難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の麺料理で使われている『』の作り方を紹介します。油麺という名前ですが麺自体には油は使いません。『切仔麵』や『擔仔麵』、また『涼麵』などの台湾麺料理を完全再現するならこの『油麺』が必須す。多少力は要りますが、日本の家庭でもすぐに作れるのでぜひ挑戦してみましょう。
台湾の『油麺』はスーパーで様々なメーカーのものが買えますが、正確には一度湯通しした『濕油麵』を指します。乾燥した状態で売られているものやレトルトのものは乾麺の一種で、厳密には『油麺』には含めません。その内衛生署からの通達で乾燥品には油麺の名称が使えなくなるかもしれません。
台湾は有名店でも麺から自作している店はまれで、ほとんどは製麺所の機械で作ったものを使っています。また北部と南部では油麺の材料が若干異なり、同じ料理でも味の違いとなって現れます。特に南部の『油麺』は"Q感"が高いのが特徴で南部出身者は北部に来ると『油麺』が不味く感じるのだとか。デンプンなどの添加物の差が食感の違いとなって現れているだけです。
自作の麺と機械で作る麺の最大の違いは水分含量です。通常台湾の機械麺の水分含量は30-45%で、煮込むと水分を吸って滑らかな食感になります。その分コシは弱めですが、噛み切りやすいという特徴があります。自作の麺の水分含量は50-60%と高く、きめは粗いですがコシが強いのが特徴です。ただし自作麺はあごの弱い老人や幼児には食べにくいという欠点があります。
加えるにがりは古くは植物の灰を水に溶かしたものを使っていました。現在はスーパーで液状のものが買えるのでそれを使いましょう。にがりにはマグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リン酸塩などの塩類が溶けており、デンプンと結合して食品の弾力を増すのに使われます。
小麦粉ににがりを加えると少し黄色に色づくのですが、この黄色が油麺の特長ともなっています。市販のものは黄色の色素を加えて作っていますが、工業色素が発見される以前はクチナシで色をつけていました。百年前の油麺を再現する方はクチナシ色素を使ってみましょう。(ただし完全な黄色ではなく若干赤く色づきます。)
台湾で麺といえばこの『油麺』を使った料理を指します。煮込んでよし、炒めてよし、冷やしてよしの万能麺、ぜひ再現に挑戦してみて下さい。
中力粉 ……… 500g
水 ……… 180cc
塩 ……… 小さじ1
にがり ……… 小さじ1/2
[作り方]
1.すべての材料をボウルに入れ、固まりになるまでしっかりと混ぜ合わせる。
2.作り方1の生地を強靭なビニール袋に入れ、足で10分ほど踏むか製麺機に数度かけるなどしてコシが出るように捏ねる。
3.麺棒で延ばすか、製麺機で押し伸ばすかして厚さ2mmに平たく延ばし、そのまま10分ほど生地を寝かせておく。
4.包丁で幅3mmに成るよう切りそろえたら沸騰したお湯で7分ほど茹でて火を通す。取り出して水気を切ったら完成。
Point!
保存する場合は作り方4で一度茹でてから水気を切り、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておきましょう。
食用色素で色をつける場合は、最初に水に数的の食用色素を加えてから他の材料と混ぜてください。今は黄色の食用色素を使っていますが、古くはクチナシで色をつけていました。
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