山東燒雞│山東風揚げ蒸し鶏

難易度: 調理時間:1時間以内
山東料理が続きます。本日はそのまま山東省の名前を冠した『山東燒雞│山東風揚げ蒸し鶏』のレシピを紹介します。揚げて蒸すという二段階の加熱方法で作る絶品料理です。

ご存知の方も多いと思いますが、山東省は1920年代の一時期日本が租借していた土地の一つです。

すこし歴史を遡って日本が山東半島を支配するまでの流れを書くと、「1.日本が日清戦争の勝利で遼東半島獲得」→「2.三国干渉(1895)」→「3.遼東半島返還」→「4.フランス、ロシア、ドイツが清に恩を売る」→「5.ドイツが山東半島に租借地(膠州湾租借地)を獲得(1898)」→「6.第一次世界大戦でドイツ敗北(1914)」→「7.日本が山東半島のドイツの租借地を引継ぐ(1919)」という感じになっています。

5でドイツが租借地を獲得してから、清は日本への賠償金の立替などを口実に次々と列強に支配されていくことになります。この時からイギリスによって香港が99年間支配されるのはご存知の通りです。もちろんフランスとロシアも租借地を獲得しています。また6でドイツが第一次世界大戦に敗北した時、中華民国はてっきり山東半島が自国に返還されると思っていたのですが、当時の国際法と日本からの圧力によりドイツの海外領地は結局日本に引き継がれることになりました。

当時の軍縮の流れにより結局1922年に日本はこの租借地を放棄することになるのですが、それでもかなりの権益を確保したままで、2万人近い日本人が青島周辺に居住していたそうです。

この後も、この地域周辺は中華民国国内のドタバタ(蒋介石による北伐)に巻き込まれて治安が悪化、1927年に日本軍が出動し治安維持活動を行いますが、このせいで蒋介石は北伐を失敗することになりましたが、これにより蒋介石は激怒。結局これが日中戦争の原因になったとも言われていますが、本当のところはどうなんでしょうね。

まさに激動の時代です。当時の人々は同じ料理を食べながら、どんな気持ちでいたのでしょうか?当時の人々と山東半島をとりまく複雑な国際状況に思いを寄せながらこの『山東燒雞』を楽しみましょう。合わせるお酒はもちろんチンタオビールで!

*当ブログは"まじめな"料理ブログです(笑)。



[材料]
鶏肉 ……… 1匹まるごと
八角 ……… 4個
桂皮 ……… 5g
ネギ ……… 2本
ショウガ ……… 10g
ニンニク ……… 3個

[調味料1]
酒 ……… 大さじ1/2
塩 ……… 小さじ2
醤油 ……… 適量

[調味料2]
酢 ……… 大さじ3
ごま油 ……… 小さじ1/2
ラー油 ……… 適量

[作り方]
1.鶏肉をきれいに洗って水気を切ってから調味料1の酒と塩を満遍なく全身に刷り込む。5分ほど置いたら更に醤油を鶏肉に塗り30分ほど置いておく。

2.鍋に揚げ物油を入れて160度に熱し、作り方1の鶏肉を入れて表面の色が変わり、皮がパリパリになるまで揚げる。油から出た部分は匙で油をかけながら揚げる。

3.作り方2の鶏肉の表面に火が通ったら取り出して油を切り、体内に八角、桂皮、ぶつ切りにしたネギを詰めて開口部を爪楊枝などで閉じる。この鶏肉を丸ごと蒸し器にかけ、中火で1時間半蒸す。

4.蒸しあがったら鶏肉の体内から八角、経費、ネギを取り出す。鶏肉を裂いて骨を取り除き、器に盛りつける。上からすべての調味料2を振りかけて完成。

Point!
頭が付いたままの鶏肉を揚げるときは、眼球を箸で刺して潰しておきましょう。そのまま油に入れると破裂します。

出来上がりの骨はついたままでも良いのですが、レシピでは取り除いています。

鶏皮に醤油がまぶしてあるので、揚げると茶褐色になります。

揚げるときは皮だけに火が通るよう、開口部を爪楊枝で閉じておくなどしましょう。

蒸し器には少量ですが皮から落ちた鶏油がたまります。鶏油だけをすくい取り最後に肉の上から振りかけてもよいでしょう。

大量の香菜やネギを薬味として振りかけて食べることが多いです。お好みのものをどうぞ。


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