玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐重

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難易度: 調理時間:30分以内
珍しい福建・台湾地方の料理を紹介します。今回は比較的簡単に再現可能でとってもおいしい『玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐』のレシピです。カニやエビのすり身を豆腐で挟んだ絶品中華をぜひ!

この料理は福建省泉州惠安の伝統料理です。惠安は伝統的に豆腐の生産が盛んで、豆腐を使ったすばらしい料理がたくさん作られています。今回紹介する『玉板豆腐│恵安風海鮮豆腐重』もそんな豆腐料理の一つで、とても面白いアイディアで作られています。中華スープの代わりにダシを使うとそのまま和食として料亭で提供できそうなすばらしい料理です。

福建省は言語学的には5-7つの言語グループに分けられます。この地域の言語をまとめて閩語と呼び、古代中華王朝がこの地域を地図に組み込んだ唐代の漢字音を現在に伝える言語とされます。日本に漢字が伝わったのも同じ唐の時代なので、日本の漢字音と非常に似ている単語が少なくありません。ただしいくつかに分けられる閩語の言語グループはそれぞれに意思疎通が困難なほどの差異があります。いくら音が似ている(ものによってはほとんど同じ)とはいえ、日本語と台湾語が通じないようなものですね。

それら閩語の下位グループのひとつが台湾語の元になっている閩南語です。かつて多くの泉州恵安の漢人らが台湾に渡りました。そのため恵安で話されている閩南語は台湾語の祖語ともいえます。とはいえ台湾語と閩南語も分岐してから数百年経っているので意思疎通はギリギリ可能という程度でしょうか。数字や挨拶はほぼ共通だそうですが、他は言語センスのある人なら「慣れればいける!」くらいの差があるようです。ネイティブの台湾語を話す台湾人が訪れればお互いなんとなく何を言ってるか分かるくらいの微妙な雰囲気になり、普通話で会話した方が早いという変な状況が楽しめるそうです。

近年は台湾と福建省(特にアモイ)をつなぐ飛行機やフェリーも数多く運航されています。台湾から海峡を越えて中国に渡り、台湾に渡った漢人のルートを遡るのも面白い旅行プランになりそうです。その場合、台湾でたっぷりおいしい台湾料理を楽み、福建でその台湾料理の元になった福建料理を楽しんでみましょう。旅行にいけない!という方は、そう、そのための「甘口男」です!

麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め

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難易度: 調理時間:3時間
福建・台湾地方の珍しい料理を続けます。普通の中国人はまず食べられない福建地方の伝統名物料理『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』のレシピです。

今回は『麒麟象肚│長汀風豚モツ香肉詰め』というちょっとグロテスクな見た目の料理で、『麒麟鑽象肚』とも呼ばれます。長汀は現在の福建省龍岩市長汀県のことで、唐代にまでさかのぼる歴史ある都市です。台北市の淡水河に沿って走る汀洲路の「汀洲」もこの地区にあります。住民のほとんどが客家で、「客家料理の故郷」の異名を取る地域でもあります。この料理もその意味では客家料理の一つに数えても良いでしょう。

この料理では普段は使わないある肉を使って作るので、日本で完全再現したいと思う人は希でしょう。まぁ、こういう料理もあるんだよということで紹介することにしました。日本でも手には入ると思いますが、この料理で使う肉は普通には売っていません。また調理がすこし忙しいので難易度は☆三つです。腕に自身がある人は羊肉を使って挑戦してみてください。レストランで食べると一品1万円を超えるような高級料理です。羊肉を使えば材料費2000円ほどで作れると思います。

料理名にある「麒麟」は龍や鳳凰にならぶ中国伝説の聖獣で、ご存知の方も多いことでしょう。ビール会社の商標としてもおなじみですね。あらゆる鳥の王とされる鳳凰に対して麒麟はあらゆる獣の王とされます。非常に穏やかな性質の聖獣とされ、あらゆる殺生を好まず、能力のあるものが仁政を敷くときに現れるとされる瑞獣の一種とされます。

孔子と非常につながりの深い生き物とされ、孔子誕生のときに現れては人々を驚かせたと言います。このことから儒教の象徴ともされ、また傑出した子供を麒麟児、または麟児と呼ぶようになりました。明、清代には諸侯や上位武官の「补服(制服のようなもの)」の正式な図案として採用されていました。

麒麟は現在も中華のあらゆる文化階層で広く崇拝を集めています。台湾の街中にも意外なところに麒麟の図案が隠れていたりして面白いですよ!

それではレシピです。


干貝鳳胆│鶏肉と干し貝柱の台湾風あんかけスープ

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難易度: 調理時間:30分以内
昨日に続きちょっと珍しい台湾料理を紹介したいと思います。今回は『干貝鳳胆│鶏肉と干し貝柱の台湾風あんかけスープ』という台湾の名菜です。鶏肉で干し貝柱を包んで蒸したものをあんかけにして食べる料理です。日本語の料理名はとても適当なので、できるだけ「干貝鳳胆」の漢名のほうで呼んでください。

この料理はレストランによって似たような料理でも名前がまったく異なります。高級ホテルなどのコースで食べられると思いますが、これだけを食べたいなら自分で作った方が簡単かもしれません。久しぶりの難易度☆三つですが、特別な材料は使いませんのでレシピをよく見て作ってみましょう。一度作ってみると次からはとても簡単に作れます。

料理名の「胆」とはもちろん胆嚢のこと。鶏肉と干し貝柱を使って鳳凰の胆を模して作られた料理で、見た目が美しいだけでなく非常に深い味わいを楽しめる料理となっております。

鳳凰の歴史は非常に古くまで遡ることは以前説明しましたが、五行説が成立してから南の朱雀とも呼ばれるようになりました。もともとは風を司る神鳥なのですが、五行説で朱雀と呼ばれるようになってからは火を司るようになったそうです。

また鳳凰には様々な個体があるそうで色や住む方角によって呼び分けることもあります。 《說文解字》によると"五方神鳥、東方發明、南方焦明(即鷦明)、西方鷫鷞、北方幽昌、中央鳳皇。"と方角により名前が変わり、《禽經》によると"青鳳謂之鶡、赤鳳謂之鶉、黃鳳謂之焉、白鳳謂之肅、紫鳳謂之鷟。"と色により名前が変わります。

古代中国人の中二病全開のような気がしないでもないですが…、こういう難しい漢字が並ぶとかっこいいですよね(笑)。

それではレシピです。

蔥油烤魚│台湾風タイの塩焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
福建省から台湾の名菜といわれる『蔥油烤魚│台湾風タイの塩焼き』のレシピを紹介します。オーブンを使ったタイの塩焼きですが、和食とは一味違う方法で仕上げます。おすすめです。

タイは中国語でも鯛(Diao1)魚と書きますが、閩南地域では俗に「加力魚」とも呼ばれます。まぁ、この単語を知っている台湾人の方がめずらしいほどの難しい単語です(笑)。タイに似たティラピア(呉郭魚)の方は南部のほうの台湾語で 「Dai仔」と、日本語のタイが元になった語でも呼ばれています。こちらの方は南部出身の台湾人には割りとなじみのある単語のようです。

ところで最近台湾は雨が少なく、三月というのに割りと寒冷な気候が続いているせいで「キャベツ」が近年まれにみる豊作です。近くのスーパーでセールをやっていたのですが、なんと「一玉8元」!あまりに安すぎる価格に店員に何か問題があるのかと聞いた所、上記の回答が返ってきました。
台湾在住の方はキャベツを使った料理を存分に楽しむチャンスです!

今回の『蔥油烤魚』もたくさんキャベツを使って作ります。ぜひ日本でも再現してみてください。



竹筍爆三丁│タケノコ、ニンジン、シイタケの中華風炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
今回の料理は「中餐丙級證照」シリーズから『竹筍爆三丁│タケノコ、ニンジン、シイタケの中華風炒め』のレシピを紹介します。色と食感の異なる三つの野菜を使った炒め料理です。

以前も同名料理を紹介していますが、こちらの方がシンプルですね。調味料と相談して好きなほうを作りましょう。

タケノコの元植物タケは火にくべると節に挟まれた部屋内部の空気が膨張し、そのまま過熱すると大きな音を立てて破裂します。これを爆竹といいます。現在の火薬を使った爆竹の由来です。

中国では春節の時期になると火薬で作った爆竹を破裂させ、邪気を払う習慣がありますが、この風習はいつごろから始まったのでしょうか?

梁の宗懍によって六世紀に書かれた《荊楚歳時記》(中国最古の歳時記です)という書物に

"正月一日。是三元之日也。谓之端月
按史记云。正月为端月。春秋传曰。履端于始。元始也

(略)

先于庭前爆竹。以辟山臊恶鬼
按神异经云。西方山中有人焉。其长尺余。一足。性不畏人。犯之则令人寒热。名曰山臊。人以竹着火中烞(音朴)熚(音必)有声。而山臊惊惮远去。玄黄经所谓山鬼也。俗人以为。爆竹燃草起于庭燎。家国不应滥于王者"


という記載があります。
どうやら山臊という悪鬼を退けるために爆竹を鳴らすようになったということらしいです。「山臊」は漢代に書かれた《神異經》という書物に
"深山中有人焉、身長尺余、一足、袒身、捕蝦蟹。性不畏人、見人止宿、暮依其火、以炙蝦蟹。伺人不在、而盗人鹽、以食蝦蟹。名曰山臊、其音白叫。人嘗以竹著火中、爆普而出、臊皆惊惮。犯之、令人寒熱。此人形而变化、然亦鬼魅之類。今所在山中皆有之。"
という風にかかれていいます。山に住む一本足の怪物で、人里に寒熱の病をもたらし、エビ・カニを好むそうです。昔の中国人は春節の時期に人里に降りてくるという山臊を大変恐れていたのですが、火にくべた竹が爆裂する音に驚いて逃げ出したことがあるそうで、爆竹を鳴らしてこれを退けることにしました。これが爆竹の始まりだそうです。
もともと春節期の疫病を払うための年中行事でしたが、その後道教の各種神事と結びつき、神を迎える祭りの際にも使われるようになりました。

というわけでレシピです。



百鳥朝鳳│浙江風蒸し鶏と水餃子

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難易度:☆ 調理時間:3時間
浙江省の伝統料理『百鳥朝鳳│浙江風蒸し鶏と水餃子』のレシピを紹介します。蒸した鶏肉と水餃子をあわせた日本にはない珍しい中華料理です。食べたことのある人はほとんどいないと思いますが、日本で完全再現が可能です。

料理名は「百の鳥が鳳に向(朝)かう」の意味で、中央の大きな鶏肉を鳳凰に、周りの水餃子を鳥に見立てています。「大人物には多くの小人物が付き従う」くらいの意味でしょうか。とても中国らしい料理ですね。

鳳凰は伝説の神鳥で、中国、日本だけでなく中華文化の影響を受けた各地に様々な意匠で登場します。日本では一万円札の意匠に使われてもいます。非常に古くから存在する霊獣で、商の時代にはすでに平安の象徴として祭られていました。古代中国の文献に登場する頃にはすでにいろんな伝説がごちゃ混ぜになっており、正確な起原を推し量ることは非常に難しいと考えられています。

中国においては鳳凰の霊的地位は竜に次ぐ第二位であるとされ、天下泰平のときに王朝に飛来するとも言われています。西洋のフェニックスと同一視されることもありますがまったくの別ものです。

考古学的考証によると、有史以前の中国は気候が現在よりもはるかに温暖で、特に南部地域では現在のアフリカのようにいたるところで「ワニ」などの大型爬虫類と「ダチョウ」のような大型鳥類が見られたそうです。実際に古代中国の遺跡からはワニとダチョウの骨が見つかったりもしています。最新の学説によるとワニが竜伝説へ、ダチョウが鳳凰伝説へ姿を変えたと考えられており、中華の形成に伴ってその他の地域の伝説を取り込みながら現在のような形になったのだといわれています。

鳳凰の元ネタは孔雀やオウムとばかり思っていましたが、なんとダチョウ(または類似の大型鳥類)…だったのですね。

それではレシピです。
 

龍女一斛珠│龍女一斛珠、湖南風蒸しコイ

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難易度: 調理時間:1時間以内
湖南地方、特に南岳地方の伝統料理『龍女一斛珠│龍女一斛珠、湖南風蒸しコイ』のレシピです。日本のスーパーでコイはなかなか売ってないと思うので他の魚で代用することになりますが、その場合は料理名を変えましょう。

はたして料理名に込められた物語とは…?

唐代にかかれた《柳毅傳書》という小説があるのですが、この『龍女一斛珠』はその伝説を元にした料理です。

湖北に住む柳毅という人が科挙の試験のため長安に向う途中、涇陽という場所で雪の中羊を追う少女に出会います。話をしてみると彼女はもともと洞庭湖にあるという竜宮三姉妹の一人で、涇水に住むという竜王の息子に嫁いで来たのだと言います。しかし風流を愛する竜王の息子はいつも洞窟の外に出ては各地を旅してばかり。妻に指一本も触れたこともなく、彼女はたいそう寂しい思いをしていました。彼女はそれでも洞窟を一人で守っていましたが、竜王の兄弟らに騙されて雪の降るこの地で放牧をさせられているのだということでした。実家の竜宮に助けを求める手紙を出しても、竜王の威光に恐れをなした鳥や魚たちは手紙を届けてくれないということでした。

この理不尽に腹を立てた柳毅は科挙を放棄して実家に戻り、竜宮に彼女の現状を知らせる手紙を書き送り届けました。手紙を読んだ竜宮のボス洞庭君は昔から竜王とは姻戚関係があるとことを理由に事を荒立てようとしませんが、洞庭君の弟である錢塘君は怒り狂います。錢塘君は軍隊を率いて竜王を襲い息子を殺害して少女を救い出しました。錢塘君は帰ってきた少女とそれを助けた柳毅を結婚させようとしますが、柳毅は間接的にせよ娘の元夫を殺してしまったことを悔いて結婚を拒否します。

柳毅は実家に戻りますが、その後も竜宮のある湖を眺めてはため息をつくばかり、少女も柳毅を想っては日々竜宮で祈りを捧げ続けます。柳毅の母は毎日嘆き続ける息子のために嫁探しを始めます。これを知った錢塘君は自分が少女の夫を殺してしまったせいで少女も柳毅も悲しみ続けていることに後悔し、ついには人間に化けて柳家に嫁としてかの少女を紹介するのです。

柳毅の目の前に人間の娘として現れた竜宮の少女。ついに二人は結ばれて幸せに暮らしましたとさ。

ざっと流れをかくと上のような話です。 現代ドラマにアレンジできそうな、胸の熱くなるストーリですね。

ところでこの料理は、少女を救った柳毅をもてなすために開いた宴会の席で、竜女が金色の鯉の腹の中に詰まった一斛の真珠を感謝の印として柳毅に贈ったという場面に由来します。料理では真珠の代わりに蓮実を使っていますが、どうやらコイは外せない食材のようです。

作り方を解説した動画を見つけました。レシピとほとんど同じなので写真よりもこちらを参考にしてください。万が一コイ肉が手に入ったらぜひ挑戦してみてください。

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金葱牛方│金葱牛方

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難易度: 調理時間:3時間
南京地区伝統の牛肉料理『金葱牛方│金葱牛方』のレシピを紹介します。弱火でじっくり、とろけるほど柔らかく煮込んだ牛リブロースの料理です。北京あたりに行くと『京葱牛方』と名前が変わります。

この『金葱牛方』はもともと淮揚料理ですが、南京地区の冬の風物詩としても有名です。台湾で言う『薑母鴨』のようなイメージの料理でしょうか?

南京は台湾にある中華民国のもともとも政府が置かれていた場所です。中華民国の歴史をざっとおさらいしてみましょう。

時は清末1912年、この年の2月12日に清朝皇帝の退位を持って清王朝は正式に閉幕を迎えます。もちろんそろそろ清王朝がヤバイという雰囲気はかなり前から全国民が感じ取っており、それより少し早い1月1日、革命党の人員らが集って南京で「中華民国臨時政府」を立ち上げました。前年1911年12月29日に行われた選挙でご存知孫文が大総統に任命されています。法律の草案や組閣など急ピッチで行い、同年3月に北京に政府機能を移転して清朝の政府機能を継承し正式な政府となります。1912年1月1日の臨時政府始動から1917年の中華民国政府を「北洋政府」と呼びます。

1912年から1915年までの短期間ながら袁世凱が中華帝国を名乗り一部で帝政を敷いたり、清朝の残党が各地で蜂起したり、諸外国からの干渉があったりと非常に混乱した時期ですが少なくとも民主的に選ばれた最初の首長が政治を行った時期として中国歴史史上非常に重要な政府とされます。

北洋政府は一部官僚の暴走が目立ち、袁世凱の支配から解放された南部の諸省はこれに反発して次々と独立を叫び始めます。これに呼応した孫文は広州で蜂起して中国南部の軍部を巻き込み、護法運動と呼ばれる北洋政府と対立する運動を始めました。1917年から1928年まで中華民国では南部の軍と北部の政府が対立する内戦状態になります。1925年に勝利を感じた蒋介石らが南京で「国民政府」を設立、その後すぐに北京の北洋政府を打倒し新たに国民政府が政府機能を担うようになりました。同年3月に肝臓がんを再発した孫文が死去。国民政府は帝国主義に傾倒していきます。国民党軍は当時の国民政府は合議制を取っており、国策を決める委員会の面々はソ連や共産党との関連も深く、対立の火種はそこかしこにくすぶっていました。現在台湾にある「一府五院」の行政制度や「三民主義」の大本は国民政府設立から北伐を完了するまでの時期に作られたものです。

国民政府が始動して間もない1927年今度は中国南部で共産党が反乱を起こし始めます。国内はまったく安定せず、日本など諸外国からもちょっかいをかけ続けられる中華民国国民政府。そして1933年盧溝橋事件(中国では七七事変と呼びます)が発生し、国民政府は本格的に抗日戦争を始めます。

国民政府は1937年、南京に迫る日本軍から逃れるため首都機能を一時重慶に移転させます。そして終戦、1945年に南京に凱旋した国民政府は蒋介石を筆頭に国家の憲法を作ったり、インフラを整えたり国家の基礎固めに本腰を入れ始めるのです。

しかし!

超大国ソ連の支援を受けた中国共産党が各地で一斉に蜂起、国共内戦と呼ばれる泥沼の内戦が始まってしまいます。中華民国の建国からまだ30年ちょっとしか経っていません…。日本も無関係ではありませんが中国も大変ですね。

結局南京を追われることになった中華民国政府は台湾に移転。蒋介石は軍事独裁政権を敷き、台湾に古くから住んでいる内省人とそれ以前から続く台湾の形に手を加えながら、政府機能を拡充していきました。それから60年、やっと今の台湾にたどり着くのですが、それはまた別の機会に紹介したいと思います。

それではレシピです。



松只魚│キグチのあんかけ福建風

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難易度: 調理時間:30分以内
久しぶりにしっかりした中華料理のレシピを。福建省に伝わる『松只魚│キグチのあんかけ福建風』のレシピを紹介します。台湾で食べられる「黄魚」を使った家庭料理の元祖とも言えるしっかりとした料理で、ざくざくとした食感と酸味の利いたあんかけの組み合わせがおいしい料理です。晩御飯のおかずに最適!

以前紹介した『松鼠鱖魚│江蘇風ケツギョ揚げ』ともよく似た料理です。同じルーツを持つのかもしれません。

台湾でも食卓に上ることの多い「黃魚」は学名をLarimichthys polyactis 、和名を「キグチ」といいます。九州あたりではよく漁獲されますが、東日本で見かけることはないかもしれません。手に入らない場合は類縁のニベやシログチ、もしくは他の大型白身魚で代用しましょう。

見た目も美しいですが、味はまさに絶品!筆者おすすめの料理です。ぜひ日本の食卓でも再現してみてください。




鳳梨肉鬆炒飯│パイナップルとでんぶの炒飯

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズより『鳳梨肉鬆炒飯│パイナップルとでんぶの炒飯 』という料理のレシピを紹介します。パイナップルの甘味と酸味、でんぶの塩気で炒飯の味に変化を付けた料理です。

「肉鬆」とはいわゆる「でんぶ(田麩)」のこと、日本では魚の身を遣って作りますが中国、台湾では豚肉を使ったものが一般的です。台湾では粥の味付けに使われたり、おにぎりの具にしたりします。

豚肉で作った肉鬆が最も出回っていますが、そこはもちろん中華料理。豚肉以外、牛肉、鶏肉、魚肉、などいろんな肉で作った肉鬆が手に入ります。珍しいところだと蛙肉で作った『蛙肉鬆』も有名で、特に子供の栄養補助に非常に効果があると信じられています。中国では少なくとも300年前、明末には豚肉の肉鬆が作られていたことがわかっており、北海道で生まれたとされる日本のでんぶとは由来が異なります。

台湾ではメーカーによって味の異なる様々な『肉鬆』が作られています。日本のものとは少し風味が異なりますが、様々な料理に肉類の旨味と栄養をそのまま加えて味わえる万能の調味料ですので、お土産に購入してはいかがでしょうか?


豆包炒豆芽│揚げ湯葉とモヤシ炒め

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
中餐丙級證照」の課題料理より、『豆包炒豆芽│揚げ湯葉とモヤシ炒め』のレシピの紹介です。シャキシャキノモヤシとパリパリの揚げ湯葉の食感が楽しい野菜炒めです。

台湾で「豆包」といえば湯葉の事を指します。しかし広い中国、同じく「豆包」と書いて別の料理を指す地域があるのをご存知でしょうか?中国東北部では米で作った生地に餡子を詰めた『あんまん』のような料理を『豆包』と呼びます。同じ漢字でまったく別の料理を表すなんてさすが広大な領土を持つ中国ですね。

東北地方の『豆包』は米粉で作った生地を発酵させ、豆類で作った甘い餡を包んで蒸して作ります。漢字の意味的にはこちらの方がしっくり来ますね。台湾では見たことないですが、どこかで売られているかもしれません。こちらの『豆包』もそのうちレシピを紹介したいと思います。

それではレシピです。


香菜魚塊湯│香菜入り魚スープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズより、『香菜魚塊湯│香菜入り魚スープ』のレシピを紹介します。スズキ(または他の白身魚)をショウガとコリアンダーを効かせたスープで煮込んで作ります。

中華料理で「香菜」といえば、多くの日本人がしかめっ面をしてしまうかもしれません。苦手な人の多いあのコリアンダーのことです。学名は Coriandrum sativum です。実を「胡荽」といい中医学で使います。「胡」の字が入っているので、もともと中国になく西方からもたらされた植物であることが分かります。和名はカメムシソウ(笑)と言いますが、タイ語由来のパクチーと呼ぶのが普通です。

生の葉には非常に好みの分かれる臭気があり、これが入っているだけで食べられなくなってしまう日本人も多いようです。台湾でも相当な数の料理に入れられるのですが、せめて観光地近辺では香菜の有り/無しを客に選ばせるようにするサービスを展開してほしいものです。当ブログでもオリジナルのレシピでは香菜を使うものでも、筆者があえてレシピに記載しない場合がある"要注意"材料です。筆者も今でこそ慣れましたが、最初はあらゆる料理の注文時に「不要香菜」の語を付け足していたほど苦手でした。台湾旅行に慣れたら、挨拶、数字、それと「不要香菜」の中国語を覚えてくることをお勧めします(笑)。

とはいえコリアンダーは世界中で用いられている香草の一つで、紀元前2000年以上も前から栽培され、料理に使われて来ました。例外的に日本料理にはまったく使いませんが、みんな大好き『カレー』のルーにはほぼ間違いなくコリアンダーの実が香辛料として使われています。コリアンダーを日常的に食べるという日本人は希ですが、日本にいながら食べたことがないという人もまた希なのです。

今回はそんなコリアンダーを使って作ることが課題のクリア条件ともなる料理です。もちろん家庭で作る場合、苦手な人はまるまる抜いて作りましょう。


韭菜涼拌豆芽│ニラとモヤシのサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
中餐丙級證照」の課題料理より、『韭菜涼拌豆芽│ニラとモヤシのサラダ』のレシピの紹介です。超お手軽、何の変哲もない湯通ししたサラダで、慣れると本当に一瞬で作れます。

今回の料理で使う(豆)モヤシが日本に普及したのは割りと最近、1980年代の半ばになってから。当時全国に急激に普及した『ラーメン』や『ジンギスカン』の副産物として需要が急激に拡大してからでした。それ以前はあまり日本の食卓には上らない食材だったそうです。

モヤシは漢字で「糵」と書きますが、これを覚えるのは大変ですね(笑)。もともと中国の古書に登場する字に訓を当てたものです。現代中国語では「豆芽(菜)」と書き、台湾では時に「豆菜」とも表記されます。中国語の方が一目瞭然ですね。「豆芽」の方は台湾語(福建語、広東語)で「Tau ge」のように発音するのですが、インドネシアではこの語を元にしてモヤシのことを「tauge」と呼びます。インドネシア語のほうにも「kecambah」というモヤシをあらわす固有語があるのですが、「tauge」の方がよく使われているようです。

ちなみにインドネシア語とマレー語は単語の90%以上が共通の兄弟言語なのですが、モヤシを意味するマレー語は「benih」といい、インドネシア語の「kecambah, tauge」と異なっています。おもしろいですね!

それではレシピいって見ましょう。熱湯による殺菌をお忘れなく!



白果涼拌枸杞│ギンナンとクコのサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
中餐丙級證照」の課題料理より、『白果涼拌枸杞│ギンナンとクコのサラダ』のレシピの紹介です。昨日に引き続きギンナンを使ったお手軽料理です。

イチョウの別名を「公孫樹」と呼び、前回の記事では「公孫」という姓について解説しました。「公孫」といえばもう一つ(鍼灸師ならピンとくるはず?)「公孫」という名前の経穴があるのをご存知でしょうか?

足の太陰脾経に「公孫」という名前の経穴があります。足の親指の内側、第一関節から土踏まずに少し入った場所にある経絡が「公孫」です。脾は中国医学では五臓の"中心"とされる大事な臓器で、これを黄帝に見立てて彼の姓から「公孫」と名付けられました。急性胃腸炎や胃痛など脾気の障害を調節する時に使います。脾気の逆上によるため息や胸のもやもや、ヒステリーなどの精神疾患にも使えるようです。胸がつかえて胃の働きが悪いなど感じる人はこの場所をほぐすように流れるようにマッサージすると効果があるかもしれません。詳しくは腕の良い鍼灸師に相談してください。

すぐ隣にある「太白」ほどよく使う経穴ではありませんが、ギンナンを食べる時にでも「公孫」という経穴があるそうだと時々思い出してください。いつかどこかで役に立つかもしれません(笑)。


白果炒花枝捲│ギンナンとイカの炒めもの

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」の課題料理より、『白果炒花枝捲│ギンナンとイカの炒めもの』のレシピの紹介です。ギンナンとイカを炒めるだけのシンプルな料理ですので、おかずにもう一品ほしいときや晩酌のおつまみに最適です。

ギンナンの実のなるイチョウは中国語で「鴨脚樹」といいますが、もう一つ「公孫樹」という別名があるのも知っていましたか?芽吹いてから非常に長い年月を経ないと実がならない、つまり孫の代に実がなる樹ということから名付けられたそうです。

「公孫」の字は中国でも珍しい二字姓としても使われます。三国志にも登場する姓なのでご存知の方も多いことでしょう。基本的に二字姓は中華外の民族の姓が定着したものが多いのですが、この公孫に関しては非常に長い歴史を持つ中華発祥の姓です。

ちょっと前に紹介した中国伝説の王である黄帝は姫水という川のほとりで生まれ育ったことから後に「姫」姓を名乗ることになりました。この姫姓の後代らが周王朝を作り、現在中国のほとんどの姓の元になったのはご存知のとおり

《史記》によると黄帝が「姫」姓を名乗るまではもともと「公孫」姓だったそうです。黄帝は(いまのところ)伝説上の人物ですが、この説が正しいとすると中国古代八大姓のほとんどは「公孫」姓が由来ということになってしまいます。現在の「公孫」姓のほとんどは周代諸侯の孫らが公籍を離脱するときに賜った姓が由来になっています。諸侯の男子は公籍に入るのですが、直系ではない「公子」の男子は臣籍に入ることになっており、この時「公孫」姓を名乗ることになっていました。由来から見ると明らかなように「公孫」とはもともとは男系を示す「氏」です。「氏」としての「公孫」とは別に最古の「姓」の一つとして「公孫」があったというのはなかなか興味深い話ですね。どちらにせよ中国では非常に古い歴史を持つ姓の一つです。

実は日本には燕国王公孫淵の末裔(とされる人々)が渡来し、「常世」や「赤染」という姓を名乗るようになったという話が残されています。もし知り合いに「常世」や「赤染」といった姓の方がいれば、聞いてみるといいかも知れません(笑)。


辣味四季豆│ピリ辛サヤエンドウ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照」シリーズから『辣味四季豆│ピリ辛サヤエンドウ』のレシピを紹介します。浅漬けの手法で作る中華料理です。

サヤエンドウは中国語で四季豆といいます。今回は中国語の四季について簡単に見てみましょう。


まずは春。実は日本語と中国語で微妙に形が違います。日本の漢字は「」と横棒の二段目から右側の払いが始まりますが、中国語では「」と横棒の三段目、最後の弾から右側の払いが始まります。中国で漢字を書くときは注意しましょう(笑)。(ブラウザによっては区別して表記されないかもしれません。ご了承ください。)

今でこそ「春」という字を書きますが、もともと「萅」と書き、春はこの略字です。古い漢字のほうを見ると分かるように太陽(日)に草冠がついており、陽が当たって草が生える様子を表しています。「屯」は音を表し、古くはトゥンのように発音したそうです。

「(木の芽が)張る」、「(天が)晴る」、「(田畑を)墾る」 から転じてハルとする日本語と同じような考えですね。


もともとの漢字は「大きな仮面をつけて踊る人」を表す象形文字で、中国史上最も古い王朝の名前でもあります。「元気に踊る様」が転じて「勢いが盛んな様子」の意味になり、最も暑い季節をあらわす漢字となりました。

日本語でナツとなった由来はよく分かっていませんが、古代アルタイ語で夏を表す語がニャとかニョとかいった音で始まるので、そこから発生したのではないかとも考えられています。


もともと穀物(禾)を束ねることを表した文字で、収穫の時期、つまり秋を表すようになりました。この字をアキの意味で使うようになったのは秦の時代前後です。米の収穫と関連があるとされます。

それ以前の甲骨文字や金文の時代にはまったく異なる形をした漢字でアキを表しました。コオロギか、キリギリスか、イナゴか、とにかく複雑な形状をした虫を表す絵を二つ並べて、アキの意味で使っていたことがわかっています。学者によって見解は分かれていますが、古代人も虫の音を競わせたりと風流な遊びに興じていたのかもしれませんね。

日本語では「(空が)アキラカ」、「(葉っぱが)紅い」、「(食べ)飽きる」から転じてアキとなったという説があります。


最後に冬。「ひも状のものの両端に食物を結わえて吊るした形」の象形文字(冬の上半分の部分)、「∧」や「丹」みたいな形の字で保存食を作る季節、フユを表しました。その後氷を表す「冫(にすい)」を下部に加えて現在の形になります。よっぽど寒かったんでしょう。旧字体の冬の字は下部を「ン」のように書きます。下部が「ン」になっている冬の字は台湾でも時々見かけることがあります。漢字の成り立ち的に間違いでは有りません。

日本語では「殖ゆ」、「冷(ひ)ゆ」などの語が転じてフユになったといわれています。

台湾は時々夏かと思うほど暑くなったりしますが、まだまだ比較的涼しい季節が続いています。春ももうすぐです。

それではレシピいってみましょう。


煎黑胡椒雞脯│鶏むね肉の黒胡椒炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照』シリーズから『煎黑胡椒雞脯│鶏むね肉の黒胡椒炒め』のレシピを紹介します。お手軽料理ながら鶏肉のステーキのような豪華に出来上がる料理です。ビールによく合います!


今回は皆さんもご存知の胡椒について解説します。

コショウは学名を Piper nigrum といいます。属名がコショウ、種小名は黒を意味し、ラテン語の学名もそのまま「黒いコショウ」の意味になっています。日本でもよく使われる黒コショウ、白コショウはもともと同じ植物で、黒コショウは完全に熟す直前の実をそのまま乾燥させたもの、白コショウは完熟した実を乾燥後、水に浸けて皮を柔らかくし剥いたものです。コショウは実が完熟すると赤くなるのですが、この完熟した実をそのまま乾燥させたものを南米では赤コショウと呼び、こちらも香辛料として使います。赤コショウは英語に直訳するとレッドペッパーになりますが、トウガラシとの混乱を避けるためピンクペッパーと呼びます。

その昔、大航海時代には金と同じ価値を持ち、貨幣として流通したこともあるのはご存知のとおり。冷凍技術のない時代は、航海に、戦争に、あらゆる移動手段と共に防腐殺菌作用のある香辛料が欠かせませんでした。瓶、缶詰が発明されるまでは乾燥、燻製、塩漬けくらいしか保存技術のなかった時代、香辛料の発見は一大トピックだったのです。「そんなに高価なものならヨーロッパで栽培すれば良いんじゃない?」と思いますが、コショウの栽培は一筋縄ではいきません。コショウは種から発芽させること自体が非常に難しい(現代は接木で増やします)上に、温度に敏感で中世のヨーロッパの温室程度では栽培することができませんでした。また連作障害や寄生虫病もある植物で、近年も産地が壊滅的被害を受けたりとそれはそれは収穫が安定しない商品作物なのです。今でこそ大量栽培により安価に供給できていますが、今後何かの拍子に値段が上がる可能性も否定できません。

そんなコショウをたっぷりと使ったスパイシーな『煎黑胡椒雞脯│鶏むね肉の黒胡椒炒め』をお楽しみください。




山藥烙餅│ヤマイモケーキ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
中国東北地方の家庭料理を薬膳風にアレンジした『山藥烙餅│ヤマイモケーキ』のレシピを紹介します。小豆餡にヤマイモを練りこんで作る薬膳菓子の手法を使って作ります。

『烙餅』は中国東北地方発祥の料理で、中に肉や野菜、小豆など様々な餡を包んで作ります。台湾でも売られているので興味がある方は探して食べてみましょう。

実は『烙餅』と呼ばれる料理は各地に伝わっていますが、それぞれの地域でまったく作り方が違います。北京周辺では小麦粉を水で練って作った非常にシンプルなものが売られていますが、東北地方ではネギやニラ、ゴマなどを生地に練りこんで作ったりもします。他にもカレーに添えるナンのような『烙餅』、中に餡を包んだ『鳳梨酥│パイナップルケーキ』のような『烙餅』、『包子│肉まん』のような『烙餅』もあります。地域によってまったく形態が異なるのが、面白い料理です。

「小麦粉を水で練って、何か好みのものを包んでフライパンで焼く」 なら『烙餅』と呼んでもよいのかもしれません。つまりアレンジの幅は無限大です(笑)。


茄汁吳郭魚│ティラピアのケチャップソース煮込み

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
前回に引き続き『中餐丙級證照』シリーズから、同じくティラピアを使った『茄汁吳郭魚│ティラピアのケチャップソース煮込み』のレシピを紹介します。シンプルですが晩御飯のおかずにピッタリの料理で、ご飯が何倍も入ってしまいます。うまいです!

前回の記事ではティラピアの漢名である「呉郭魚」から呉姓と郭姓の由来を辿ってみました。割と反応があったので今回はさらに踏み込んで中国姓氏の謎に迫ってみたいと思います。

今では中国でも姓と氏の区別がなくなってしまいましたが、古代においては姓と氏は厳密に区別されていました。前回の記事で中国で最も古い姓は「姫」、「姜」など女偏の漢字を持ち母系集団をあらわすものであると書きました。これとは逆に氏は父系をあらわします。甲骨文字まで遡ると「氏」の漢字は「父+生」と書き一目瞭然です。(もっとも姓の字も古くは「人+生」と書かれましたが…。)

もともと巨大な姓という母系の集団があり、そこから各地に移住したりして土地や役職の名前を氏とした小グループが生まれていったと考えられています。
 
中国上古代は母系優位の社会が続いていきますが、文献に伝説の王朝が登場してくるあたりから父系集団が優位になり始め氏の重要性が高まってきます。春秋戦国時代に各地に残されていた礼典や宗教がめちゃくちゃになってしまったため姓と氏の区別は曖昧になり、始皇帝の時代にはまったく区別されなくなってしまいました。その後子は父の姓氏を名乗る習慣が現在まで伝わります。ちなみに姓氏の概念が日本に伝わるのはこれよりずっと後の時代で、このため日本では姓は母系、氏は父系といった使い分けがされません。

上古代の夏、商、周代の王侯貴族の間では(もちろんそれぞれ姓と氏を持っていますが、)女子は姓を、男子は氏を名乗ると言う習慣がありました(このころ庶民はまだ姓氏を持ちません)。当時の婚姻制度では、母系を同じくする同姓同士ではたとえ氏が異なろうと結婚は出来ず、氏は同じものであっても婚姻は可能でした。この同姓婚を忌避する習慣はなんと数千年経った現在でも中華圏すべてに残されています。台湾では法律上は同姓婚が可能で現代人はあまり気にすることはありませんが、老人らには強く反対されます。(他にも李姓の人は王姓の人との婚姻を避けるという風習もありますが、これはまた別の機会に…。)

中国には上古八大姓といわれる最も古い起原を持つ姓が八つあります。姜、姬、姚、嬴、姒、妘、、妊(または姞)の八つで、すべて女偏を持ちます。このうち姜姓は炎帝(神農)に、嬴、妘、姞姓は黄帝の姫姓に、媯姓は五帝のひとり舜の姚姓に、妊姓は三皇の伏羲の風姓に起原を持ちます。これだけ並ぶと女偏の漢字がすべて古代姓なのかと思いたくなるほどです。他にも娮、好などの姫姓から生まれた姓が多数あり、これらが更に分かれて現代に連なるほとんどすべての漢姓となりました。それら一つ一つの姓の分岐にまつわる物語もなかなか面白いものとなっていますので、興味がある方は調べてみましょう。中国の歴史の長さにただ衝撃を受けるばかりです。

それではレシピです。


蒜泥蒸魚│白身魚のニンニク蒸し

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中餐丙級證照』シリーズより、『蒜泥蒸魚│白身魚のニンニク蒸し』のレシピを紹介します。ティラピアで作る蒸し料理ですが、その他の白身魚を遣ってもおいしく作れます。

ティラピアを台湾華語で「呉郭魚」と呼ぶのは何度か紹介しました。「呉(吳)」姓と「郭」姓は台湾でもよく見かける姓です。今回はこの二つの姓の由来について歴史を遡ってみたいと思います。

呉姓の由来は三つに大別されると言われます。

一つは「姫」姓に由来するもの。周の諸侯であった古公亶父(周を建国した武王の曽祖父)の長男の太伯という人が江南の梅里(現在の江蘇省無錫)に建国し「呉」と称した国を起こしました。古公亶父には多くの男子がいましたが、三男である季歴の子・昌(後の文王)があまりに優秀であったため、季歴に家督を次がせることにします。長男の太伯と次男の虞仲は季歴に後を次がせる為にあえて出奔し新しく南部に国を建てたのです。亶父の一族は周王族に連なる血統で「姫」姓をもっていましたが、建国後は国名を取って呉姓を名乗るようになりました。その後文王の子、武王が商を滅ぼした後、呉の太伯の孫である周章が諸侯に報じられたという伝説も残っています。この呉国は紀元前473年に越王勾踐によって滅ぼされますが、子孫らは国名を氏として名乗り続けました。

二つ目は一とも通じますが、太伯には子がいなかったため、弟の虞仲が後を次ぎました。この子孫らが、虞の字を呉に変えて名乗るようになったという流れ。江蘇省無錫周辺に起原を持つ呉姓はほとんどがこの一と二の流れを持ちます。

上で紹介した古代呉国とかつて日本に存在した倭国は密接な関連があるとされ一部で研究が進められています。季歴が兄らを呼び戻すために使いを出しますが、二人の兄は髪を切り、全身に刺青をして中華には戻れないと固辞したという伝説が残されています。史書に記載されている倭国の習慣に、同じく髪を短く切り、全身に刺青をしているという特徴が残されており、どちらも海中で漁をするための古代の風習です。他にも九州南部に太伯が生前居住していたという伝承や、太伯を祭った神社があるなど奇妙な一致が残されています。面白いですね。

三つ目も同じく呉国由来ですが、時代はもっと下がって春秋戦国時代の話。上で紹介した呉はその後も力をつけ、紀元前585年に壽夢が始めて呉王を名乗ります。この第四子吳季禮が優秀で、呉国は大いに発展を遂げました。山東省に由来を持つ呉姓はほとんどが彼の一族の末裔ということです。

姫姓から呉姓へ長大な物語です。呉姓も元の姫姓を遡ると郭姓の一部にも連なってきます。春秋戦国時代に呉国は越に滅ぼされるのですが、この時に「呉越同舟」や「臥薪嘗胆」などの故事成語が生まれました。ちなみに最も古い時代の中国は母系集団であり、当時から続く姓にはほとんど女偏が入っています。「姫」、「」、「姜」「姒」、「媯」、「嬴」などの「姓」がそれです。頭の片隅においておきましょう。

そして郭姓の由来です。こちらも三つに大別されます。

一つ目は居住地によるもの。 郭とは城壁の外にある防御柵を意味し、その周辺に住んでいた人々、つまり城の防御にあたっていた人々の末裔であるという話。

二つ目は呉姓の話にも登場した周文王に連なる話。文王の弟虢叔(つまり太伯、虞仲らの甥)が現在の陜西省寶雞市一帯に封じられ、虢国を名乗ることになりました。古代中国では虢と郭の発音は同じで、虢国は郭国とも呼ばれました。この王侯一族の末裔だとする説。ちなみに文王にはもう一人虢仲という弟がおり、こちらも現在の河南省蒙陽縣一帯に封じられ同じく虢国を名乗ります。紛らわしいのでは虢叔の国を西虢、虢仲の国を東虢とも呼びます。西虢は紀元前687年に秦国に併合され、東虢は紀元前765年に鄭国に滅ぼされてしまいます。東虢のほうは王族が住んでいた土地に小郭などの地名が残されているそうです。

三つ目はずっと時代が下がって唐代の話。回紇(トルコ系ウイグル族)が中原に定住した後、「郭」姓を名乗りその子孫に受け継がれたという話です。唐代の名将郭子儀に連なる姓で、多くの大人物を輩出した名門の一族です。特に郭子儀の名はあまり中国史に詳しくない人ですら名前だけは覚えているほどの有名人でしょう。古代から現代に至る長大な中国史上を見渡しても、彼ほどの大人物はいないとも称される傑人です。少しでも興味が湧いたら一度で良いので彼のエピソードを読んでおきましょう。敵にすら賞賛されるほどの名人物だったといいます。

というわけでティラピアから学ぶ呉姓と郭姓の由来でした。それではレシピです。


豆豉雞肉片│鶏肉のトウチ炒め

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
久しぶりに普通(?)の中華家庭料理を紹介したいと思います。『豆豉雞肉片│鶏肉のトウチ炒め』のレシピです。

中華料理ファンの皆様にはおなじみの調味料トウチ(豆豉)は中医学で薬としても用いられます。日本では風邪と言えば「葛根湯」があまりにも有名ですが、中医学で感冒に常用するのは「銀翹散」という処方にも「淡豆豉」の名前で配合されています。他にも「蔥豉桔梗湯」という風寒の風邪に使う処方に配合されたりもします。「銀翹散」は薬局の片隅で売っているので、誰でも購入できると思いますが、「蔥豉桔梗湯」は漢方薬局で作ってもらいましょう。一応「蔥豉桔梗湯」の処方内容を書いておくと、蔥白10g、桔梗5g、淡豆豉15g、梔子9g、薄荷葉5g、連翹6g、甘草3g、 鮮淡竹葉12g。専門家なら一見しただけで風邪に超効きそうだと分かる処方ですね。

薬として使われる淡豆豉(塩気を抜いた豆豉)は、その製作の初期過程で桑葉と青蒿という生薬を煮出した汁を吸わせてから蒸し、その後発酵して作る「桑葉青蒿豆豉」と呼ばれるものがあり、これは風熱感冒によく効くとされます。また紫蘇の煮汁に浸けて作った「紫蘇豆豉」と呼ばれるものは風寒感冒の頭痛に効果が高いとされます。なかなか面白い炮制の仕方ですね。

薬膳を学ぶ方はぜひ解表薬としてのトウチの使い方を覚えておきましょう。他にも除煩、宣発憂熱などの作用があります。熱が出てふらふらしている人にはトウチを使ったさっぱりした料理を作ってあげましょう。

それではレシピです。



羊肺羊肉湯│羊肉と羊肺のスープ

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難易度: 調理時間:30分以内
唐代の皇帝が食べたとされる料理『羊肺羊肉湯│羊肉と羊肺のスープ』のレシピを紹介します。羊の肺というちょっと珍しい材料を使うので難易度は☆三つですが、材料が揃えば作るのはほぼ一瞬です。

唐代に書かれた《食醫心鑑》という書籍に記載がある由緒ある料理です。原典には"治小便多數、痩損無力。羊肺一具、細切、和少羊肉作羹食之。"と書かれてある料理で、補中益気、温腎壮陽の作用があります。唐の皇帝らも病中病後に食べたと言われている料理で、当時はほとんど薬のようにして食べられていたと考えられています。

「羊肺」は中国・台湾では比較的簡単に手に入る食材ですが、日本でこれを手に入れるとなると非常に大変です。筆者も調べてみましたが、大手通販サイトでは売っているところを見つけられず。いくつかの牧場から直販で売っているところを数件見つけました(こことか)。羊肉自体は国産のものも多数出回っていますが、内臓はほぼすべて廃棄していると思います。友人に牧場を経営している人がいる方は相談してみましょう。とにかく羊肺の入手がネックです。何とか手に入れてください。

この料理が載っている《食醫心鑑》 は、他にも珍しくおいしそうなレシピがたくさんあります。おいしそうなレシピはそのうち紹介させていただきますのでご期待下さい。

老鴨湯│貴州鴨汁

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
貴州名物『老鴨湯│貴州鴨汁』のレシピを紹介します。塩漬けにしたダイコンでダシを取る鍋料理です。台湾でも食べられます。

この料理が名物の貴州は台湾から海峡を越えてずーーッと西に向った場所にある貴州省という地域。台湾とほぼ同じ緯度で雲南省や広西省と接する場所です。

省の80%が石灰岩に覆われたカルスト台地で、「貴州に三里の平地なし」と呼ばれるほどの険峻な土地が広がります。少数民族を多く抱える省としても知られ、カルスト台地に由来する鍾乳洞などと共に観光資源化されています。

紀元前は夜郎国というミャオ族による国が置かれており、漢による統治の時に夜郎の王が残した"漢孰與我大(漢と我いずれが大なるか?)"という言葉により、「夜郎自大(無知による自信過剰の意味)」という故事成語も生まれました。

貴州は南は四川、東は湖南に挟まれた地域であります。このため貴州料理は四川料理や湖南料理を越える辛さが特徴の料理であると言われます。また険しい地形から得られる独特の天然素材と少数民族による伝統的な調理方式を応用した料理がずらりと並びます。筆者もときどき台北にある貴州料理のレストランを利用しますが、日本人にはなんとも表現し難い独特の味付けの料理がたくさんあり行く度に驚かされます。注文する料理一つ一つがまったく別の味といえば良いでしょうか…。慣れないと食事中舌が混乱しっぱなしになります(笑)。けしておいしくないわけではないので、珍しい食事が食べたいと言う人は挑戦して見ましょう。

というわけで本日は貴州の『老鴨湯│貴州鴨汁』。レシピを見てどんな味か興味が湧いたらぜひ再現してみましょう。

花生醬牛蒡│ゴボウのピーナッツバターサラダ

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
ゴボウで作る『花生醬牛蒡│ゴボウのピーナッツバターサラダ』のレシピを紹介します。湯がいたゴボウの千切りにちょっと珍しいピーナッツベースのドレッシングを和えて作ります。

記事は後日!

粥底火鍋│粥鍋

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難易度:☆ 調理時間:半日
まだまだ寒い季節が続きます。粥をベースにした珍しい鍋料理『粥底火鍋│粥鍋』のレシピを紹介したいと思います。香港の鍋料理です。

台湾と並ぶ中華圏での人気観光スポットである香港。Hong Kongは広東語読みで、中国語普通話では Xiang Gang と発音します。もともと香木を運び出すのに使われた港であることから「香港」と名付けられました。

共産党が独裁する中華人民共和国の統治区域内にあって唯一の一国二制度が認められた自治区ですが、完全な民主化はなされておらず2015年3月現在も民主化を求めるデモが続いているようです。今後どうなっていくか注目です。

ちなみに香港の花、バウヒニア│洋紫荊(台湾では艷紫荊と呼ぶ)は筆者の大好きな花で、学名を Bauhinia × blakeana と言います。台湾では年中そこかしこに咲いているので、興味がある方は旅行時に探してみましょう。非常に美しいマメ科の五弁花です。


日本の鍋もおいしいですが、世界にはまだまだ私たちの知らないおいしい鍋がたくさんありそうです。中華圏の鍋料理は甘口男にお任せください。


杏仁瓦片│アーモンドトゥイレ

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難易度: 調理時間:1時間以内
過ぎ去りしバレンタインデーのお返し、3月14日のホワイトデーも近づいてまいりました。すこし気が早いでもないですが、『杏仁瓦片│アーモンドトゥイレ』という西洋菓子のレシピを紹介します。「トゥイレ│Tuile」はフランス語で瓦を意味し、英語の「タイル│Tile」 の語源となっています。

西洋のお菓子ですが、ポイントに中華風のアレンジをする方法を書いています。参考にしてください。

中国語でバレンタインデーは「清人節」、ホワイトでーは「白色情人節」と言います。どちらも日本の菓子業界が企画して生まれた記念日で、台湾では1980年代から日本好きな若者たちの間で流行しました。今では割りと一般的に受け入れられています。

最初期のホワイトデーのお返しにはキャンディーが一般的で、そのまま「キャンディーを返す日」と呼ばれていました。1980年からキャンディーに使う砂糖が白いことから「ホワイト」デーと呼ばれるようになったそうです。日本以外にホワイトデーの習慣がある国は韓国、台湾、中国(香港)だけで、他の国には存在しません。マスメディアの力恐るべしですね(笑)。

もともと中華圏では「七夕」を恋人たちの記念日として祝い、台湾も例外ではありません。この日は男女の区別なくプレゼントを送りあい愛を確認しますが、日本人はなかなか慣れないかも知れません。台湾人と交際する(したい?)方は「七夕」の方も忘れずに覚えておきましょう。逆に日本のように短冊を捧げて祈る風習は台湾にはありません。


甜湯圓│甘湯円

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
今日は元宵節です。皆で『甜湯圓│甘湯円』を食べましょう。シンプルイズベスト!『湯円』と砂糖水だけで作る料理です。

元宵節の始まりの物語は前回の記事で解説しました。今回は道教の神様天官大帝の誕生日でもある元宵節の祝い方を説明します。

天官大帝は道教の神様で竜王の子供とされます。道教では神や仙人の誕生日を祝うとその加護を得られるとされ、多くの神様を祭っている有名な廟では毎月様々な神様の誕生日を祝う催しが行われます。

天官大帝は道教が現在のような形になる前の原始道教の時代から存在するそれは古い神様です。様々な伝説を取り入れながら進化してきたために、それはもう様々なものの化身とされています。一説によると原始天尊の化身であるとか、古代伝説の王朝の三皇五帝の一人、堯の化身であるとも言われます。

天官大帝と並ぶ三帝、即ち地官大帝と水官大帝はほぼ何処の廟にも主神の一つ手前などに配置されています。廟めぐりに慣れてくると、神像の作りの善し悪しも分かり始めます(笑)。神社仏閣めぐりが趣味の方はぜひ台湾の廟めぐりもルートに加えてみて下さい。

ちょっとしたうんちくですが、道教では十五日に祭りを始めるとき、その前日、十四日の午後11時から祭祀を始めます。古代の時方に習って十五日子の刻からその日が始まるとするためです。またこの日はずっと灯(燈)を付けておき、夜通し神様を祭ります。台湾語で「燈」と「丁」の発音が同じため、この日部屋に釘を打ったり、丁と書いた紙を張って(添)おくなどすると、男子を授かる(添丁)とされています。「添丁」 とは古い中国語で「男子を授かる」という意味があります。台湾独自の風習です。


2015年2月第3週 台湾ヒットチャート

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国語

順位 曲名 歌手
1 小蘋果 筷子兄弟
2 泡沫 鄧紫棋
3 想你的夜 (未眠版) 關喆
4 算什麼男人 周杰倫
5 可惜沒如果 林俊傑
6 傷心的人別聽慢歌 (貫徹快樂) 五月天
7 以後別做朋友 周興哲
8 我還是愛著你 MP 魔幻力量
9 缺口 庾澄慶
10 喜劇之王 李榮浩



台語

順位 曲名 歌手
1 人生的歌 黃乙玲
2 落雨聲 江蕙
3 家後 江蕙
4 夢中的情話 江蕙、阿杜
5 追追追 黃妃
6 傷心酒店 施文彬、江蕙
7 海波浪 黃乙玲
8 愛情限時批 伍佰、萬芳
9 雲中月圓 王識賢、孫淑媚
10 癡情的男子漢 洋蔥(玖壹壹)、睿兒

以下に各部門上位3曲のYoutubeのリンクを貼り付けておきます。過去に紹介しているものは飛ばして順次下位の曲を紹介していますので、上位曲のビデオは過去のチャートを参照してください。

国語部門
なし


台語部門
10 癡情的男子漢 - 洋蔥(玖壹壹)、睿兒



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>>2015年2月第4週のヒットチャート

客家湯圓│客家湯円

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難易度: 調理時間:30分以内
昨日に引き続き「元宵節(今年は3月5日)」に食べる『湯圓』料理を作ります。今回は客家の『客家湯圓│客家湯円』のレシピです。出汁の効いたスープで肉と野菜と『湯圓』を煮込んで作る料理です。

元宵節を祝う習慣は前漢の時代から始まったと前回の記事で軽く触れました。今回はその辺をざっとおさらいしてみましょう。料理で学ぶ中国史です(笑)。

後の始皇帝となる嬴政と《呂氏春秋》で有名な呂不韋とが内輪もめの末、始皇帝が勝利。その後始皇帝は周辺諸国を制圧して中華を始めて統一(前221年)し、中国で初めての中央集権制度が敷かれます。始皇帝の死(前210年)後、楚の項羽と漢の劉邦が争いの末、劉邦が勝利し前漢が成立(前206年)。この辺は皆さんご存知のとおり。この時代に漢文でおなじみ「鴻門の会」や「四面楚歌」の故事が生まれました。項羽と劉邦にまつわる料理としては、劉邦の子孫劉安が発明した(…と言われる)『豆腐』、項羽にまつわる『霸王肥腸│豚モツ覇王炒め』、『覇王雞│客家風葱油鶏、覇王鶏』などというものがあります。

劉邦の妻である「呂雉(呂不韋の一族ともされます)」は、劉邦の死後中国史上希に見る悪政を敷き国家の大混乱を招きます。これにより呂雉は中国三大悪女に名を連ねているほどです。呂氏の一族を粛清し混乱を収めるのに成功したのが旧暦一月十五日で、それ以降は毎年これを祝って庶民らと共に王侯貴族らが盛大に宴を開催しました。その後400年続くことになる漢の繁栄を象徴する祝日となるのです。ちょうど春節最後の日でもあり、いつしか道教のお祭りとも融合して中国の一般的な祭りになっていきました。宋代に家庭円満を祈って『湯圓』を食べる習慣が生まれ、様々な土地、民族で様々な『湯圓』料理が生まれます。

中に『肉餡』を包んだ『湯圓』で作るとよりおいしいですよ。


2015年2月第2週 台湾ヒットチャート

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国語

順位 曲名 歌手
1 小蘋果 筷子兄弟
2 泡沫 鄧紫棋
3 算什麼男人 周杰倫
4 想你的夜 (未眠版) 關喆
5 可惜沒如果 林俊傑
6 以後別做朋友 周興哲
7 傷心的人別聽慢歌 (貫徹快樂) 五月天
8 我還是愛著你 MP 魔幻力量
9 喜劇之王 李榮浩
10 天后 陳勢安



台語

順位 曲名 歌手
1 人生的歌 黃乙玲
2 落雨聲 江蕙
3 夢中的情話 江蕙、阿杜
4 追追追 黃妃
5 家後 江蕙
6 海波浪 黃乙玲
7 愛情限時批 伍佰、萬芳
8 傷心酒店 施文彬、江蕙
9 雲中月圓 王識賢、孫淑媚
10 好膽你就來 阿密特(阿妹)

以下に各部門上位3曲のYoutubeのリンクを貼り付けておきます。過去に紹介しているものは飛ばして順次下位の曲を紹介していますので、上位曲のビデオは過去のチャートを参照してください。

国語部門
5 可惜沒如果 - 林俊傑



台語部門
なし


>>2015年台湾ヒットチャート目次
<<2015年2月第1週のヒットチャート
>>2015年2月第3週のヒットチャート

湯圓│中華紅白団子、湯円

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
今年の3月5日は「元宵節」です。台湾では平溪のランタンフェスティバルが有名ですね。「元宵節」には団子のスープを食べるのが恒例で、今日から数回に分けていろんな『湯圓』料理を紹介したいと思います。まずはベースとなる『湯圓』のレシピです。

元宵節は農暦一月十五日、一年の最初の月(元月)の満月(宵、夜)を祝うお祭りです。もともと前漢時代に発生した乱の鎮圧を祝ったのが始まりですが、すぐに他の宗教行事などと結び付けられ祝われるようになりました。元宵節は上元節ともいい、お中元でおなじみの中元節(七月十五日)の前にある祝日です。ちゃんと下元節(十月十五日)というのも存在しており、こちらも中華圏では祝われます。

道教では上元節に天の神、中元節に地(死後の世界)の神、下元節に水の神様を祝う風習があります。ちなみにこれが仏教と混ざり合って日本に伝わり、現在も日本に残るお中元の由来になりました。古来上元節は天の神を祝う日ということで、夜通し明かりを灯して過ごしたり、月に見立てた団子を食べたりしてすごしました。夜通しつけていた明かりはランタン(天燈)に、月に見立てた団子は『湯圓』に変化をして現在に伝わっています。

2000年以上の歴史をもつ『湯圓』料理。『湯圓』は元宵節だけでなく、中秋、冬至のお供え物や日常のお菓子として台湾では大活躍します。 今年は「項羽と劉邦」の話題やお中元の由来などうんちくを垂れながら食卓を囲んでみてはいかがでしょうか?

それではレシピです。


鵝油飯│ガチョウ脂ご飯

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難易度: 調理時間:30分以内
これを食べたことがある人は台湾中級者! 黄金に輝く『鵝油飯│ガチョウ脂ご飯』のレシピを紹介します。台湾では瓶入りの「鵝油」を買うだけで作れますが、日本では原料の入手から行う必要がありそうです。

ガチョウの脂は日本にも確実に存在はしていると思いますが、それが手に入るかどうかは別の問題です。食肉店で問い合わせるか通販で外国製のものを購入しましょう。「グースファット」の名前でフランス製のものなどが手に入ると思います。大量のガチョウの皮を集めれば「鵞脂」を集められますので、まずはこれを手に入れてください。(原料の入手が難しいので難易度☆3つとさせていただきました。)



ガチョウ(鵞鳥)はカリ(雁)を家禽化したもので、飛行能力がほとんどなく、粗食でも丸々と太り、肉は食用に、羽は装飾に使えることから主にヨーロッパで養殖が盛んです。犬と同じように見知らぬ人に吠え掛かり攻撃する性質があるため、「番鳥(?!)」としても飼育されます。台湾では卵を塩漬けにした『鹹鵝蛋』という商品もあります。

普通の日本人の皆様は「ガチョウの脂」と効いてもピンとこないかもしれませんが、西洋、特にフランス料理では一般的な食材です。ご存知フォアグラの副産物として大量に収穫でき、スープ料理に少し加えて風味をつけたり、なによりフォアグラを焼くときの脂として活用されます。低温で解けて体内に蓄積しにくいという特徴があり、健康食品としても注目されています。

紀元前2000年前の古代エジプトの壁画にはガチョウを飼育している姿が描かれており、その歴史の古さが伺えます。ニワトリは紀元前4000年ほど前からインドの歴史に登場するのでそれより少し遅れますが、家禽としての歴史が非常に長い鳥類です。

中国の歴史に最初に登場するのは紀元前400年ほど前の《荘子》。書名は皆さんご存知かと思います。"命豎子殺雁而烹之、豎子請曰、其一能鳴其一不能鳴、請奚殺。主人曰、殺不能鳴者。"という記載がありこの頃にはすでに雁を家禽化する技術があったものと推察されています。

エジプトからヨーロッパに伝わったガチョウと中国で飼育されるガチョウは実は元になる雁の種類が異なり、その家禽化の歴史も異なると推察されています。今後の遺伝子解析の研究が待たれます。

今回紹介する『鵝油飯』は非常に香り高く、ご飯だけでおかずが必要ないほどのおいしさです。日本ではまず食べられませんが、台湾ではガチョウ肉の店で食べられます。ぜひこのおいしさを体験してみてください。


乾煎鱸魚│スズキの素揚げ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
久しぶりの「中餐丙級證照」シリーズから、『乾煎鱸魚│スズキの素揚げ』のレシピを紹介します。使うのはスズキ、塩胡椒、レモン汁、そして少しの片栗粉のみのシンプルな料理です。揚げ物が苦手という人はこの料理を踏み台にしていろんな揚げ物に挑戦してみましょう。

料理名は揚げるというより炒めるが適切かもしれませんが、油を多く使った方が上手く行きます。人によってはほとんど揚げるのと変わらないくらいの油を使うので素揚げにしました。

また料理名はスズキ(鱸)としていますが、台湾で「鱸魚」と呼ばれる魚は、スズキ目のパーチ(ヨーロピアンパーチ)と呼ばれる魚で日本のスズキものとは別物です。味はともかく大きさがぜんぜん違うので、中国語のレシピを参考にする場合は注意しましょう。


ところでスズキといえば日本を代表する自動車メーカーですが、日本を含む主要自動車メーカーが台湾でどのように呼ばれるのかまとめてみました。

トヨタ 豐田
ホンダ 本田
日産 日產
三菱 三菱
スズキ 鈴木
マツダ 松田

ベンツ 賓士
ポルシェ 保時捷
BMW 汎德
GM 裕隆
フォード 福特
フェラーリ 法拉利
プジョー 寶獅
アウディ 奧迪

日本のメーカーはそのまま繁体字にすればよいので簡単ですが、海外メーカーはなかなかひねった漢字を当てています。またGMだけは提携している台湾の会社の名称で呼ばれます。そういえば街中でGMの車をほとんど見かけなくなりました。

自動車に興味がある人は台湾で走っている車の種類にも注目して旅行すると楽しいでしょう。台湾では日本メーカーがかなり健闘しており、毎年のシェア争いにしのぎを削っています。中国語がわかる人はディーラーを訪れて車の説明を聞くのも楽しいですよ!

それでは、『乾煎鱸魚│スズキの素揚げ』お楽しみ下さい。






 
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