酸梅湯│酸梅湯
今日は一足先に夏を先取り!台湾の伝統飲料である『酸梅湯』の紹介です。火鍋のお店や中小の飲食店ではセルフサービスで飲めるのですが、なぜかドリンクステーションではあまり見かけません。台湾ではペットボトル入りのものも売っています。
その名の通り燻製にした梅の実│烏梅という生薬を使っており、その正体は黒くなるまで燻製にした青梅の実。別名を『烏梅湯』ともいいます。出来上がった飲料は深い紫色が美しく、味も甘酸っぱくて非常に飲み易い飲料です。暑気あたりや消化不良に効果があるとされ、特に熱々の火鍋を食べる時に熱が体に回り過ぎないようにとお茶代わりに飲みます。販売しているお店により微妙に材料の配合が違うので、飲む場所によって少しずつ味が違います。
『酸梅湯』がいつから作られていたのかはっきりとはわかってはいませんが、主薬として使われている烏梅は漢方薬の古典中の古典である「本草綱目」にも記載があり、非常に古い歴史をもちます。日本に梅が伝わったのは、植物よりも医薬品としての「烏梅」が先で、なんと平安時代のお話です。
この燻製にした梅の実を煮込んだ飲み物(酸梅湯の原型)は同時代の漢方書籍にも散見され、皇帝の夏ばて治療薬としても使われていたこともあるようです。当初は高級飲料ですが、時代が下がるにつれて民衆にも広まっていきました。(今でも烏梅は他の生薬よりかなり高いです。)
火鍋のサンプルを作る一環で、付け合せの飲み物もおいしいものを作ってやろうと意気込み、各所の『酸梅湯』を飲み歩くこと数軒。知り合いのおばさん方にも聞き取り調査をし、自分でも作ってみてついに完成したのが今回のレシピです。近所のおばさんが「いままで飲んだ中で一番美味い!」と太鼓判を押してくれたオリジナル『酸梅湯』です。
例によって材料は漢方薬局に行かないと手に入らないかもしれませんが、火鍋のセットを購入してくれた方には少量をおまけでつけようかななどとたくらんでいます。単独でも売るかも…飲んでみたい方はメールください。
難易度:
☆☆☆(材料入手による)
調理時間:
30分以内
材料1:
洛神 ……… 20g
烏梅 ……… 20g
山楂 ……… 60g
陳皮 ……… 20g
甘草 ……… 5g
紫蘇葉 ……… 1g
材料2:
桂花 ……… 5g
(ティーパックに入れておく)
調味料:
氷砂糖 ……… 適量
作り方:
1.材料1は水にさらしてよく洗い、雑物を取っておく。
2.大きな鍋に水3000ccと材料1を入れ加熱して沸騰させる。15分沸騰させた後、桂花ティーパックを入れて更に5分沸騰させる。
3.材料を漉し取り、好みの量の氷砂糖で甘みを付けて完成。
Point:
作るのはとっても簡単ですが、材料の入手がネックになるでしょう。お近くの漢方薬局に相談してみてください。そのうち甘口男でも売るとおもいます。
甘草から甘みが出るので、氷砂糖を加えなくても十分な甘みを楽しめます。 加える砂糖の量は各自で調節してください。
紫蘇葉は入れなくても作れますが、入れると非常に鮮やかな紫色になります。色にこだわる方はぜひ加えてみてください。
陳皮は乾燥品ではなく砂糖漬けのものを使います。購入時に注意。ママレードジャムでも代用できそうです。
桂花パックを香りの強いほかのハーブに変えてもおいしく作れると思います。
材料の読み方は
洛神│らくしん(洛神花│らくしんか)
烏梅│うばい
山楂│さんざ(山楂子│さんざし)
陳皮│ちんぴ
甘草│かんぞう
紫蘇葉│しそよう
桂花│けいか
です。
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