熱炒蟹腳│カニバサミ炒め

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾熱炒料理の定番『熱炒蟹腳│カニバサミ炒め』のレシピを紹介します。カニのハサミをチキンブイヨンと醤油で炒めた料理です。10分もあれば作れるので、前回のカニの体を使った料理のお供にいかがでしょうか?

日本では「キャク、あし」と読む「脚」の字は、料理名にあるように台湾の繁体字では少し書体が違います。 日本では「脚」、繁体字では「腳」です。日本では中央が「去」、繁体字では「谷」ですね。ちなみに簡体字では日本と同じ脚を使います。

≪説文解字≫などの古代の字典では中央の部分が上から「人 + 人 + 口」が積み重なった形となっているため、「谷」のように書くのが古い本来の字であることが分かります。ただ「去」の正字も「大 + ム」を上下に重ねた形で、もともとの「人 + 人 + 口」にかなり似ています。「脚」も「腳」も、どちらも元々の「人 + 人 + 口」の形に似たような意味や形の字を当てはめただけの漢字なのですね。

脚にはヒトや動物のアシ、地面に接する部分という意味ですが、科挙が行われていた時代に生まれたある単語から派生したの別の意味もあります。

古代中国では科挙に合格して初めて士官する際、その人物からさかのぼって三代に渡る先祖の職業、家族、年齢などを提出する必要がありました。要は履歴書で、これを「脚色」と呼びました。 これを提出できない人は科挙に合格しても仕官できません。後にこれが転じて「脚」の字がその人に応じた職業や職務を比喩するようになりました。これが伝統劇で使われる人物のタイプを示す言葉となり、それぞれの役割やセリフを記した書籍を「脚本」と呼ぶようになりました。脚本の脚はアシではなく、人物(の履歴書)の意味ということを覚えておくと……、いつか役に立つかもしれません。

その道の専門家になれば、カニのハサミやアシを見ただけでどの種類のカニかぴたりと当ててしまうことができます。

ちなみに筆者も一部の生薬なら色や形を見ただけで、産地や栽培年数まで当てることができます。偽物との鑑別もお手の物です。生薬研究の世界では教授クラスの人たちより、むしろ学生にこういうことができる人の方が多かったような気がします。暇だったんでしょう(笑)。不思議なことに海外の大学では似たような研究をやってはいても、同じように"変態的"に技能を極めようとする学生はあまりいないようです。

道があると極めたくなってしまうのは、日本人の性なのかもしれません。



[材料]
カニのハサミ ……… 600g
 (身の部分を使ってもよい)
ショウガ ……… 15g
ニンニク ……… 15g
トウガラシ ……… 15g
ネギ ……… 20g
タマネギ ……… 20g
バジル ……… 適量

[調味料]
チキンブイヨン ……… 少々
醤油 ……… 少々
オイスターソース ……… 小さじ1
サテソース ……… 小さじ1
 (なければカツオ節で代用する)

[作り方]
1.ショウガ、ニンニク、トウガラシをみじん切りにする。ネギをぶつ切りにする。タマネギを千切りにする。

2.カニのハサミを木槌でたたくなどして殻にヒビを入れ、熱湯につけて殻が赤くなるまで火を通す。火が通ったら取り出して水気を切っておく。

3.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ショウガ、ニンニク、トウガラシ、ネギ、タマネギを炒めて香りを出す。続いて作り方2のカニのハサミとすべての調味料を加え、ざっくりと混ぜ合わせながら中火で1分ほど炒める。最後にバジルを加えて軽くかき混ぜたら完成。

Point!
カニの種類は問いません。種類によって風味が変わります。身の部分を使っても作れますが、ハサミと同じくらいのサイズに切り分けて作りましょう。





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