難易度:☆ 調理時間:下準備+1時間以内
久しぶりの薬膳はいかがでしょうか?体力回復やイボに効果のある『薏仁排骨湯│ハトムギと豚バラのスープ』のレシピを紹介します。
この料理で使う「薏苡仁│ヨクイニン」は日本でもハトムギなどの名前でおなじみの植物の種子のこと。台湾料理ではとても良く使う食材の一つで『四神湯』などにも入っています。中医学、日本漢方でもイボの薬としても使われています。普通の調剤薬局ならヨクイニンのエキス製剤が必ず置いてあると思います。
ヨクイニンは和名をジュズダマ、学名を Coix lacryma-jobi といいます。ジュズダマの栽培種ハトムギ C. lacryma-jobi var. mayuan の方が有名でしょう。学名の lacryma-jobi とは「lacryma」が「Tears」即ち涙、jobiは「Job's」即ち「ヨブ(人名)の」 、全体で「ヨブの涙」という意味です。ジュズダマの英名はこの学名をそのまま英訳した「Job's Tears」といいます。西洋では数千年前から穀物やビーズとして用いられており、その形状とサイズが涙に似ていること、聖書ではヨブが多くの涙を流したことからこの名前が付けられました。
漢字では「薏苡仁」と書き、《神農本草經》にも記載があります。古代から食用・薬用に使われています。漢字の「薏」、または「薏苡」自体がジュズダマを表すので、「薏苡仁」または「薏仁」がそのままジュズダマの種の意味になります。栄養価値的には同じイネ科のコメと比べて三倍のタンパク質と脂肪を含み、中国では「イネ科植物の王」の別名で呼ばれることもあります。
ヨクイニンはイボのウイルスに効果があることが知られており非常に有名ですが、他にも美肌、筋肉の痙攣止めなどにも良く使われます。近年の研究では抗がん作用、動脈硬化改善作用、免疫力増強作用、降圧作用、血糖高価作用などが見つかっており健康食品としても優秀な食材です。
今回はそんなヨクイニンに滋養強壮の高価のあるヤマイモ、そして豚バラ肉をあわせて贅沢なスープにして見ます。 薬膳ですがスープ料理としてもクセになってしまうくらいおいしいですので、ぜひ挑戦してみてください。
[材料]
豚バラ肉 ……… 600g
ヤマイモ ……… 500g
ヨクイニン ……… 100g
ショウガ ……… 20g
水 ……… 2500cc
[調味料]
塩 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ3
[下準備]
1.ヨクイニンはよく洗い水に2時間ほど浸けておく。
[作り方]
1.豚バラ肉はぶつ切りにし、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。ヤマイモは皮を向きう食べやすい大きさにうす切りにする。ショウガはうす切りにする。
2.鍋に下準備したヨクイニンと作り方1の豚バラ肉、ショウガを入れ、酒を入れて蓋をして沸騰させる。沸騰したら蓋をして弱火で煮込む。
3.作り方2の鍋の蓋を時々開けてアクを取りながら1時間煮込む。これにヤマイモを加えて更に20分ほど煮込んだら、最後に塩を加えて味を整えて完成。
Point!
ヨクイニンは米と同じように調理できます。米の半量をヨクイニンで置き換えて作る『薏仁飯』もおすすめです。
ヤマイモをトウガンで置き換えた『冬瓜薏仁排骨湯』という料理もあり、たぶんこちらの方が有名です。
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