難易度:☆ 調理時間:1時間以内
台湾での年越しには欠かせない『米糕』料理の一つ『櫻花蝦米糕│サクラエビの炊き込みご飯』のレシピを紹介します。『米糕』は日本で言う赤飯のようなおめでたい日に食べる料理で、今回は干しエビを使った醤油風味に仕上げます。
ほとんどの米食国家・地域ではうるち米を主食とし、もち米は補助的に使用されるに過ぎませんが、唯一ラオス(他にタイ北部、中国南部のごく一部地域)だけがもち米を主食としているそうです。
もち米とうるち米は同じ植物の品種違いで、栄養学的には差がありません。もち米はアミロペクチンという分岐した澱粉鎖がほとんどなのに対し、うるち米の澱粉はアミロースという直鎖型の澱粉を主とします。これが粘りや冷えた後の食感の違いになって現れます。
専門的な話をするとグルコースのα1→4結合だけが延びるとアミロースに、α1→6の結合が増えるとアミロペクチンになるのですが、これにはGBSSとSSS、BEと呼ばれる酵素が関わっています。...それぞれの酵素が何の略称なのか、どういう働きをするのかはここでは解説しませんので、興味のある方は「デンプン 生合成」などの単語を検索してみてください。
三つの酵素がすべて揃っていると普通のお米になりますが、GBSSが欠損するとモチ性を持つようになります。(他にもそれぞれの酵素のバランスの違いでアミロペクチンの含量が変わったりもします。)酵素の欠損でもち性を持つということで、もち米は普通のお米が突然変異してできたものであることが分かりますね。またもち性を持つ植物は普通の品種との他家受粉を行うことでモチ性を失うという性質があります。例えば周りを普通の米に囲まれた場所でもち米を育てても、あまりうまくいきません。もち米を安定して収穫するには、まとまった場所でいっせいにもち米を作る必要があるのです。
上のようなもち性の研究はトウモロコシを主要な作物とするアメリカが最先端ですが、イネの研究では日本も負けていません。トウモロコシもイネもどちらも全ゲノム情報が明らかになっているので、後はちょっとしたひらめきの差が大きな研究成果の差になって現れることでしょう。世界中で主食とされるイネやコムギ、トウモロコシの研究が進めば、それこそ地球上から飢餓を根絶することも可能なのです。
それでは海の幸里の幸が上手く合わさった『櫻花蝦米糕│サクラエビの炊き込みご飯』 のレシピです。おめでたい日にどうぞ!
[材料]
もち米 ……… 1合
干しエビ ………大さじ2
干しシイタケ ……… 1個
[調味料]
酒 ……… 大さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
醤油 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
[作り方]
1.もち米はよく洗い30分ほど水に浸けておく。
2.干しシイタケは水で戻し、みじん切りにしておく。
3.もち米を蒸し器にかけ、強火で20分ほど加熱して取り出しておく。
4.鍋にごま油をひき、作り方2の水で戻した干しシイタケを入れて軽く炒めて香りを出す。続いて作り方3のもち米と醤油、砂糖、塩、胡椒を入れてかき混ぜながら中火で炒める。よく混ざったら酒と干しエビを加えてざっくりかき混ぜる。
5.作り方4の材料を再び蒸し器にかけ、中火で5分ほど蒸したら完成。
Point!
レシピ通りならちょうど一人前作れます。人数を増やす場合は材料を等倍してください。
干しアミや干しエイを使っても作れます。干しエイを使う場合はよくほぐして入れてください。
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