黑糖糕│黒糖蒸しケーキ
台湾には澎湖(Peng-hu:ほうこ)という地域があります。台湾中部の西に位置する小さな島々を合わせて澎湖諸島と呼び、非常に美しいサンゴ礁や歴史遺跡が見られることで有名な観光地です。台湾で最も古い廟も澎湖にあります。
現実的な話をすれば島では観光以外にこれと言った産業がなく、若者が職を求めて本島のほうに渡ってしまうため、住民の高齢化が進んでいます。これではいかんということで、何か特産品を作ろうと開発されたのが、黒糖を使った蒸しケーキで、これがヒットして今では台湾人の誰もが澎湖といえば黒糖ケーキを思い浮かべるほどに有名な特産品となりました。
ところがこの黒糖ケーキ、特に澎湖でなければ作れないといった特別な料理ではない上に、黒糖は台湾本島の方が質のいいものが採れる、しかも消費期限が短くて澎湖に行かなければ買えないと言うことで、黒糖ケーキブームに乗っかっていろんなメーカーが本土で同じような商品を売り出しました。澎湖諸島に行かなくても黒糖ケーキが買える様になってしまったのです。結局澎湖は観光が産業の生命線であることに代わりはなく、苦戦を余儀なくされています。地元で取れる特産品を使えばよかったのに…、という突っ込みは入れないであげましょう。
またまたこのままではいかんということで、現在は日本統治時代の要塞跡を観光地化しようとしたり、サンゴ礁を石垣にした特殊な町並みを復元しようとしたりと観光資源の開発に尽力しているようです。
どうも台湾はこの手の観光資源の開発がへたくそで、各地にすばらしい観光地がたくさんあるのに開発が下手、広告が下手、維持が下手、だから投資も呼べない…段々書いていて悲しくなってきました。筆者の意見ですが、いまいち戦略的な視点にかけている気がするのです。まぁ、台湾という政府の立場上仕方ない部分もあるので、長い目で見守りましょう。
さて、本題から大分それました。そんなわけで本日はコラムにも登場した『黒糖蒸しケーキ』のレシピです。いくつかレシピがあるのですが、作り方は非常にシンプルなのでまとめて公開します。材料A-Cの三つから1つを選んで作ってみてください。(ちなみにCが澎湖黒糖蒸しケーキとして紹介されていたものです。)
簡単なので、見るまでもないのですが、最後に作り方の動画(中国語)を紹介しています。
難易度:
☆
調理時間:
1時間以内
材料A:
黒糖 ……… 250g
砂糖 ……… 100g
中力粉 ……… 200g
強力粉 ……… 200g
片栗粉 ……… 100g
米粉 ……… 75g
ベーキングパウダー ……… 大さじ1
水 ……… 800cc
ゴマ ……… 適量
材料B:
中力粉 ……… 600g
米粉 ……… 300g
黒糖 ……… 600g
ベーキングパウダー ……… 40g
水 ……… 600cc
ゴマ ……… 適量
材料C:
薄力粉 ……… 400g
片栗粉 ……… 100g
黒糖 ……… 300g
水 ……… 400g
卵 ……… 3個
サラダ油 ……… 200g
水 ………70g
ベーキングパウダー ……… 20g
ゴマ ……… 適量
道具:
直径18cmのケーキ型かカップケーキ型を数個
作り方:(共通)
1.黒糖は細かくつぶしてから水を加え加熱して完全に溶かしてから、冷まして黒蜜を作る。 粉類はあわせてふるいにかける。型にクッキングペーパーなどをひいておく。
2.ふるった粉にゴマ以外の材料と黒蜜を加えよく混ぜ合わせる。
3.型に流し入れ
材料A: 30-40分
材料B: 20-25分
材料C: 25-30分
蒸し器で蒸す。
4.型から取り出して上にゴマを振って完成。
Point:
材料によって蒸す時間が微妙に違いますが、分からなくなったらひとまず30分蒸せばOK。頃合になったら蒸し器の蓋を開けて竹串を刺して火が通ったか確認してください。
材料Aの砂糖を全部黒糖に代えると、真っ黒いケーキになります。砂糖で色の濃さが調節できます。
手早く混ぜる場合はこのレシピでいいですが、子供と一緒になどのんびり作りたい場合はベーキングパウダーは最後に入れましょう。
慣れてきたらあれこれ入れ替えてオリジナルレシピを作ってみましょう。
中国語:材料C(黒糖と水の代わりに黒蜜)を使った黒糖蒸しケーキの作り方です。
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