鹹冬瓜豆醬蒸魚│ティラピアの冬瓜漬けと白醤油蒸し

難易度: 調理時間:1時間以内
本日は「中餐丙級證照」シリーズから『鹹冬瓜豆醬蒸魚│ティラピアの冬瓜漬けと白醤油蒸し』のレシピを紹介します。前回、前々回と自作した『中華白醤油』と『トウガンの漬物』を使って作る料理です。

前回、前々回と材料から自作しているので難易度を☆二つにしていますが、材料さえ揃っていれば作るのはとても簡単です。手を抜くなら普通の白醤油とおでんの具のダイコンなどを使って作るといいでしょう。

材料として使うティラピアは日本ではイズミダイやチカダイといった名前で市場で買えると思いますが、高級感を出すためにタイの名前を借りているだけでタイとはまったく関係がありません。ティラピアは1954年にアフリカや中近東から第二次世界大戦後の食糧難を解決するために導入された外来魚で、海水でも淡水でも飼育でき、雑食で美味であることから高級感を出すためにタイの名前を付けられてしまったのです(笑)。当初はナイルティラピア、カワスズメ、ジルティラピアの三種が日本に導入され、当時はすべて Tilapia属の魚だったためティラピアと呼ばれました。現在は分類が変わりジルティラピア以外は Oreochromis属になってしまいました。もっとも食用とされたのはナイルティラピアなのですが、いまさらティラピアと呼ぶのは逆に可哀想な気もしますね…。いわゆる標準和名と学名に差異がある例です。一時期タイの代用品として大量に養殖されましたが、タイの養殖方法が確立するとあっという間に姿を消しました。今ではほとんど見かけることはありません。手に入らなかったら逆にタイで代用してください。

台湾では1946年にシンガポールからカワスズメが導入され、最初に導入した呉振輝と郭啓彰の姓を取って「呉郭魚」と呼ばれています。当時は日本の領土ですが本土よりも導入が早かったのです。現在でも大量に養殖が行われており多くのレストランで食べられます。福建省の沿岸部でも呉郭魚と呼ぶことがあります。

中国に導入されたのは1970年代、湖北省でナイルティラピアの養殖が始まりました。アフリカ(非洲)のナイル(尼羅)から導入されたということで中国語では「羅非魚」と呼びます。台湾とは名称が異なるので注意です。現代では華南地方で大規模養殖が行われており、多くの近代中華料理で使われるようになりました。が!同時に生態系を破壊して一部の在来種が駆逐されてしまうという事態も引き起こしました。生命力が強く攻撃的な魚なので野生化したものの駆逐はかなり難しいようです。

とてもおいしい魚なのですが、色々考えさせられてしまいますね。せめておいしく調理してやるのが情けというものです!それではレシピ行ってみましょう。


[材料]
ティラピア ……… 1匹(約600g)
ネギ ……… 20g
ショウガ ……… 10g
トウガンの漬物 ……… 80g

[調味料]
中華白醤油 ……… 大さじ1
酒 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 少々

[作り方]
1.ティラピアの鱗と内臓を取る。ネギは段切りにする。ショウガは千切りにする。トウガンの漬物は1cmほどのさいの目に切っておく。

2.蒸し器に入る耐熱の器にネギを敷き詰め、上にティラピアの身を乗せる。ショウガの千切りとトウガンの漬物をティラピアの上に盛り付けたら、中華白醤油と酒を垂らして砂糖をまぶしておく。

3.器ごと蒸し器に入れ、25分ほど強火で蒸したら取り出して完成。

Point!
ティラピアを日本で手に入れるのは割と難しいと思います。タイで代用しましょう。

中華白醤油もトウガンの漬物も作るには数ヶ月必要です。普通の白醤油とおでんのダイコンなどで代用してください。

ティラピアをタイで、中華白醤油を白醤油で、トウガンの漬物をおでんのダイコンで代用すると…、もちろんまったく別の料理なのですが、意外にもほとんど味が変わりません。名付けて『蘿蔔白醬蒸鯛魚』!お試しあれ。


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