観世音霊籤第八十六首 - 第九十首

観世音霊籤百首
第八十六首 大吉
春來花發映陽臺
萬里舟行進寶來
躍過禹門三級浪
恰如平地一聲雷

意訳:
春來花發映陽臺
春は大いなる喜びの季節。

萬里舟行進寶來
遠方より宝を載せた船がやって来る。

躍過禹門三級浪
大きな門をくぐれば、三つの慶事がある。

恰如平地一聲雷
歓声が雷のように鳴り響くだろう。

説明:
大吉を示すあたり籤です。
勇気を出して大きな門をくぐれば、三つの良い事があるでしょう。
遠くからもよい知らせがあります。
何も心配せず一歩を踏み出しましょう。

故事:
西王母獻益地圖
商輅中三元



第八十七首 中平 
人行半嶺日啣山
峻險巉巖未可攀
仰望上天垂護佑
此身猶在太虛間

意訳:
人行半嶺日啣山
山道を半分過ぎたところで日が暮れた。

峻險巉巖未可攀
両側には崖が切り立ち、上ることはできない。

仰望上天垂護佑
ただ天の加護を祈ることしかできない。

此身猶在太虛間
すこし落ち着いたように見えても、まだ先は長いのだ。

説明:
まだまだ先が長いことを暗示する籤です。
油断大敵、まだ半分の距離を残してあたりは暗闇に包まれてしまいました。
ここで休むか先を急ぐかはあなた次第ですが、いずれにせよ安心してはいけません。
しかしこの路の先にはあなたの目的地があります。
歩いていれば必ず到達できます。

故事:
魏武帝羊腸失路
咬金探地穴


第八十八首 
木雕一虎在山林
遠望威容意不禁
縱說不妨終可謂
此身如入大江心

意訳:
木雕一虎在山林
山中に木彫りの虎がある。

遠望威容意不禁
遠くから見れば非常に恐ろしく見える。

縱說不妨終可謂
何の害もないのだが、人々はこれを恐れて山に近づかない。

此身如入大江心
大海に身を投じるときの心理とはこういうものだ。

説明:
あなたの足を止めているのは籤にあるように木彫りの虎ではないでしょうか?
近づいてみてみれば笑い転げてしまうほど、他愛のないものかもしれません。
理性を持って恐怖を克服しましょう。
本来形のないものを恐れる心を、克服したとき道は開けるのです。

故事:
張子房誤中副車
龐洪畏包公


第八十九首 上上
出入營謀大吉昌
無瑕玉在石中藏
如今幸得高人指
獲寶從心喜不常

意訳:
出入營謀大吉昌
各種の計画は全てうまく行くだろう。

無瑕玉在石中藏
石の中には傷のない玉が眠っている。

如今幸得高人指
幸せは人の導きの先にある。

獲寶從心喜不常
喜びのままに宝を得よ。

説明:
あなたの中には類稀なる才能が眠っています。
それをうまく発掘して磨き上げましょう。
そして専門家や先達が指し示す先にあなたの望む幸せがあります。
あなたが自分の才能を活かし、活躍できる場所はすぐに見つかることでしょう。

故事:
姜太公渭水遇文王
煬帝大看瓊花


第九十首 上上
忽朝一信天下墀
寶貝船裝滿載歸
若問前程成底事
始終應得貴人提

意訳:
忽朝一信天下墀
ある日突然、信じられないよい知らせが届くだろう。

寶貝船裝滿載歸
宝を満載した船があなたの元へ帰ってくる。

若問前程成底事
もしこれから何が起きるかを知りたければ、

始終應得貴人提
貴人に意見を求めるがよい。

説明:
まさに晴天の霹靂、驚くべき幸運の知らせがあなたに届きます。
予想外の帰還、予想外の宝があなたに訪れます。
あまりの幸運にどうしたらよいか分からなくなっても、きっと誰かが助けてくれます。
そういうときのために信頼できる人を作っておくのも、幸運を逃さない秘訣ですね。
よい知らせが届くというあたり籤です。

故事:
劉先主如魚得水
葦佩遇仙
韋佩遇仙


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