當歸鴨│鴨肉の当帰スープ煮
以前にもすこし書きましたが、台湾で「鴨肉」と言った時は、大体アヒルの肉を指します。今日紹介する『當歸鴨肉│鴨肉の当帰スープ煮』も、名前こそ鴨という字が入っていますが、実際にはアヒル肉、日本で言う合鴨の肉で調理されます。いぜん『麻油雞』のレシピの時にも書きましたが、筆者は日本で食べる鴨は好きなのに、台湾で食べるアヒルは嫌いです。おそらく調理方法かアヒルの品種、もしかすると筆者の舌に問題があるのでしょう。
というわけで、レシピには合鴨肉(アヒル肉)で調理すると書いてますし、それが正しいのですが、若し可能なら真鴨肉を使って作ったほうが無難だと思います。正直真鴨肉も合鴨肉も調理すれば大差ないと分かってはいるのですが、筆者は台湾のアヒル肉が嫌いなので、日本で作る場合でも真鴨肉をお勧めしています。柔らかい合鴨肉が手に入るのならそれで作ってもいいでしょう。ほんとうになんであんなに固いんでしょうね、台湾のアヒルは。
この『當歸鴨』という料理は台湾の薬膳料理の中でも割とポピュラーなもので、各地で看板を見かけることができます。こちらもさまざまな作り方があるのですが、本日は昨日作ったルーウェイスープを使って作ります。昨日のスープさえできていればそれで肉を煮込むだけの簡単料理です。鴨肉とスープだけ食べるのは寂しいので、細い麺(麺線)を加えて食べることも多いです。
当帰は血を補い、血の巡りを良くするとされる生薬で、冷え性、特に女性の月経不順や不妊症に使われます。昨日紹介したルーウェイスープには当帰が主薬として入っているので、スープで煮込んでそのまま『當歸鴨肉』とします。料理名にはご覧の通り『當歸鴨肉│鴨肉の当帰スープ煮』と当帰の名前しか入っていませんが、実際にはさまざまな生薬と香辛料を混ぜて作られています。当帰をあえて料理名に入れているのは、「飲むと体が温まるよ」、「女の人には特にいいよ」とアピールしているのです。特に鴨肉で調理しなくても、昨日のスープで作ったルーウェイは必然的に血の巡りを良くして、体を温めてくれます。顔色が悪いねと言われる人は食べてみましょう。
中国語のWikiには"對於身體虛弱的女人來說是相當滋補的補品,營養價值高。數十種中藥材搭配鴨肉一起熬煮,能活絡筋骨、調補氣血,富含膠原蛋白,尤其適合貧血患者,手腳冰冷者食用,十分溫和,小孩大人皆適宜。"(https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%95%B6%E6%AD%B8%E9%B4%A8 データ取得2013/1/24) とあります。膠原蛋白とはコラーゲンのことで、おそらく鴨肉由来のものでしょう、あとは漢字の字面で何とか意味が分かりますか?女性ならば一度は食べておきたい薬膳料理です、台湾旅行時にチャンスがあれば、一度食べてみましょう。
あと、誰か柔らかい肉の入っている『當歸鴨肉』のお店知ってたら教えてください。
昨日のルーウェイスープ(1)の作り方はこちら。
難易度:
☆
調理時間:
1時間以内+(ルーウェイスープ(1)の調理時間)
材料:
合鴨肉 ……… 半匹(600g)
ルーウェイスープ(1) ……… 1200cc
作り方:
1.合鴨肉はよく洗ってぶつ切りにした後、沸騰したお湯で3分ほど茹でてアクを抜いておく。
2.ルーウェイスープを沸騰させ弱火で1時間ほど煮込んで完成。
Point:
最初はアヒル肉よりも鴨肉か普通の鶏肉で作るのを強くお勧めします。名前は『當歸雞湯│鶏肉の当帰スープ』となりますし、実在する料理です。
本格的に作るとなると数十種類の生薬(昨日のルーウェイスープ(1)に、更に党参、芍薬、陳皮、大棗、冬虫夏草など)を煮込んだ薬膳スープを使います。本格的すぎると一般人が日本で作るのはまず無理ですが、そのうちネタで紹介するかもしれません。ご期待ください。
スープは独特の薬臭さがありますが、この匂いがたまらなく好きな人もいるのです。冬は足先が冷えて辛いと言う人は試して見ましょう。
ソーメンを茹でて加えて、台湾の軽食風に作ってもおいしいと思います。更にネギを加えると中華風鴨南蛮になります。
2 コメント :
私は台湾が大好きでリピーターになっていますが、2015年夏に台湾に行ったときに、台北駅の地下街でかなり西に歩いていったところに、宥祐素食坊というお店で「當歸湯」を発見、それがセットされたB餐という定食を頂きました。90元でした。スープ自体は漢方の味でしたが結構いける感じで完食しました。そしてしばらくすると身体がすごく軽くなった感じで疲れが吹っ飛び、さすが當歸湯だ!と実感しました。昨年台湾に行ったときに探したのですが、閉店したのかなくなっていました。台湾のスーパー等で、料理で味わう十全大補湯とか補中益気湯とかのスープの元が売られていますが、当帰湯はなかったような気がします。レシピを載せていただいているのでトライしてみたいな、と思いました。
>>太市大漢方さま
材料が手に入る環境にいらっしゃるようですね!
ぜひお試しください。
子どもには苦みが気になるかと思いますが、
大人は、特に疲れ気味な人には好まれる味だと思います。
薬膳シリーズは他にもいろいろとありますので、お試しください。
Higene
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