金針菇拌肚絲│エノキタケとブタガツのサラダ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『金針菇拌肚絲│エノキタケとブタガツのサラダ』のレシピを紹介します。豚の胃、ガツを細切りにして、少量のエノキタケと合わせたサラダ料理です。醤油と酢を合わせたドレッシングで食べます。

ガツはウシの第一胃、または豚の胃を表す言葉です。英語で腸、消化管を意味する Guts から来ています。ウシの第一胃はミノという用語があるので、ガツとはあまり呼びません。もともとは胃だけでなく小腸などを含めた消化管全体を指す用語で、単数形の gut は、もともと羊の腸を乾燥させて使っていたテニスのラケットの線部分などの名称にも使われています。

英語でも日本語と同じように「根性」や「忍耐」を意味します。他にも内臓の意味が転じて「(機械の)心臓部」などの意味もあるようです。

さて guts の和訳である「根性」は元々仏教用語です。性をショウとかジョウとか読むのは大体仏教由来の言葉ですが、ちょっと詳しく見てみましょう。

仏教では「仏の教えを聞いて、修行する能力のこと」を「機根(きこん)」と言います。また偉い人の教えを理解する度量・器のことで、人それぞれ異なります。人間の器の内、教わったことを呑み込む部分の大きさのことです。

「機」とは人の心のはたらき、「根」とはその人の根本的な能力のことです。

釈迦は教えを説くときには、各人の機に合わせて様々に話す内容を変えました。

これを「臨機応変」と言います。もともとの臨機応変の機は、場合を意味する「機会」の機ではありません。「人」に合わせるという意味なのですね。

この機根の考えは仏教ではとても大切にされ、「利根(りこん)」:素直に仏の教えを受け入れ理解する人、「鈍根(どんこん)」:素直に仏の教えを受け入れず理解しにくい人などの単語が生まれました。

仏典には例として、「毎日アワやヒエを食べ、 それを主食であると思い込んでいる人に、コメの存在を教えても信じてはくれない、ただ彼らは毎日の飢えをしのぐのが第一であると考えるだけだ」というようなことが書かれています。非常に哲学的な内容です。現代社会でも社会保障や犯罪発生率などを議論するうえで参考になりそうな話ですね。

さてさて、この機根という単語の「根」、つまり各人の能力、性とはその人の生まれついた性質のことです。この根と性を合わせて「根性」という言葉が生まれました。もともとは漢字の意味通り、各人が「生まれついて持っている(仏の教えを理解する)能力」の意味ですが、いつしか「教えを理解するまで努力する力」、「我慢強く教えを理解しようとする能力」のように転用され、現代のような意味に変化しました。

我々の根性はもともと一人ずつ違うことが前提です。もともとの意味からは少し変わってしまいましたが、全員に一様の根性を要求するような指導者にはなりたくないものですね。

それではレシピです。

[材料]
豚ガツ ……… 100g
エノキタケ ……… 30g
トウガラシ ……… 5g
ショウガ ……… 5g
ニンジン ……… 30g

[調味料]
醤油 ……… 大さじ2
酢 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 大さじ1

[作り方]
1.塩で揉み、臭みを抜いた豚ガツを茹でて火を通す。火が通ったら厚さ0.2cmの薄切りにする。

2.エノキタケを根元を切り落とし、よく洗ってほぐしておく。トウガラシの種を除き千切りにする。生姜を千切りにする。ニンジンを千切りにする。

3.鍋にお湯を沸騰させ、作り方1の豚ガツ、作り方2のエノキタケ、ニンジンを入れて10秒茹でて火を通す。これをショウガとトウガラシと絡めて器に盛り付ける。すべての調味料を混ぜ合わせてドレッシングを作り、上からかけて完成。

Point!
市販のガツは火を通した状態で売っていることも多いので、その場合は作り方1を飛ばしてそのまま千切りにしてください。不安な方は千切りにした後一度熱湯をかけておくか、湯通ししましょう。

ドレッシングにラー油を加えても美味です。











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