観世音霊籤第十一首 - 第十五首

観世音霊籤百首

第十一首 上上

欲求好事喜非常
爭相姻親只暫忙
畢竟到頭成好事
貴人接引貴人鄉

意訳:
欲求好事喜非常
楽しいことを追及するのはとても喜ばしいことだ。

爭相姻親只暫忙
そのため近しい人たちはしばらく忙しくなるだろうが、

畢竟到頭成好事
時が来ればすべて丸く収まるはずだ。

貴人接引貴人鄉
目上の人の助けを借りてそれが成される。目上の人が集まる場所に行くのだ。

説明:
なんとも他力本願なあたり籤です。
好きなことをやってそれで近しい人に迷惑をかけるかもしれませんが、
最後には目上の人の協力で全てがうまくいくことを暗示しています。
他人の迷惑を顧みず、図太く行動できる肝の太さが試されているのかもしれません。
今の自分では手が届かないと思っていた場所に行き、手助けしてくれそうな人を探しましょう。

故事:
劉先主入贅東吳
書薦姜維


第十二首 上上

時臨否極泰當來
抖擻從君出暗埃
若欲卯寅佳信至
管教立志事和諧

意訳:
時臨否極泰當來
苦難の時を越え、まさに今この時。

抖擻從君出暗埃
暗闇から抜け出す時が来た。

若欲卯寅佳信至
虎と兎の時期なら尚の良し。

管教立志事和諧
志を立て今こそ目的を達成するときだ。

説明:
虎と兎の時期とは、虎年兔年、陰暦の一月二月、そして卯、寅の日を示します。
長く暗い苦難のときを抜け出し、まさに今事が成ろうとしていることを告げています。
目標を明確にし、今こそそれに向かって踏み出すときであるという力強いあたり籤です。

故事:
包胥九頓泣秦庭
武吉遇師


第十三首 上上

自小生身富貴家
眼前萬事總奢華
要君賜受金魚袋
四海傳名足可誇

意訳:
自小生身富貴家
小さい頃から運がよかった。

眼前萬事總奢華
目の前の全てがバラ色に輝いている。

要君賜受金魚袋
これから先の運も更にいいものになるだろう。

四海傳名足可誇
世界に名を轟かせ更なる発展を目指すのだ。

説明:
運の良さを称えるあたり籤です。
そしてこれからもその運の良さは持続するとも言っています。
物事は全て相対的です。
あなたが運が良かったと信じることさえできれば、
これから先ますますの発展があることでしょう。

故事:
信陵君存趙辭封
羅通拜帥



第十四首 大吉

宛如仙鶴出樊籠
脫却羈縻處處通
南北東西無障碍
任君直上九霄中

意訳:
宛如仙鶴出樊籠
仙鶴が籠から飛び出すように、

脫却羈縻處處通
これから先どこへ飛んでいくのも自由である。

南北東西無障碍
あなたの行く手をさえぎる物は何もない。

任君直上九霄中
雲を越えて更なる高みへ飛び立つのだ。

説明:
いまこそ籠を飛び出してあなたの望むことを好きなように成しましょう。
あなたを止めるもの、邪魔するものは何もありません。
どこへ飛び立ち何をするのも自由です。
今まで眺めるだけだった雲を越えはるかなる高みを目指せというなんとも気持ちのいい大吉籤です。

故事:
管仲三薰三沐見齊桓
子牙棄官 


第十五首 

觸人口氣最難吞
忽有災危禍到門
卵破巢空無宿處
深為穩便把心存

意訳:
觸人口氣最難吞
他人の恨みや怒りを受け入れるのは非常に難しい。

忽有災危禍到門
突然の災難が目の前に迫っている。

卵破巢空無宿處
巣が壊れたひな鳥はどこにも行くところがない。

深為穩便把心存
ただ身を隠し災いが過ぎ去るのを待つだけである。

説明:
出だしからいきなり不安をあおる籤です。 敵意や災厄など悪いことばかり書いてあるハズレ籤です。
全てを我慢して耐え切ることだけが、唯一の方法であるとも説いています。
それができるかどうか、あなたの胆力が試されているのかもしれません。
ただ、ただ耐えましょう。

故事:
商君不聽趙良言
蘇秦得志

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