菠菜豬肝湯│ホウレンソウと豚レバーのスープ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『菠菜豬肝湯│ホウレンソウと豚レバーのスープ』のレシピを紹介します。豚レバーとほうれん草を塩、コショウ、酒で煮て作るスープです。シンプルな味わいですが豚レバーとほうれん草の組み合わせなのでとてもスタミナがつきます。

「肝」の字が使われた故事成語はたくさんあります。中国語の成語辞典などでよく見かけるのは「肝膽相照」、「披肝瀝膽」、「披瀝肝膽」、「肝腦塗地」などでしょうか。いくつかのものは書き下してそのまま日本語の慣用句としても使われていますね。少し詳しく見てみましょう。

肝膽相照は「肝胆相(あい)照らす」と読み下します。肝臓と胆嚢、心の奥底までつつみ隠さず知り合っている意味の言葉で、心から信頼し合っている間柄を示す言葉です。「披肝瀝膽」、「披瀝肝膽」もほとんど同じ意味で使われます。どちらも肝臓を披露して、胆汁を滴下するという意味で、心の奥まで包み隠さず吐露し、忠誠を尽くすというような時に使われます。日本語でも「腹を割って話す」、「腹黒い」などというので、東洋ではどうやら隠し事は腹の中にためておくもののようです。

ちなみに「披肝瀝膽」には少しずつ言い回しを変えた同じ意味の言葉が多数あります。ざっと抜き出すと「隳肝瀝膽」、「瀝膽墮肝」、「瀝膽披肝」、「刳肝瀝膽」、「瀝膽抽腸」、「瀝膽隳肝」、「瀝膽濯肝」、「瀝血披肝」、「露膽披肝」、「披肝瀝血」、「披肝露膽」、「剖肝瀝膽」、「傾肝瀝膽」、「攄肝瀝膽」、「輸肝瀝膽」などなど。おそらくですが過去の詩人らが同じ言い回しを避けて独自の表現を模索した結果なのでしょう。腸や血という表現は使われていますが、不思議なことに同じ腹の中にある腎臓や膀胱は使われていません。臓器の持つイメージというものまでは変えようがなかったようです。

また肝、胆の字を使ってはいなくても、同じような意味の言葉は非常に多く、「丹成相許」、「赤誠相見」、「赤膽忠心」、「忠心耿耿」などがあります。こちらには「丹」、「赤」など赤色を指す言葉が多くつかわれています。肝臓の色と関連していると考えられます。古代中国では肝臓の赤は忠誠の色だったようです。そういえば日本の某マンガでは誠実さのかけらもない相手に「お前の血は何色だ!?」などと聞いていましたね。

韓国語では「肝が太い」のを俗に「간이 붓다(肝が腫れた)」などと表現しますし、ベトナム語にも肝や腹に関する慣用句は秘密や忠誠を表すものが多くあります。身体性の喪失が叫ばれて久しい現代ですが、こうして周辺諸国の似たような言葉を探してみると、言葉が自分の血肉になったような気がしませんか?しない?しません?

そういう時は本当に肝、レバーを食べてしまいましょう(笑)。

それではレシピです。


[材料]
豚レバー ……… 200g
ホウレンソウ ……… 150g
ショウガ ……… 15g
水 ……… 500cc
片栗粉 ……… 小さじ2

[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2
酒 ……… 小さじ1
コショウ ……… 少々

[作り方]
1.豚レバーをよく洗い、約1cmの厚さの薄切りにする。流水に5分ほどさらして血の塊を除いたら、表面に片栗粉をまぶしておく。

2.ほうれん草を食べやすい大きさに切り分ける。ショウガを千切りにする。

3.鍋に水を入れて沸騰させたら、ショウガとすべての調味料を加えて味を調える。これに作り方1の豚レバーを加え、火が通るまで煮込む。豚レバーに火が通ったらほうれん草を加え、加熱して沸騰したら火を止めて完成。

Point!
豚レバーはしっかりと臭みを抜きましょう。酒で洗うのも良いですが、水に5分ほど浸けておいても臭みをかなり除けます。


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