滷汁(3)│ルーウェイスープ(3)
いよいよ種類も増えてきましたルーウェイスープシリーズですが、本日は第三弾、いよいよ本格的になって来ました。台湾料理を本格的に作ろうとするとどうしても調合された香辛料のセットである「滷包」が必要で、普通の『滷味』をはじめ『魯肉飯』、『大腸麵線』、『牛肉麵』はたまた『麻婆豆腐』などのほか地域の料理にも応用されます。以前紹介したこれらの料理のレシピには滷包とは書かず、香辛料の組み合わせだけを紹介していましたが、レシピの香辛料を『滷汁』シリーズの香辛料の組み合わせに変えてもおいしいものが作れます。
香辛料の組み合わせ次第でほぼ無限ともいえる味の変化を楽しめますが、根底にあるのはやっぱり「家庭の味」です。もちろん手間がかかるので台湾でも『滷味』を家庭で作ることは稀ですが、どの家庭にもママ御用達のルーウェイの店があり、大人になっても食べなれたルーウェイを口に入れると子供の頃を思い出す、そんな記憶に染み付いた味なのです。日本人にとってのチキンラーメンのようなポジションといえるでしょうか。何よりも生活に根ざした台湾料理の一つです。
具は基本的には何を煮込んでもいいのですが、香辛料との組み合わせで相性が存在します。 カレーライスのような配合には牛肉が合いますし、肉の臭みを取るような配合には羊や鴨肉を使うことが多いです。また、台湾に多いベジタリアン向けに完全に植物材料のみをつかった『滷味』もあり、あなどれません。
本日紹介のルーウェイスープは非常に本格的なもので、知り合いに漢方薬局に勤めている人がいないと材料をそろえるのも難しいとは思います。材料の名前を見ても何がなんだか分からないという人が大部分でしょう。一つずつ材料をそろえながら、どんな味がするんだろう、どんな効果があるんだろうと、香辛料や漢方薬の勉強もできてしまうという一石二鳥の料理です(笑)。
気合と、情熱と、食欲が最高に高まった時に、手間と暇が取れる方は挑戦してみてください。ちなみに台湾でなら材料はすぐに手に入るので、簡単に作れる部類の料理になります。もしも本格的に食べてみたい人は右メニューの問い合わせメール欄からご連絡ください、材料送ります。この料理もおいしいですよ。
以前の『滷汁』はこちら
『滷汁2』
『滷汁1』
難易度:
☆☆☆
調理時間:
2時間
材料:
丁香 ……… 18g
肉桂 ……… 18g
八角 ……… 12g
花椒 ……… 12g
肉荳蔻 ……… 12g
菊花 ……… 7g
丹参 ………12g
田七人参 ………12g
五味子 ………7g
枸杞 ……… 12g
竜眼肉 ……… 12g
小茴香 ………12g
生姜 ……… 25g
ネギ ……… 1本(25g)
調味料:
氷砂糖 ……… 50g
塩 ……… 50g
醤油 ……… 60cc
酒 ……… 60cc
水 ……… 5000cc
作り方:
1.菊花、竜眼肉以外の材料を水で洗い表面の汚れを落とす。ネギ、生姜はぶつ切りにする。
2.鍋に少量の油(分量外)をひき、ネギと生姜を軽く焦げ目がつくまで炒める。
3.すべての材料を鍋に入れ、水を加え沸騰させる。沸騰したら火を止め蓋をして1時間放置する。1時間後再び加熱し、沸騰したら弱火で10分煮込む。調味料をすべて加えて味を整えたらスープを漉し取って完成。
Point:
見ての通り、材料さえそろえば作るのは非常に簡単です。このスープで好みの具を煮込んで『滷味』を作ります。
香りの強い香辛料がいくつか入っているので、鴨やガチョウ、羊などの癖のある肉と相性がよいスープです。もちろん牛肉や豚肉もおいしく煮込めます。肉類を煮込む場合は肉を塊のままスープに入れ、弱火で60-90分煮混み食べる前に切り分けるといいでしょう。
銀杏や里芋などの煮崩れない野菜も非常においしく煮込めます。野菜を煮込む場合は20分ほどで取り出しましょう。
恒例の生薬・香辛料の読み方、(あれば)英語名は
丁香│ちょうこう、クローブ
肉桂│にっけい、シナモン
八角│はっかく、スターアニス
花椒│かしょう
肉荳蔻│にくずく、ナツメグ
菊花│きっか
丹参│たんじん
田七人参│でんしちにんじん
五味子│ごみし
枸杞│くこ
竜眼肉│りゅうがんにく
小茴香│しょうういきょう、フェンネル
です。記載してないものも英語名がないわけではないですが、英語名で探して手に入るほうが稀なので、書いていません。また田七人参は普通の高麗人参とは別物なので注意しましょう。
生薬の生姜(しょうきょう)と普通の生姜(しょうが)は違うものですが、このレシピでは普通の生の生姜を使っています。
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