擔仔麵│本格擔仔麵

難易度:☆☆☆ 調理時間:3時間
本日は『擔仔麵│本格擔仔麵』のレシピです。スープから作る超本格派のレシピですが、全て日本の材料で作れるので時間とチャレンジ精神のある方は挑戦してみましょう。美味いです!

『擔仔麵』の歴史は以前の記事で紹介しているので、今回は『擔仔麵』発祥の地、台南は水仙宮について解説しましょう。台南水仙宮は台北の龍山寺などよりもはるかに古い康熙二十三年(1684年)の建立。当地の商人たちが資金を持ち寄り水仙王という道教の神様を祭ったのが始まりです。最初は茅葺の屋根と質素な壁があっただけのみすぼらしい廟でしたが、康熙四十年(1701年)にレンガ造り、瓦葺の建物に建替えられます。その4年後、当時の台湾県の知県である王仕俊が自身の不動産収入を廟に投資し、徐々に発展を遂げます。康熙五十四年(1715年)には台湾水師卓爾壇が福建省出身の商人から資金を集め、広東省から工人を呼び寄せ廟を全面的に改築します。

その後の乾隆、嘉慶、道光、光緒年間にも度重なる改築重築を重ね、現在の立派な姿になります。『擔仔麵』が生まれたのは光緒年間で100年以上の歴史があります。

日本統治時代までは主に周辺の商人組合により管理されており、時期によっては商人たちの自治意識が高まり、廟周辺は公権力が及ばない王朝から独立した商業地域のような様相を呈したこともあります。そのため日本軍が進駐した当初は土地の抗日運動の中心地となったこともあります。統治が安定した大正時代には総督府により商人組合は解散され、台南商工会議所が置かれます。この台南商工会議所により日本統治時代は管理されることになり、周辺商人たちによる廟周辺の自治は良くも悪くも徐々に消え去ります。

大戦時に爆弾により大きく損壊した水仙宮は民國四十三年(1954年)にまず残存部分が修復され、民國七十四年(1985年)から三年をかけて全体像が修復されました。現存の建物はほとんどが新築された部分ですが、一部の柱や壁、扁額は清朝時代のものが使われています。ちなみに水仙宮が祀る神様は航海や水運の安全を祈願する神様で、当時非常に危険だった中台海峡を往来する船乗りや商人たちから信仰を集めました。

『擔仔麵』の店先に飾られることのある赤提灯は、もともと廟内に飾られている赤い提灯(燈籠)が由来になっています。この燈籠には書かれている文字により様々な意味を持つのですが、全て吉祥を祈願する人々の願いが込められいます。もちろん『擔仔麵』の赤提灯は明りとしての意味のほか、千客万来の意味も込められています。

台湾のお寺や廟をお参りするときは、提灯に書かれている文字にも注意してみると新しい発見があるかもしれませんよ。

[材料1]
豚骨 ……… 700g
鳥ガラ ……… 300g
アサリ ……… 15個
水 ……… 2200cc
ショウガ ……… 2g

[材料2]
豚ひき肉 ……… 300g
エビ ……… 6匹
モヤシ ……… 30g
白菜 ……… 30g
ニラ ……… 30g
ゆで卵 ……… 3個
エシャロット ……… 10個
麺 ……… 300g

[調味料1]
塩 ……… 5g
固形ブイヨン ……… 5g
氷砂糖 ……… 15g

[調味料2]
八角 ……… 1個
トウガラシ ……… 小さじ1
醤油 ……… 大さじ1
すりおろしショウガ ……… 大さじ1/2
砂糖 ……… 大さじ1/2
水 ……… 240cc

[調味料3]
胡椒 ……… 適量
すりおろしニンニク ……… 適量
黒酢 ……… 適量

[作り方]
1.材料1の豚骨と鶏ガラをよく洗っておく。アサリは砂を吐かせておく。

2.鍋に2200ccの水を沸騰させ、豚骨、鶏ガラ、アサリ、ショウガを入れて強火で沸騰させる。沸騰したら蓋をし、弱火で水が1800ccになるまで1時間半ほど煮込む。スープが出来たら、調味料1を加えて味を調えて「擔仔麵スープ」の完成。

3.熱したフライパンに大さじ1のラード(分量外)をひき、みじん切りにしたエシャロットをきつね色になるまで炒めて取り出す。

4.鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、豚ひき肉を弱火でじっくり炒めて色を変える。続いて作り方3のエシャロットと調味料2を全て加えて沸騰させたら、弱火で水分が無くなるまで煮詰めて「肉燥」の完成。

5.エビは下処理し、沸騰したお湯で茹でて火を通し、冷水に浸けて身を締めておく。モヤシは沸騰したお湯で茹でて火を通しておく。

6.鍋にお湯を沸騰させ、麺と適当な大きさにきった白菜を茹でて火を通す。器の底に白菜、上に麺を盛り付け、作り方5のエビ、モヤシと半分に切ったゆで卵とニラなどを添える。作り方2の「擔仔麵スープ」を器に適量注ぎ、麺の上に作り方4の「肉燥」を乗せる。好みで調味料3をかけたら完成。

Point!
好みで香菜を上に数枚乗せましょう。

少量作るより、大きな鍋で大量に作ったほうが簡単です。スープと肉燥だけで麺を食べてもおいしいので、具をアレンジしてお試しください。

スープに少量のカツオブシを加えて作る方法もあります。お店によってスープの作り方は違いますが、ほのかに甘く作るのが台湾風です。


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