雞肉飯(2)│台湾鶏飯(2)
本日のレシピは以前も紹介したことのある『雞肉飯』 です。今日はより本格的な『雞肉飯』を作ってみましょう。白ご飯にのせた糸状の鶏肉に、甘辛いソースをかけて食べる料理で、鶏肉の美味さを余すところなく楽しめる台湾の伝統的な軽食です。ツアーで連れて行かれる高級レストランで食べることはないと思いますが、台湾全土の街中いたるところで楽しめます。
さて『雞肉飯』といえば台湾中部の嘉義のものがあまりにも有名です。特に他地域と違った作り方をしているわけではないと思いますが、なぜか『鶏肉飯』といえば嘉義、嘉義といえば『鶏肉飯』なのです。
その嘉義でも鶏肉飯の始祖とされる「噴水鶏肉飯」の名はあまりにも有名です。嘉義のランドマークにもなっている小さな噴水の隣にあるお店で、開店は1949年、台湾ではかなりの老舗の部類に入ります。開業当初は『滷肉飯』を売っていたそうですが、国共内戦の混乱などで豚肉が高騰し、しかたなく安く手に入る鶏肉をつかった料理を考案したのが始まりといわれています。
『滷肉飯』の豚肉は長時間煮込んで柔らかくなっていますが、鶏肉はおなじ調理法では硬くなってしまうため、糸状に裂いてご飯に乗せ、今の鶏肉飯の形になったようです。
その後製法を真似た付近の店が雨後のタケノコのようにあらわれ、『鶏肉飯』は嘉義の代名詞のようになりました。台北にある多くの『鶏肉飯』の店にも全然関係ないのに嘉義の字を冠していることもあります。まぁ、確かに嘉義で食べた『鶏肉飯』はおいしかったですけどね。台北のものと特に変わった点があるわけでもありませんので、台北でもおいしい鶏肉飯を食べられます。
とい分けで本日はより本格的な『鶏肉飯』を作ってみましょう。
以前紹介した『鶏肉飯』はこちら。
難易度:
☆☆
調理時間:
1時間以内
材料:
皮付き鶏胸肉 ……… 1匹分
ネギ ……… 1本
ショウガ ……… 5g
八角 ……… 1個
エシャロット ……… 5個
チキンスープ ……… 400cc
ご飯 ……… 適量
調味料:
塩 ………小さじ1/2
醤油 ……… 大さじ1
作り方:
1.ネギはぶつ切りにする。八角は包丁の腹で叩いて荒く砕いておく。皮付き鶏胸肉の皮を剥ぐ。エシャロットは皮を剥き薄切りにする。生姜は皮を剥き薄切りにする。鶏胸肉は1-2%ほどの塩水に15分ほど浸けておく。
2.鶏皮をごく少量の油(分量外)を引いたフライパンで炒め、鶏油を抽出しておく。大さじ2程あればよい。足りない分はラードかサラダ油を足して使う。鶏油は取り出しておく。皮は使わない。
3.鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、エシャロット、ネギ、ショウガと八角を炒める。エシャロットの色が変わるまで炒めたら、チキンスープを入れ加熱して沸騰させる。沸騰したら鶏胸肉を入れ、落し蓋をして弱火で8分、ひっくり返して更に7分煮込む。そのまま火を止め15分ほど放置して鶏肉に味をしみこませる。
4.鶏胸肉を取り出し、冷えたら繊維に沿って肉を糸状に裂く。骨は除くこと。スープはざるで漉して雑物を除く。
5.スープと鶏油をそれぞれ加熱する。スープに調味料を加え味を調える。茶碗に盛ったご飯の上に裂いた鶏胸肉をのせ、大さじ3-4の鶏スープ、大さじ1/2の鶏油をかけて完成。
Point:
エシャロットはスープに入れるのではなく、鶏油でカリカリになるまで炒めて一緒に鶏飯の上にのせる作り方もあります。
鶏肉を塩水に浸けておく時間を長くすれば、ほんのり中まで味の染みた鶏肉を食べられます。おすすめは一昼夜。
どうせならご飯もブイヨンで炊いて、鶏づくしにしてみるといかがでしょうか?専門店ではブイヨンで炊いたご飯で鶏肉飯を作ることがあります。
この方法でつくると鶏肉はふんわり柔らかいまま作れると思いますが、硬くなるようでしたら繊維を手でほぐすのではなく、すりこ木で叩くなどして糸状にほぐしてください。
タクアンを添えるのが台湾風ですが、なくても問題ありません。
鶏油に少量の砂糖(溶けません)を加えて甘く作る手法もあります。
師範のチキンスープには味がついていることが多いので、塩、砂糖で最後に味を調整してください。
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