淮山四寶│ヤマイモの四宝スープ

淮山四寶│ヤマイモの四宝スープ

いやぁ、今日の記事は苦労しました。大学生のレポートみたいになってますね。料理のレシピは下の方なので、難しい部分は寝る前にでも読んでください。

さて台湾人は「淮山」を「山薬」の別名として用いるようです。以前漢方薬局でももとも植物がちょっと違う別物だと言い張る筆者と同じだという店の主人とで軽く議論になったことがあります。

そしてこの「淮山」ですが、台湾でも「准」と「淮」で表記がゆれています。気になって調べてみたのですが、多くの人が表記を間違って覚えているという面白い事実が明らかになりました。

まずは現代漢語詞典で二つの漢字の意味を見てみます。以下の通りまったく別の意味ですね。

:Huai2(ファイ)

淮河。發源於河南、流經安徽。入江蘇。

淮河は長江、黄河に次ぐ中国で三番目に長い河の名前。
要は固有名詞です(中国地理で”わいが”と習った記憶がありますね。)
地名にも使われます。


:Zhun3(ジュン)準の略字

標準、依據、準確、一定。
要は「準」という漢字です。准看護師、准教授の「准」です。


中国のWikipediaでは淮山は安徽省の淮河付近のものが有名なので淮の山薬と呼ばれるようになったとあります。(参照Wiki(中文)"原產地位於淮河附近因而得名淮山")

他にも、"古来最も品質のよいものは現在の河南省武陟縣のものとされ、その地域の夏王朝の地名が「覃懷」、周王朝時には「懷邑」と改称され、秦朝時代に再び「懷縣」と名称を変えた。隋代に「武陟」が置かれ、懷縣の名は消えるが、唐代には武陟に再び「懷州」が置かれた。この呼び名は後にも残り、明清時代には武陟で産出する山薬は”懷山藥”と呼ばれていた。懷の字が、難しいので同音の「淮」を当てて、淮山と書くようになった"という説もありました。

現代では淮河流域で取れたものを、安徽省に集めて出荷しているので、両説どちらも間違ってはいないようです。いずれにせよ、表記は”淮河”の淮を取って「淮山」、中国語の読みは"Huai shan"、日本語では"わいさん"で間違いはありません。

では、「准山」と「淮山」を用いて日本のGoogleと台湾のYahooで検索してみましょう。どちらも検索結果上位の大部分はヤマイモやナガイモについてです。


日本Google 台湾Yahoo
淮山 727,000件 482,000
准山 90,500,000件 2,050,000件
淮山+漢方 63,200件 -
准山+漢方 111,000件 -
淮山+中醫 - 8,570件
准山+中醫 - 19,900件
(2013.1.17検索)

正しいはずの「淮山」より、間違った表記の「准山」の方がHITが多いという結果になりました。さらに「漢方」というキーワードを足して検索してみました、これだと効能効果の説明などが書かれたHPが多くヒットしましたが、こちらも同じような結果です。台湾Yahooでも日本の「漢方」と同じような意味で「中醫」というキーワードを足して検索しましたが同じ結果でした。

つまり一般的な表記では、ほとんどの人が表記を間違っており、専門家ですら正しい読み方をあまり知らない(きっとIMEの手書きパッドなどで入力しているか、漢字をコピペして使ってる?)ということが分かりました。日本と台湾での漢方・中医それぞれのキーワードを加えた時の正誤表記の比率の差が逆転していることにも注目ですね。おそらく医療制度などの差でしょう(これ以上詳しくは調べません)。
 
原因の一番として考えられるのは、やはり漢字の形でしょう。ここまでまじめにこの文章を読んだ人も、じゃあ、どっちが正しい表記?と改めて問われたら「あれ…?」となってしまうのではないでしょうか?ちゃんと覚えてますか?筆者はいまだに曖昧です、そのくらい準備の「準」のイメージが強すぎるのです。


正しい読みと由来を知らない人が「淮山」 を”じゅんさん”と読むのも無理のない話しなのです。

分かったことをまとめます。

1.淮山は、わいさんと読みます。
2.准山の表記は間違いです。

3.日本でも台湾でも多くの人が准山と間違った表記をしています。
4.しかも日本では正しい表記は100分の1以下しかHITしません。 台湾では正しい表記は4分の1です。

5.日本で「漢方」を足して検索すると半分以上が正しい表記になります。
6.台湾で「中醫」を足して検索すると4割以上が正しい表記になります。

社会学や薬学を学ぶ学生の人にはいいレポートのテーマになりそうですよ。いやぁ、このブログは勉強になりますね。

では、本日はそんなヤマイモを使ったスープ料理です。体の心から温まって、元気になる薬膳スープです。以前紹介した『香菇雞湯』と似ていますが、漢方材料が追加されています。シンプルですが、非常においしいのでぜひお試しください。



難易度:


調理時間:
2時間

材料:
鶏肉 ……… 半匹分
ヤマイモ ……… 300g
蓮の実 ……… 50g
当帰 ……… 5g
クコの実 ……… 10g
干しシイタケ ……… 6個
生姜 ……… 10g

調味料:
水 ……… 1500cc
酒 ……… 200cc
塩 ……… 少々


作り方:
1.干しシイタケは石づきを取り、蓮の実と一緒に水に1時間ほどつけておく。生姜は薄切りにする。

2.鶏肉はぶつ切りにし、沸騰したお湯で3分ほど茹でてアクを除き、氷水につけて荒熱をとる。

3.鍋に干しシイタケと蓮の実をつけておいた水と共に入れ、鶏肉と残りの材料を入れる。残りの水と酒を加え、蓋をして1時間ほど煮込む。塩で味を整えて完成。


Point:
作り方3では全部の材料を炊飯器に入れてスイッチオンで簡単調理できます。

人参や大根、豆腐などを入れてもおいしいと思います。肉は好きなものに代えてください。





0 コメント :

 
日本で作れる台湾料理 © 2012 | Designed by Rumah Dijual , in collaboration with Web Hosting , Blogger Templates and WP Themes
FB FACEBOOK TW TWITTER