粉糖酥肉│中華甘トンカツ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
さて今回は『粉糖酥肉│中華甘トンカツ』のレシピを紹介です。一枚肉を使わない以外はどこからどう見ても日本のトンカツにしか見えませんが、砂糖をかけて食べるという不思議な料理。福建の閩西料理の一つです。台湾でも食べられます。というか作るのはとても簡単です。

さてここ最近福建料理を多く紹介しているので、改めて福建料理についてまとめておきましょう。今回は福建料理概論です(笑)。

福建省は台湾の西部、中国大陸沿岸部にある省で宋代に福州、建州、泉州、漳州、汀州、などがおかれ八閩とも呼ばれました。現在は廈門市などが有名です。以前も紹介しましたが、台北市には福州街、泉州路、汀州路という道が、台湾とのつながりの深さが伺えます。

福建料理は広義には大きく下の五つに大別できます。
・福州料理(閩北料理)
・閩南料理
・閩西料理
・台湾料理
・海南料理

このうちの台湾料理は当ブログのメインなので説明を省きます。今回は上の三つ、狭義の福建料理を簡単に説明したいと思います。

福州料理(閩北料理)
さらに細かく閩北、閩中、閩東料理に分けることももあります。いわゆる福建料理といえばこれをさします。「紅麹」を使った料理が多いのも特徴的です。海岸線があるくせに生の魚介類をそのままではほとんど使わず、乾物にして濃厚なスープを取るのが不思議なポイントの地域です。

最近紹介した料理では『佛跳牆』、『肉燕』、『太平燕』、『荔枝肉』などがこの地域の料理ですね。

閩南料理
閩南というだけあって台湾料理との共通項が多くある料理です。トウガラシやニンニクを使って味に幅を持たせているのが特徴です。この地域にはとても有名なお寺があり、台湾素食にも通じる精進料理も有名です。というかほとんど台湾料理ですね。

封肉』、『肉粽』、『牛肉麺』など、台湾でもそのままの名前で通用する料理が多いのが特徴です。

閩西料理
いわゆる福建の客家料理で米を加工した料理が特徴です。醤油や塩で辛めに味付けした料理が多く、山菜や漬物を多用します。台湾客家料理とも同じ系統なのですが、台湾では食べられない独自の料理が多くあります。


菜干扣肉』、『仙人粄(仙草ゼリー)』などは台湾のものとほとんど変わりません。

台湾料理を愛して止まない当ブログ読者の皆様にとっては、「台湾料理と福建料理?どこがちがうの?」と似たポイントばかりの料理のように見えますが、広い中華料理の世界を見渡すと台湾と福建省以外で福建料理の流れを汲む料理が普及している地域はほとんどありません。これだけ多様な台湾料理が中国料理のごく一部であるということを痛感させられますね。

上記の特に福州料理が日本の中華料理に与えた影響は計り知れないものがあります。日本人の我々にも馴染み深い料理や、好みの味付けの料理が多いので、これからもちょくちょく紹介していきたいと思います。

しかもなぜか「筷子」ではなく「箸」の漢字を共通して使うという特徴のある福建省。これはファンにならずにはいられません。


[材料]
豚肉(赤身) ……… 400g
卵 ……… 3個
小麦粉 ……… 65g

[調味料]
砂糖 ……… 75g

[作り方]
1.豚肉をよく洗い、長さ3cm、幅1cmほどの細長い形に切る。これをボウルにいれ小麦粉をかけて全体によくまぶしたら、溶いた卵につけて衣を作っておく。

2.鍋に揚げ物油を入れ強火で140度まで熱したら、作り方1の豚肉を一切れずつ入れ、全体がきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切り器に盛りつけておく。

3.作り方2の豚肉に砂糖をまぶしたら完成。

Point!
肉についている水分はよくふき取りましょう。作り方の途中までは『糖醋排骨│豚カルビの甘酢ソース』とまったく同じなので、そのときの気分に応じて作り分けてください。

揚げるときチリチリと衣の水分が抜ける音がしますが、この音がしなくなったら全体に火が通った証拠です。

揚げ物油ではなくラードで揚げるのが福建風ですが、レシピでは健康のことも考え普通の揚げ物油で作っています。


0 コメント :

 
日本で作れる台湾料理 © 2012 | Designed by Rumah Dijual , in collaboration with Web Hosting , Blogger Templates and WP Themes
FB FACEBOOK TW TWITTER