実践:十全大補湯
昨日に引き続き本日は『十全大補湯│十全大補湯スープ』です。今日は実際に調理した手順を写真で追ってみます。昨日の一般的なレシピとは若干内容が異なりますので、ご了承ください。
『十全大補湯』の一般的レシピはこちら。
調理時間:
2時間
材料1:
豚肉 ……… 350g
ヤマイモ ……… 500g
チンゲンサイ ……… 200g
冬粉 ……… 70g
材料2:
ヒゲ人参 ……… 1g
当帰 ……… 3g
川芎 ……… 3g
白芍 ……… 3g
(芍薬の皮を除いたもの)
熟地黄 ……… 3g
甘草 ……… 1.5g
茯苓 ……… 3g
白朮 ……… 3g
桂皮 ……… 15g
黄耆 ……… 3g
大棗 ……… 3g
枸杞子 ……… 3g
淮山 ……… 3g
調味料:
塩 ……… 少々
酒 ……… 1300cc
水 ……… 400cc
では、実際に作っていきましょう。
作り方:
1.生薬を準備します。今回使ったのは材料2にあるとおりで、市販の十全大補湯のパックに材料を足して使っています。
通常のレシピと異なるのは
○朝鮮人参 3g → ヒゲ人参 1g (安物で代用、というか筆者は朝鮮人参が嫌い)
○芍薬 3g → 白芍 3g (一般的に白芍は栽培物を意味します、名前がちょっと違うだけです)
○桂皮 3g → 桂皮 15g (品質が悪すぎたため増量)
○大棗 3g、枸杞子 3g、淮山 3g を追加 (味を整えるため台湾の火鍋類には大概入ってます)
また
○パックに入っていたものをそのままに、今回は蒼朮ではなく白朮をチョイスしました。
熟地黄、大棗、枸杞子、淮山は直接鍋に、それ以外はパックに入れます。見えていませんが、茯苓は折って砕きました。下側2/3は桂皮です。ヤマイモを大量に使っているので淮山は無くてもいいのですが、スーパーで購入したパックに入っていたのでそのまま使いました。
2.豚肉を準備します。
今回は骨付きの豚ばら肉(排骨)を用いました。これを一口サイズに切り分けます。
これを沸騰した湯にくぐらせてアク抜きをしておきます。
3-5分茹でてアクが浮いてきたら、取り出して氷水で締めておきます。
これで豚肉の下処理は終わりです。
3.ヤマイモの準備をします。皮を剥き食べやすい大きさに切ります。
日本の北海道産だという大きなものが売っていたので、そのまま使いました。
痛んでいた部分は大胆に切りすてます。
ぶつぎりです。特に難しいことは無く普通の調理です。そのまま煮込むので特別な処理は何もしません。
4.その他野菜などの準備
チンゲンサイはよく洗って半分にばっさり切ります。冬粉は温水につけて柔らかくしておきます。
5.鍋に生薬を入れてお酒を注ぎます。筆者の家では最近購入した電磁鍋がこういうときに大活躍です。筆者は軟派者なので土鍋などという硬派なものは使用しません。簡単さ命です。
どぼどぼと注いでいきます。アルコール分はすべて飛ばすので、子供でも食べられます。
台湾ではおなじみの料理酒を二瓶使いました。飲むわけではないので安物で十分です。
お酒を投入した時点ではスープはまだ透明です。
アク抜きした豚肉とヤマイモを加えます。アク抜きをしておくと透明感のあるスープができ、今回は骨付きの肉を使いましたが肉の臭みもなくなります。中華料理でスープを作る場合基本的に肉はアク抜きの下処理を行いましょう。
あとは蓋をしてコトコトと弱火で煮込みます。まずアルコールを飛ばさなければならないので、酒臭さがなくなるまでは時々蓋を開けてやりましょう。アルコールが残っているうちは沸騰の仕方が違うので、時々見ていればいいと思います。
6.30分ほど煮込んでアルコールが飛んだかなというところで野菜と冬粉を投入します。
冬粉などは汁を吸うので、水を足す用意をしておきましょう。醤油などの調味料は必要ありません、今回も何も足していませんがスープには褐色の色が付いています、これが十全大補湯スープの色です。この時点でヤマイモに火が通っているか味見してみましょう。柔らかくなっていればもう食べられます。左下の大棗もしわしわだったものがスープを吸って真ん丸になっています。
7.野菜に火が通ったら完成です。好みで塩で味付けして食べましょう。塩なしでも十分おいしく食べられます。保温状態を保ったまま、適宜水を足して煮詰まらないように注意します。
具は一例であくまで好みです。豆腐、ゆで卵、キノコなど何でも好みで加えて作りましょう。
今回は骨付きの豚ばら肉とヤマイモを使ったので『排骨山藥十全湯』と言ったところでしょうか。
もし材料が必要な方がいらっしゃれば、より詳しいレシピと共にお客様に合わせて材料を調合して、お送りします。個人輸入扱いになりますが、興味ある方はメールかコメントにてお問い合わせください。そのうち本格的に売る予定です。
体の芯から温まる十全大補湯の実践編でした。
いやぁ、おいしかった。
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