蔥燒豆腐│ネギ餡かけ豆腐

難易度:☆ 調理時間:30分以内
本日は『蔥燒豆腐│ネギ餡かけ豆腐』のレシピを紹介します。醤油ベースの餡を焼いた豆腐にかけて食べる家庭料理です。

料理名にも入っている「蔥│ネギ」は、和食だけでなく中華料理でもおなじみの食材です。日本や中国の生薬学や薬用植物学では今でも古い新エングラー体系を使うのでユリ科ですが、最新のAPG IIIではネギ科です。生薬に関しては古い標本や論文が膨大かつ連続的に蓄積されているので、分類方法を変えると各地で混乱が起きるのでしょう。普通の薬学部の学生が習う生薬や薬用植物もこの新エングラー体系に沿って分類されています。

それでは…今回は植物の分類体系について簡単に触れておきましょう。植物の分類体系には現在「新エングラー体系」、「クロンキスト体系」、「APG分類体系」の三つの体系が存在します。

最も古いのは新エングラー体系(Modified Engler System)で、1887年からエングラーという人によって考案されました。雄しべと雌しべが一本ずつという最も簡単な形状から複雑になる方向に進化したという仮定に基づいて植物を分類する手法で、植物の形態や生活史などともよく一致するのでつい最近までこの分類体系が用いられていました。通常我々が目にする図鑑や高校までの生物学の教科書ではこの新エングラー体系が用いられます。目レベルまでならそれほど数も多くないので、植物学を学ぶ人はラテン語も含めて全部暗記するのが習わしです(笑)。

続いてクロンキスト体系(Cronquist system)、1980年代に登場したストロビロイド説というのを根拠にした学説です。要はヒマワリの種のように、「軸を中心にらせん状に配置された雄しべ、雌しべ、花被などが元となり、そこからあらゆる植物が進化した」とする説です。例に挙げたヒマワリの属するキク科植物を最も進化した植物として考えます。幾何学的、数学的に美しく植物の進化を説明できるため爆発的に普及しました。80年代から90年代にかけての植物学の論文や専門誌では、このクロンキスト体系での植物の進化の過程を説明するものがたくさんあります。筆者が大学生だった90年代後半にも、教授らが自らの論文で新エングラーとクロンキストのどちらを採用するか悩んでおりました。特に有用植物として数の多いマメ科やユリ科の植物は科名がガラリと変わってしまうものが多く、学生も旧来の書き方をするか、流行に乗るか…どちらを採用するか悩んでいたようです。大体は教授の鶴の一声で決まりましたが(笑)。

そして一世を風靡したクロンキスト体系を押しのける形で登場した最新の分類体系がAPG(Angiosperm Phylogeny Group)分類体系です。こちらは植物学者で作る団体が推進する最新の分類体系で、過去二回大きな改訂があり現在はAPG IIIが最新です。それまでの植物の外観を元にした分類とは一線を画した、ゲノム、つまりDNA分析による分類手法が最大の特徴です。登場したのは1998年で、発表当時は多くの植物のゲノム分析が終了していなかったため「未分類」として棚に上げられていた植物が数多くありました。その後2003年のAPG II、2009年のAPG IIIでほぼ全ての被子植物の大まかな分類が確定し、現在はこれを補完する作業が進んでいます。DNA分析によって、今まで双子葉植物と考えられていたものが実は単子葉植物だったことが分かったり、クロンキスト体系でバラバラに分けられたマメ科植物が再び一つにまとめられたりと、大幅な分類の変更(そして確定)が行われました。ゲノム分析は日進月歩で進歩を遂げているため、今後も数々の新しい発見があることでしょう。ついでに目や科が大きく変更になったものもあるため、学名や標準和名が大きく変更されたものもあります。

新エングラー、クロンキスト、APGで科や目が大きく変わったのがわかりやすいのはバラ目あたりでしょうか。詳しくは説明しませんので、興味のある方は調べてみてください。植物好きならこの混乱を楽しみましょう(笑)。

それでは、本日はユリ科だと思ったら、ネギ科だったというネギの風味たっぷりの『蔥燒豆腐│ネギ餡かけ豆腐』のレシピです。難しいことを考えなくても…作れます!


[材料]
木綿豆腐 ……… 1丁
豚ひき肉 ……… 50g
ネギ ……… 20g
ニンニク ……… 5g
トウガラシ ……… 1本


[調味料]
醤油 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ2
水 ……… 100cc
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 少々

[作り方]
1.木綿豆腐は2cmほどの厚さに切る。ネギ、ニンニクはみじん切りにする。トウガラシは種を抜き、輪切りにする。

2.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、木綿豆腐の両面を焼き色が付くまで焼く。火が通ったら豆腐を片側に寄せておく。

3.作り方2のフライパンの空いた場所に油を集め、豚ひき肉を入れていためて火を通す。続いてネギ、ニンニク、トウガラシを入れてひき肉と混ぜ合わせながら香りが出るまで炒める。

4.作り方3のフライパンに、醤油、砂糖、酒、水を入れ沸騰したら水溶き片栗粉でとろみをつける。

5.皿に盛り付けて最後にごま油を散らして完成。

Point!
豆腐をフライパンの脇に寄せてもスペースが出来ない場合は、一度取り出しておきましょう。作り方4で調味料を沸騰させてから再投入すればOK。

もちろん絹ごし豆腐でも作れます。


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