青椒鑲肉│ピーマンの肉詰め

難易度:☆ 調理時間:30分以内
晩御飯のおかずにピッタリの『青椒鑲肉│ピーマンの肉詰め』のレシピを紹介します。くり抜いたピーマンに豚のひき肉を詰めて醤油ベースのソースで煮込んで作ります。煮込んで作るので油っぽくなく、どんな料理ともあわせやすいおかず料理です。

ピーマンとトウガラシはもともと同種の植物であることはご存知の通りですが、今回はより踏み込んでトウガラシとピーマンがどうして分かれてしまうのかを生化学的に説明したいと思います。

トウガラシの全ゲノム情報が解読されたのは昨年2014年の韓国において。さすがというかやっぱりと言うかトウガラシの研究は韓国が進んでいます。"Genome sequence of the hot pepper provides insights into the evolution of pungency in Capsicum species" (Nature Genetics, 46, 270–278という論文に詳細があるので興味(と専門知識)がある方は読んでみましょう。

トウガラシの辛味成分カプサイシンはフェニルアラニンとバリンという2種類のアミノ酸がそれぞれ数段階の生合成を経て、最終的にバニリルアミンと8-メチル-6-ノネノイルCoAという物質がカプサイシン合成酵素(CS)によって結合して合成されます。論文によると辛くないトウガラシ、ピーマンはこの最終段階のCSの遺伝子が発現しないことによりカプサイシンの合成が行われていないことがわかりました。また実は同じナス科のトマトもトウガラシとほとんど同じ遺伝子を持つのですが、トマトではCSのほか、2-3種類の合成酵素の遺伝子がほぼまったく発現しておらず、そのためカプサイシンを合成できないことが分かりました。

(人為的にとか…)何かの拍子でトマトのCS遺伝子などが発現してしまうと、トウガラシのように辛いトマトが出来てしまいそうです。植物への遺伝子導入はそれほど難しい技術ではないので、トウガラシのゲノムが明らかになった今、マッドサイエンティストがその気になれば辛いマンゴーや辛いコメなどを作ることも不可能ではなさそうです。ちょっと食べてみたい気も…。

もともと辛かったトウガラシのCS遺伝子が欠損、または発現しなくなったのはもともと熱帯植物であったトウガラシが寒冷な気候に適応するためであったといわれています。そのためCS遺伝子が眠っているだけの辛くないピーマンやパプリカを温暖な条件化で長期間栽培するとCS遺伝子が目を覚まし、突然辛味を持つこともあるそうです。不思議な話ですね。条件さえ整えば突如眠った遺伝子が目を覚ますとは…なんともロマンチックであり、少し恐ろしくもあり…。

それではレシピです。



[材料]
ピーマン ……… 250g
 (細長いものが良いが、通常の形状のものでも良い)
豚ひき肉 ……… 100g
ネギ ……… 30g
ショウガ ……… 5g

[調味料1]
塩 ……… 少々
砂糖 ……… 少々
醤油 ……… 小さじ1/2
片栗粉 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 小さじ1/2

[調味料2]
醤油 ……… 大さじ2
水 ……… 200cc
砂糖 ……… 小さじ1/2

[作り方]
1.ピーマンをよく洗い頭と尾を切り落として箸を入れ、中の種を取り除く。

2.ネギとショウガをみじん切りにし、豚ひき肉とすべての調味料1とよく混ぜ合わせ餡を作る。この安を作り方1のピーマンの中に詰める。

3.フライパンに作り方2のピーマンを入れ、すべての調味料2を混ぜ合わせたものを加える。蓋をして中火で加熱しながら沸騰させ、沸騰したらそのまま3分ほど煮込む。ふたを開けピーマンを時々転がしながら汁気がなくなるまで煮込んだら完成。

Point!
ピーマンの代わりに大型のトウガラシでも作れます。その場合辛さは常識的なものにしておきましょう。

ピーマンは細長い形状のものを使うと中の肉まで火が通りやすいです。太目のものを使うときは煮込み時間を少しだけ長くして豚肉の芯までしっかり火を通してください。

ピーマンが大きすぎる場合は肉を詰めた後輪切りにし、フライパンで焼いてから煮込むと良いでしょう。

ピーマンに肉を詰めたらその部分に小麦粉などをまぶしておくと肉が漏れ出さずに済みます。


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