難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『家庭小炒│中華炒め』のレシピを紹介します。中華鍋で材料を炒めるだけの初心者主婦の味方!ご飯のおかずに最適の料理です。筆者も月一くらいで作って食べます。
料理名にある「家庭」、この字で使われる「家」と「庭」 の漢字について簡単に説明します。
「家」は中国でも日本でも同じそのまま「家(いえ)」の意味で、家屋をあらわす「ウ」冠にイノシシをあらわす「豕」が入っています。たぶん大きな家の中心、生贄を捧げる祭壇か何かを指しているのでしょう。そしてその場所を中心に共同生活を営む単位、更に転じて同じ職能や思想をもつ集団などを示すようにもなりました。
「庭」は本来「平らな場所」を示す語で、「广」と「廷」に分けられます。「广」は壁(や崖など)に囲まれた「家」の意味です。「廷」は人が作った「まっすぐ平らな場所」の意味で、天子の住む場所を「宮廷」、政治を行う場所を「朝廷」、法を検証する場所を「法廷」と呼ぶなど、政治と密接な関係のある語でした。この規模を少し落として「門」から「家」までの平らな場所を「庭」と呼ぶようになりました。普通庭には木を植えたり池を作ったりしますが、そういったさらに趣向を凝らした場所は「園」と呼び分けます。
この二つをあわせた「家庭」 という単語を中国の古書テキスト検索システムで調べてみたのですが、どうやら唐以前の書物にはこの単語が使われた形跡がありませんでした。また唐から宋代あたりにかけても単に「家の庭」の意味で使われているものばかりで、現在我々が使う「家族集団」の意味で使われているものは見つかりませんでした。もちろん全部のテキストに目を通したわけではありませんが…。
家族の意味で「家庭」の語が使われ始めるのは宋後半から金の時代。主に程朱学(朱子学)関連の古書で使われ始めたのが最初のようです。なるほど儒教では家族のつながりを重視しますが、生活の場である「家庭」を家族の代名詞として使ったのは面白い考えですね。きちんと探せば同じ時代に新しい意味を与えられた単語の例がたくさん見つかるかもしれません。大学生くらいならレポートのテーマにしてみても面白いかもしれませんね。
今我々が使っている「家庭」の意味は、儒教と密接な関連があったのですね!(とはいえ、ざっと調べただけなので間違いがあったらごめんなさい。)家族で食卓を囲みながら、古い中国の思想に思いを馳せてみましょう。それではレシピです。
[材料]
イカ ……… 50g
白身魚切り身 ……… 50g
シイタケ ……… 30g
トウガラシ ……… 1本
ニラ ……… 10g
ショウガ ……… 5g
[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2
味の素 ……… 小さじ1/2
オイスターソース ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々
水溶き片栗粉 ……… 少々
ごま油 ……… 少々
[作り方]
1.イカと白身魚切り身を小指くらいのサイズに切る。シイタケのいしづきをのぞき、うす切りにする。トウガラシとショウガを千切りにする。ニラはイカと白身魚の長さにあわせて切る。
2.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ショウガを炒めて香りを出す。続いてイカ、白身魚切り身、シイタケ、トウガラシ、塩を加えて全体を混ぜ合わせながらイカに火が通るまで炒める。さらに味の素、オイスターソースを入れて全体に絡め、強火でざっと炒めたら水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、ごま油を散らして完成。
Point!
イカを水で戻したスルメに、白身魚を豚肉に、更に醤油を少し加えると『客家小炒』に似た料理になります。肉の種類を変えても美味です。
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