香辣蝦│激辛エビ四川風

難易度:☆ 調理時間:一瞬
昨日に引き続き四川の香辣料理を。今回は簡単に作れる『香辣蝦│激辛エビ四川風』のレシピを紹介します。昨日のカニと違いほとんど手間はかからず、なんと数分で出来上がります。エビの火の通し方がすべてです。

さてみなさん、ここ数年でエビの価格が急上昇しているのはご存知でしょうか?

実はエビはウイルス病にめっぽう弱い生き物でして、日本のクルマエビ養殖も台湾のブラックタイガー養殖もウイルスにて壊滅的被害を受けたことがあります。この手の病気は密集して養殖される海産物には特有のリスクとも言えますが、エビは特にこれが顕著なのです。

世界のエビの大半は日本とアメリカで消費されており、ほとんどのエビ養殖国はこの二国に輸出を頼っています。一昔前までは養殖エビといえばブラックタイガー(ウシエビ)でしたが、アジアのブラックタイガーの養殖池がウイルス病により壊滅的被害を受け、特に世界一を誇った台湾からの出荷量が激減してしまいました。

現在の養殖エビの主流はバナメイエビと呼ばれるやや小ぶりのエビで、日本ではいわゆる回転すしの「エビ」として知られています。口にしたことがある人も多いことでしょう。バナメイエビはその他の養殖エビに致死的なダメージを与えるほとんどのウイルス病に耐性があり、世界中、特に最大の養殖国である中国で盛んに養殖されていました。

しかし、やはり養殖は養殖、2012年にバナメイエビに特有のウイルス病が中国で発生、感染は拡大を続け2013年には中国のほとんどの養殖池が壊滅的な被害を受けてしまいました。中国も大量の抗生物質を養殖池に投与するなどして対策しますが、生産量は激減、日本への輸出も大きく数を減らすこととなってしまいました。ウイルスの怖いところは一国で被害が収まらないことです。中国初のバナメイエビのウイルス禍はその他エビを養殖する各国に飛び火し、タイ、マレーシア、ベトナムなどの養殖池でも感染が爆発します。2014年、2015年とバナメイエビ被害は拡大を続け、日本に輸入される養殖エビは大きく数を減らし、その結果値段が高騰することとなってしまいました。

エビを扱う回転すしチェーン店や外食産業チェーン店ではバイヤーらが熾烈な仕入れ競争を行っているそうですが、バナメイエビのウイルス被害は今後も収まりそうにありません。バナメイエビに代わる新たな種類のエビの養殖が成功するまでは値段の上昇は続きそうです。回転すしの100円の皿からエビが消える日も遠くないことでしょう…。

われわれ日本人がよく食べる食材だけに、無関係ではいられません。飽食の時代と言われて久しいですが、それぞれの食材が手ごろな値段で手に入るその裏側には、多くのドラマがあることをお忘れなく。

それではレシピです。



[材料]
エビ ……… 250g
トウガラシ ……… 5-6個
花椒 ……… 10g
ネギ ……… 20g
ショウガ ……… 20g
ニンニク ……… 1個

[調味料]
一味唐辛子 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ1
塩 ……… 少々

[作り方]
1.ネギを千切りにする。ショウガを薄切りにする。ニンニクを薄切りにする。

2.フライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、エビを殻ごと入れて2-3分ほど中火で炒める。続いて花椒、トウガラシ、ニンニク、ショウガ、一味唐辛子を入れてよく混ぜ合わせながら香りが出るまで炒める。

3.作り方2のフライパンに塩、醤油、酒を加えて味を調え、ネギを混ぜ合わせて器に盛り付けたら完成。


Point!
エビへの火の通し方がすべてです。何度も練習して最高の状態を見極められるようになりましょう。

エビの種類にもよりますが、殻ごと食べます。


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