福建紅麹湯│福建風紅麹スープ

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難易度:☆ 調理時間:3時間以内
紅麹を使った福建風のスープ『』のレシピを紹介します。そのまま飲んでもいいですが、豆腐や肉類など各種具材を煮込むことで色々な味を楽しめます。鍋のベースとしても使えます。紅麹が手に入らない方は普通の塩麹や酒糟を使って作ってみましょう。

さて、台湾にも「福建省」があることをご存知の方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?台湾に長いこと住んでいる人や台湾に何度も訪れている人でも知らないことがあるのですが、国共内戦で敗北した中華民国政府は台湾省の全域を支配化においたのですが、台湾省以外に福建省の島嶼の一部も支配を維持しました。場所的には台湾本島から遠くはなれた、大陸福建省の沿岸、金門島、烏島、馬祖島の三箇所が中華民国福建省にあたります。

現在の台湾のほとんどの地域は日本による統治を受けたことがあるのはご存知の通りですが、この中華民国福建省の地域は、日本統治を受けていません。辛亥革命から現在に至るまでずーーーっと中華民国国民党の支配を受けている地域で、政治的にも非常に独特な地域となっています。現在国政や地方政でまったくの落ち目にある国民党ですが、この三地域だけは圧倒的な国民党支持を維持しています。民進党やその他の政党が付け入る隙は全くありません。

金門島などは中国大陸と数キロしか離れていない場所なので、国共内戦時は多数の砲弾が島に降り注いだと言います。金門ではこのとき島内に残された多数の砲弾の鉄くずを加工し、包丁や鉄器を加工するという鉄産業が発達しました。今でも金門島産の中華包丁は台湾ではちょっとしたブランド品となっています。中国人のしたたかさがよく分かるようです。

中国台湾の両岸関係が改善された現在は、商業交流が盛んになり多くの人やモノがこの地域を往来するようになりました。金門などは普通の船に乗って30分ほどで中国に渡れてしまうので、日帰り旅行も簡単です。(ただし台湾人が中国に渡る時はビザを取得する必要があるため、観光で訪れる台湾人は稀です。日本人ならノービザで対岸まで渡れます。)台湾滞在が長くなりそうなら、一度中華民国福建省に足を運び、さらに対岸の中国福建省まで足を伸ばして違いを楽しんでみるのもよいでしょう。

そうそう、この地域で食べられる料理はもちろん「福建料理」です。台湾料理が福建料理から派生した料理であることがとてもよく分かる料理を楽しめます。

藥燉排骨│豚バラ薬膳煮込みスープ

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難易度: 調理時間:3時間
台湾ナイトマーケットでおなじみ『藥燉排骨│豚バラ薬膳煮込みスープ』のレシピを紹介します。色々な生薬を使うので一般家庭では材料探しに苦労すると思いますが、調理はとても簡単です。ぜひ一度自宅で再現して、家族や近所に「漢方臭い!」といわれて見ましょう(笑)。

この料理はだいたいどこの夜市でも食べられるとてもポピュラーなメニューの一つです。台湾の夜市といえば、つい先日ちょっと面白い訴訟の結果が出たのでお知らせします。

新北市永和区にある樂華夜市(MRT永安市場の横)の近くに住む住民らが"夜市の撤去"を求めた裁判で、周辺住民らの過半数が撤去に賛同し原告の勝訴が決まりました。非常に多くの市民らの注目を集めた訴訟でしたが、住民らは生活の安寧、安全、また道路使用権を求めて行政訴訟を起こし、3年前に政府が発行したナイトマーケットの営業許可証の発行過程に問題があったとして、夜市の営業撤回を求めていました。行政は最高裁に上訴を求めていましたが棄却され、この11月27日に住民の勝訴が決まりました。

台湾語に「乞丐趕廟公(軒を貸して母屋を取られるみたいな意味です)」という諺があり、それに準えて表現されるこの訴訟。もともと樂華夜市は50年以上の歴史があり、ほとんどの住民が夜市があることを知っていてあえて付近に越してきた人ばかりです。常設の夜市周辺は夜間の喧騒があるということで市価よりも安く不動産を入手できるのですが、それを分かっていて購入した住民らが結託して喧騒を取り除き、今度は手に入れたときよりもはるかに高額で不動産を売却するつもりなのではないかという批判も起きています。

筆者も大好きな樂華夜市…、近いうちになくなってしまうかもしれません…。夜市ファンは早目に訪れておきましょう。

同様の訴訟は師大夜市周辺でも起こされており、こちらも判決に注目が集まっています。台湾人は「不動産 = 命、人生の象徴」のように考えている部分があり、一度居住目的で手にした不動産はなかなか手放さそうとしません。たとえ家族が大病でお金が必要だったとしても、先祖代々の土地に手をつけようとすると、親族一同から猛烈に批判されるようなお国柄なのです。土地がらみの訴訟も多く、近年の投資熱も相まって不動産がらみのトラブルは絶えません。

樂華夜市問題も判決は出ましたが、政府が住人に不動産差額分を保証するのか、本当に閉鎖されてしまうのか…。経済学で言う「コースの定理」の例題にもなりそうです。今後も注視していきますので、続報をお待ちください。


青蔥油│ネギ油

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
焼肉のお供に『』のレシピを紹介します。サラダ油とごま油で刻んだネギを炒めて、適量の塩を混ぜるだけの簡単料理です。焼肉のタレが足りない!という緊急時などに、材料を集めてサッと作れるのがいいですね!

記事は後日!

羊肉爐│台湾風羊肉スープ

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難易度: 調理時間:3時間
中薬材をたっぷり使った薬膳効果もばっちりな『羊肉爐│台湾風羊肉スープ』のレシピを紹介します。材料の入手がネックですが、日本でも手に入るものばかりなので漢方薬局に相談してみましょう。羊肉意外にも様々な材料を煮込んで食べられます。補気、補血、活血、補陰、補陽、補腎、開胃の薬材を配合しており、疲れた体に効きます!

古代中国でヒツジは神の使いとされました。これはヒツジの性格が非常におとなしく、飼育も容易で貴重な古代では蛋白源となり、また羊毛も収穫できるといった人間にとっていいこと尽くめの動物であったことからだといわれています。神に捧げる生贄として牛(過去記事参照)と共に珍重されました。

こうしたヒツジの従順さは美徳の象徴とされ、「羊」の字は「美」という漢字のパーツとしても使われていますし、「義」も羊が身を捧げる姿を現した漢字です。犠牲の「犠」の字では牛と共に使われています。他にもヒツジを見て、口をあけて(欠)よだれ(シ)を流している姿は「羨」、ヒツジを焼く穴を「窯」、ヒツジに草を食べさせる「養」、人がヒツジを連れて目的地まで移動する「達」などがあります。

また古代、中国が女系社会であった頃の遊牧民族を「姜」と呼びました。彼らは遊牧民族であったため祭礼時でも礼儀や作法を守らず口うるさかったそうで、そのため羊の字に口をつけた漢字が「苟」という字になりました。もともとの字は草冠ではなく羊の角です。これからなぜか草冠が取れて「句」という漢字が、礼儀を守らない「苟」を鞭(攵)でしつける姿が「敬」という字になりました。現在の意味からはかけ離れた暴力と偏見に満ちた漢字ですね(笑)。尊敬の意味を教えるときは、先祖がえりしてしまわないよう注意しましょう。


丁香肉桂滷│クローブとシナモンベースの中華風煮込みスープ

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難易度: 調理時間:3時間
肌寒い季節にピッタリの『』のレシピを紹介します。様々な具材を煮込めるスープベースで、クローブとシナモンが肉類との相性ばっちり!すっきりとさわやかな香りで、体を温めてくれます。材料の入手がネックですが、どれもスーパーの香辛料コーナーで手に入れられます。

いわゆる『滷味』の一種です。材料さえあれば大量に作るのも簡単なので、文化祭の出店にも良さそうです。

さて日本の学校で恒例行事の一つである「文化祭」。実は台湾や中国の学校ではあまり(ほとんど)行われません。もちろん学校や先生次第なのですが、台湾の学校では各クラスで出し物や出店、イベントを行うという行事自体が極めて少ないのです。

いわゆる運動会はだいたいどこの学校でもやっていますが、日本のように多彩なプログラムで父兄も参加できるようなものではなく、各クラスの選抜選手がバスケットボール、リレー、綱引きなどの競技に参加する程度のものです。日本のイメージとは全く違います。

台湾の高校(高等中学)では各スポーツ競技ごとに地区の大会が開かれおり、全国大会ももちろん行われているのですが、実はこの大会に参加しているのは一般の学生ではなく、各学校に特別に設置されている「体育科」の学生たち。そもそも台湾の高校にはクラブ活動のようなものはほとんどなく、普通科の学生は学業が本分ということで放課後も塾や自宅で勉強を行います。日本の「文武両道」の精神は台湾ではあまり受け入れられなかったようです(笑)。

各学校ごとに一般の学生も体育科の学生も一緒になってクラブ活動を行えるのは大学生になってからで、ある程度運動神経のある人は学業の傍らスポーツに汗を流しています。ちなみに2015年の全国大学野球大会の優勝校は文化大学。全国大学22チームが参加した大会で文化大学は最多優勝回数を誇る強豪校です。日本プロ野球のスカウトも視察に来るとか来ないとか。

台湾の高校生以下で一般の学生も専門科の学生も同じ土俵で戦えるほとんど唯一の分野は「芸術分野」。特にピアノや二胡などの伝統楽器は幼少期から英才教育を受けている人がたくさんおり、才能次第ですが時々専門科の学生を差し置いて全国で優秀な成績を残したりもしています。

学生時代にある程度身体を使う練習をしておくと、大人になってからもハッとするような動きが出来たりして、意外な場面で役に立つことがあります。台湾に長期滞在する人は、地域の運動センターなどに申し込んで、スポーツを通じていろんな分野の人と交流するのも面白いですよ。


菠菜羹│ホウレンソウの中華風あんかけ

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難易度:☆ 調理時間:
野菜たっぷりのあんかけ料理『菠菜羹│ホウレンソウの中華風あんかけ』のレシピを紹介します。とろみのついた中華スープでホウレンソウ、ハム、トウモロコシをとじて作ります。とても簡単に作れる上、栄養価も高く、体も温まります。

ホウレンソウは漢字で「菠薐草」と書きます。中国語では「菠菜」、ヒユ科の植物で、学名は Spinacia oleracea といいます。中国には7世紀前後、唐代に今のネパールから伝わったとされ、古くは日本と同じように菠薐草と呼びました。当時のネパール辺りにあった Palinga(当時は頗稜と表記) という国の名前から頗稜菜と呼ばれるようになり、後にこれが転じて菠薐菜と書かれるようになったそうです。カンボジア→カボチャみたいなものですね。広東省の潮汕地区の閩南方言では「菠薐」と「飛龍」の音が似ているため飛龍菜とも呼ばれ、この名称も割と全国的に通用します。他にも鸚鵡菜、紅根菜などの別名があります。

日本には17世紀に中国から伝わり、かの伊達政宗もホウレンソウを食べた記録が残っているのだとか。しかし全国的に普及するのはアクが少なく味のよい品種が生また近代に入ってからで、和食の食材としてすっかり定着しました。

ホウレンソウを使った料理の歴史は中華に一日(千年?)の長があります。和食にはない色々な料理に挑戦してみてください。


銀芽拌魚柳│モヤシと白身魚和え

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『銀芽拌魚柳│モヤシと白身魚和え』のレシピを紹介します。茹でたモヤシと白身魚を酢醤油で食べます。どんな魚でも作れるので、レパートリーに加えておきましょう。

古代から現代に到るまで白色をあらわすのに使われてきた「白」という漢字は、謎の多い漢字です。シンプルな形で甲骨文字や金文にも図案が登場するのですが、実際には何をモチーフにしたものなのかはっきりと分かっていないのです。

ある人は「二枚、三枚に重ねた舌」 を表すといい、ある人は「親指の象形文字」であると言い、又ある人は「頭蓋骨」であるといいます。それぞれ「話す、言い尽くす」→白(色)、「指の長」→伯(偉い人)、「頭蓋骨の色」→白、伯(偉い人の頭蓋骨は保管されました)などの意味の変化があって、白色という意味が生まれたと推察していますが、未だにはっきりとしたことは分かっていません。他にも月の光をあらわす文字であるとか、貝殻の色であるとかの様々な説があります。長い間ほとんど形が変らず、よく使われる字であるのに、由来がはっきりしないという珍しい字です。こういうのは漢字学会の偉い人に考察を頼むよりは、どこか原始生活を送っている人々に甲骨文字を見せて何に見えるか尋ねたほうが正解に近づけるかもしれませんね。



薑汁肉片│中華風ショウガ焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内




日本とは別の作り方でつくる『』のレシピを紹介します。豚肉は一度湯通しして火を通したものを使い、調味料とあわせて強火で一瞬加熱して味を馴染ませます。豚肉のうま味はそのままカロリーを落としているので、ダイエット中にも良さそうです。調味料に酢を使っているので暖かいうちに食べましょう。

(生)ショウガの有効成分は「ジンゲロール」 といいます。ショウガ特有の辛味と香りの成分です。妊婦さんの悪阻による吐き気を抑制したり、低体温症を改善したりする働きがあります。ジンゲロールを発見したのはイギリス人で、名前はもちろん英語の「Ginger」から名付けられています。

このジンゲロールは加熱や乾燥によりヒドロキシル基を失い、「ショウガオール」という成分に変ります。ショウガオールはジンゲロールよりも辛味が強く、薬理作用では咳止めの効果が現れます。抗酸化作用や抗菌作用はジンゲロールよりも強くなります。ショウガオールは1917年に日本人により発見され、もちろん日本語のショウガから名付けられました。

およそ100年前に発見された成分ですが、近年特定のがん細胞のアポトーシスを誘導する作用が発見されたりと古くて新しい成分です。

ショウガを使った中華料理は星の数…、というよりショウガを使っていない中華料理を探す方が難しいくらいの重要な食材です。和食とも上手く組み合わせて新しい料理を編み出しましょう。



滷鵪鶉蛋│ウズラの卵煮込み

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
ヨーロッパウズラの卵を中華風に八角で煮込んだ『滷鵪鶉蛋│ウズラの卵煮込み』のレシピを紹介します。台湾ではレストランの小菜としてもおなじみです。醤油と八角で茹で卵を煮込むだけ、卵が小さいのでそれほど時間をかけずに作れます。

日本のウズラはもともとヨーロッパウズラ( Coturnix coturnix )の亜種と考えられてきましたが、近年独立した種となり新しい学名( Coturnix japonica )を与えられました。種小名が Japonica(日本の) となっていますが、日本の固有種ではなく渡り鳥です。日本では古墳時代より飼育が行われており、肉や卵を食用に用いてきた由緒ある食肉の一種です。現在の日本でも盛んに飼育されていますが、野生種は姿を消しつつあり保護されています。もちろん狩猟は禁止です。

中国語では「鵪鶉」といい、各地で盛んに飼育されています。中国でも野生のウズラは姿を消しつつあるそうですが、幸いにして飼育品ですべての需要をまかなえているため、これ以上の乱獲の怖れはないそうです。台湾でも南部や東部で盛んに飼育されており、台北の市場で肉や卵が手に入ります。

古代中国では肉と卵を最高級の滋養品として薬用に用いてきた歴史があり、《本草綱目》には補五臟、益中氣、實筋骨などの効能があることが記載されています。実際、タンパク質やビタミン、鉄分の顔料は鶏肉以上、脂肪含量は鶏肉以下となっており、中国セレブの間では鶏肉の代わりにダイエット食材として用いられています。

ウズラは外部からの刺激にはめっぽう弱く、大きな音や刺激ですぐに逃げ出す性質があります。そのため中国では昔から怖がりな人を「ウズラ」と呼ぶこともあります。その癖、同じくらいの大きさのウズラとは非常に好戦的であり、中国では日本の闘鶏のように闘鵪鶉という賭博が行われています。愛嬌があるのかないのか…不思議な鳥です。



肉包│肉まん

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
日本でも台湾でもコンビニ軽食としてすっかりおなじみの『』のレシピを紹介します。中に入れる肉餡はチャーシューでもカレーでもシチューなどでもOK。ある程度の粘りがあれば何でも包めます。もちろん餡子を包んで『あんまん』にも出来ます。

『肉まん』系料理の始まりは三国時代、諸葛亮孔明が河の氾濫を鎮めるための生贄代わりに小麦粉で作った人型(饅頭)を投げ込んだのが始まりとされています。

死後1800年を経てもなお多くの人に愛されている諸葛亮孔明は、道教の神様として台湾でも祀られています。有名なのは南投縣魚池鄉の孔明廟や去年新しく台中にできた台中諸葛孔明廟などでしょうか?学問、政治、軍事、農業などあらゆる分野に精通する祭神としてここ台湾でも人気があります。

古の英雄を祀る習慣は道教独特のものなので、三国志ファンならずとも興味のある方は一度お参りに出かけて見ましょう。ちなみに神様としては関羽の方が格上で信者も多いのが面白いところです。

燒肉飯│中華豚丼

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中華風のどんぶり飯『燒肉飯│中華豚丼』のレシピを紹介します。弁当のおかずにも最適!豚肉をとろりと焼いてご飯に添えた料理です。材料の比率も簡単でおいしいので覚えて置いて損はありません。ご飯の半分に納豆を添えるとベスト!

豚は世界中で400を超える品種が飼育されているそうです。中国にはその内64種が飼育されているそうで、飼育豚の種類の豊富さで世界トップの座に君臨しています。ほとんどが日本では見たことも聞いたこともないような豚の品種ですので、中国各地に旅行したらまずその土地の豚肉料理を食べて見ましょう。

台湾でも多くの種類の豚が飼育されており、大別して外来種と原生種に分けられます。

外来種は日本でもおなじみのヨークシャー種(Y)、ランドレース種(L)、デュロック種(D)の三種がメインで、これらを掛け合わせたものも多く飼育されています。業者や問屋レベルではY、L、Dの記号で品種が書かれているので、もし見かけることがあったら解析してみましょう。

原生種は明、清代から台湾で飼育されていた豚の生き残りで、各地の地名を取って桃園猪、頂雙溪豬、美濃豬などと呼ばれます。多くが白豚系で、小耳猪、小型長鼻猪などの品種は近年その数を急激に減らしており、国家から保護動物に指定されています。桃園新竹苗栗あたりの客家は伝統的に桃園黑豬という黒豚系の品種を飼育しており、これもその希少さから保護動物に指定されています。保護されている品種はよほどのことがないかぎり一般人が食べることができません。

他にもオランダ時代に持ち込まれて原住民に飼育されている系統の品種も煎るのですが、これまた現在非常に数を減らしており保護されています。普通は研究所内でしか見かけることが出来ません。

まぁ数を減らして保護されているとはいえ、だいたいは(他の品種に比べて)肉がまずくて飼育の価値がないということです。とはいえ豚肉≒台湾人の蛋白源として歴史的に価値が有るものなので、一部の希少品種は今後もひっそりと保護されていくことでしょう。こういった希少品種同士を掛け合わせて、いつかすばらしい肉質の豚が生まれるかもしれませんね。



鳳梨苦瓜雞湯│パイナップルとゴーヤ入りチキンスープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『鳳梨苦瓜雞湯│パイナップルとゴーヤ入りチキンスープ』のレシピを紹介します。パイナップルの酸味とゴーヤの苦味を美味く組み合わせた鶏肉入りスープ料理です。缶詰のパイナップルで作れます。

パイナップルの原産地は南米ブラジル辺りで、先住民により栽培化されました。その後ヨーロッパ人によるアメリカの発見までに、南米および北米大陸のほとんどの栽培可能地域に伝播していました。新大陸発見後はすぐにヨーロッパに持ち込まれ、たちまち全世界の熱帯地域に広がりました。コロンブスの新大陸発見が1492年、1513年にはスペインへ、1558年にフィリピン、1599年にジャワと大航海時代と共にアジアへ普及していきます。台湾へは1650年ごろに伝わったそうです。ここから日本に伝わりそうな話ですが、ちょうど良い時期に鎖国していたため導入は1850年頃と遅れてしまいます。江戸時代にパイナップルの栽培が始まっていたなら、和食に取り入れられて面白い料理が生まれていたかもしれません。

タンパク質分解酵素のブロメラインを含むことで知られ、医薬品として火傷や褥瘡の壊死組織を除去するために多くの病院で使われています。


白灼牛肉│白灼牛肉

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
簡単に作れる家庭料理『白灼牛肉│白灼牛肉』のレシピを紹介します。醤油と酒に漬けた牛肉を茹でて火を通し、ソースを添えて作る料理です。数分で出来上がるので『すき焼き』などで余ったうす切りの牛肉があれば作ってみましょう。

「牛」の字が象形文字であるのは皆さんご存知の通り。篆書の時代までは左右対称でしたが、隷書になると、右利きの人が多いためでしょうか、上部が非対称になり現在の形となりました。古代中国では牛は農耕用の動力として大切に飼われていただけでなく、特別な祭祀用の供物としても重要で、そのため「牛」というパーツを使った様々な漢字が生まれました。

まずはオスの牛を「牡」、メスの牛を「牝」と書き分けるのはご存知のとおり。祭祀で「犠」「牲」にするための特別な牛を「特」、牛に刃を入れると「物」、切り分けた牛(肉)を「半」と書いたりもします。切り分けた肉を人が分けるときの単位が「件」です。また太鼓の「壴」の上部はもともと「牛」の字で、もちろん牛の皮を使っていたことを示しています。

他にも牛の檻は「牢」、それにヒモ(玄)をつけて引っ張りいれる作業を「牽」といいます。手に棒を持って(攵)牛を追う事は「牧」、元々は上下が逆の漢字ですが、牛の吐く息(ム)が「牟(mou│モー)」です(笑)。「角」の字も牛由来で、この角を口にして吹くことを「告」と書きます。

あとは牛に似た動物、例えば「犀」や「牦(氂)(ヤク)」に使われたりします。他にも50種類くらい牛由来の漢字があります。こうして並べてみると祭祀と関連した漢字が多く、古くから供物として大切に扱われていたことが分かります。牛は古代中国では神の使いの動物と考えられていました。おいしく食べましょう。

清真紅燒牛肉│イスラム風牛肉の豆板醤焼き

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
お手軽!そして美味!簡単に作れる『清真紅燒牛肉│回族風牛肉の豆板醤焼き』のレシピを紹介します。ご飯にも良くあう濃い目の味付けで、一噛みすると口の中に旨みが広がるおかず料理です。まあ…調味料に酒を使ってますが、アルコール分は飛んでいるのでギリギリセーフなのでしょうか?

「清真」(料理)とは汚れがないという意味で、通常は豚肉、一部の魚介類、酒などを使わない、「ハラール」を遵守した調理法で作られた料理を指します。他の料理に比べて使える材料に縛りがありますが、その分使える食材を活かした料理が特徴で、特に羊肉料理に定評があります。 宗派や住んでいる地域、信仰心、また自身がどこにいるかなどによっても食べられるものが変わるので、身近にイスラム教徒がいる人は聞いてみるとよいでしょう。海外在住者はある程度妥協していることが多いようです。

台湾にもインドネシアからの出稼ぎ労働者が多数おり、ほとんどはイスラム教徒です。台北市内でも大きな公園などに行けばヒジャブを纏った女性を見かけることがあります。桃園辺りの工業地域では自転車に乗って移動する集団を見かけることも。彼らは普通の台湾人とは食べられるものが異なるため、地域にあるイスラム料理店で外食したり自炊をしたりして生活をしていることが多いようです。台湾ではハラール認証済みの食材を売っている店は限られているため、そういうお店には連日イスラム教徒で賑わっています。イスラム食材を扱う店はそこかしこにあるのですが、普通の台湾人や観光客はまず足を運ばないので、探しあてるのは少々大変かもしれません。それっぽい店を見かけたらちょっと覗いて見るのも面白い経験になるでしょう。東南アジアのインスタントラーメンとかが珍しくておすすめです(笑)。

それではレシピです。10分ほどですぐに作れます。



客家鹹豬肉│客家チャーシュー

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難易度:☆ 調理時間:数日
客家の伝統料理『客家鹹豬肉│客家チャーシュー』のレシピを紹介します。香辛料と共に塩漬けにした豚肉を焼いて作る伝統料理です。お弁当に入っているとうれしい料理ですね。

客家が台湾に大量に移入したのは清康煕帝の時代中葉からです。初期の客家の大部分は広東省嘉應州からの移民で、韓江口(現在の汕頭港)から台湾に渡りました。1926年台湾総督府によって行われた漢人祖籍調査によると当時台湾に居住していた客家約58万人(当時の台湾人工のおよそ16%)近くのうち約30万人が嘉應州(鎮平、平遠、長樂、梅縣などの)出身で、潮州(大埔、豐順、惠來、潮陽など)出身者が13万人、惠州(海豐、陸豐、歸善、博羅など)出身者が14万人という結果だったそうです。(今まで当ブログでは潮州出身者が最多と書いていましたが、嘉應州出身者が最多でした。訂正しますが、過去記事は気付いたら訂正します。)

清代に台湾へ大量の移民が行われたとき、王朝は「台湾へ移民する時は本土の土地を放棄すること」、「かならず政府の許可を得ること」、「予備移民(まず調査として台湾に渡航する)時は家族を帯同しないこと」などの政策をとり、また出身地域ごとの渡航禁止令をたびたび出しました。これは当時の台湾が王朝から遠く離れた地であり、少数の軍と官僚によって統治していたため、台湾の人口増加は住民の反乱の恐れがあったことが原因です。また同じ地域の出身者を減らすことで住民同士の団結をある程度阻止していました。

当時の台湾海峡は航海の難所として知られ、まず最初の一歩、台湾への航海時に命を落としたものは数知れません。 そして到着してからも土地の開墾を行いながらも、襲い来る台風、マラリア、原住民の侵略に対処していくことになります。台湾への移民は簡単なものではありませんでした。台湾で航海の安全を祈る媽祖、疫病を静める観音菩薩や保安公、航海や疫病で命を落とした先祖を祀る風習が今なお根強いのはこうした移民の歴史があるからなのです。

それでも。台湾は高温多雨の土地で農作物の栽培に適しており、広大な荒地が広がり官僚の数も少なかったため、いわゆる脱税も容易でした。当時の広東省や福建省で極貧の生活を送るよりは"マシ"、山中で乏しい食料を採取しながら生きるよりも"マシ"だったのです。王朝が移民を認めてから約100年後、18世紀には台湾の物価は中国本土よりも高くなり、住民の生活水準も本土より豪奢になっていたそうです。もちろん実った果実を放置しておく王朝はないので、税も本土よりかなり高く設定されていました。

台湾に移民した漢人の中でも客家は少数後発組であり、山岳部で比較的劣悪な生活を強いられました。このためもともと同族間の結びつきが強い客家ですが、台湾では輪をかけて排他、保守的になってしまいました。数十年前までも閩南出身者と客家の結婚はほとんどなく、社会的な軋轢も少なからずあったそうです(今でもあるといえばあります)。

今回紹介する『客家鹹豬肉│客家チャーシュー』のような客家の伝統料理も万人が気軽に楽しめるようになったのはそれほど昔のことではないのです。


宮保雞丁│鶏肉の宮保ソース炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
中華圏全土で人気の高いオーソドックスな中華料理『宮保雞丁│鶏肉の宮保ソース炒め』のレシピを紹介します。トウガラシの香りを移した油と醤油ベースの調味料で鶏肉を炒めて作ります。いまでこそカシューナッツで作ったものが一般的ですが、オリジナルは今回のレシピのようにピーナッツで作ります。

『宮保雞丁』は各種宮保料理の元祖で、清末に丁寶禎という官僚が発明したといわれています。彼は山東省の民政、軍政長官であり、この料理で客をもてなしたということです。その後彼は四川省に移り、総督の地位まで上り詰め、最終的に「東宮少保」という職を封じられます。この役職名から「宮保」と名付けられました。発音の同じ「宮爆」とも書かれます。

丁寶禎の専属料理人の姓が「宮保」だったとか名称に関してはいろいろな説があるのですが、役職名から名付けられたというのが有力です。料理名の謎に迫る研究というのも面白そうですね。

ご飯のお供にも最適な料理なので、中華料理ファンでなくともぜひ作り方を覚えておきましょう。


五香烤猪肉│豚肉の五香粉焼き

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難易度:☆ 調理時間:数日
五香粉香る『五香烤猪肉│豚肉の五香粉焼き』のレシピを紹介します。ご飯との相性が抜群で、冷めても美味い豚肉料理です。五香粉ベースの調味料につけた豚肉をオーブンで焼いて作ります。

唐突ですが数学の話。ピタゴラス数(中国語では畢達哥拉斯定理)という数があります。 a2 + b2 = c2 を満たす自然数の組のことです。二等辺三角形の各辺が整数比になるというアレです。このピタゴラス数a、b、cの組のうち少なくとも一つは5の倍数であるという定理をご存知でしょうか?

簡単に証明します。

(証明)
(1) a = 5m ± 1、b = 5n ± 1 (m、nは自然数)のとき
 a2 + b2 = 25m ± 5m + 1 + 25n ± 5n + 1 = 5N + 2 となるが、どんな c = 5p ± 1、5p ± 2 でも c2 を5で割った余りは、1または4となり、余りが2となることはない。
(注:5の倍数以外の自然数の二乗を5で割った余りは必ず1か4になります。)

(2) a = 5m ± 1、b = 5n ± 2のとき(逆も同様)
 a2 + b2 = 25m ± 5m + 1 + 25n ± 10n + 4 = 5N となるが、どんな c = 5p ± 1、5p ± 2 でも c2 を5で割った余りは、1または4となり、余りが0となることはない。
(注:5の倍数以外の自然数の二乗を5で割った余りは必ず1か4になります。)

 (3) a = 5m ± 2、b = 5n ± 2のとき
  a2 + b2 = 25m ± 5m + 4 + 25n ± 10n + 4 = 5N + 3 となるが、どんな c = 5p ± 1、5p ± 2 でも c2 を5で割った余りは、1または4となり、余りが3となることはない。

(1)、(2)、(3)より、a、b、cとも5で割り切れない場合は、a2 + b2 = c2 にならない。したがって、a、b、c のうち少なくとも一つは5の倍数である。
(証明終わり)

そんなに難しくはないですが、数学から離れているとぱっと証明方法が思いつかないですね。台湾人に聞くと、台湾のの中学校では幾何学以外の分野で(たしか…)証明問題を取り扱わないそうなので、高校数学レベルだそうです。まぁまったく料理とは関係ないですが、たまには頭の体操ということで(笑)。


客家清燉猪肉湯│客家風豚肉スープ

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難易度:☆ 調理時間:2時間以内
客家に伝わる『客家清燉猪肉湯│客家風豚肉スープ』のレシピを紹介します。分類的には広東料理ですが、客家料理の一部です。台湾の客家料理とはまた一風変った独自の料理体系を持つ本土の客家料理で、容器ごと蒸し器で加熱して作ります。炊飯器や普通の鍋でも作れますが、なるべくオリジナルの調理法で作りましょう。

明末から清代にかけて台湾に移住した客家はその大半が広東省潮州あたりの出身です。彼らの話す客家語と台湾華語、或いは台湾語は相互に意思疎通が不可能なほど差がありますが、その客家語も細かく分けると五種に分類することができるそうです。

まずは廣東省嘉應州府の梅縣や近隣の長樂縣、興寧縣、鎮平縣、平遠縣出身の客家が多く住む苗栗あたりでは四縣腔(苗栗腔)と呼ばれる客家語が話されています。(「腔」は"なまり"の意味です。)大陸部では梅縣話と呼ばれます。台湾でもこの四縣腔が標準客家語とされ、地下鉄の公共放送やラジオ放送はすべてこの四縣腔で行われています。また廣東省梅州市の大埔縣出身者が台中市の一部に居住しており、四縣腔とちょっとだけ違う大埔腔(東勢腔)と呼ばれる客家語を話すそうです。廣東省潮州府の饒平縣、惠來縣、普寧県、揭陽縣、海陽縣、潮陽縣出身者が用いる客家語は饒平腔と呼ばれ、台湾では苗栗縣卓蘭鎮、彰化縣員林鎮、永靖郷、田尾郷、及び新竹縣の一部で使われています。発音は大埔腔と似ているそうです。これら三種の客家語方言はほとんど違いがありません。

廣東省惠州府の海豐縣、陸豐縣出身者の多い新竹では海陸腔(新竹腔)と呼ばれる客家語が話されています。こてこての客家語話者同士だと"お、新竹の人だね!"と分かる程度の差があるそうです。

最後に詔安腔と呼ばれる客家語があるのですが、これはもともと福建省漳州府の詔安縣、南靖縣、平和縣、雲霄縣出身者が用いる客家方言で、他の客家方言と最も隔たりがあります。同じ客家話者同士でも聞き取り辛い方言といわれており、台湾でも話者が数千人と非常に珍しい方言となっています。台湾語(閩南語)と同じ漢字の単語を聞き比べると声調がまるで反対のように聞こえるそうです。

客家語は古代中国語の特徴を色濃く残す言語で、中国語の歴史を探る上で非常に重要です。2007年時点で世界中に4400万人近くの話者がいるそうなので、しばらく絶滅の心配は要らなさそうですが、純粋な客家語話者は台湾でも中国でも数を減らし続けています。

清末に中国南部で成立した太平天国では客家語が公用語とされたこともあり、歴史の流れ次第では中国全土まで勢力を拡大した可能性もありました。今でこそ普通話を標準語のように使っていますが、歴史のIFによっては閩南語や広東語、上海語が標準語となっていた可能性もあったのです。

何歳になっても言語を身につけるための脳の機能は衰えない(勉強法次第です)そうなので、中国語をある程度話せるようになったら、いろいろな方言にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。語順も文字もほとんど同じで、発音を覚えるだけで行けます!それが難しいんですけどね…(笑)。



三寶豬肉湯│三宝豚肉スープ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
久しぶりの薬膳の紹介。残暑で体にたまった熱や乾燥を清め潤わせる薬膳『三寶豬肉湯│三宝豚肉スープ』のレシピを紹介します。三種類の薬材と豚肉を甘いスープに仕立てます。この時期喉が渇いたり、どうも体が火照るような気がする方にピッタリの料理です。
 
この料理に使う三種類の薬について解説します。

百合(びゃくごう)
 ユリ科ユリ Lilium brownii F. E. Brown またはオニユリ L. alancifolium Thunb. 、イトハユリ L. pumilum DC. などの鱗片で、生薬としてはびゃくごうと読みます。ご存知美しいユリの花の鱗片です。潤肺止咳、清心安神の効能があります。

蓮子(れんし)
 ハス科ハス Nelumbo nucifera Gaertn. の成熟種仁で、いわゆる蓮の実です。中野胚芽(蓮心)がついているままのものと除いたものがあります。補脾止瀉、益腎固精、養血安神の効能があります。別名を藕実ともいい、中国大陸部ではこの名称を用いることも多いです。粉にしたものでクッキーも作れます。(今ふと思いつきましたが、刻んだナツメと砂糖水で煮出した百合片を混ぜ込んで、この料理そのままの薬膳クッキー作れますね。結構美味しそうです。)

大棗(たいそう)
 クロウメモドキ科ナツメ Ziziphus jujuba Mill. var. inermis (Bge.) の成熟果実で、普通の料理にもよく使われる中華食材の一つです。補注益気、養血安神、緩和薬性の効能があります。台湾では紅棗と呼ばれるものが、日本の大棗にあたります。

簡単にこんな感じです。三つの薬すべてに安神の作用があるので、不眠症や不安症などにも効くでしょう。蓮子は大腸を乾燥させて下痢を止める作用があるので、大便が乾いて固まり便秘になっているような人にはおすすめできません。

これに豚肉の滋養の効能が加わって、全体として補血養心、清熱潤燥、補虚安神、健脾滋陰などの効能となります。塩で味付けしてもいいですが、百合の入った薬膳はだいたい甘く作るので、一度レシピ通りでお試し下さい。


辣醬大白菜│白菜のチリソース和え

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難易度:☆ 調理時間:一瞬
お手軽家庭料理『辣醬大白菜│白菜のチリソース和え』のレシピを紹介します。茹でた千切りの白菜にチリソースベースの辛味のあるソースをかけて作ります。

チリソースは中国語で「辣(椒)醬」といいます。そのままトウガラシ(辣椒)のソース(醤)の意味です。 もともとの唐辛子は中南米原産ですが、スペインとポルトガルの侵略によってヨーロッパに伝わり、各種の加工食品が生まれました。チリソース(Hot sauce)の最初の商業製品は1807年にアメリカのマサチューセッツで誕生したといわれています。同じ時期に多くの類似商品が生まれましたが、今に残るブランドはありません。

現代まで残る最古のブランドはご存知タバスコソース│Tabasco sauce で、これは1868年にアメリカで生まれました。タバスコの名称はこのソースに使うキダチトウガラシの品種名チレ・タバスコに由来します。1868年の創業から現在までほとんど変わらぬ手法で作り続けられているそうで、南北戦争後期のアメリカの味を楽しめます。

タバスコソースをはじめとするチリソースは日本では『ピザ』や『チキンウイング』などの油っこい料理に使われますが、もともとは生ガキ用のソースとして作られているため魚介類との相性は抜群です。今回の『辣醬大白菜』のように他の調味料と混ぜ合わせることでぴりりとした辛さと複雑なうま味を手軽に加えることができます。色々と応用に挑戦してみましょう。


素炒蟹膏│偽カニミソ炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
上海の名菜『素炒蟹膏│偽カニミソ炒め』のレシピを紹介します。「素」がついているのでベジタリアン向けの料理と思いがちですが、ちゃっかり卵を使って作ります。本物のカニミソで作るよりも安上がりでご飯とも相性がいいので、お弁当のおかずなどに使いましょう。


この料理は模倣料理なので実際には使いませんが、カニミソはカニの甲羅の裏にある中腸腺という器官を食材として使うときの名称です。中腸腺は我々脊椎動物にはない節足動物に特有の器官で、脊椎動物の肝臓に相当する生理機能と、膵臓に相当する消化液分泌機能をもちます。カニのものが有名ですが、イカ、ナマコ、貝類、ナメクジ、脊椎動物ですが一部の魚類などにも存在します。貝のはホタテガイのオレンジ色の部分が分かりやすいです。ちなみに中国語では肝胰臓(日本でも古くは肝膵臓と呼ばれました)といいます。肝臓と胰臓(膵臓の中国語)をあわせたものという意味です。

節足動物の中腸腺は脊椎動物でいうレバーのような濃厚な旨みがあり珍味として世界中で料理に使われますが、食べない地域では全く食べないので地域によっては格安で手に入ることも。海外旅行に出かけたらその土地でしか食べない珍味を食べてみるのもよい経験になりますよ。


四川泡菜│四川風野菜漬け

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難易度:☆ 調理時間:数日
四川料理の漬けあわせとして使われる『四川泡菜│四川風野菜漬け』のレシピを紹介します。山椒とトウガラシの辛味を使ってキャベツ、ダイコン、ニンジン、ピーマンの四種の野菜を漬けます。

泡菜はもともと中華料理のつけあわせとして食べられる漬物のことです。しかし近年泡菜といえば『김치│キムチ』のイメージが広がりすぎ、中国伝統の泡菜はシェアを失いつつありました。これに危機感を感じたのか、中国国内で強烈なアピールを行いシェアを回復したのが今回紹介する『四川泡菜』です。

伝統的な『四川泡菜』は山椒とトウガラシを加えた塩水で季節の野菜を漬けたもので、季節ごとに使う野菜が違います。トウガラシを使うとはいえその他の四川料理ほど辛くはないので、辛い綾里の口直しにピッタリなのです。今回のレシピでは冬の野菜を使って漬けていますが、以下に各季節の『四川泡菜』でよく使われる野菜を示しておきます。


 青菜、レタス、葉ニンニク、蓮の実、タケノコ、白菜など


 トウガラシ、エンドウマメ、サヤエンドウ、大豆、ナタマメ、ニンニク、キュウリ、カイラン、ナス、タマネギ、ゴーヤなど


 ショウガ、タマネギ、ピーマン、菱の実、レンコン、ニラ、ジャガイモなど


 ニンジン、ダイコン、タケノコ、ブロッコリー、カリフラワー、シイタケ、キノコ類、白菜など





野菜以外の作り方は共通しているので、日本で作るならその土地で取れる旬の野菜を四川風に漬けても美味しいと思います。中国人の友人がいるならぜひ日本の野菜で作った中華風泡菜を食べさせてあげましょう。きっと喜ばれること間違いナシです。


写真はキュウリとダイコン、ニンジンを使った夏の四川泡菜
 

豆腐蛋糕│豆腐ケーキ

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難易度:☆ 調理時間:2時間
豆腐で作るお菓子『豆腐蛋糕│豆腐ケーキ』のレシピを紹介します。基本的に『スポンジケーキ』と同じ手法で作るので、お菓子作りが趣味の方には簡単に作れると思います。豆腐を使って生地が重いので、ベーキングパウダーの分解を促進するクリームターターという調味料を使います。

今回はベーキングパウダーや重曹が膨らむ原理を紹介します。

ベーキングパウダーと重曹が膨らむ原理は同じですが、ベーキングパウダーは重曹に各種の添加剤を加えています。

重曹は化学式NaHCO3、いわゆる炭酸水素ナトリウムと呼ばれる物質です。炭酸水素ナトリウムは酸と反応することで炭酸と塩に分解され、この炭酸が水と二酸化炭素に分解することで、食品中で気泡を生みます。ベーキングパウダーはこの重曹に酸性物質(酒石酸水素カリウム、リン酸二水素カルシウム 、酒石酸、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム等)を加えて、デンプンで両者を遮断したものです。以下に塩酸と炭酸水素ナトリウムの反応式を示します。
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2CO3
H2CO3 → H2O+ CO2
今回の料理で使うクリームターターは酒石酸水素カリウムの商品名で、重曹の分解を促進するために加えます。酒石酸水素カリウムの原料である酒石酸は英語で Tartaric acid と呼ぶことからタルタル酸と呼ぶのですが、酒石酸水素カリウムのクリームターターという製品名もここからきています。

また重曹は酸を加えなくても加熱、とくに65度以上で急激に炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水に 分解します。

2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2
混ぜてすぐに加熱するお菓子、例えば『クッキー』や『どら焼き』、『煎餅』には重曹を直接用います。逆に混ぜ合わせてからしばらく時間を置いたり酸性物質を含まない食品、例えばケーキやマフィン、イーストを使わないパンなどにはベーキングパウダーを用いるとよいようです。うまく使い分けて料理の腕を上げましょう。




三琴涼菜│鶏、エビ、レバーの中華風盛り合わせ

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難易度: 調理時間:2時間+下準備
大皿に盛り付けて美しい『三琴涼菜│鶏、エビ、レバーの中華風盛り合わせ』のレシピを紹介します。台湾では漢人、客家の別なく自宅に客を迎えるときの宴席料理として作られます。ピリ辛のソースが味の決め手です。

料理名にある「琴」は現代日本語では伝統楽器「お琴」を示しますが、奈良時代に中国から祭祀用の楽器が伝わった当時は弦楽器全般を表していました。今の日本の琴は奈良時代に中国から伝わったものがベースとなっていますが、日本には中国の琴伝来以前にも琴に似た弦楽器楽器が存在していたことが分かっており縄文琴などと呼ばれます。

奈良時代に中国から伝わった琴は平安時代にはすでに奏者が数えるほどしかいないという有様だったらしく、その後伝統芸能としてひっそりと命脈を保ち続けました。中国でも日本でも「琴」の漢字を弦楽器の総称として用いる習慣は近代まで残っていたようで、西洋から多くの楽器がもたらされた近代以降は楽器の和名や漢名として使われることがありました。

日中の琴の字を使った楽器名をまとめてみます。

ピアノ│洋琴(日)、鋼琴(中)
オルガン│風琴(日)、管風琴(中)
アコーディオン│手風琴(日)(中)
オルゴール│自鳴琴(日)、八音盒(中)
バイオリン│提琴(日)、小提琴(中)

オルゴールは日中でぜんぜん違いますが、大部分は日本の翻訳が中国語に伝わったものなのでどれも似ていますね。もし楽器が弾けて歌が得意なら中国語のカヴァー曲を弾き語りすると拍手喝采間違いなし!友人を作るのがとても簡単になります。音楽の力は偉大です。


蝦醬空心菜│コンシンサイのシュリンプペースト焼き

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
コンシンサイ(空心菜)をシュリンプペーストで和えた『蝦醬空心菜│コンシンサイのシュリンプペースト和え』のレシピを紹介します。通常はフライパンで作りますが、今回は簡単に電子レンジで調理します。調理器具を汚さずに作れます。

今回の料理で使うシュリンプペーストは中国語で「蝦醤」、マレー語で「Belachan」 、インドネシア語で「terasi」、韓国語で「새우젓│セウジョッ」、タイ語で「กะปิ│カピ」などと呼び、アジアの沿海部でよく使われています。いわゆる「アミの塩辛」なのですが、乾燥させて固体にしたものや、小型のエビで作るもの、発酵の度合いが異なるものなど地域により様々な種類があります。共通しているのは割りと強烈な匂いがあることと濃厚な旨みがあること。発酵食品でもあるので、匂いになれてさえしまえば非常に美味しく感じることができる一方、匂いがダメだと何をどうやっても受け付けられないという外国人にとっての納豆のような調味料です。日本でも通販で手に入るので未体験の方は挑戦して見ましょう。

このシュリンプペースト、東南アジアでは特にソースを作るときには欠かせない調味料で、市場ではペースト状のものや乾燥させて固体にしたものがビニール袋に詰めて売られています。台湾では半固形の瓶詰めのものが多いです。中華料理では山東省の膠東半島や華南地区でよく使われ、特に野菜料理に大活躍します。チャーハンなどとも相性がいいので、手に入れた方は少量から使ってみましょう。きっと新しい味覚の扉が開かれることでしょう。

以下にアマゾンのシュリンプペーストのリンクを紹介しておきます。ぜひ手に入れて日常のソース料理に少量ずつ加えてみてください。




蠔油豆腐│豆腐のオイスターソース炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
手軽に作れておかずにピッタリな『蠔油豆腐│豆腐のオイスターソース炒め』のレシピを紹介します。フライパンで炒めた豆腐に中華スープとオイスターソースで作ったソースを絡めて作るおかず料理です。

1888年にオイスターソースを開発し商業化に成功したのは李錦裳という人で、彼は香港に本拠地を置くグローバル企業「李錦記」の創設者でもあります。二代目は戦前から盛んにアメリカへオイスターソースなどの中華調味料を輸出し財をなしました。現在も指導者である三代目の元、70年台に世界的に普及していた日本の醤油の製法を学んでオイスターソースのグローバル化に尽力し、品質と製法を改良しました。近年は産品の多様化にも力を注いでおり、中華調味料だけでなくレストラン、健康食品、不動産事業なども手がけています。今日の年商は100億人民元(約2000億円)以上で、オイスターソースの世界シェアトップの座に君臨しています。

香港には他にも調味料の製造・輸出で財を成したグローバル企業がいくつもあり、特に「李錦記」、「同珍醬油」、「淘大食品」、「八珍甜醋」の四社を香港四大酱園家族と呼び称えます。さすがに日本ではそれほど知られているわけではありませんが、華人のいる場所、つまり世界中で一定のシェアを持つ大企業です。日本でいう「キッコーマン」、「ミツカン」、「味の素」、「キユーピー」みたいなものでしょうか?

筆者が海外旅行に訪れる時は、ときどき現地の大企業に工場の見学を申し込み勉強させてもらうことがあります。台湾なら観光工場といって、各種企業の工場内を見学しながら色々体験も出来る制度があります。興味があれば交通部観光局のHPから探して訪問して見ましょう。


回鍋肉│ホイコーロー

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
日本や台湾でもおなじみの四川を代表する名菜『回鍋肉│ホイコーロー』のレシピを紹介します。中華鍋やフライパンで作る豚肉と野菜を炒めた料理で、中華といえばこの料理を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

料理名にある「回」の文字は、一度取り出して鍋に"戻す" の意味で使われています。日本語ではホイコーローという名前で定着していますが、「回」の中国語の発音は「Hui2」、日本語だとフェィのように聞こえます。日本語のホイコーローを中国人に言ってもまず通じないので気をつけましょう。

「回」の字には様々な意味があります。中国語の辞典から回の意味を引いて見ましょう。

1.もと来た場所に戻る。→回家(家に帰る)、回國(帰国する)
2.後ろにまわす。→回頭(振り返る)、回顧
3.曲がる。→回腸、回廊
4.答える。→回答、回絶(明確に拒絶する)
5.(量詞)反復の数や小節の章などを数える。→第一回
6.中国に居住するイスラム族。→回族
7.(姓)。

日本語でも中国語とほとんど同じ意味で使えます。元々は水が流転する形を現した象形文字で、「転(轉)」と同じ意味で使われていましたが、ほどなく帰る、戻るの意味も加えられ、古代から現在までほとんど意味も形も変わらずに使われてきました。

「回」の字は眺め続けているとゲシュタルト崩壊を起こしてしまいます。現代人の絵文字を作るセンスもすばらしいですが、古代中国人の漢字を作り出すセンスも負けてはいませんね。

乾燒花枝│イカチリ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
以下を炒めて中華スープのあんかけでとじる『乾燒花枝│イカチリ』のレシピを紹介します。カニ足など他の海鮮で作っても美味しいおかず料理です。炒め物ですがエビチリのようにソースがかかっています。

今日のコラムはイカにまつわるアレルギーの話です。 ちょっと難しいので興味のない方は読み飛ばしてください。

一般の人は余りご存知ではないかもしれませんが、イカは高確率でアレルギーを起こす要注意食材の一つです。日本ではあまりにも一般的な食材であるため、自身がアレルギーを持っていることを気付かずに食べ続けている人もたくさんいます。筆者もその一人で、30歳を過ぎて病院で検査したところ、なんとイカに中等度のアレルギーを持っていることが分かりました。そういえば、イカ食べると口の周りや関節が痒くなってた気が…(笑)。思い当たる節がある方はぜひ調べてもらいましょう。台湾で200種類くらいのアレルゲン検査をすると8000元くらい、日本よりも格安で、結果は一週間くらいで出ます。もし検査したい方がいらっしゃれば病院紹介します。

イカのアレルギーの原因となるのは、筋肉に含まれているトロポミオシンというタンパク質です。人間にも存在し、アクチン、ミオシンなどと共同して筋肉の収縮、弛緩に関連します。筋肉のタンパク質なのでもちろんイカが新鮮かどうかに関わらず存在します。

このトロポミオシンは種ごとに構造が大きく異なり、特にイカ、エビなどの甲殻類、家ダニなどの昆虫類のトロポミオシンはアレルギーの原因となることが分かっています。トロポミオシンは加熱してもほとんど構造が変らない耐熱タンパクの一つで、火を通したからといってアレルギーが起きなくなるわけでもないので困ったものです。またある程度の抗原交差性を示すので、イカにアレルギーがあれば程度の違いはあれエビやカニにもアレルギーがあることが多いようです。(筆者もやっぱりエビやカニに軽度のアレルギーがありました。)

イカをはじめとするほとんどすべての食物アレルギーは花粉症と同じI型と呼ばれる即時型のアレルギーです。I型アレルギーは免疫グロブリンE(IgE)というタンパク質が関連するタイプのアレルギーで、アレルゲンが体内に吸収されると…(省略)…マスト細胞表面のIgEとアレルゲンが架橋し、ヒスタミン、ロイコトリエンなどが放出されて、アレルギー症状が引き起こされます。マスト細胞は皮膚、気管、腸管などに多く存在するので、皮膚ならじんましん、気管ならぜんそく、腸管なら下痢などを引き起こします。重篤な人は気道が閉塞し、呼吸困難を引き起こし死に到ることもあります。そういえばIgEを発見したのは石坂公成氏日本人)という方で、免疫学における一大発見であり何度もノーベル賞の候補に挙がっています。もしかすると近いうちに良い知らせがあるかも知れませんね。

というわけでレシピです。美味しそうですね!


牛肉蘿蔔湯│牛肉とダイコンのスープ

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾の家庭料理『牛肉蘿蔔湯│牛肉とダイコンのスープ』のレシピを紹介します。シンプルに牛肉とダイコンだけを使ったスープです。風邪をひいてのどが痛いときなどに食べる薬膳の一種でもあります。

台湾の牛肉の生産量は6874トン(2013年)。生産量は近年増加傾向にあり、更にこの10倍以上の量を欧米からの輸入に頼っていますが、消費量はそれでも10万トンに届きません。国内で892万トンを生産している豚肉のと比べるととても少ない数字です。

もともと台湾では近代まで農業を主要な産業として発展してきた地域であり、牛馬、特に牛は貴重な労働力として農家で大切に養われてきました。そのためこの数十年で食の欧米化が進むまで、特に田舎では牛肉を食べるという習慣がまったくなく、今でも牛肉だけは食べないというお年寄りがたくさんいます。近代に入りわずかながら食べられていた牛肉にしても1970年代頃までは農家で労働に適さなくなった水牛を食べていただけであり、酪農すらほとんど行われていませんでした。日本の明治時代もこんな感じだったのでしょうか?子供が学校や家庭で牛乳を飲み始めたのも1970代後半から80年代に入ってからの話で、当時は政府によって盛んに牛乳の健康効果がアピールされていたようです。たしかこの年代を境に台湾人の体格が変わったという研究もあった気が…。

今では台湾の各地に観光農場が整備されており、国内でもとくに乳牛の飼育が増えてきています。ただもともと台湾は低緯度地域なこともあり、もともと牛の飼育に適してはいません。そのため牛乳の品質は日本と比べていまいち、しかも日本より価格が高く、若い人も日本人ほど牛乳を(直接)飲みません。今の台湾人にとっては牛乳は何かと混ぜて飲むもの、例えば『タピオカミルクティー』や『パパイヤミルク』、『スイカ牛乳』などにして飲むのが性にあっているようです。砂糖入れすぎ!などと批判されることの多い台湾のドリンク文化ですが、牛乳の消費には一役かっていそうです。

同じ品種の乳牛からとれた牛乳ですが、環境や飼育方法の違いもあって日本と台湾では品質が少し異なります。海外旅行に出かけたらその土地の牛乳を飲んでみて、味の違いを楽しんでみましょう。目指せ牛乳ソムリエ!

叉燒肉│チャーシュー

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難易度:☆ 調理時間:数日
ラーメン大好きなあなたに贈る『叉燒肉│チャーシュー』のレシピです。オーブンやトースターで作れるので実は大部分の家庭で自作が可能です。ぜひ一度チャレンジして見ましょう。

『叉燒肉』はもともと広東料理の一種で、その名の通り串(叉)で肉を刺して焼いたものが本当です。とはいえ日本のラーメン店でなくてはならない存在となってからは、日本式のフライパンやオーブンで焼いた『チャーシュー』が中国、台湾に逆輸入され、日本料理(主にラーメン具として)として親しまれています。

特に台湾では上記の理由からチャーシューに串焼きの調理法は必須ではなくなり、豚肉に味付けして焼いて火を通したもの全般を指すようになりました。相互に影響を与え合って料理が進化していくのを我々はリアルタイムで経験しているのです。

さて、叉焼の「叉」の字は「又」と同じく手の形を表した象形文字です。点はそのまま"モノ"を指しており、最も初期は「手で物を持つ」ことを表しました。甲骨文字の時代の初期には手の周りに点が六個もあったのですが、すぐ(甲骨文字の時代の後期)には二つに数を減らし、金文の時代には現代と同じように点が一つになりました。書いたり刻んだりが大変だったんでしょうね。

手の意味は早くになくなり、その形から"交叉したもの"、"歯や棘の有るもの"の意味だけが残りました。現代中国語でもそれほど多用される漢字ではないので、『叉焼』という料理がこれほど有名でなければもっと早くに絶滅していたのかもしれません(笑い)。

 
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