東山鴨頭│東山鴨頭

難易度: 調理時間:2時間
ついにこの料理を紹介するときがやってきました。今回は『東山鴨頭│東山鴨頭』のレシピを紹介します。アヒルの頭を香辛料スープで煮込んで揚げて乾燥させてを繰り返して作る珍味です。

いわゆるゲテモノ台湾料理に分類される料理なのですが…、かなり美味いんです。台北市では饒河街夜市などで食べられます。

もともとは1960年台に台南市東山区で生まれた料理で、現在も発祥のお店が残っています。不思議なことに東山区ではアヒルの養殖は行われておらず、地域の名産を使ったわけでもない料理がそのおいしさから有名になってしまいました。

そしていつもの通りというか…、台湾発祥の料理ではよくあることというか…、わが店こそが創始店だという訴訟がやっぱり起きていまして、未だに決着は付いていません(笑)。その製作過程からもともとは『滷味』の屋台やお店が作っていたことは容易に推察されますが、東山鴨頭の名称を最初に使ったのがどの店で、その店の開業を支援した師匠の店がどこで、その店が参考にした別店舗のメニューがあって…、いつものぐだぐだの争いが展開されています。「東山」というのが地名というのもはっきりとした商標を主張できないポイントとなっているようです。「青森リンゴ」みたいなものですね。

さて台湾の創始店に関する訴訟には実はもう一つ典型的な例があります。創始店も創始者も明らかであるが、その店の二代目三代目が配偶者と「離婚」した場合の商標の帰属問題です。台湾では家族経営の飲食店が多いのも理由の一つです。経営や仕込みのノウハウは後代の社長もその配偶者も同じように持っており、しかも結婚してからの共有財産は基本的に折半。二代目三代目が持っていた商標権やその子供らの親権も裁判で争われ、結果同じルーツを持つ創始店が二つ(家族がバラバラになった場合それ以上)の「元祖」が登場するわけです。特に有名店ではゴシップ記事になってしまうので、離婚の原因が明らかになったりすると本来の血統を継いでいる二代目三代目の店よりも、その元奥さんのお店の方が儲かったりする例も一つや二つではありません。また創始者に子供が数人おり、創始者が突然死亡したりする場合も、たいてい訴訟合戦に発展します。すぐ隣にまったく同じような味の同じような店がある場合は…、大体はそういうことです。台湾の飲食店はこういった闇の部分(?)を大なり小なり抱えています。宜蘭の有名スイーツ店とか台南の有名滷味店とか、例はいくらでもあります。社会学や心理学のレポートでこういう例を題材にしても面白いかもしれませんね。

さて、『東山鴨頭』は台湾では普通夜食や間食として食べられます。調理方法はちょっと複雑で、まず香辛料のスープにした処理したアヒルの頭を浸けておき、味が染みたら油で揚げて、油を切ったら再び香辛料スープで煮込み、取り出して乾燥させたものを、直前に加熱して食べます。材料は安いのですが手間がかかっているためそれほど安くない価格で提供されます。通常はアヒルの頭以外にも首、腸、舌、水かき、ぼんじりなどの部位を使っても作ります。夜市や屋台で見かけることがあったらぜひ購入してみましょう。

食べるのに勇気がいる台湾料理の一つですが、機会があればぜひ一度挑戦してみてください。慣れると病み付きになります。


[材料1]
八角 ……… 5個
陳皮 ……… 4g
花椒 ……… 7g
甘草 ……… 4g
丁香 ……… 4g
肉桂 ……… 7g
山奈 ……… 5g

[材料2]
アヒル頭部 ……… 6本
ネギ ……… 2本
ショウガ ……… 20g
ニンニク ……… 10個
トウガラシ ……… 1本
水 ……… 1000cc

[調味料]
醤油 ……… 120cc
氷砂糖 ……… 大さじ2

[作り方]
1.すべての材料1をティーパックなどにいれ、水、調味料と共に鍋に入れて20分浸けておく。

2.ネギは段切りにする。ニンニクはうす切りにする。ショウガはうす切りにする。

3.熱した鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、ネギ、ニンニク、ショウガ、トウガラシを加えて香りが出るまで炒める。香りが出たら作り方1の鍋に油ごと加えておく。

4.アヒル頭部を良く洗い、毛を抜いた後作り方1の鍋に入れて落し蓋をし1時間ほど浸けておく。

5.別の鍋に揚げ物油を170度に熱し、作り方4のアヒルの頭部をきつね色になるまで揚げる。火が通ったら作り方4の鍋に戻し、中火で軽く沸騰させながら20分ほど煮込む。20分煮込んだら火を止めて10分ほど放置し味を染み込ませる。

6.食べる直前に作り方5の揚げ物油で軽く揚げて加熱し、中心から割って器に盛り付けて完成。

Point!
最後に揚げて食べる段階の直前までスープに浸けて味をしみこませておきましょう。冷蔵庫で一昼夜寝かせると骨の中まで完全に味が染みます。

くちばし部分を手に持ってかぶりつきましょう。身だけきれいに外れるので骨はしゃぶって捨てます。

アヒルの頭を手に入れるのと香辛料を準備するのが問題です。香辛料さえ揃ったら普通の鶏肉で作るのが一番無難かも知れません。


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