愛文│Irwin、アーウィン種、アップルマンゴー
1954年にアメリカフロリダ州から台湾に導入された種で、生産量が安定しているため台湾の農家から人気を集めて大規模栽培が始まった。
アーウィン種の原木はリッペンス(Lippens)種とヘイデン(Haden)種の交雑によるもので、1939年にマイアミの農家F. D. Irwin によって発見された。生産者による大規模広告が功を奏して1940年代後半からアメリカで大流行し、マンゴーの代名詞ともなる。世界各地に栽培作物として導入されており、特に日本で栽培されるマンゴーのほとんど(95%以上)がこのアーウィン種である。 また多くの近代種の先祖種としても重要である。もともと樹高が4mを超える種であるが、剪定技術の発達により矮化が可能で、現在の栽培株の樹高は2.5m程度となっている。
台湾全体のマンゴー生産面積は約18,000haで、その内アーウィン種の栽培面積は7,800ha、総面積の40%以上を占めている。このうち台南県だけで約4,500haが栽培されており、台南地域の特産物ともなっている。
一般的な旬は5-7月。未成熟の果実は暗紅色で一ヶ月ほどで緑色に、完熟するとリンゴのような紅色となる。果皮は薄く、果肉の可食部にはほとんど繊維がない。種は小型で薄い。
市場に出回る果実の重量は300-700g、大きさは長さ約15cm×幅約8cm×厚さ約8cm。更に大きなものもある。糖度は12-15Brix、酸度は約0.20%、糖酸比は60前後。
収穫量、味、香りすべてが高水準の優良品種であるが、病害に弱いのが最大の欠点で、特に炭疽病にかかりやすい。
台湾のスーパーでは一個60-100元(約300元/kg)、市場では更に安い。国際認証済みで台湾から日本(またはその他の海外)へ直送できる農場も多くあるので、旅行時に各農場に問い合わせてみても良い。日本への冷蔵直送は5kgで3000元ほど。日本と台湾で絶大な人気を誇る本種だが、長期保存ができず炭素病に弱いという特徴があるため、その他の国では生産量が少ない。
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