枸杞核桃仁雞丁│鶏肉の枸杞とクルミ炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
四季の薬膳第三弾は秋の『枸杞核桃仁雞丁│鶏肉の枸杞とクルミ炒め』です。

立秋から立冬までの秋は、中医学では陽気が収まり、陰気が増え始める季節。中秋を境に日は次第に長くなり夜の時間を如何に過ごすかということが大事になってきます。古典《黄帝内径》にはすでに“秋冬養陰”と記載されています。

春は肝、夏は心、秋は…肺気の高まる季節とされ、肺の陰気をどのように養うかが薬膳の基本となります。空気が乾燥してくると「肺」の粘膜が乾燥し、病毒に犯されやすくなったり、喉が渇いたりして肺が傷害されます。肺が傷つくと体内の水分代謝、特に肌に水分を送るための気が不足し、肌荒れの元になります。また体の中に溜まった熱気や火毒を空気中に発散させる働きも弱まります。秋の薬膳では肺陰気ををサポートし、喉や肌の乾燥を防ぐような生薬を使ってみましょう。

また同じく陰気をつかさどる腎の働きを冬に向って高めていくのも大切です。寒くなると古傷が痛む、冬になると足腰が弱るという方は、秋から対策を始めましょう。

秋の薬膳食材として外せないのは、なんと言っても梨!肺陰気を補う作用が非常に強く、古くは咳止めの薬としても使われました。また少々値は張りますが、滋陰の効果に優れたスッポン、コイなどの動物性の食材も使ってみましょう。 生薬なら麦門冬、党参、沙参などが料理には使いやすいです。

今回の薬膳でメインとなる枸杞には滋腎補肝、明目、潤肺の効能があり、まさに上記の秋の養生にピッタリです。クルミは生薬名を胡桃仁といい、補腎益精、温肺定喘、潤腸通便の効能があります。こちらも秋の食材としてはうってつけで、近代の研究により含まれる油が動脈硬化の予防や心血管保護、記憶の改善などに効果があることが分かっています。どちらも手に入れやすく食べやすいので、色々な料理に加えてみましょう。また鶏肉には補虚暖胃、補肝腎、強筋骨の効能があり、高い栄養価があります。加える卵白にも滋陰の効能があるといわれ、乾燥を防ぐのに使われたりもします。薬味で加えるショウガ、ネギ、ニンニクは秋冬の寒さから体を守る効果も期待できます。 なかなか計算されつくした薬膳です。

緑豆燉藕│緑豆とレンコンのスープ

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難易度:☆☆ 調理時間:3時間
季節の薬膳第二弾は『緑豆燉藕│緑豆とレンコンのスープ』。真夏の胃腸障害、食欲不振にやさしく効きます。

中医学の「夏(立夏から立春まで)」は、一年で最も陽気が盛んになる季節。人体の新陳代謝も盛んになり、人は汗をかいて体温を調節し夏の暑さに適応しようとします。古くから夏の養生の原則は、汗のかきすぎによる水分の消耗を防ぎ陽気の調節をすることと、夏の暑邪から身を守ること。五臓で言うと心の陰気が不足しないよう補い心火が上昇しすぎないよう、また肺や胃に溜まった熱が引き起こす乾燥、食欲不振、活力不足などを調節するのが食事のキモになります。清熱解毒、益気養陰の作用を持つ食物や薬物を上手に活用しましょう。

夏の養生に使える食材は、例えば緑豆、スイカ、トマト、ゴーヤ、キュウリ、イチゴ、ナスなどがあります。また冷たいものを取り過ぎないようにして胃と脾を傷つけないようにしましょう。

今回紹介する『緑豆燉藕│緑豆とレンコンのスープ』は清熱解毒、消暑止渇の作用のある緑豆と、調肝心、益胃止渇作用のある蓮根、さらに清熱消痰、燥湿止痒、止瀉の作用のあるミョウバンを少々加え、夏の暑さで機能の低下した胃腸機能を整えます。胡椒と生姜も使うので、胃を更に温める作用も期待できます。

「汗をかきすぎて喉が渇き、どうしても冷たいものを飲んでしまう」というような方におすすめの薬膳料理です。

何首烏肝片│ブタレバ何首烏炒め

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難易度:☆☆☆(材料入手による) 調理時間:1時間以内
季節の薬膳料理を4回に分けてお届けします。第一弾は春の薬膳『何首烏肝片│ブタレバ何首烏炒め』のレシピです。ちょっと本格的に薬膳してみます。

中医学でいう「春(立春から立夏まで)」は、自然が陽気を発生させ、人体の気を向上させて外に向って発散させる季節。したがって春に取るべき食物は、この働きを助けるような働きをもつものという風に考えられます。古典《黄帝内経》では「春夏養陽」という風にも記載されています。例えばネギ、 ニンニク、ニラ、ヨモギなどの温陽の性質を持つ野菜をたっぷり使って、体の陽気を高める料理を作るといいでしょう。

また中医学の理論では春は肝気が旺盛になる季節とされ、このコントロールも重要になります。肝気が旺盛になりすぎると、脾の効能を傷害し、胃の消化機能が低下します。古典《備急千金要方》には、「省酸益甘、以養脾気」と春の養生法が書かれています。春は酸っぱい味付けを避け、甘みを増した味付けを心がけるとよいでしょう。

今回の料理は、肝気が傷害され精血の不足が起きている人向けの料理です。冬には肌が白くなりますが、春になってもそれが回復せず、顔色が悪いまま。また貧血気味だったり、視力減退が起きたり、髪が白くなったりといわゆる「肝腎の気が足りない」方にピッタリの料理です。

この『何首烏肝片』は(制)何首烏で肝気を増して精血を補益し、猪肝で血を補います。また何首烏の性味は甘、微温なので、春の食材としてもピッタリですね。

中医として、何首烏はニンニク、ネギ、ダイコン、キュウリなどと一緒に調理してはいけないとされています(例:元代《飲食須知》)。何首烏の注意というより、ニンニクやネギを他の補薬と一緒に調理してはいけないという注意なのですが、一応覚えておきましょう。また何首烏はタンニンを多く含むため、鉄鍋では調理できません。

日本で売られている何首烏はほぼ「生何首烏(こちらは下剤としての用途が主)」なので、制何首烏の入手はなかなか難しいのですが、甘口男では少量から販売しています。興味がある方はメールでご連絡ください。

香菇炒粄條│シイタケとライスヌードル炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから、『香菇炒粄條│シイタケとライスヌードル炒め』のレシピを紹介します。ブログでは今まで「きし麵」で代用してた「粄條」を一から作ってみましょう。

 今まで紹介した『銀芽炒粄條│モヤシ焼ききし麺』、『客家粄條│客家きしめん』、『開陽炒粄條│干しエビ風味焼ききし麵』などの料理は本来は「粄條」という米で作った麺を使って作ります。

「粄條」は漢字の通り「米で作った平たい麺(反)」 のことで、台湾では特に客家料理で頻繁に用いられる食材です。クニクニした独特の食感がありおなかが膨れるので、焼きそばにしたりスープの具にしたりして使われます。

台湾の「粄條」にはいくつかバリエーションがあります。多くはきし麵のような幅広麺ですが、高雄の六推地区(南部の客家文化を色濃く残す場所)では、正方形の「面帕粄」のものもあります。面帕とは客家語でハンカチの意味です。本来は型に流し込んだ後に蒸して作るのですが、今回はフライパンを使って作っています。鍋で直接加熱しているので「鼎邊趖」とも言えますが、その辺はまた別の機会に…(笑)。

「粄條」を作るときに使う米粉の配合は、実は様々な台湾料理に応用が可能です。先ほど名前が出ましたが基隆の廟口夜市で有名な「鼎邊趖」、台南の軽食「碗粿│台湾茶碗蒸し(ワーックイ)」、そしてベトナムの「フォー│phở」は、ほとんど同じ材料で作れます。

覚えておくと意外と応用の利く料理ですので、ぜひ身につけておきましょう。

皮蛋蔥花豆腐│ピータンと豆腐のサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
久しぶりの「中餐丙級證照」シリーズから『皮蛋蔥花豆腐』のレシピを紹介します。ピータンと豆腐をあわせた台湾家庭料理で、非常に簡単に作れます。

ピータンは漢字で「皮蛋」と書き、アヒルの卵を強アルカリで処理したもの。 上等のものは黒褐色透明の白身とヒスイ色の黄身が、宝石のように輝きます。明の時代には「混沌子」と呼ばれていたそうです。方以智と言う人が明朝以前の物理化学をまとめた《物理小識》という書物があるのですが、これに“池州出變蛋、以五種樹灰鹽之、大約以蕎麦穀灰則黃白雑揉、加炉炭石灰、則緑而堅。”と外観と製法が記載されています。当時の人にとっても不思議な現象だったようです。

《益陽縣志》という書物によりますと、ピータンが始めて歴史に登場するのは明朝初期、中国湖南省益陽県において偶然見つかったものだと言います。当時ある一家が飼育するアヒルの卵を石灰の中に埋めたまま忘れてしまい、2ヵ月後に取り出して殻を割ってみると卵白も卵黄も凝固していました。これを食べてみたところ今までにない食感だったので、当地で非常に流行ししました。

ピータンが初めて西洋に紹介されたとき、あまりにも長期間熟成させた卵であると考えられ英語で“century egg:百年卵”または“thousand-year egg:千年卵”などと名付けられました。西洋に輸出され始めた当初は「1000年生きた亀の卵」という風に紹介されていたこともあるそうです。


材料さえ揃えば家庭でも作れるのですが、普通は買った方が早いですね。今回紹介する料理はピータンさえあれば一瞬で作れます。おいしいのでぜひ挑戦してみて下さい。



胡辣湯│河南風胡椒スープ

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難易度:☆☆☆ 調理時間:1時間以内
河南省の伝統料理『胡辣湯│河南風胡椒スープ』のレシピを紹介します。台湾各地で食べられる「羹」の原型になった料理といわれる絶品料理です。

この『胡辣湯』の属する料理体系である河南料理は「豫菜」とも呼ばれ、四大、八大、またはそれ以上に分類される料理の母体料理と言われています。「中華厨祖」とも呼ばれ、す中原のあらゆる料理の基礎になった料理体系とされているのです。

河南地域はまさに中原の中心にあり、中華料理の伝統的な特色のひとつである「中」と「和」の思想を体現しています。東西南北あらゆる料理の特徴を兼ね備えており、中華人民共和国成立後は国宴の席ではこの河南料理を中心として採用する決定が下されました。このことから各省の宴席では河南料理の形式を真似て料理が提供されるようにもなり、近代に入ってからも中華各地のあらゆる料理に影響を与え続けているのです。

河南地域では麺と米の両方を主食とし、漢、宋、唐の時代には宮廷料理も残されています。また周や商の時代の料理の特徴も残しているとされます。恐ろしく歴史の古い料理体系で中華料理の母体系と呼ばれるのも納得です。

さて、この『胡辣湯』は唐の時代に中国に胡椒が伝来してから割りと早い時期に開発された料理(薬物?)が元になっているとされます。 時代は下がって北宋の時代、開封に都が定められた時期から、中国医学では胡椒やトウガラシなど海外からもたらされた体を温める作用のある薬物が健康に効果があることが分かり、当時の医学の進歩と相まって非常に流行しました。漢方薬の勉強をしたことのある人ならおなじみ《太平恵民和剤局方》という書物には、胡椒やトウガラシを使った体を温める作用のある処方がたくさん記載されています。体の冷えや胃腸の働きの低下が病気を引き起こすことは、この時代から知られていたのですね。ちなみに今から1000年ほど前の話です。

《太平恵民和剤局方》には今で言う漢方薬なのか薬膳料理なのか分類が難しい、おいしそうな処方がいくつも記載されています。例えば今でいう『酸辣湯』のような胡椒と酢を使った処方もあり、胸焼けなどを治すとされています。興味のある人は調べてみましょう。体を温めて病気を治すという概念は一般庶民にも広く知られ、多くの新しい料理が生まれることになりました。

 時代は下って明の時代末期、ある官吏が皇帝の歓心を買うため高僧に命じて「延命の薬」を作らせます。この薬を皇帝に献上したところ非常に喜ばれ、薬は「御湯」という名前を賜ることになりました。明朝滅亡後、地方に逃げ延びた宮廷の料理人がこの「御湯」を民衆に広め、その材料から『胡辣湯』と呼ばれるようになります。今では各地域で独自の発展を遂げた『胡辣湯』もあるようですが、味付けは基本的に同じです。

『胡辣湯』の特徴は「聞:鼻をくすぐるスープの香り、看:スープに沈んだ具と表面の酢とごま油のコントラスト、 吃:スープと具の味、品:食べ終わったあと10分以上続く胡椒の辛味」の四つとされます。レシピでは麺を使っていますが、ナンや揚げパンのようなものをつけて食べることもあります。

皇帝が絶賛したという『胡辣湯│河南風胡椒スープ』をぜひ味わってみましょう。台湾ではたぶん食べられません…。手間は掛かりますが特殊な材料は使わないので、作った方が早いです。



干貝豆腐蓉湯│貝柱と豆腐蓉の中華スープ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日も続く高級レストランのレシピ再現シリーズ、『干貝豆腐蓉湯│貝柱と豆腐蓉の中華スープ』の紹介です。

長いく続く中華料理の歴史では、各地で独特の食材や調理方法が開発され、また消えていきました。中華の統一という夢を描いた古代中国の英雄たちと同じように、自分の料理を中華に広めるという野望を描いた料理人たちも数多くいたのです。

現代ほど情報網が発達していない時代には中華料理の長点は皇帝に認められるかどうかでした。王朝の統一を受けた各地域ではこぞって新しい技法、新しい材料、新しい味を追求し、各地の官吏を招き、接待を繰り広げました。そうして各時代の有力者に認められ記録に残されているものが、現代に続く中華料理です。

各地で名菜とされる料理は数多くありますが、「湯:スープ」はあらゆる場所、時代で特に重要視されました。中華料理のスープの技法はまさに多種多様、千差万別、日常的に庶民が口にするものから、医薬品としてまであらゆる研究がなされました。例えば四川料理ではスープは「川戯離不了幇腔、川菜少不了好湯」などと表現され、料理においしいスープはなくてはならないものと表現されます。また台湾料理の元になった福建料理は「一湯十変」、「百味百湯」など中華料理でも特に多種多様なスープがあることでも有名です。

日本の味噌汁や澄まし汁もなかなか捨てたものではないですが、種類や調理方法の多様さでは中華料理に及びません。いろんな中華スープ料理を身につけて食卓をより豊かに彩ってみてください。

豆腐玉米湯│豆腐とトウモロコシのスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
家庭料理として抜群の人気を誇る『豆腐玉米湯│豆腐とトウモロコシのスープ』のレシピを紹介します。台湾で人気の軽食『玉米濃湯』にさいの目に切った豆腐を入れたもので、ほぼ一瞬で作れます。

日本で豆腐といえば真っ白で弾力のあるいつもの豆腐を想像してしまいますが、台湾、中国、韓国(두부:ドゥブ)、ベトナム(Đậu phụ:ドゥフォー)、タイ(เต้าหู้:タォフー)、インドネシア(Tauhu:タウフー )などアジア各国にはそれぞれ独自の「豆腐」が存在し、どれも日本の豆腐とは一味も二味もちがう食材として現地で様々に調理されて食べられています。大豆の種類や処理の仕方、凝固剤の種類によっていろんな食感の豆腐が出来上がります。台湾のものは主に石灰で固めた、きめが細かく柔らかいものが主流です。

日本には遣唐使によって中国から豆腐(の原型)が導入され、仏僧たちの料理として寺院で食べられていました。中国で豆腐の製法が本格的に定着したのは唐代末期らしいので、結構リアルタイムで日本に伝わったことになります。当時の世界最先端の料理だったのでしょう。最初期は中国から伝わったため「唐符」などとも表記されていたようです。


豆腐の腐の字は「腐る」の意味ではなく、もともとの漢字の字義そのまま、「建物(广)の中で、肉を熟成(付)させる」、または「肉を建物に集める(府)」の意味、もともと「腐る」の意味ではなく「集める」のような意味だったようです。これに豆をくっつけることで「豆を集めたもの」→「豆腐」という漢字が出来ました。もっと早くに豆腐が開発されていたら、「腐」の肉の部分が豆に置き換わった豆腐を一文字で表す漢字が生まれていたかもしれませんね。

手軽な上栄養たっぷりでしかもおいしい、『豆腐玉米湯』をぜひお楽しみください。


雞蓉蒓菜羹│ジュンサイと鶏肉のとろみスープ

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
台北市内にある某有名ホテルレストランのメニューから、『雞蓉蒓菜羹│ジュンサイと鶏肉のとろみスープ』のレシピを紹介します。材料をそろえにくいかと思いますが、簡単に作れる上とてもおいしいです。

「蒓菜」は「蓴菜」とも書き、日本でもおなじみの野菜ジュンサイを指します。なかなか難しい漢字のため、日本では「純菜」や「順才」などと当て字をされますが、こちらが正しい表記です。学名をBrasenia schreberi といいスイレン科の植物です。

もともと北海道から沖縄まで、日本全国に自生する植物だったのですが、水質汚染や環境の悪化により一部の県では絶滅、また絶滅危惧種に指定されていたりもします。家の近くで見かけても、まずは自分の県でジュンサイがどの分類で規制されているのか確認してから採取しましょう。


ジュンサイは未成熟の若芽が寒天に包まれるという不思議な植物で、この部分を食用にします。なかなかおいしい食材なのですが、食用にするのは世界広しといえど日本と中国くらい。しかも中国では環境の悪化で急激に姿を消しており、今では一部の地域でしか採取できない高級食材となっています。一部は日本にも輸出されているようです。《詩経》や《楚辞》などにも登場する由緒正しい歴史ある野菜なんですけどね…。

今回紹介する料理は杭州料理である『西湖蓴菜湯』または『雞火蒓菜湯』などと呼ばれる料理を台湾のホテル料理人がアレンジしたもの。元となった料理は乾隆帝が杭州を訪れたときに絶賛したとも言われています。

ジュンサイは古くは《本草綱目》に“清渇、熱脾、下気止嘔、沼熱疽、厚腸胃、解百毒、延年益智”と薬効が記載されており、清熱解毒の効能を持つ中薬材でもあります。近年の研究で黄疸や肥満症に効果があり、また抗がん作用も持つことが明らかになりました。かなりの健康食材です。

台湾の高級ホテルで食べるよりも日本で自分で作ってしまった方が手っ取り早いかもしれません。ジュンサイ自体より、金華ハムの方が手に入れにくいかもしれませんが、適当にアレンジして作ってしまいましょう。おいしいですよ!


莧菜魚羹│ヒユとタラのあんかけスープ

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
日本では珍しい野菜を使った『筧菜魚羹│ヒユとタラのあんかけスープ』という料理のレシピを紹介します。

「莧菜」とは日本ではほぼ見かけませんが、台湾、中国では良く食べられる野菜です。葉っぱがかなりシャキシャキしています。初めて食べると表面にビニールをコーティングしているのかと勘違いするかもしれません(笑)。このせいで日本では受けないんでしょうか?

「莧菜」は学名を Amaranthus mangostanus といい花屋さんでおなじみの「アマランサス」の仲間です。和名はありませんが、レシピでは近縁で日本でも時々食用にされる「ヒユ」を使っています。この植物の属するヒユ科植物はケイトウ、ノゲイトウ、アマランサスなど観賞用植物としておなじみのものも多数含まれます。花からは鮮やかな染料、いわゆるアマランサス色が採れ、種子は食用に出来るため古代には重要な商品作物として流通したこともありました。日本以外の地域では今でも割りと食用にされています。

「莧菜」は中国でも非常に書き間違いの多い漢字で、たびたび「筧菜」と間違えて表記されます。2014年5月22日現在、中国最大手の検索エンジン「百度」の百科事典にすら「筧菜」の表記で「莧菜」の解説が載っているくらいです。「莧」と「筧」の字は中国語でそれぞれXian4、Jian3と発音が違い、意味も違うのですが、パソコン上ではパッと見で区別が難しいので困ったものです。図鑑に間違って記載でもされたら、後世に誤った表記が定着してしまう可能性もあります。すでにオンラインの百科事典では間違えられてますが…(笑)。

莧(ひゆ)と筧(かけい)はまったく別物…。中国語でも漢字の意味は同じなので、それぞれの現物と漢字の意味を知っていればまず間違うことはないと思うのですが…。手書き入力の弊害でしょうかね?。

ちなみに日本語のGoogleと台湾のYahoo奇摩では間違った表記の「筧菜」の方が圧倒的に多くヒットし、正しい「莧菜」の表記はまさにスズメの涙…。中国の百度では正しい表記の方が多くヒットします。

 莧菜 筧菜
日本Google   358,000 1,840,000
中国百度 9,490,000 690,000
台湾Yahoo奇摩 53,500  107,000

日常的に使う漢字ではないですが、これを期に正しい表記を覚えて起きましょう。あらためて書きますが、筧と莧は別物。竹で水を通すのが筧、植物が莧ですのでお間違えなく!

コラムを書こうと思った最初は「莧菜」(実は薬用植物)の薬効やヒユ科の有名な生薬「牛膝」について解説しようと思ったのですが、書き間違いの調査がメインになってしまいました(笑)。莧菜については色々な料理があるので、機会があればまた書いてみたいと思います。それではレシピ行って見ましょう!

豆腐餃│豆腐餃子

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
慣れると簡単なのですが、ちょっとした包丁の技が必要な『豆腐餃│豆腐餃子』という料理を紹介します。その名の通り豆腐を薄切りにして餃子の皮にするという料理で、包丁技術を高めるためにもぜひ挑戦していただきたいと思います。まぁ、いうほど難しい料理ではありません。

あるレシピ本には北京料理、またあるレシピ本では杭州料理、またまたあるレシピ本は客家料理のカテゴリーに紹介されており、どこが本家なのかよく分からない料理でもあります(笑)。いろんな料理人がいろんな場所でひらめいたのでしょう。

さて日本で餃子といえばほぼ間違いなく焼き餃子ですが、餃子オリジナルの中国では蒸す、茹でる、焼く、揚げるなど、各地域によって調理法がずいぶん異なります。主流は茹でるか蒸すかで、日本式の焼き餃子を中国で食べるのは実は簡単なことではありません。台湾でも水餃子が主流ですが、焼き餃子好きには嬉しいことに台湾では「鍋貼」という焼き餃子が食べられます。台湾で焼き餃子を食べたい人は看板に「鍋貼」と書いてあるお店に入りましょう。

様々な調理法のある餃子はそれぞれの調理法ごとにルーツが異なり、例えば水餃子は華北の満州族の料理がオリジナルで、清の時代に全国に広まったもの。蒸したものは華南地方、今で言う広東省の料理が由来になっています。それぞれを更に遡ると小麦粉の伝来や製粉技術の発達にまで言及しなければなりません。これはこれでなかなか面白い話題なのですが、またの機会にしておきましょう。

日本では一口に餃子と言いますが、中国では時代や地方によって呼び方がぜんぜん違います。台湾で食べられる餃子類似料理の表記をざっと抜き出してみても、「餛飩」、「燒賣」、「扁食」、「抄手」、「鍋貼」など様々です。それぞれ元になっている料理の地方が違うのですが、皆さんはお分かりですか?さらに中華圏の他の地方に行くと、「煮角」、「饅頭」、「箍紮」、「子孫餑」など、もはや知らなければ何を表しているのやさっぱりの呼び方もあります。ちなみにインドネシア・マレー語では「扁食」に由来する Pangsit、ベトナム語では「餛飩」に由来する Vằn thắn、または hoành thánh、韓国語では「饅頭」に由来する 만두(マンドゥー) と呼びます。インドネシアでは揚げ餃子やスープ餃子、ベトナムではスープ餃子、韓国の中華料理店では揚げ餃子が主流です。

地域によっては日本の米のように主食として食べられる餃子、今回紹介するレシピは皮を豆腐で作っているため主食にはなりませんが、いつもの餃子とは違う美しい特別な料理が出来ます。ぜひ挑戦してみてください。


軟煎肝│福建風豚レバ炒め

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
本日は福建省の家庭料理『軟煎肝│福建風豚レバ炒め』のレシピを紹介します。水でゆでた後すぐに油で炒めるという危険な調理法で作る絶品料理。万全の準備と覚悟を決めて作りましょう(笑)。

この料理で使われる豚のレバーは中国語で「豬肝」と呼ばれます。ブタはイノシシを家畜化したもので、世界中で古くから食用にされてきた歴史があります。普通の人はほとんど知りませんが非常に高度な知能を持ち、イヌよりも賢いとか。鏡に映った自分の姿を認識できる数少ない動物のうちの一つで、研究によると三歳児と同程度の知能があるそうです。チンパンジーなど一部を除き、多くのサルよりも知能が高いとも言われます。

ちなみに世界中のブタの半数以上が中国で飼育されています。近年家畜の無痛化や生活環境向上の機運を受けて、特にヨーロッパやアメリカでは尾を切る、歯を抜くなどの古典的な飼育方法が禁止または制限されるなど変化しています。まぁ、世界の半分のブタは中国で飼育されているので、古典的な飼育方法は今後も継続されていくことでしょう。動物愛護の精神は大事ですが、飼育ブタに関しては世界的に大きなムーブメントになりにくいとおもいます。

特定の宗教では豚肉食はタブーとされますが、一説によると豚肉を生で食べると容易に食中毒を起こすためであるいわれています。食用時は必ず加熱してから食べましょう。


湯包魚生│湖南風白身魚のスープ茶漬け

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
湖南省の家庭料理『湯包魚生│湖南風白身魚のスープ茶漬け』のレシピを紹介します。食直前にスープで切り身に火を通すという珍しいスープ料理になります。

本来は「草魚(ソウギョ)」という中国の淡水で取れる川魚を使って作る料理です。ソウギョはコイ科の外来種で日本の淡水でも時々釣れることがあります。雄大な長江や黄河を泳ぐ巨大魚で水草を食べて成長します。中国では体長2mを超えるものも珍しくなく、唐代の終わりころからすでに養殖されていた食用魚でもあります。青魚(アオウオ)、鰱魚(ハクレン)、鳙魚(コクレン)と並んで「中国四大家魚」の一角に数えられ、天然養殖を問わず食用に供されます。

日本にも外来種として移入されており、利根川水系では容易に釣れるそうです。主食が草だけあって、草を餌にしてもつれる上、大型で力も強くスポーツフィッシングの対象となることもあります。日本ではキャッチアンドリリースが基本だそうですが、水草を食べる害魚といわれるので釣り上げたら遠慮なく食べてしまいましょう(笑)。肉質は柔らかく、きめが細かいので、臭みを抜いてきちんと味付けすればそこらの海魚よりもおいしく食べられます。

おなじみ《本草綱目》にも「鯇魚」の名前で記載があるので、抜き出して見ましょう。

鯇魚
(音患。《拾遺》)
【釋名】魚(音緩)。草魚。
時珍曰︰鯇又音混,郭璞作 。其性舒緩,故曰鯇,曰閩畜魚者,以草飼之焉。
【集解】藏器曰︰鯇生江湖中,似鯉。
時珍曰︰郭璞云︰今 子,似鱒而大,是矣。其形長身圓,肉濃而松,狀類青魚。有青鯇、白鯇二色。白者味勝,商人多 之。


【氣味】甘,溫,無毒。
時珍曰︰李鵬飛云︰能發諸瘡。
【主治】暖胃和中(時珍)。

膽(臘月收取陰乾)。
【氣味】苦,寒,無毒。
【主治】喉痺飛尸,暖水和攪服(藏器)。一切骨鯁、竹木刺在喉中,以酒化二枚,溫呷取吐(時珍)。

というわけで、古くから肉は食用に、肝は喉の痺れに薬として使っていたようです。

ソウギョの肉がスーパーで売られていることはないので、レシピでは普通の白身魚で作っています。関東一円では大体どこでも釣れるそうですので、釣り上げたら料理にも挑戦してみましょう。普通の人は白身魚の刺身を使って作ると簡単です。

台湾の湖南料理のレストランでは人気メニューの一つとなっています。おいしいですよ!


豆腐蒸魚│タイの切り身乗せ豆腐蒸し

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
家庭で作ると喜ばれること請け合いの絶品料理『豆腐蒸魚│タイの切り身乗せ豆腐蒸し』のレシピを紹介します。豆腐の上に魚の切り身が乗っている料理を総称してこう呼ぶので、魚は特に鯛でなくてもかまいません。

筆者が始めてこの料理を食べたのは友人の結婚式の宴席での話し。あまりのおいしさに感動してしまい、しかもちょうど周囲に魚が苦手な人がいたため一人で二つも三つも食べてしまいました(笑)。今回のレシピはホテルの厨房で作るものとはすこし違いますが、家庭で作れるよう軽くアレンジしております。ぜひ再現しおいしさを共有していただきたいと思います。

本物のレシピは「樹子」と呼ばれるすこし酸味のある台湾特有の調味料や出汁を使ったりするので、レシピのものよりも旨みが濃くなります。家庭で作る場合はいろいろな調味料を加えて、アレンジしてみてください。一流と呼ばれる料理人が作ったこの料理は、本当にうっとりしてしまうほどのおいしさになります。


銀荷蓮藕炒豆芽│レンコンとモヤシと豚肉の炒め物

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難易度:☆☆☆ 調理時間:30分以内
たまには本格薬膳料理も紹介してみたい!ということで本日は台湾料理の合間に『銀荷蓮藕炒豆芽│レンコンとモヤシと豚肉の炒め物』という夏場の薬膳料理を紹介します。

金銀花と荷葉という日本の家庭では普通置いていない材料を使うので、完全に再現する必要はありません。手に入る材料だけで作ってみましょう。モヤシと蓮根と豚肉だけで、充分おいしい料理になります。

使っている薬物…というか、全ての材料の効能を簡単に書き出して見ました。漢字を拾いながら読んで見てください。結構面白い材料の組み合わせです。

豚肉
 中文:猪肉
 性味:甘、咸、微寒、無毒。
 帰経:入脾、腎経。
 効能:滋養臟腑、滑潤肌膚、補中益氣。

レンコン
 中文:蓮藕
 性味:甘、寒。
 帰経:入心、脾、胃経。
 効能:清熱潤肺、涼血行瘀。熟用、健脾開胃、止瀉固精。

モヤシ(緑豆モヤシ)
 中文:綠豆芽菜
 性味:甘、寒。
 帰経:入心、胃経。
 効能:清熱解毒、解酒毒、利小便、利三焦



金銀花

 中文:金銀花
 性味:甘、寒。
 帰経:入胃、肺経。
 効能:清熱解毒。主溫病發熱、熱毒血痢、癰腫疔瘡、喉痹、多種感染性疾病。

蓮の葉
 中文:荷葉
 性味:苦、平。
 帰経:入胃、脾、肝経。
 効能:升發清陽、散瘀止血。主暑濕煩渴、頭痛眩暈、脾虛腹脹、大便泄瀉、葉血下血、產後惡露不凈。

となります。全体的に清熱、解毒の効用が目立ちます。体の中に熱が溜まっていたり、毒気が抜けない人はぜひ試してみてください。またほとんどの材料が胃経に入るので、食欲増進の作用も期待できます。

さわやかな蓮の葉の香りとモヤシのシャキシャキ感、そして蓮根の風味が真夏の暑気あたりを吹き飛ばしてくれるさわやかな料理です。香辛料たっぷりのカレーで汗腺を開いて汗をかくのもいいですが、涼やかに胃の活動を高めるこういった薬膳料理があることもお忘れなく。もちろん体質に合わせて食べるのが本来の薬膳ですので、夏でも冷え性に悩んでいたり、冷房病のある人は食べるのをやめておきましょう。平気で冷泉に浸かれるような人は食べても大丈夫です!

雞爪凍│鶏爪凍

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
台中の名産『雞爪凍│鶏爪凍』のレシピを紹介します。全国で食べられますが、なぜか台中の『雞爪凍│鶏爪凍』がおいしくて有名です。家庭で手軽に再現できるレシピを紹介します。

鶏の爪の部分を日本では「モミジ」、台湾では「鶏爪(または鳳凰爪)」と呼びます。台北でも高雄でも大体ほとんどの「滷味」の店でメニューにあるのですが、なぜか台中、それも「東海蓮心氷・鶏爪凍」という店のものがとても有名で、『鶏爪凍』といえば台中のように考えられています。

数年前、筆者も台中訪問時にこの『東海鶏爪凍』を初めて食べました。食べる前は「ただの珍味だろ?一回食べれば充分」とか考えていたのですが、一度食べ始めると止められない止まらない!つまんで口の中に放り込み、モグモグするだけで食べられるので、映画などを見るときのおやつに最適なのですが、映画一本見終わるまでに5箱(1箱7本入り)を食べてしまい、さらに夜中に我慢できず2-3箱をこっそり食べてしまいました。かなり中毒性が高い料理です。台中を訪れたら、ぜひ10箱単位で購入されることをお勧めします。最近値上がりして1箱確か35元です。

さて、鶏の各部位を呼ぶとき中国では「鶏」を「鳳凰」と呼びかえる習慣があります。様々な高級鶏肉料理の名前には鳳凰の字がついていることが多いのでメニューに注意してみましょう。この料理も(高級料理ではないのですが)台湾以外の地域では『鳳凰爪』などと呼ばれることがあります。

また「鳳凰皮」という生薬があるのですが、これは鶏卵の薄皮を乾燥させたもの。粉にして傷口に外用したり、内服して痰きりに使ったりします。

鳳凰のオリジナルになった動物は鶏か、孔雀か、はたまた雉なのか、中国のインターネットサイトでもたびたび議論の俎上に上がります。不老不死の鳳凰の力をこの料理を通して体内に取り込みましょう。コラーゲンがたっぷりなので、美容によいのは間違いなさそうです。


麻辣臭豆腐│臭豆腐鍋

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難易度:☆☆☆ 調理時間:30分以内
本日は台湾を代表する臭い料理『麻辣臭豆腐│臭豆腐鍋』のレシピを紹介します。臭豆腐さえあれば作るのは簡単なのですが、臭豆腐は輸入雑貨店にでも行かなければ手に入れるのが難しいため難易度が高くなっています。スープだけでも再現してみましょう。

臭豆腐』を自作する方法もブログで紹介していますので、完全再現に挑戦する方は参考にしてください。

臭豆腐』はもともと湖南省の地方料理でしたが、中国南部地域を中心に広い地域に類似の料理が伝播しています。豆腐を発酵させて食べる料理は中国だけでなくベトナムや沖縄にもあるため、必ずしも中国特有の食べ物ではありませんが、各国で独特の風味があります。

独特の風味と強烈な香りを放つため、台湾人でも好む人と苦手な人に分かれます。これは豆腐を発酵させて食べる料理のある各国でも同様で、古い歴史を持つ湖南省のものもたびたび文献などで“苦手な人には毒、好きな人には飴”などと表現され、好みが分かれる珍味として紹介されています。

日本人には「外国人が納豆に挑戦する」ときの気持ちは、なかなか理解しがたいものがありますが、この感覚を手軽に体験できるのが台湾の臭豆腐です。旅行に訪れたらまず臭いを味わい、そこから一歩踏み出して口にしてほしい台湾の珍味です。慣れると癖になりますよ。


麻糬│台湾風餅

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は台湾に根付く日本料理『麻糬│台湾風餅』のレシピを紹介します。レシピというほどのこともない簡単料理なのですが、一度は紹介しておくべきだと思いました(笑)。

もち米を使った料理は東アジア各国各地域に幅広く分布しています。台湾では漢人が伝えた『』や『油飯』が一般的なもち米料理でしたが、日本統治時代に『餅』が伝わり、大いに流行しました。現在でも『麻糬』と書いて台湾語でモァチーのように発音し、そのまま日本の餅を表す外来語となっています。

台湾の東部地域ではお土産として様々に味付けされた『麻糬』が人気ですし、台北でも市内や夜市の各所でレシピで紹介するような『麻糬』を食べられます。日本ではあまり使わない文字ですが、看板に大きく書かれていることが多いので、見かけたらぜひ立ち寄って日本の餅と食べ比べてみて下さい。結構おいしいです。


浮水肉羹│豚肉のとろみスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台南発祥の伝統台湾料理『浮水肉羹│豚肉のとろみスープ』のレシピを紹介します。台湾全土の夜市で格安で食べられるファストフードの一つです。「羹」の字は「焿」と書かれることもあります。

以前にも当ブログではいくつかの羹料理を紹介してきました。『浮水肉羹』は台湾の伝統料理で、「肉羹」がスープに浮いていることから名付けられています。通常の豚肉と魚肉で作る「肉羹」と違い、澱粉で衣を作りスープに浮くようにしているのが特徴です。サツマイモ澱粉と片栗粉の衣をつける手法に独特の技があります。作るのはとても簡単です。

豚肉で作ったもの以外にも、羊肉、サバヒー、エビ、イカ、サワラなどで作った羹があり、特にこのレシピと同じ「浮水」の手法で作ったサバヒー羹は台南の名物料理となっています。機会があれば食べてみましょう。

各地方で独特の味付けやアレンジがなされた『肉羹』があり、例えば雲林県北港、台中市大雅、宜蘭県三星と羅東、基隆廟口のものが有名です。同じ名前の料理でも県や市が異なれば、作り方や味付けが異なる料理です。台湾各地でいろんな「肉羹」を食べ比べてみましょう。


豆簽羹│基隆カキうどん

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の伝統料理『豆簽羹│台南カキうどん』のレシピを紹介します。台湾では誰もが知っている有名な軽食で、特に基隆廟口夜市のものと台南塩水港のものが有名です。観光客でこの料理の名前を知っている人がいれば、台湾上級者を名乗ってもいいかもしれません(笑)。

もともと福建省から台湾に伝わった料理で、1945年頃に現在の台南塩水港牛墟という市場の前で陳水傳という人が店を開いたのが始まりと言います。物資不足の時代、小麦粉がない状況でも麺を食べたい!と考案した料理が元になっているそうです。というわけで最初期の『豆簽羹』には小麦粉の麺ではなく、糸状に切ったヘチマを麺の代わりに使っていました。

その後様々な改良を加えられ、現在の台湾二大『豆簽羹』、即ち『基隆豆簽羹』と『鹽水豆簽羹』になったのです。基隆も塩水も有名な漁港があり、基隆ではエビとイカ、塩水港では虱目魚(サバヒー)を具にして食べるという特徴があります。また『鹽水豆簽羹』は初期の『豆簽羹』の名残で、塩漬けにしたヘチマを乗せて食べることがあります。どちらも現在は米豆(黒眼豆、ササゲ)と小麦粉を主原料にした特殊な麺「豆簽」 を使って作り、料理名もこの麺が由来となっています。豆を使っているので長時間煮込んでも延びにくく、滑りやすい独特の食感が特徴です。日本では手に入らないのでレシピではうどんで代用しています。各人で好みの麺類を使って作るといいでしょう。

今回レシピで紹介するのは基隆廟口夜市の有名店のレシピを真似たものです。ちょっと変わったうどんが食べたいときは再現してみてください。


卜肉│台湾式肉てんぷら

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾北東部の都市宜蘭の名物『卜肉│台湾式肉てんぷら』のレシピを紹介します。発明された土地の名前をつけて『宜蘭卜肉』や『蘭陽卜肉』などと呼ばれることもあります。

宜蘭地区は台北と太魯閣などの観光地で有名な花蓮との中間に位置し、世界的にも珍しい炭酸水の湧き出る冷泉や、日本統治時代に作られた温泉街などがある観光地です。台北から車で1時間ほどでいける為、レジャー目的で訪れる人たちでいつも賑わっています。日本統治時代には飛行場があり、特攻隊が編成されていたこともあります。『卜肉』は日本統治時代に日本人向けに経営されていた居酒屋で作っていたてんぷらを元に、現地の人たちが工夫して作り上げた料理といわれています。

もともと宜蘭平地は台湾原住民の噶瑪蘭族(Kebalan)と呼ばれる部族が支配していました。この原住民の名前は現在台湾で作られているウイスキーの名前になっているので、お酒好きの方は聞いたことががあるかもしれません。

『卜肉』の「卜」は宜蘭地域の台湾語で「炸(揚げる)」を意味し、「炸肉(揚げた豚肉)」というそのままの意味の料理です。



土魠魚羹│サワラの中華あんかけスープ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
ちょっと珍しい台湾のご当地料理『土魠魚羹│サワラの中華あんかけスープ』のレシピです。サクサクのテンプラにしたサワラをトロミのある中華スープで食べる屋台料理です。

料理名にある「土魠魚」は、台湾では「𩵚魠魚」、「土托魚」などとも表記され、市場では良く見られる魚の一つです。「鰆」や「鰆仔魚」とも表記されることがあり、この場合は漢字さえ知っていればサワラの仲間であることがすぐに分かります。中国語では上に示した名称は全て俗称扱いで、正確には「馬鮫魚」と呼ばれます。ちなみに台湾語ではただの「トートェー(土托)」と呼ばれます(発音が難しいです…)。

古代中国では宮廷料理にも使われた高級食材で、非常に珍重されたことから「提督魚」と呼ばれるようになり、発音が訛って「土魠魚」と呼ばれるようになったそうです。英語でも Kingfish の別名があります。

台湾で一般的に市場に出回る「土魠魚」は学名を Scomberomorus commerson といい、日本のいわゆるサワラ S. niphonius とは種類が違います。まぁ、サワラの仲間はどれもおいしいので、あまり気にする必要はないでしょう。身は白っぽいくせに赤身に分類されるという珍しい魚でもあります。台湾近海では大体どこでも獲れるので、どこの地方でも市場で見かけることができます。日本では九州の漁港で獲れるサワラが有名ですね。

「土魠魚羹│サワラの中華あんかけスープ」は台湾を代表する軽食の一つと言われます。日本でも簡単に作れるのでぜひ挑戦してみてください。


蚵仔煎│台湾牡蠣オムレツ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
本格台湾料理シリーズ、今回は『蚵仔煎│台湾牡蠣オムレツ』です。本格と言っても『蚵仔煎』の本体はとても簡単に作れるので、レシピでは付け合せのソースを一から作ってみます。

完全に台湾発祥の料理なので中国語ではなく、台湾語で「オーアーチェン」と発音します。もともと広東省潮州の地域に伝わる類似の料理が、移民の手によって台湾にもたらされて改良されたと考えられています。中国南部、特に香港、マカオ、シンガポール、タイなどには潮州出身の華僑が多く住むため、当地では台湾の『蚵仔煎』とは少しずつ味付けや調理法が異なる料理が伝わっています。香港では『煎蠔餅』、シンガポールでは『蠔煎』などと呼ばれ、タイでは油で揚げた『หอยทอด:ホイ・トーッ(焼き物という意味)』という料理に変わります。当地を訪れる人は食べ比べてみるといいでしょう。筆者もいくつか食べたことがありますが、どれも台湾のものとは一味も二味も違う独特の料理になっておりおいしいですよ!

このように料理が伝播し変化していく過程を調べるのも楽しいですね。こうなるといつか発祥の地とされる潮州で『蚵仔煎』を食べてみたいものです!

鳳梨酥│パイナップルケーキ

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難易度:☆☆ 調理時間:3時間
本日はみんな大好き『鳳梨酥│パイナップルケーキ』のレシピです。今まで数度、同名のレシピを紹介してきましたが、やっと普通のお菓子感覚で作れるレシピができました。ぜひ挑戦してみてください。

パイナップルは学名を Ananas comosus といい、種小名の comosus とはラテン語で「葉が多い」の意味。Ananas の部分がパイナップルを表しているので、葉っぱの多いパイナップルの仲間という意味の学名です。確かに他の Ananas 属の植物はパイナップルに比べて葉っぱが細く少ないです。興味のある方は植物図鑑などで比べて見ましょう。

さて、台湾では一般的に「鳳梨」と呼ばれるパイナップルですが、もともと外来の植物のため表記にゆれが多く、台湾でも外省人の人々には「波羅」、「菠蘿」などと呼ばれることがあります。大陸部では「波羅」などの表記のほか、広東省では「露兜子」などとも呼ばれます。ちなみに中国語で最も古い表記はこの「露兜子」なのだそうです。そういわれれば確かに…兜みたいですね。

さて、パイナップル、つまり菠蘿の皮、根、葉は「菠蘿皮」、「菠蘿根葉」などの名前でごく希に薬として使われることがあるそうです。「菠蘿皮」には咳止め、下痢止め、解毒の効能があるということですが、これが使われた記録や論文を調べても見つかりませんでした。このブログでも紹介する生薬の調査ではいつもお世話になっている、かの《中薬大辞典》にすら載っていないので、普通はここでお手上げです…。

そしてついに…、中薬学で使われる生薬をほぼ網羅している言われる《中華本草(全34巻)》を取り出して調べることになりました。いやぁ、さすがに載っているものですね。第八冊23巻の296ページにちゃんとありました。それによると味は渋、甘。性は平。咳止めなどに9-15gを煎じて飲むということことですが、どこの民間療法なんでしょう。加熱しているのでパイナップルの蛋白分解酵素であるブロメラインの効果は期待できず、謎の多い生薬です。知っていてもあまり使う機会はなさそうです(笑)。

パイナップル由来の生薬の謎が解けたところで、おいしいパイナップルケーキに挑戦してみてください。パイナップル以外の果物を使っても作れます。


鹹水雞│塩水鶏

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本格台湾料理シリーズ、続きましては『鹹水雞│塩水鶏』のレシピです。一般的に普通の家庭で作る場合は茹でた鶏肉を塩水に浸けておくだけで作れる簡単料理です。別名を『塩水雞』とも呼びます。今回はレストランで出されるような高級感溢れる味付けにしてみます。

中国では地域により鶏肉よりアヒル肉や鴨肉が好まれ、土地によっては『鹹水鴨』や『鹹水鵝』などの料理があることも。また四川や湖南地方では辛く味付けした『麻辣鹹水雞』という料理もあります。もともと鶏肉を長期保存するために塩水に浸けたのが始まりという料理なので、中国でも北部よりも南部地域でよく食べられます。まぁ、これは南部の方が良質の塩が採れるというのも関係している気もします。台湾でも台北より高雄の『鹹水雞』が有名です。

いつから作られ始めた料理なのかははっきりしませんが、明朝の時期には各地で塩水に浸けた鶏やアヒル肉料理が作られていた記録が残っています。

ご家庭で再現される場合、出来るだけいい鶏肉といい塩を使って作られることをお勧めします。


炸雞排│台湾フライドチキン

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
5月に入ってから続く超本格台湾料理シリーズ、今回は『炸雞排│台湾フライドチキン』のレシピです。市内いたるところで揚げたてを食べられる台湾を代表するファストフードの一つです。

日本ではもともと明治の開国以降、福建や上海の中華料理から伝わった『から揚げ(唐揚げ)』を食する習慣がありました。中国の『炸雞排』はもともと 『北京ダック』などと同じように非常に手間をかけて作る宴席料理が元になっており、それを労働者向けにアレンジしたのがいわゆる日本の『唐揚げ』です。

こ れとは別に20世紀に入ってからアメリカの黒人ソウルフードが商業化され、1970年の大阪万博以降KFCが日本に出店してから広まったのが『フライドチキン』です。2000年代に入り、「フライドチキンといえばKFC」の一強時代を打破したのはなんど日本国内の大手コンビニチェーン店。国産の鶏肉を使ったから揚げをカウンター越しに売ることでほぼ独占状態にあったフライドチキンの一角を切り崩し多くの利益を上げます。黒人のソウルフードであった『フライドチキン』がアメリカの一般家庭に浸透するまでの過程は社会学で、そしてKFCが設立され日本に進出、コンビニチェーンがそれに対抗するまでの一連の流れは経営学の観点から非常に面白い分析題材になりそうです。もちろん日本における「から揚げ」と「フライドチキン」の勢力図や変遷などもすこし踏み込んで考察すると大学生のいいレポート材料になりそうですね。


さて台湾では何かと目の敵にされがちな揚げ物料理、特にこの料理は販売量が多いため、やれ油を使いまわしているだの、やれ病気の鶏肉を使っているだの、やれ学生たちの脳の発達に悪い影響があるだの、槍玉に上げられることが少なくありません。

健康が気になるなら、いい鶏肉、いい油を使って自分で作ってしまえばいいのです!今回のレシピは夜市やファストフード店で作られている『炸雞排│台湾フライドチキン』のレシピをほぼオリジナルのまま紹介してみます。日本でいい材料を使って作れば台湾のものよりおいしく作れると思いますので、ぜひとも挑戦してください。



炒米粉│台湾風焼きビーフン

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は肉燥から作る本格『炒米粉│台湾風焼きビーフン』のレシピを紹介します。台湾の軽食として有名な『炒米粉』を日本でも再現してみましょう。特別な材料は何も使いません。

「ビーフン」は数少ない台湾語由来の外来語の一つで、漢字表記は「米粉」です。普通話ではミーフェンのように発音しますが、台湾語ではビーフンのような発音になります。

中国の北部では小麦を主食としていますが、南部から東南アジアにかけての主食は米です。というわけでそれぞれの地域では主食にする麺料理の材料がことなり、中国語では小麦で作った「麺」と、米で作った「粉(こなの意味ではなく、ビーフンなどのライスヌードル)」を呼び分けます。漢字の偏がそれぞれ麦と米になっているのにも注目です。

近年台湾のビーフンは純粋な米粉だけで作られるものはほとんどなく、多くはトウモロコシ澱粉を加えて食感と調理のしやすさを改善しています。中国にはジャガイモでん粉だけで作った偽ビーフンも存在するので注意です。

中国南部から東南アジアにかけての米を主食とする地域では、それぞれ独自のビーフン料理があります。ベトナムの bún(粉)、タイの เส้นหมี่、マレーシアの bihun など、どこか中華料理と通じるものがありますが、どれも現地風にアレンジされており、何より廉価でとてもおいしい料理となっています。東南アジア旅行時にはそれぞれの国のビーフン料理を食べ比べてみると楽しいでしょう。

台湾では米の生産地で冬が寒冷な新竹地域のビーフンがブランドになっており有名です。故郷の味に飢えている台湾人留学生などに、お土産として持ち帰ってあげると喜ばれるかもしれません(笑)。


雞肉飯│鶏肉飯

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
本格『雞肉飯│鶏肉飯』のレシピを紹介します。今まで何度も紹介してきた『雞肉飯│鶏肉飯』ですが、漬け汁から本格的に作ってみます。前回や前々回の本格レシピよりも割りと簡単です。

広大な中華圏には『雞肉飯』と呼ばれる料理が数多くあり、それぞれ作り方がまったく違います。台湾の『雞肉飯』も有名ですが、シンガポールの『海南雞飯』や広東省の『北菇滑雞飯』なども非常に有名です。『海南雞飯』は以前ブログでもレシピを紹介しているので参考にしてください。英語で言うと Chicken Rice で、日本でいうチキンライスと同じ綴りになりますがまったく別の料理です。

『雞肉飯』は台湾中部の嘉義発祥の正真正銘の台湾料理で、もともとは白飯に乗せた鶏肉に『滷肉飯』のスープをかけただけの簡単料理でした。100年余りの歴史を経て調理方法は当時よりも洗練され、台湾では国賓をもてなす宴席のご飯料理として使われることもあるほどになりました。今ではお店ごとに鶏もも肉を使ったり、千切りにした鶏皮を添えたりと数々のアレンジが施されていることもありますが、基本精神はずっと受け継がれています。台湾にきたら必ず一杯は食べたい料理の一つです。台北市内いたるところにお店がありますので、旅行者で未経験の方はぜひ食べてみましょう。そして気に入ったら日本に帰って再現に挑戦です!


擔仔麵│本格擔仔麵

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難易度:☆☆☆ 調理時間:3時間
本日は『擔仔麵│本格擔仔麵』のレシピです。スープから作る超本格派のレシピですが、全て日本の材料で作れるので時間とチャレンジ精神のある方は挑戦してみましょう。美味いです!

『擔仔麵』の歴史は以前の記事で紹介しているので、今回は『擔仔麵』発祥の地、台南は水仙宮について解説しましょう。台南水仙宮は台北の龍山寺などよりもはるかに古い康熙二十三年(1684年)の建立。当地の商人たちが資金を持ち寄り水仙王という道教の神様を祭ったのが始まりです。最初は茅葺の屋根と質素な壁があっただけのみすぼらしい廟でしたが、康熙四十年(1701年)にレンガ造り、瓦葺の建物に建替えられます。その4年後、当時の台湾県の知県である王仕俊が自身の不動産収入を廟に投資し、徐々に発展を遂げます。康熙五十四年(1715年)には台湾水師卓爾壇が福建省出身の商人から資金を集め、広東省から工人を呼び寄せ廟を全面的に改築します。

その後の乾隆、嘉慶、道光、光緒年間にも度重なる改築重築を重ね、現在の立派な姿になります。『擔仔麵』が生まれたのは光緒年間で100年以上の歴史があります。

日本統治時代までは主に周辺の商人組合により管理されており、時期によっては商人たちの自治意識が高まり、廟周辺は公権力が及ばない王朝から独立した商業地域のような様相を呈したこともあります。そのため日本軍が進駐した当初は土地の抗日運動の中心地となったこともあります。統治が安定した大正時代には総督府により商人組合は解散され、台南商工会議所が置かれます。この台南商工会議所により日本統治時代は管理されることになり、周辺商人たちによる廟周辺の自治は良くも悪くも徐々に消え去ります。

大戦時に爆弾により大きく損壊した水仙宮は民國四十三年(1954年)にまず残存部分が修復され、民國七十四年(1985年)から三年をかけて全体像が修復されました。現存の建物はほとんどが新築された部分ですが、一部の柱や壁、扁額は清朝時代のものが使われています。ちなみに水仙宮が祀る神様は航海や水運の安全を祈願する神様で、当時非常に危険だった中台海峡を往来する船乗りや商人たちから信仰を集めました。

『擔仔麵』の店先に飾られることのある赤提灯は、もともと廟内に飾られている赤い提灯(燈籠)が由来になっています。この燈籠には書かれている文字により様々な意味を持つのですが、全て吉祥を祈願する人々の願いが込められいます。もちろん『擔仔麵』の赤提灯は明りとしての意味のほか、千客万来の意味も込められています。

台湾のお寺や廟をお参りするときは、提灯に書かれている文字にも注意してみると新しい発見があるかもしれませんよ。

四神湯│四神湯

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難易度:☆☆ 調理時間:3時間
筆者も大好きな台湾薬膳料理、本格『四神湯│四神湯』のレシピを紹介します。以前も紹介した同名料理よりかなり本格的な作り方です。濃厚なスープをぜひお楽しみください。

四神湯は20世紀に台湾で生まれた薬膳料理。もともとは「四臣湯」という名前で呼ばれていました。台湾語で「臣」と「神」の発音が似ており、いつの間にか訛って『四神湯』と呼ばれるようになったという説が有力です。

『四神湯』は20世紀に台湾で生まれた料理なのは間違いないのですが、その前身である「四臣湯」は16世紀の清朝で流行したある薬方が由来になっています。

清の乾隆帝が江南地域を遊覧中、側で使えていた四人の臣下が日夜の疲労がたたり次々と病に倒れました。御侍医が芡実、蓮子、淮山、茯苓を等量と豚モツを煮込んだ薬を処方し、四人の病はすぐに治ったと言います。乾隆帝はこの薬を「四臣湯」と名付けて大変喜びました。この処方が民間に伝わり、慢性疲労や消化不良の薬として使われていたのが始まりと言われます。


『四神湯』のオリジナルである「四臣湯」の薬剤は全て豊富な澱粉を含み、これにタンパク質豊富な豚モツや大豆などを加え栄養バランスを整えています。芡実には益腎固精、健脾止瀉、收澀の作用があり、夢遺、滑精、遺尿、尿頻、脾虛久瀉、滋養強壮、安眠、疲労防止などの効果があります。淮山(山薬)には補脾養胃、補肺固腎、血糖低下、抗老化などの薬理作用があります。茯苓は有名な利尿、健脾の薬。蓮子は高い栄養価があり、清心安神、補腎、補益脾胃などの作用があります。現在では「薏苡仁、芡実、淮山、蓮子」の四つで四神と思っている人が多いですが、もともとは薏苡仁の代わりに茯苓を使っていたのですね。

総合すると利湿、健脾胃、固腎補肺、養心安神などの作用があり、消化不良、体力低下、慢性疲労などに高い効果が期待できます。現代の『四神湯』にはこれに更に薏苡仁を加えて清熱利湿、健脾の作用を増強させています。台湾の湿気の高い気候にはピッタリの薬膳料理ですね。

本日紹介するレシピは豚骨からスープを取るかなり本格的なもの。生薬も活血行気の川芎と補血の当帰を加えて四物湯のような効果を追加しており貧血や血の流れが悪い人にもおすすめです。


鹹酥雞│台湾式から揚げ

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難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日から誰もが知っている本格台湾料理のレシピをしばらく続けてみたいと思います。第一弾は『鹹酥雞│台湾式から揚げ』、屋台でおなじみの台湾料理です。

以前も同名料理を紹介していますが、今回はより本格的、台湾の味をそのまま再現できるレシピを紹介します。

現在台湾は鶏肉の価格が絶賛上昇中、台湾ではその急激な値上がりがニュースにもなっています。鶏肉を扱う有名店では既に値上げが行われており、庶民のエネルギー源である『鹹酥雞』も原価上昇のあおりをもろに受けています。販売者も苦しいでしょうが、消費する庶民も平常心ではいられないほどの値上がりです。大陸から鶏肉の輸入も行われているはずなのにどうして鶏肉の価格がこうも上昇しているのでしょうか?

カラクリはこうです。実は昨年台湾で飼育する子豚が豚流行性下痢(PED)という病気で大量に病死し、今年の国産豚肉の流通量が減りました。これにより供給の減った豚肉の価格が上昇、しかしある程度上昇したところで人々は代替財として鶏肉を消費し始めました。台湾でも国産の豚鶏肉と中国から輸入された豚鶏肉はブランドの差があり、いくら安くても中国産の鶏肉を使わないというお店も多いのです。というわけで今度は国産鶏肉の価格が上昇。10%とも20%とも言われるほど価格は上昇しているのですが、それでも豚肉よりは安いため鶏肉の消費は続き価格の上昇も続いています。

この現象は今年の豚肉が正常に出荷され始める7月頃まで続く予想です。ちなみにこの豚流行性下痢(PED)という病気、今現在は九州沖縄地域で大流行しており、台湾経由で感染が広がった可能性も指摘されています。旅行で台湾の牧場を訪れた方はしっかりと泥を落としてから日本に戻るようにしていただきたいと思います。

というわけで材料費は上昇しているのですが7月頃には収束することが分かっているため、中小の鶏肉販売業者は販売価格を上げることが出来ず非常に困惑しているようです。豚肉と鶏肉の消費量と価格をグラフにすると経済学の授業で教材として使えそうな曲線が書けそうです。


 
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