麒麟杏鮑甫│にせ鮑の三層煮

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は『麒麟杏鮑甫│にせ鮑の三層煮』のレシピを紹介します。本来はアワビを使った『麒麟鮑甫』という高級料理をエリンギで代用した家庭料理です。高級レストランでは数センチの厚さに切られたアワビをじっくり煮こんで作られます。

料理名にある「麒麟」は日本でもおなじみの聖獣です。五行論でいえば東:青竜、西:白虎、南:朱雀、北:玄武の中央に位置する場所に描かれ、諸獣の王とされます。(中央には黄竜が描かれることもあります。)諸鳥の王とされる鳳凰と対比されて芸術品などのモチーフにもなります。

動物園でおなじみキリンの名前の由来にもなっています。ちなみに中国語ではキリンを「長頸鹿」というのですが、台湾語では「麒麟鹿(キーリンロー)」といいしっかりキリンの名前が残っています。中国文化が初めて本物のキリンと出会ったのは1414年、アフリカに赴いた船団が貢物としてキリンを中国に持ち帰り、明の皇帝が吉祥の兆しとして寵愛したのが最初といわれます。

古代中国ではもともと「麟(麐)」の一文字で麒麟を表していたのですが、雌雄の区別のある鳳凰と対比して描かれるようになった頃から「麒」、「麟」の二文字でオス、メスを分けるようになり、現在の表記になりました。最古の記録では甲骨文字(!)の戦の記録に麟の字が登場します。

道教の祖である孔子が誕生したときはその戸口に麒麟が現れその誕生を見届けたといわれます。このことから儒教では非常に重要な存在とされ、古代の諸思想と合わさって五行論で中央に麒麟が置かれる要因ともなりました。道教でも神聖な存在とされるので、台湾各地にある廟の各所には麒麟をモチーフにした絵画や彫刻を見ることができます。

たてがみの色によって五種類に分けられるとされ、黄色いものが麒麟、赤いものが炎駒(エンク)、黒いものが甪端(ロクタン、「角」ではないので注意)、白いものを索冥(サクメイ)、青いものを聳弧(ショウコ)と呼び分けます。もともと麒麟以外はまったく別の妖怪でしたが、説明書きに「麒麟に似ている」の条文があることから、麒麟の一種とされるようになったようです。これらは中国よりも日本のファンタジーやゲームでたびたび登場するので、中国人よりも日本人の方が詳しかったりします(笑)。

そんな麒麟の名を冠した絶品料理、ぜひお楽しみください。


[材料]
エリンギ ……… 300g
シイタケ ……… 8個
タケノコ ……… 1本

[調味料1]
中華スープ ………200cc
オイスターソース ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ1
味の素 ………小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 小さじ1


[調味料2]

水溶き片栗粉 ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ1

[作り方]
1.シイタケの石づきを取る。タケノコは茹でて火を通しておく。エリンギ、シイタケ、タケノコはそれぞれ同じくらいの厚さ、大きさに薄切りにする。それぞれ20-30片ほど準備する。

2.熱した鍋に大さじ2のサラダ油をひき、作り方1のエリンギ、シイタケ、タケノコ、酒を加え軽く炒めたら、調味料1を加えて弱火で40分ほど煮込む。

3.器にエリンギ、シイタケ、タケノコを層になるようきれいに並べる。鍋に余った汁に水溶き片栗粉でとろみを付け、器の上からかけて完成。

Point!
エリンギをそのままアワビで代用すれば『麒麟鮑甫』というオリジナルの料理になります。美味さは桁違いなので、缶詰のアワビなどを使って挑戦してみましょう。

普通は茹でたチンゲンサイなどを添えることが多いです。適当な葉野菜を添えましょう。

タケノコの代わりに豆腐や金華ハムなどを挟むと見事な高級料理に大変身。ソースの中華スープもシイタケの戻し水を使ったりして一工夫するとおいしくなります。


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