乾鍋蘿蔔片│湖南風ダイコン炒め

難易度:☆ 調理時間:30分以内
湖南省の家庭料理『乾鍋蘿蔔片│湖南風ダイコン炒め』のレシピです。ピリ辛で美味いダイコンと豚バラ肉を炒めた料理で、台湾でも湖南料理とは知らず家庭料理として食べられます。

湖南省といえば四川料理よりも辛いといわれる「酸辣」が特色の湖南料理、湘菜が有名です。当ブログでも四川料理に続いて紹介数の多い料理であります。

湖南省は実は台湾からそれほど離れているわけではありません。台湾から海峡を挟んで福建省、そこから内陸に向って江西省、そしてその隣が湖南省です。800kmほどなので、バスに揺られれば半日ほどで到着します。電車だと丸一日以上かかるので、飛行機か車を使うのが現実的ですね。

さて、湖南省といえば古代楚の国があった場所として知られ、薬剤師や当ブログの薬膳ファンの方にはおなじみ「神農」と縁の深い場所でもあります。楚は現代のような中国医学が発達する前の、原始医術(巫術)や動物信仰が盛んだった場所であるといわれ、古代中国北部で蓄積されていた植物薬と楚の動物薬の知識、そして巫術、導引術などが渾然一体となり、中国医学の基礎となったと言われています。

湖南省は毛沢東や劉少奇など共産党の要人を輩出した場所としても有名です。そして筆者は未だに湖南省の“N”が“L”になる訛りに慣れません(笑)。湖南省の方は標準語を話しても「奶奶(おばあちゃん)」が「來來(ちょっと来て)」みたいに聞こえます。「Hu」と「F」も区別しないので慣れないと本当に聞き取りにくいのです。毛沢東もかなり訛っていたそうです。

中華料理はその料理の生まれた場所やその土地の歴史と合わせて覚えると、よりおいしく味わえるようになると思います。これからもコラムと合わせてレシピをお楽しみください。



[材料]
ダイコン ……… 300g
豚バラ肉 ……… 200g
トウガラシ ……… 10g
ショウガ ……… 8g

[調味料]
一味唐辛子 ……… 少々
醤油 ……… 小さじ1
酒 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 10g
塩 ……… 小さじ1/2


[作り方]
1.ダイコンの皮をむき、厚さ0.5cmほどの短冊切りにする。これを沸騰したお湯で30秒ほど茹でて軽く火を通して、取り出して水気を切っておく。

2.豚バラ肉は食べやすい大きさに薄切りにする。生姜はみじん切りにする。トウガラシは半分~三分の一ほどの長さに切っておく。

3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油をくわえ、ショウガをいためて香りを出す。続いて豚バラ肉を入れ色が変わったら、トウガラシ、醤油、一味唐辛子、酒を加えて2分ほど強火で炒める。

4.ダイコンを加えてかき混ぜながら痛め、染み出してきた水気を飛ばすように全体に色が付くまで炒める。ごま油を加えて香りをつけたら、器に盛り付けて完成。

Point!
ダイコンと豚肉の大きさをそろえると食べやすいです。豚肉はあらかじめ薄切りにされたものを買って、適当な長さに切って使う楽です。

ダイコンから染み出した水分で調味料を溶かし、それを加熱して水を飛ばし全体に味を行き渡らせるという調理方法の料理です。強火で一気に調理しますが、焦がさないよう注意してください。


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