鹹檸檬│レモンの塩漬け

難易度:☆ 調理時間:数か月~数年
外で食べるというよりは家庭で作って家庭で味わうあまりにもローカルな台湾料理『鹹檸檬│レモンの塩漬け』のレシピを紹介します。よく洗って殺菌したレモンを皮ごと飽和した塩水につけて作る
料理です。数か月から数年つけたものを輪切りにした後、熱湯を加えて飲料として飲みます。福建省ではこれを料理の素材としても使いますし、伝統的には喉の痛みなどの家庭薬としても使われます。

金柑や柚子、レモンなどの柑橘類は古くから世界中で薬品として用いられてきました。柑橘類がのどによいというのは含有するビタミンCやその香気成分によるものと考えられていますが、咳や痰がひどいときには単独で用いず、ほかの薬と組み合わせて使います。

中国医学でいう風寒の風邪には体を覚ます効能のある柑橘類系の生薬は単独では使いません。必ず体を温める別の薬、有名どころでは生姜や桂枝などと組み合わせて使います(例えば香蘇散) 。はちみつレモンも風邪の時に飲んだりしますが、体を温めるはちみつと合わせていますね。

今回紹介する『鹹檸檬│レモンの塩漬け』 は台湾では伝統的に咳止めとして用いられてきました。レモンを塩漬け処理することで体を冷やす作用を抑え、抗炎症作用のみを高めたと解釈することができます。数か月ではまだまだ写真のように果肉を包む皮が残っていますが、二年も漬けておくと果肉部分がペースト状になり、外皮の中は、種だけを残して茶褐色の液体になってしまいます。この段階が元も効果が高いとされますが、実際に目にするのはなかなか難しいでしょう。

ぜひ自作してレモンを塩漬けにするとどんな風に変化するのか試してみてください。もちろんレモン以外の柑橘類でも同じように作れます。ただしあまり大型の果実はやめておきましょう。


写真は漬けてから5か月目のもの。

[材料]
レモン ……… 12個
塩 ……… 500g
水 ……… 1500㏄

[器具]
ガラス瓶 ……… 適当な大きさの物1個

[作り方]
1.レモンの皮を歯ブラシなどでよく洗い、農薬を落とす。きれいになったら皮のまま沸騰したお湯い入れて、それぞれ20秒ほど茹でて取り出しておく(→Point参照)。

2.ボウルに水を張り、塩を加えて飽和するまで溶かす。

3.熱湯などで消毒したガラス瓶に、作り方1のレモンを詰める。上から飽和食塩水と溶け残った塩をガラス瓶に注ぎ、レモンが浮かんでこないよう詰めるか、簡単な重石を乗せる。

4.ガラス瓶を冷暗所に置き、そのまま数か月~数年つけたら完成。

Point!
新しいレモンを茹でるときは必ずお湯を再加熱して沸騰させてから入れましょう。

20度の水1リットルに塩は原理上264g溶けます。水1500㏄だと396g溶けるので、塩は400-500gあれば飽和溶液を作ることが可能です。塩の溶解度は温度であまり変化しないので、多少水温が上がっても同じ量で作れます。


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