被害はほとんどが伝染病による病死だったのは有名な話です。

「六堆」客家文化圏は桃園、苗栗、新竹あたりの客家とはまた別の風習を持ちます。地理的には台北旅行のついでに観光…というわけにも行きませんが、興味があればぜひ訪問して現代に残された清代の客家文化を感じてみてください。

「六堆」客家文化を手軽に味わいたいという方は「台北客家主題公園」を週末に訪れてみると良いでしょう。多くの客家料理の出店が立ち並びます。
 

麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め

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難易度: 調理時間:3時間
福建・台湾地方の珍しい料理を続けます。普通の中国人はまず食べられない福建地方の伝統名物料理『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』のレシピです。

今回は『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』というちょっとグロテスクな見た目の料理で、『麒麟鑽象肚』とも呼ばれます。長汀は現在の福建省龍岩市長汀県のことで、唐代にまでさかのぼる歴史ある都市です。台北市の淡水河に沿って走る汀洲路の「汀洲」もこの地区にあります。住民のほとんどが客家で、「客家料理の故郷」の異名を取る地域でもあります。この料理もその意味では客家料理の一つに数えても良いでしょう。

この料理では普段は使わないある肉を使って作るので、日本で完全再現したいと思う人は希でしょう。まぁ、こういう料理もあるんだよということで紹介することにしました。日本でも手には入ると思いますが、この料理で使う肉は普通には売っていません。また調理がすこし忙しいので難易度は☆三つです。腕に自身がある人は羊肉を使って挑戦してみてください。レストランで食べると一品1万円を超えるような高級料理です。羊肉を使えば材料費2000円ほどで作れると思います。

料理名にある「麒麟」は龍や鳳凰にならぶ中国伝説の聖獣で、ご存知の方も多いことでしょう。ビール会社の商標としてもおなじみですね。あらゆる鳥の王とされる鳳凰に対して麒麟はあらゆる獣の王とされます。非常に穏やかな性質の聖獣とされ、あらゆる殺生を好まず、能力のあるものが仁政を敷くときに現れるとされる瑞獣の一種とされます。

孔子と非常につながりの深い生き物とされ、孔子誕生のときに現れては人々を驚かせたと言います。このことから儒教の象徴ともされ、また傑出した子供を麒麟児、または麟児と呼ぶようになりました。明、清代には諸侯や上位武官の「补服(制服のようなもの)」の正式な図案として採用されていました。

麒麟は現在も中華のあらゆる文化階層で広く崇拝を集めています。台湾の街中にも意外なところに麒麟の図案が隠れていたりして面白いですよ!

それではレシピです。


干貝鳳胆│鶏肉と干し貝柱の台湾風あんかけスープ

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難易度: 調理時間:30分以内
昨日に続きちょっと珍しい台湾料理を紹介したいと思います。今回は『干貝鳳胆│鶏肉と干し貝柱の台湾風あんかけスープ』という台湾の名菜です。鶏肉で干し貝柱を包んで蒸したものをあんかけにして食べる料理です。日本語の料理名はとても適当なので、できるだけ「干貝鳳胆」の漢名のほうで呼んでください。

この料理はレストランによって似たような料理でも名前がまったく異なります。高級ホテルなどのコースで食べられると思いますが、これだけを食べたいなら自分で作った方が簡単かもしれません。久しぶりの難易度☆三つですが、特別な材料は使いませんのでレシピをよく見て作ってみましょう。一度作ってみると次からはとても簡単に作れます。

料理名の「胆」とはもちろん胆嚢のこと。鶏肉と干し貝柱を使って鳳凰の胆を模して作られた料理で、見た目が美しいだけでなく非常に深い味わいを楽しめる料理となっております。

鳳凰の歴史は非常に古くまで遡ることは以前説明しましたが、五行説が成立してから南の朱雀とも呼ばれるようになりました。もともとは風を司る神鳥なのですが、五行説で朱雀と呼ばれるようになってからは火を司るようになったそうです。

また鳳凰には様々な個体があるそうで色や住む方角によって呼び分けることもあります。 《說文解字》によると"五方神鳥、東方發明、南方焦明(即鷦明)、西方鷫鷞、北方幽昌、中央鳳皇。"と方角により名前が変わり、《禽經》によると"青鳳謂之鶡、赤鳳謂之鶉、黃鳳謂之焉、白鳳謂之肅、紫鳳謂之鷟。"と色により名前が変わります。

古代中国人の中二病全開のような気がしないでもないですが…、こういう難しい漢字が並ぶとかっこいいですよね(笑)。

それではレシピです。

羊肺羊肉湯│羊肉と羊肺のスープ

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難易度: 調理時間:30分以内
唐代の皇帝が食べたとされる料理『羊肺羊肉湯│羊肉と羊肺のスープ』のレシピを紹介します。羊の肺というちょっと珍しい材料を使うので難易度は☆三つですが、材料が揃えば作るのはほぼ一瞬です。

唐代に書かれた《食醫心鑑》という書籍に記載がある由緒ある料理です。原典には"治小便多數、痩損無力。羊肺一具、細切、和少羊肉作羹食之。"と書かれてある料理で、補中益気、温腎壮陽の作用があります。唐の皇帝らも病中病後に食べたと言われている料理で、当時はほとんど薬のようにして食べられていたと考えられています。

「羊肺」は中国・台湾では比較的簡単に手に入る食材ですが、日本でこれを手に入れるとなると非常に大変です。筆者も調べてみましたが、大手通販サイトでは売っているところを見つけられず。いくつかの牧場から直販で売っているところを数件見つけました(こことか)。羊肉自体は国産のものも多数出回っていますが、内臓はほぼすべて廃棄していると思います。友人に牧場を経営している人がいる方は相談してみましょう。とにかく羊肺の入手がネックです。何とか手に入れてください。

この料理が載っている《食醫心鑑》 は、他にも珍しくおいしそうなレシピがたくさんあります。おいしそうなレシピはそのうち紹介させていただきますのでご期待下さい。

鵝油飯│ガチョウ脂ご飯

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難易度: 調理時間:30分以内
これを食べたことがある人は台湾中級者! 黄金に輝く『鵝油飯│ガチョウ脂ご飯』のレシピを紹介します。台湾では瓶入りの「鵝油」を買うだけで作れますが、日本では原料の入手から行う必要がありそうです。

ガチョウの脂は日本にも確実に存在はしていると思いますが、それが手に入るかどうかは別の問題です。食肉店で問い合わせるか通販で外国製のものを購入しましょう。「グースファット」の名前でフランス製のものなどが手に入ると思います。大量のガチョウの皮を集めれば「鵞脂」を集められますので、まずはこれを手に入れてください。(原料の入手が難しいので難易度☆3つとさせていただきました。)



ガチョウ(鵞鳥)はカリ(雁)を家禽化したもので、飛行能力がほとんどなく、粗食でも丸々と太り、肉は食用に、羽は装飾に使えることから主にヨーロッパで養殖が盛んです。犬と同じように見知らぬ人に吠え掛かり攻撃する性質があるため、「番鳥(?!)」としても飼育されます。台湾では卵を塩漬けにした『鹹鵝蛋』という商品もあります。

普通の日本人の皆様は「ガチョウの脂」と効いてもピンとこないかもしれませんが、西洋、特にフランス料理では一般的な食材です。ご存知フォアグラの副産物として大量に収穫でき、スープ料理に少し加えて風味をつけたり、なによりフォアグラを焼くときの脂として活用されます。低温で解けて体内に蓄積しにくいという特徴があり、健康食品としても注目されています。

紀元前2000年前の古代エジプトの壁画にはガチョウを飼育している姿が描かれており、その歴史の古さが伺えます。ニワトリは紀元前4000年ほど前からインドの歴史に登場するのでそれより少し遅れますが、家禽としての歴史が非常に長い鳥類です。

中国の歴史に最初に登場するのは紀元前400年ほど前の《荘子》。書名は皆さんご存知かと思います。"命豎子殺雁而烹之、豎子請曰、其一能鳴其一不能鳴、請奚殺。主人曰、殺不能鳴者。"という記載がありこの頃にはすでに雁を家禽化する技術があったものと推察されています。

エジプトからヨーロッパに伝わったガチョウと中国で飼育されるガチョウは実は元になる雁の種類が異なり、その家禽化の歴史も異なると推察されています。今後の遺伝子解析の研究が待たれます。

今回紹介する『鵝油飯』は非常に香り高く、ご飯だけでおかずが必要ないほどのおいしさです。日本ではまず食べられませんが、台湾ではガチョウ肉の店で食べられます。ぜひこのおいしさを体験してみてください。


小籠包│ショウロンポー Step 4

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難易度: 調理時間:30分以内
これまで作ってきた素材をあわせ、ついに『小籠包』を完成させるときがやってきました。超本格小籠包シリーズ第四弾、ラストは『小籠包│ショウロンポー Step 4』のレシピです。

今までのレシピはこちら!
小籠包│ショウロンポー Step 1 [ベース肉餡]
小籠包│ショウロンポー Step 2 [皮凍│にこごり]
小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮]

今回はラストということで、台湾小籠包の代名詞「鼎泰豐」について簡単に解説してみます。

ほとんどの方が聞いて驚かれるかもしれませんが、鼎泰豐はもともと油屋でした。もともと大陸山西省に住んでいた初代社長の楊秉彝は国共内戦で荒れる中国大陸を離れ、叔父を頼って台湾に渡ります。叔父は現在の永康街で油屋を営んでおり、楊はまず油屋の配達員の仕事を任されました。楊は配達員として2年ほど働いたあと、その勤務態度を認められて店内の管理を任されることになり、この時同じ店で仕事をしていた従業員と結婚します。その後3年ほど店の管理を行っていましたが、叔父が投資に失敗して油屋は倒産の危機に。この時楊は自立を決意し、もともとの出身会社である恆泰豐と得意先だった「鼎美油行」から一文字とって、「鼎泰豐油行」という油屋を開きます。1958年のことです。

当時の台湾では電話番号の申請が非常に難しかったのですが、楊は故郷の山西省同郷会に赴き、電話番号を売ってもらうことにしました。この番号が現在でも本店で使われている"(02)-2321-8927"で、この時の同郷会で知り合った有名な書家「于右任」にかいてもらった「鼎泰豐油行」の看板は現在も永康街本店の軒先に飾られています。

その後順調に油販売で業績を伸ばしますが、1980年ころから台湾で販売され始めた缶入りサラダ油により、伝統的な油の販売は大打撃を受け、楊の経営する鼎泰豐油行も毎日の食事に困るほど困窮してしまいます。この状況を打破するため、油店の半分を唐という老兵に貸し出し小籠包の販売を始めます。

この小籠包の売り上げがまことにすばらしく、商機を悟った楊はこの老兵に小籠包の作り方を学び、本格的に小籠包の店に模様替えすることになりました。その後、口コミが口コミを呼び店は連日大行列、1993年にNYタイムスで世界十大名店に選ばれてからは、世界じゅうから観光客が訪れるようになりました。その後台湾各地だけでなく、アジア、そしてニューヨークにも出店を続け、現在の形になりました。

鼎泰豐で一年で作られる『小籠包』の数はなんと"一億個"!台湾を訪れたことのある外国人の"8割"が台湾を代表する料理に小籠包を挙げるほどの人気店となりました。現在は二代目社長楊紀華氏により、小籠包発祥の地とも言われる上海への出店も果たし、世界最高の小籠包を目指して経営を続けています。…中国大陸部には他にも多くの分店を出店していたのですが、本店の基準に従わないメニューをいくつも販売しており、偽の鼎泰豐の出店が後を絶たなかったことから…2010年に一部を残してすべての分店を撤収してしまいました。

まぁ、あくまで観光客向けのお店であることは頭の片隅においておいてください(笑)。台湾には他にもたくさんのガイドブックに乗っていない『小籠包』の名店があります。こういった店を探すのも台湾旅行の楽しみですよ。

というわけで、鼎泰豊に負けない『小籠包』を自宅で作ってみましょう!家庭で毎日のおかずにするにはちょっと複雑すぎるレシピですが、休日に本気で料理を楽しみたい人は挑戦してみてください!


松花餅│松花粉クラッカー

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難易度:☆☆☆ 調理時間:30分以内
あけましておめでとうございます。本日はちょっと珍しいお菓子『松花餅│松花粉クラッカー』のレシピを紹介します。松の花粉と小麦粉で作る不思議な食感のクラッカーです。材料の入手が一番の難所となります(笑)。

さて、この料理で使う「松花粉」についてほとんどの方は見たことも聞いたこともないと思うので簡単に紹介しておきましょう。「松花粉」は松花、松黄ともいい、中国では古くから医療にも食用にも使われている「松の花粉」のことです。中国では伝統的に小麦粉で作る料理や餅などと一緒に食べられます。

中国では《本草綱目》にも記載されており、また2000年版の《中国薬典》にも収載されている歴とした医薬品でもあります。その性味は甘温、帰経は肝、脾経で、 燥湿、収斂止血。湿疹、黄水瘡、皮肤糜爛、膿水淋漓、外傷出血、オムツかぶれなどに外用します。栄養成分はDNA、タンパク質、アミノ酸、各種ビタミン、微量のホルモン様物質、必須ミネラルなどを含み、古代は不老延年の薬としても用いられました。近代に入って抗がん作用も見つかっており、様々な方面から研究が進められています。

日本ではほとんど出回らないので手に入れるのは非常に難しいですが、甘口男に一声かけていただければ手に入れて少量からでも送ります。健康食品として毎日摂取してもよいでしょう。うっすらと甘みがあり、焼くととても香ばしい香りがするのでお菓子の材料としても優秀です。

それでは、材料の入手がネックですが調理は簡単な『松花餅』のレシピです。ぜひ材料を入手して一度作ってみてください。

こちらが松花粉、顕微鏡で見るとクマちゃんの形(笑)をしています。

 
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