左公雞│左公鶏

難易度:☆ 調理時間:30分以内
日本でよりも西洋諸国で有名な中華料理の一つ『左公雞│左公鶏』のレシピを紹介します。下味をつけて揚げた鶏肉にピリ辛のソースを絡めて食べる料理です。ご飯のお供にぴったりです。

この料理の名前にまつわる話は以前の記事を参照してください。

料理名の「左公」のもとになったともされる「譚延闓」という人物は、清代の末期から国民党時代にかけて活躍した政治家です。清代の最末期という超混乱時期に科挙に合格(会元:中央入試試験でトップ合格)して中央に上り、国民党が清朝打倒を掲げて内戦状態になった頃に湖南省のトップに就任します。こういう混乱期にどちらにつくのかというのは非常に大事です。彼は国民党側につき、幾度も進軍を撃退しただけでなく、省内の政治、生活を安定させ高い評価を得ました。

中華民国時代になってからも国民党内での地位を上昇させ、初代行政院長の地位にまで上り詰めています。

彼の経歴を調べてみましたが、科挙合格後(1904年)はその他の合格者と一緒に翰林院庶吉士という場所で共同研究を行っており、彼はここを数か月で退去して故郷である湖南省で最初の私立中学の校長先生となっています。庶吉士は通常は3年ほどで正式な役職を得るのが普通ですが、その前に故郷で時流を見定めるという選択をしたということでしょうか。

彼のように会元合格者ともなるとその後は左右都御史(今でいう警視庁総監のようなポスト)と呼ばれるような従一品(清朝では上から二番目の官職)の官職を得るのが普通だったそうで、もしかするとそれが内定していたのかもしれません。従一品が上から二番目のポストとはいえ、最上位の正一品は通常文官最高位の「特進光祿大夫(勅命を公布する役職)」と「殿閣大學士(勅命の草案を作る役職)」しか常設されていないので、現実的には中央トップの役職です。しかし彼は正式な官職を得る前に国民党に合流し、そこで力をつけていきます。というわけで彼が正式に左公と呼ばれる官職を得ることはなかったようですが、どこかで話がずれて伝わっているのかもしれません。

ちなみに清代の官職の階級はとても簡単。文官武官ともに上から正一品、従一品、正二品、従二品と正、従の交互に九品まで官職があり総計18段階。またこれらに属さない独自の官職もありました。こういう役職表は眺めているだけでその国家の政治の在り方がなんとなく浮かんできます。名称もかっこいいものが多く(笑)見ているだけで中二心を刺激されます。

今の日本の大臣は具体的にどんな仕事をしているのかよくわからず、またちょっとしたプライベートの失敗ですぐに仕事を降りてしまいます。もうちょっと目に見える成果を出してくれれば応援もしやすいのですが、民主主義も極まってくるとこういうだらだらした状態になってくるのでしょうか。

それではレシピです。



[材料]
骨なし鶏もも肉 ………150g
トウガラシ ……… 4本
ネギ ……… 30g
ニンニク ……… 1個

[調味料1]
醤油 ……… 小さじ1/2
ケチャップ ……… 大さじ1
酢 ……… 小さじ1/2
ラー油 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 大さじ1

[調味料2]
醤油 ……… 小さじ1/2
水 ……… 大さじ1
片栗粉 ……… 小さじ1
紹興酒 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 少々

[作り方]
1.骨なし鶏もも肉を3センチ角程度の食べやすい大きさに切り、すべての調味料2を混ぜ合わせたものに15分ほど漬けておく。

2.トウガラシの種を抜き、2cmほどの長さに切りそろえる。ネギを段切りにする。ニンニクをみじん切りにする。

3.鍋に揚げ物油を入れて160度に熱し、作り方1の鶏もも肉を入れて全面がきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。

4.作り方3の鍋に少量の油を残し、トウガラシ、ニンニク、ネギを入れて香りが出るまで炒める。続いてすべての調味料1を混ぜ合わせたものを加えてソースを作ったら、作り方3で揚げた鶏もも肉を入れて軽くかき混ぜながら3分ほど炒めて完成。


Point!
要は空揚げや竜田揚げにピリ辛のソースを絡めて作る料理です。下味やソースの味は各自でアレンジしてみましょう。


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