松鼠鱖魚│江蘇風ケツギョ揚げ

難易度:☆☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は非常に有名な江蘇料理『松鼠鱖魚│江蘇風ケツギョ揚げ』のレシピを紹介します。日本ではほとんど見かけませんが、中華全土でよく知られた有名な料理です。日本で作る場合はスズキを使って調理しましょう。ケツギョの説明はこちら(Wikipediaに飛びます)。

数ある江蘇料理の中でおそらくもっとも有名な料理である『松鼠鱖魚』、料理名にある「鱖魚(ケツギョ)」とは中国北東部に住むスズキ科の淡水魚で日本ではほとんど流通していません。朝鮮半島では「쏘가리(ッソガリ)」と呼ばれ、高級食材として食べられます。小骨が少なく蛋白で非常に食べやすい魚です。料理名にある「松鼠」とはリスのことですが、料理の形態を表しているだけでリスの肉を使うわけではありません。大きく持ち上がった魚の頭が尻尾を持ち上げたリスの姿を、ソースをかけたときの音がリスの鳴き声を連想させることからこの名が付いています。

言い伝えによると、清の乾隆帝は江南に下ったとき、現在も残る蘇州の有名レストラン「松鶴楼」で『松鼠鯉魚』を食べてその味を大絶賛。その後蘇州の料理人らはケツギョを使ってこの料理を作り、調理方法も絶え間なく改良してきたといいます。現在でも色、香、味、形、音、器の全てに完全なバランスを持った料理として多くの美食家たちに絶賛されています。

3月、雪解けの季節。 渓流に雪解け水が流れはじめ桃の花が咲き誇るときが、この料理の旬とされます。写真を見ていただければわかるように、非常に美しい料理です。

日本海沿岸部なら川に遡上したスズキを手に入れて、是非この料理に挑戦してみてください。とっておきの皿を使って「色、香、味、形、音、器」の全てを楽しめるよう工夫するのもお忘れなく!意外と簡単に作れます。

しかも!台湾でも江蘇料理の店で食べられますよ!


[材料]
ケツギョ ……… 750g
 (スズキで代用する)
エビ ……… 30g
タケノコ ……… 20g
干しシイタケ ……… 1個
エンドウマメ ……… 15g
ネギ ……… 30g
ニンニク ……… 1個
片栗粉 ……… 60g
水溶き片栗粉 ……… 大さじ3

[調味料]
紹興酒 ……… 25g
塩 ……… 11g
砂糖 ……… 200g
酢 ……… 100g
ケチャップ ……… 50g
トマトソース ……… 50g
 (パスタ用。なければケチャップで代用する)
トンコツスープ ……… 100cc
ごま油 ……… 大さじ1

[作り方]
1.ケツギョはよく洗ってウロコをひき、胸ヒレを切り落とす。頭部を切り落とし、腹から包丁を入れて内臓を取り除き、包丁の腹で身を軽く叩いてほぐしておく。尾の部分で身をつなげたまま肋骨と背骨を取り除除いておく。頭部は下あごを切り開き、酒(分量外)を振ってから片栗粉(分量外)をまぶしておく。

2.尾の部分で繋がった両方の身を、内側から皮に向かって5mmずつ格子状に包丁を入れる(→Point参照)。ボウルに切り身を入れ、半量の紹興酒と塩を振って軽くもみ、臭みを抜いておく。続いて片栗粉を格子の内側までしっかりまぶし、余分な粉を落としておく。

3.鍋でケチャップ、トマトソース、とんこつスープ、砂糖、酢、残りの紹興酒、塩を混ぜ合わせ、加熱して沸騰させたら水溶き片栗粉を加えてとろみをつけておく。

4.別の鍋に揚げ物油をたっぷり注いで200度まで熱した後、作り方2のケツギョの切り身を皮を内側にしてゆっくりと油に入れ、身に入れた切れ目を開かせる(→Point参照)。全体に火が通ったら取り出して油を切っておく。頭部も同じように揚げて火を通しておく。油を切ったケツギョの頭部と身を器に盛りつける。魚を揚げた油は70ccほど取っておく。

5.別の熱した鍋に油(分量外)をひき、殻を剥いたエビを炒めて火を通し取り出しておく。同じ鍋に少量の油を足し、ぶつ切りにしたネギを炒めて香りを出す。続いてみじん切りにしたニンニク、千切りにしたタケノコ、水で戻してみじん切りにしたシイタケ、エンドウマメを加え火を通したら、作り方2のソースとエビを加えて混ぜ合わせる。作り方4でケツギョを揚げた油を70ccほどとごま油をソースに加え、よくかき混ぜたら作り方4の魚の身にかけて完成。

Point!
身を油に入れるときは尻尾部分を持って胸部分からゆっくりと油に入れます。こうすることで格子状に入れた切れ目が開き、美しい見た目になるのです。

時間があれば二度上げしてサックサクに揚げてください。

レシピではソースに色々な具を入れていますが、作り方5は飛ばして糖醋ソースだけで作ってもOK。

ソースは食べる直前に揚げたてアツアツの身にかけ、そのときの音も楽しみます。この時の音もポイントです。

鯉を使ったオリジナルの『松鼠鯉魚』も、機会があれば再現してみましょう。

一般的にはなぜか「白ブドウ」を添えるのがしきたりです。高級感を演出できますので白ブドウがあれば器の横に添えましょう。

改めてみるとレシピは複雑ですが、半分以上は魚の処理に費やしています。魚さえさばけるなら一度実物か映像でも見れば、割と簡単に再現できると思います。というわけで、以下に youtube から制作方法のビデオを紹介しておきます。1はほとんどがトークなので2から見ればよいでしょう。ちなみに中国の料理番組なのですが、ぜんっぜん面白くないです(笑)。








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