荔枝飲│ライチジュース

難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日の薬膳料理は夏らしくさっぱりとした飲み口の『荔枝飲│ライチジュース』です。ライチは先日紹介した楊貴妃(『貴妃痤瘡飲』)の愛した果物として知られます。

ライチはムクロジ科の植物で学名を Litchi chinensis といいます。漢字では「荔枝」と書き Li zhi と発音します。属名は中国語読みのラテン語表記です。日本語のライチは広東語、福建語、台湾語の発音が伝わったものです(どれもライチと発音します)。中国の広東省、広西省、海南省辺りが原産とされ、現在は福建省のものが有名で高級品。台湾でも栽培されています。古くは「離枝」と書かれました。
 
中国の薬膳の本にはビタミンA、B、Cを豊富に含むなどと書かれていることがあるのですが、実際にはビタミンAはまったく含まれていません。こと栄養に関しては薬膳関係の本はいい加減なことがあるので注意ですね。

冷蔵庫のない時代は保存が困難だったこともあり、中国では非常に珍重されました。「一日色變、二日香變、三日味變、四日色香味盡去」という格言があるほどで、収穫してからせいぜい2-3日以内に食べないと、すぐに痛んでしまうことを示しています。

楊貴妃が非常に好んだ果物としてしられ、ライチリキュールをベースにしたカクテルに、ずばり『楊貴妃』というものがあります。楊貴妃はライチの季節になると収穫したものをすぐに早馬に乗せて、嶺南から長安まで届けさせたという逸話が残っているほどです。嶺南の北端(広西省の北部)から長安まで1400kmほどですので、馬が平均時速10kmで日夜ぶっ通しで駆け続ければ5-6日ほど掛かる計算です。収穫が開始される3月なら気温はまだ低いので痛むのが遅いと仮定しても、楊貴妃は消費期限ギリギリのものが食べらたかどうかといったところでしょうか。もちろん皇帝の愛姫ということで木を掘り起こして枝に実をつけたまま運ぶなどの力技を使って新鮮なものを食べたのかもしれません。

ライチは生津の効能があり、夏ばてで喉が渇く、冷たいものばかり飲みたがるとうような状態には最適です。生で食べてもいいですが、こういったジュースにしてもおいしいですよ。

[材料]
ライチ ……… 100g
 (乾燥品は30gを使う。)
大棗 ……… 50g
水 ……… 600cc

[調味料]
氷砂糖 ……… 30g

[効能]
生津、健脾

[作り方]
1.ライチの皮をむき、大棗、水と共に鍋に入れ沸騰したら弱火で15分煮込む。

2.氷砂糖を加え軽くかき混ぜながら5分ほど煮込んで完成。

Point!
好みで氷を加えるなどして冷やしてから飲みましょう。

もともと乾燥ライチを使った薬膳ですので、生ライチだと食用部分を取ってミキサーなどで絞った方が早いと思います。 効果は同じですので、お好きなほうで作ってください。


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