玉文六號│玉文(ユーリン)マンゴー

玉文六號│玉文(ユーリン)マンゴー

1995年に台南縣玉井鄉の農家郭文忠氏は金煌を母木に、アーウィン種を父木とし玉文六號という品種を登録した。1986年に玉文一號を開発してから現在まで28種類の新品種が郭文忠氏の手により生まれているが、現在最も品質が優れているといわれるのがこの玉文六號である。

郭文忠氏は17歳で玉井初級農校を卒業してから、すぐに土マンゴーの栽培を始めた。当時大部分のマンゴーは株間をかなりあけて栽培されていたが、彼は土壌改良とともに株を集中して栽培する手法を確立させ、栽培管理を格段に改善させた。1954年に台湾がアメリカから新種のマンゴーを導入すると決まった時、郭文忠氏もアーウィン種の栽培を開始、やがて彼の栽培する土マンゴーはすべてアーウィン種をはじめとする海外品種に置き換わることとなった。

1990年代、市場を席巻していたアーウィン種を脅かす新規開発されたばかりの金煌マンゴーが市場に出回り始め、郭文忠氏は品種の改良を手がけ始めた。

第一世代の改良品種は金煌マンゴーにアーウィン種の花粉が自然受粉して実った果実のうち、糖度が高く優良な果実を選別するという方法で行われた。選別した果実の種を植えて始めて実った果実は今までのどのマンゴーよりも糖度が高く、外見も非常に美しいものであった。彼はこれを接木方式で増やし、新種のマンゴーとして申請した。初期の改良品種のうち最も品質が良かったのが「玉文六號」である。

市場に出回り始めた当時、この新種はアーウィン種の美しい果皮と金煌マンゴーの大きさを持つことから、「紅金煌」と呼ばれていた。品種名を登録する段階で「金煌」と同じように開発者の名前を取って名称を「文忠」とすべきという意見もあったが、郭文忠氏は最終的にこの種の生まれた地名である玉林と自身の名前から一文字ずつ取って「玉文」と名付けたそうだ。

旬は5-6月。未成熟の果実は緑色だが、成熟するとアーウィン種のように全体が深紅色になる。

市場に出回る果実の重量は600-1000g前後、大きさは長さ約20cm×幅約10cm×厚さ約10cm。糖度は15Brixから品質の良いものでは22Brixを超える、酸度0.16%、糖酸比は94-135程度。果皮は薄く、種も小さい。

抗病性はアーウィン種より優れる。

開発者の郭文忠氏はこの玉文六號を元にして様々な種のマンゴーと掛け合わせる品種改良を続けており、昨年までに28種の品種が新規に登録されている。ちなみに郭文忠氏お勧めの品種は玉文二號、五號、六號、十九號、二十八號であるという。

台湾のスーパーでは一個150-220元(約350元/kg)。台湾生まれの台湾育ちである玉文シリーズは、現在日本の一部地域でも栽培が始まっている。まだほとんど市場に出回らない二十八號もこれから見かける機会が増えそうである。

 男性の手のひらほどもある大きさ。
まさに金煌のサイズでアーウィン種の色。
果肉は金煌とアーウィン種の中間くらいの色。

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