碧玉金針|金針菜の中華炒め

難易度: 調理時間:30分以内
台湾東部で食べられる季節料理『碧玉金針|金針花の中華炒め』のレシピを紹介します。中華料理ではスープの出汁取りに使われる「金針菜」の生のつぼみを豚肉と炒めた料理です。乾燥させたものは年中手に入りますが、生のつぼみは食べる季節が限定されます。

料理名にある碧玉とは金針菜の色づく前のつぼみの色を喩えています。美しい緑色で、ヤマイモの白との対比が非常に美しい料理です。

台湾や広東料理で特にスープ取りに使われる「金針菜」は和名がありませんが、類似の植物と混同されてよくワスレグサと呼ばれます。ワスレグサは狭義にはワスレグサ単体、学名 Hemerocallis fulva、中国語の正名「萱草」という植物を指しますが、広義にはワスレグサ属の全ての植物を指します。なので日本で金針菜をワスレグサと呼んでも間違いではないのですが、金針菜には和名がないことは覚えておきましょう。ヤブカンゾウやニッコウキスゲやユウスゲもワスレグサ属の植物です。ワスレグサ科の多くは食用になります(保護されている地域では採取しないように!)。属名はラテン語の「Hemera(日) + kallos(美)|一日だけの美しさ」という言葉が由来になっておりその名の通り一日ちょっとで花が萎れてしまいます。ロマンチックですね。

中国でも自生しており、古くから薬用植物としても使われてきました。台湾には1661年に華南地区から持ち込まれ、現在は花蓮、台東地区で盛んに栽培されています。金針菜は別名で、他にも忘憂草、黄花菜、宜男草、療愁、鹿箭などの名前があります。

☆ワスレ"ナ"グサ(正式な和名エゾムラサキ)とはまったく別物なので注意。

食材としての金針菜は開花直前のつぼみ紅色を摘み、蒸してから乾燥させたものを使いますが、この料理では色づく前のつぼみを用います。数日待ったほうが価値が上がるのでなかなかつぼみを生食するということがなく、つぼみを採取できる時期は1ヶ月ほどなのでその時期しか食べられません。

調べたところ日本でもヤブカンゾウなどのつぼみを食べる地域があるそうで、そういう場所に行けば手に入れることが出来そうです。種は違いますがヤブカンゾウのつぼみを売っているのを見かけたら作ってみましょう。ちなみに旬は8から9月です。



[材料]
豚ばら肉 ……… 50g
金針花のつぼみ ……… 200g
ヤマイモ ………100g
ニンニク ……… 2個
枸杞 ……… 少々

[調味料]
ごま油 ……… 大さじ1
塩 ……… 少々
胡椒 ……… 少々

[作り方]
1.金針花のつぼみを開き、雄しべと雌しべを取り除く。鍋に水を沸騰させて金針花のつぼみを入れ、30秒ほど茹でたら取り出して水気を切っておく。

2.ヤマイモの皮を剥き千切りにする。ニンニクをみじん切りにする。豚ばら肉を千切りにする。

3.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油をひき、ニンニクを炒めて香りを出す。続いて豚肉を入れて色が変わるまで炒めたら、作り方1の金針花のつぼみと作り方2のヤマイモを入れ、中火で1分ほど炒める。最後に全ての調味料を加えて味を整えたら器に盛り付け、上に枸杞を散らして完成。

Point!
金針花の雄しべと雌しべは苦いので取り除きます。

豚肉とヤマイモの千切りは金針花のつぼみと同じ位の長さ、太さになるように切るとよいでしょう。


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