難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
台北市内にある某有名ホテルレストランのメニューから、『雞蓉蒓菜羹│ジュンサイと鶏肉のとろみスープ』のレシピを紹介します。材料をそろえにくいかと思いますが、簡単に作れる上とてもおいしいです。
「蒓菜」は「蓴菜」とも書き、日本でもおなじみの野菜ジュンサイを指します。なかなか難しい漢字のため、日本では「純菜」や「順才」などと当て字をされますが、こちらが正しい表記です。学名をBrasenia schreberi といいスイレン科の植物です。
もともと北海道から沖縄まで、日本全国に自生する植物だったのですが、水質汚染や環境の悪化により一部の県では絶滅、また絶滅危惧種に指定されていたりもします。家の近くで見かけても、まずは自分の県でジュンサイがどの分類で規制されているのか確認してから採取しましょう。
ジュンサイは未成熟の若芽が寒天に包まれるという不思議な植物で、この部分を食用にします。なかなかおいしい食材なのですが、食用にするのは世界広しといえど日本と中国くらい。しかも中国では環境の悪化で急激に姿を消しており、今では一部の地域でしか採取できない高級食材となっています。一部は日本にも輸出されているようです。《詩経》や《楚辞》などにも登場する由緒正しい歴史ある野菜なんですけどね…。
今回紹介する料理は杭州料理である『西湖蓴菜湯』または『雞火蒓菜湯』などと呼ばれる料理を台湾のホテル料理人がアレンジしたもの。元となった料理は乾隆帝が杭州を訪れたときに絶賛したとも言われています。
ジュンサイは古くは《本草綱目》に“清渇、熱脾、下気止嘔、沼熱疽、厚腸胃、解百毒、延年益智”と薬効が記載されており、清熱解毒の効能を持つ中薬材でもあります。近年の研究で黄疸や肥満症に効果があり、また抗がん作用も持つことが明らかになりました。かなりの健康食材です。
台湾の高級ホテルで食べるよりも日本で自分で作ってしまった方が手っ取り早いかもしれません。ジュンサイ自体より、金華ハムの方が手に入れにくいかもしれませんが、適当にアレンジして作ってしまいましょう。おいしいですよ!
[材料]
ジュンサイ ……… 220g
金華ハム ……… 25g
鶏むね肉 ……… 100g
卵白 ……… 1個
中華スープ ……… 800cc
[調味料]
塩 ………小さじ1/2
味の素 ……… 小さじ1/2
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1-2
[作り方]
1.ジュンサイを食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯でゆでて火を通しておく。鶏むね肉もゆでて火を通し、裂いて糸状にしておく。金華ハムはみじん切りにする。
2.鍋に中華スープを沸騰させ、塩、味の素で味を整えたら、水溶き片栗粉でとろみをつける。溶いた卵白を入れてよくかき混ぜたら、作り方1のジュンサイ、鶏むね肉を入れ、最後に金華ハムを散らして完成。
Point!
好みでシイタケ50gを薄切りにして加えましょう。味に深みがでます。
鶏油を小さじ1ほど加えると更に本格的に!最後に好みで胡椒を振ってもOK。
中華スープにはとろみをつけず、少量のご飯を加えてお粥にすると『雞蓉蒓菜粥』という料理になります。疲れたときなどに最適です。
金華ハムが手に入らない場合は普通のハムやベーコンで代用して作ってもいいでしょう。また鶏肉を白身魚に変えたり、金華ハムなしでも作られます。
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