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小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮]

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難易度: 調理時間:30分以内
自宅で作るレストラン並みの『小籠包』シリーズ第三弾は生地!『小籠包│ショウロンポー Step 3 [皮│皮] 』のレシピです。普通に作るものとほうれん草を練りこんだ緑色の生地を2種紹介したいと思います。

前回紹介した上海とは別に『小籠包』を名物料理として持つ無錫。上海に程近い江蘇省にある工業都市です。無錫といえばもう一つ『無錫排骨│無錫カルビ』という名物があります。覚えていらっしゃいますか?

無錫の『小籠包』は他の地域のものに比べて大型で、生地を少し発酵させて作るのが特徴です。また大きく分けて伝統的なものと現代的なものの二種類の『小籠包』が食べられます。清の乾隆帝が江南地域を視察に訪れた時、無錫恵山の寄暢園に住居を構えました。園主の秦氏一族らは皇帝をもてなそうと、秦氏一族に伝わる『蟹粉小籠』という料理を作り献上しました。この時点で『蟹粉小籠』は秦氏一族34代に代々伝わる料理であったとされています。こちらが伝統的な無錫『小籠包』の源流とされます。34代とは…何百年も歴史を遡れそうですが、記録に残っていないのが残念です。そしてもう一つ、1922年に上海で料理を学んだ王庭安という人が現在の崇安寺城中公園の側に「王興記」という店を構え『小籠包』を売り出しました。こちらが現代風の無錫『小籠包』の源流となっています。その他の地域のものより甘く作られるのが特徴です。

 上海からちょっと(120kmほど)西に足を伸ばせば無錫です。上海名物の『小籠包』を味わったら、ぜひ一度もう一つの『小籠包』のメッカを訪れてその違いを味わってみてください。

明日は今まで作った三つの材料を合わせて、いよいよ本格『小籠包』を作り上げます。記事の内容は台湾で生まれた小籠包の世界的名店「鼎泰豐」について解説してみます。
 

鹹冬瓜│トウガンの漬物

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難易度: 調理時間:数日+熟成
本日は中華風のお漬物、『鹹冬瓜│トウガンの漬物』を作って見ましょう。前回の『黄豆醤』で味を付けるのがポイントです。なければ日本の白醤油で作りましょう。

トウガンは学名を Benincasa hispida といいます。日本では平安時代の古くから食べられています。夏に収穫される野菜ですが、きちんと保存すれば冬まで食べられるということから「冬瓜」と名付けられたと言います。

その成分のほとんどが水分(96%以上が水分です)で味も特にありません。中華料理では通常スープの味をしみこませて味を付けてから食べます。《本草綱目》にも白瓜として記載されている由緒ある食材です。種は冬瓜子などと呼ばれ、古代より清熱利水、解暑熱、消熱痰、止咳嗽の薬としても用いられました。現代ではダイエットにも用いられます。また古くは果実の皮をロバの打撲や骨折の薬として用いた記録も残っています。炎症を抑える作用などもあるようですね。

無味で水分を多く含むこと、またきちんと保存すれば一年中食べられることから、台湾(福建)料理や広東料理では古くからスープ料理に大活躍してきました。おいしいスープさえ作ってしまえば、トウガンを入れて煮込むだけで手軽に食物繊維が取れるのが嬉しいですね!野菜嫌いの子供にも自信を持ってお勧めできる食材です。

3ヶ月と根気の要る漬物ですが、中華料理ファンなら梅干の瓶の横にひとつくらいはこういう漬物を漬けておいてもいいかもしれません。


黃豆醬│中華白醤油

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難易度:☆ 調理時間:30分以内+熟成
本日は調味料『黃豆醬│中華白醤油』を自作してみましょう。家庭で作る醤油…と聞けば難しそうですが、調味料の比率さえ間違えなければほとんど失敗しません。

たまには調味料を自作してみましょう、ということで今回は台湾料理でよく使われる『黃豆醬』、日本ではいわゆる「白醤油」といわれる調味料を作ってみます。日本の白醤油は大豆をほとんど使わず、麦をメインで作りますが、台湾では逆に麦を使わず(ほぼ)大豆だけで作ります。客家語で『蔭醬』、台湾語で『豆揪啊』などとも呼ばれます。

醤油やナンプラーなどの発酵調味料は東アジアのいたるところに残されており、郷愁を呼び覚ます故郷の味となっています。特に日本の「醤油」はその種類の多さと強烈な旨みが特徴で、世界中で「ショーユ」として親しまれていますが、中国の大豆を発酵させた液体調味料も負けてはいません。膨大な国土と各地の気候に合わせた数多くの調味料が存在し、中華料理の味付けに活躍しています。「豆豉」などの固形発酵食品があるのも特徴です。

今回自作する『黃豆醬』は台湾の漢族と客家で作り方が異なります。とはいえ基本的な作り方はどちらも同じですので、それほど気にすることはないでしょう。ぜひ自宅で作り置いて様々な中華料理に応用してみてください。日本人には客家風の白醤油の方が好みかもしれません。

それでは、ガラス瓶を用意してレシピ行ってみましょう!



風乾雞│風乾鶏

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難易度: 調理時間:数日
本日のレシピは四川省の絶品料理『風乾雞│風乾鶏』。非常に長い時間をかけて作る料理です。調理はそれほど難しくありませんが、浸け置き、乾燥できちんと作ると10日前後掛かります。根気よく作りましょう。

さて中国には「九大残忍料理」と呼ばれるものがあり、この『風乾雞』はその一つ。残りは『醉蝦』、『
龍鬚鳳爪』、『活叫驢』、『烤鴨掌』、『鐵板甲魚』、『澆驢肉』、『三吱兒』、『猴頭』です。有名な『蝦』や、超高級料理『猴頭』も入っています。

『風乾雞』のオリジナルのレシピは鶏肉丸ごと一匹の首を紐で縛って吊るし、そのまま乾かすので大量に干している光景は圧巻です。当レシピでは部位ごとに切り離して乾かします。まぁ、それほど残忍なイメージはありませんが、動物愛護の観点からは一考の余地があるのでしょう。

味はHigeneが保証します。美味いです。

手間はかかりますがぜひ一度自作にチャレンジしてみてください。


廣式香腸│広東式ソーセージ

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難易度: 調理時間:数日
さて、いよいよ家庭で作れるかどうかは怪しいですが『廣式香腸│広東式ソーセージ』のレシピを紹介します。ソーセージを自宅で?と思われる方がほとんどかもしれませんが、実は思っているより簡単に作れます。作らない方も知識として作り方を知っておきましょう…(笑)。もちろん専用の機械をお持ちの方は簡単に作製が可能です。

レシピを見て分かるとおり、材料はとてもシンプルです。問題は製作に必要な時間です。半月ほど掛かりますので、根気が必要です。手作業でも作れますが、腸詰専用の機械を持っている肉屋さんなどが知り合いにいれば、下ごしらえしたものを持ち込んで作ってもらうのもいいでしょ。

現在中国・台湾で出回っている廉価なソーセージは本物の動物の腸ではなく、人工的に合成した多糖類の膜を使って作られています。また相当な量の保存料や着色料が含まれているため、健康に対する懸念が常に付きまといます。自作すればこれらの問題は全て解決できますが、長い時間が必要ですので、家族の協力や自身の根気を再確認してから作製を始めてください。

ソーセージには煙燻、風乾、熟、鮮の区別があり、それぞれ燻製にしたもの、乾かしたもの、一度火を通してから作ったもの、生のままのものがあり、今回紹介する『廣式香腸』、すなわち広東風のものは風乾の製法で作ります。

台湾のスーパーでは多くの種類の『香腸』が食べられ、中国各地のほとんどの種類の香腸が一箇所で食べられるのが魅力です。ホテルで調理して食べるのは難しいかもしれませんが、台湾人のお宅にお邪魔する時や、レストランで注文してみるのもいいでしょう。日本で食べ慣れた西洋風のソーセージとは味も風味もまったく異なるので好みが分かれるかもしれませんが、慣れると味が濃いので中華風の方がクセになります。未経験の方はぜひお試しを。

それでは、レシピいって見ましょう!


佛跳牆│フォーティァオチャン、仏跳牆、ぶっちょうしょう

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難易度:☆☆☆ 調理時間:3時間
本日は台湾の年越しには欠かせない料理『佛跳牆│フォーティァオチャン、ぶっとびスープ』のレシピを紹介します。一度食べたことがある人はご存知でしょうが、至高とも言える濃厚な旨味を持った料理です。

『佛跳牆』はもともと福建料理の名菜で、伝説によると清光緒年間に開発されたとされています。もともと福州の銀局で働いていた公務員が、按察使である周蓮という人をもてなすために作った料理だといわれています。(サラリと書いていますが、いわゆる接待、賄賂ですね…。)

もともとは鶏、鴨、豚肉など10数種類の材料を紹興酒で煮込んだ料理で、一口食べた周蓮はその旨さに言葉を失い、料理名を尋ねました。主催者は「吉祥如意、福寿双全」の意味をこめて『福寿全』という料理であると説明しました。その後周蓮の専属料理人が味を改良し、次の宴会でこの『福寿全』を提供したところ客の全員が絶賛。宴客の中に居た詩人が即興で「葷香飘四邻、佛聞弃禅跳墙来」という詩を詠み皆を感嘆させます。

中国語福建方言では『福寿全』と『佛跳牆』の発音が似ており、その後『佛跳牆』の表記が定着したのだと言います。ちなみに友人にお願いして福建省の方言と近い台湾語で『福寿全』と『佛跳牆』を読んでもらいましたが…『福寿全(ホッシゥヅァン)』と『佛跳牆(フッティァオチウ)』…微妙に似ているといえば似ているような…。まぁ、福建語は地方差が激しいので台湾語とは異なる系統の福建方言ではもっと似ているのかも知れません。

別の説も伝わっているので紹介しておきます。清朝時代にあるいて全国を旅をしていたある学者は、各地で食べた食材を酒に浸け陶器の器に保管していました。旅の終着地である福州に到着した学者がある寺のそばでこの酒浸けの食材を火にくべて煮込み始めたところ、ある修行中の僧侶がにおいにつられてふらふらと寺から出てきました。もちろん修行中の僧侶はこの料理を食べることはできませんでしたが、学者に同行していた友人の詩人がこれを評して「仏僧も匂いに釣られて出てくる」という意味の詩を読み、この料理に『佛跳牆』という名前がついたそうです。

ちなみに英語では『Buddha Jumps Over the Wall』と呼びます。こうやって見るとすごい名前ですね…。

その後福建からの移民により台湾にも伝わり、名菜として多くの観光客の舌を楽しませているのはご存知の通り。台湾初回訪問時に食べるのは難しいかもしれませんが、何度も訪れるなら一度は口にしておきたい絶品料理です。ちなみに一番手軽に味わうにはスーパーで冷凍のものを買ってきて、ホテルで暖めてもらうといいでしょう(笑)。
 
前に紹介した『佛跳牆』はかなり本格的なもので、おそらく再現できた人はほとんどいないと思います。今回紹介する『佛跳牆』のレシピは材料をぐっと簡単にして日本でも作りやすいようにアレンジしています。簡易版とはいえ本物に負けない濃厚な旨味を楽しめる料理で、時間と気力がある方はぜひ挑戦していただきたいと思います。簡易版とはいえかなりの根気が必要なので、気合を入れて作ってくださいね!

レシピ通りに作ると一家族分はゆうに作れてしまいます。食べる人の数に合わせて量を調節してください。


剝皮辣椒│トウガラシの漬物

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難易度:☆ 調理時間:数日
本日は『剝皮辣椒│トウガラシの漬物』という台湾の漬物を紹介します。使う材料は青トウガラシのみ、浸けておくことで辛味がほど良く調和し、そのままおかずにできるほどの旨みが出ます。

漬物といえば日本の専売特許のような感じですが、実は台湾でもかなりの種類の漬物が売られています。タクアンなどは『魯肉飯』や『雞肉飯』の付けあわせとしてはずせません。

本日紹介する『剝皮辣椒』は青トウガラシを醤油に浸けたもので、ご飯のおかずには最適です。台湾人の中にはこの料理が一番の好物だという人も珍しくありません。

作るのは非常に簡単で日持ちもする便利な料理ですが、油がかなりはねるので調理には気をつけてください。

明日はこの『剝皮辣椒』を調味料として使った別の料理を紹介したいと思います。


臭豆腐│臭豆腐

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難易度:☆☆☆ 調理時間:数日
ついにこの料理の作り方を説明するときがやってきました。『臭豆腐│臭豆腐』のレシピの紹介です。簡易版とはいえかなりのコツが必要です、失敗しても諦めず何度かトライしてください。

古くは湖南省の名物料理であった『臭豆腐│臭豆腐』は時代が下ると共に中華圏各地、世界中に拡散していきました。様々な食べ方があるのですが、台湾ではやはり油で揚げた『炸臭豆腐』が有名でしょう。

『臭豆腐』は豆腐を発酵させて作る発酵食品で、台湾初心者の多くが「挑戦」させられる料理の一つ。臭いという字が入ってはいますが、実際には納豆と同じくらいのにおいの強さです。日本を代表する発酵食品である納豆を食べられない日本人が多いのと同じように、台湾でも『臭豆腐』を食べられない台湾人が数多くいることから、好みの分かれる料理であります。西太后に献上され、彼女が愛した料理として「御青方」との名を与えられたこともある料理で、このことからも分かるようにはまる人はとことんはまってしまう料理なのです。

自分で作ってみるとわかりやすいのですが、実際は発酵の程度を製作時間でコントロールすることができるため、においの強さも千差万別、発酵一日目のものなどはほとんど普通の豆腐のように食べられます。

中華料理全体から見るとその歴史は余り長くなく、清朝康熙年間に偶然作られたものがその由来だといいます。安徽省出身の王致和という男は科挙試験に落第し、そのまま北京に居座って豆腐店を経営していました。経営状況は余り芳しくなく毎日大量の売れ残りが出ていたそうですが、ある日掃除するのを忘れていた売れ残りの豆腐が青く変色しているのを発見します。今まで嗅いだことのない奇妙な臭いでしたが、食べてみると非常においしかったのでこれを売り出したところ大ヒット。これが臭豆腐の源流といわれています。日本でも大手の輸入食品スーパーに行けば開発者の名前を冠したブランドの『臭豆腐』が手に入るかと思います。

台湾に伝わったのは1949年、湖南省出身の李某という人が大陸から伝えたものが最初とされます。日本統治時代には、まだ台湾に存在しなかったんですね。

日本で手に入れるのが非常に難しい食材のため、これを使った料理は今まで一度も紹介していません。が!日本でも作れそうな製作手順をまとめることができたので紹介します。

難易度の星は三つですが所詮発酵食品、発酵過程さえ上手くコントロールできれば、手順は割りと簡単です。ポイントは余り発酵させすぎないことです。まずは半日~1日の短時間だけ豆腐を発酵させて食べてみましょう。


各地域によって藁やトウモロコシの皮、様々な野菜と一緒に発酵させたりと作り方は様々ですが、このレシピは豆腐以外何も使いません。まずは何も使わないプレーンな『臭豆腐』から挑戦してみましょう。Pointをよく読んで作ってみてください。

写真は台湾名物揚げ臭豆腐。必ず漬物が添えられます。

糖蒜│ニンニクの漬物

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本日は『糖蒜│ニンニクの漬物』という料理のレシピを紹介します。台湾の小さなレストランの小菜コーナーで見かけたこともあることでしょう。台湾だけでなく中国大陸のほうでも広く食べられます。

ニンニクには解毒効果があり、この料理も肉や魚料理に添えるおつまみとして開発されたものです。ところがその味もさることながら、上手く漬けられた黄金色に輝く『糖蒜』は、料理の主役の座を奪ってしまうほど美味しく、今では中国全土のレストランや家庭で大量に作られています。

台湾や中国でも健康食品のブームというものがありますが、この『糖蒜』は数百年前から体によいといわれているまさに本物。殺菌作用、抗酸化作用、肝保護作用は他の食品と比べてもトップグループに入ります。

ちなみに台湾で市販されているニンニクは中国から輸入した粒の細かいものばかりで、どうみても日本産のニンニクの方が味も品質も全てが勝っています。つまり日本のニンニクでこの『糖蒜』を作れば、アジア最高のものが作れてしまうのです。(ヨーロッパには日本を越えるニンニクがあるとかないとか…)

レシピも非常に簡単ですので、作って後は3ヶ月待つだけ。今すぐスーパーで国産のニンニクを買い、この料理を試して見ましょう。 3ヵ月後には幸せに、そして健康になれること間違いありません。


難易度:


調理時間:
30分以内+熟成

酸柑茶│客家伝統陳皮茶

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本日のレシピは『酸柑茶│客家伝統陳皮茶』という、台湾客家伝統のお茶の作り方です。

申し訳ないので最初に断っておきますが、この料理というかお茶はおそらく日本どころか台湾ですら専門の業者さんでなければ作れません。非常に手間がかかるのもそうですが、レシピと製法が独自で完全な再現が不可能なためです。

文末に紹介している非常に簡易版のレシピですが、あくまで似て非なるものです。

というわけで今日はレシピよりも記事のほうがメインです。

酸柑茶というのは台湾の桃園、苗栗、新竹などの客家の人々が製造する特殊なお茶で、簡単に言えば蜜柑の中にお茶を入れて蒸したもの。形態に関しては下の写真を参考にしてください。


その昔「陳皮」という生薬を作っていた客家の一族が、実の部分を捨ててしまうのはもったいないと考え、手近にあった安い茶葉とまぜあわせて余ったミカンの皮に詰めて蒸して保存しておいたのが最初期(100年以上前)の「酸柑茶」だといわれています。

それが質素倹約を旨とする客家の人々の心を打ち、台湾客家の人々の祭壇の脇に飾られるようになりました。さらに台湾で茶業を営む客家の人々が製法を改良し、現在の形になったと伝わっています。 福建省あたりだと台湾からの輸入品がごく少量出回っているようですが、台湾以外ではほとんど流通していない特殊なお茶です。

現在は「虎頭柑」という種類のミカンをつかい、プーアル茶の茶葉を使って作ります。果肉をくりぬいて果汁と茶葉、紫蘇、青草、薄荷と混ぜ合わせ、皮に戻して圧縮、蒸してまた圧縮、乾燥するという工程を6-9度も繰り返して作り、ものすごく手間と時間がかかります。出来上がってからも天気のいい日は天日干しに、雨が降れば火の側で乾かすのを数ヶ月続けるのです。

一昔前は作るのに半年以上もかかったそうで、今でも製造には3ヶ月以上もの期間がかかります。しかも全て手作業、その労力は大変なものがあります。簡単に再現できない理由がお分かりいただけたでしょうか? というか、日本で作るのは無理ですねこれ。

その昔台湾の苗栗地区には数多くの『酸柑茶』の工場があったそうですが、今ではわずかに8工場が残るのみといいます。これからに伝えて欲しい古きよき台湾文化の一つです。

「酸柑茶」は台湾各地の老街や土産物屋で買うことができますが、台北市内で探すのは難しいかもしれません。旧正月前はスーパーでも売られていることがあるので、見かけたら購入して見ましょう。まさに台湾特産と言ってもいい非常に珍しいお茶で、客家文化を象徴するようなものですので、珍しい海外の製品に興味がある方には最適なお土産になることでしょう。

ちなみに乾燥した場所においておけば10年でも20年でも保管ができ、しかも中身はプーアル茶。時間が発てば経つほど価値が上がります。苗栗には80年以上前の「酸柑茶」が現存しており、値段がつけられないほどの価値があるそうです。


味は非常にさわやかで、鼻に抜けるような酸味と香りが特徴。鼻づまりやのぼせ、暑気あたりなどに効果があるそうです。どこか薬臭いので、若い人には好まれないかもしれませんが、歴史と製法を知れば一度は試したいと思う人もいるのではないでしょうか。

以下のレシピは何とか簡単に再現しようと四苦八苦して考案したものですが、本物とは味の深みも製法もまるっきり異なります。ぜひ台湾を訪れた時に本物を手にとってその歴史と共に、実物を味わっていただきたいと思います。

たしか一個300-500元くらいだったはずです。興味がある方はメッセージいただければ、買ってきて送ります。




難易度:
☆☆

調理時間:
数日

鹹蛋│塩卵、塩玉、卵の塩漬け

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本日は台湾料理でさまざまに応用される『鹹蛋│塩玉、卵の塩漬け』のレシピを紹介します。日本語の料理名そのまま、(アヒルなどの)卵を塩漬けにした料理で、そのまま食べるだけでなく『肉粽』や『月餅』などには調味料としても用いられます。多くの中華料理に応用される保存食の一つです。

台湾だけでなく広く中国全土で利用される料理で、特に中国南部で多く食べられます。 江蘇省高郵のものがもっとも有名で、生産量も中国一を誇ります。

中国では南北朝時代より以前、既に『鹹蛋』を食べる習慣があったらしく当時の農業書である「齊民要術」という書籍に蘇州、揚州一帯で保存食として大量に作られているという記載があるそうです。当時はお酒のつまみとして人気があったようです。日本やアメリカ、シンガポールなどにすむ華人向けにも輸出されており、チャイナタウンに行けば大体手に入ると思います。

ちなみに「賣鹹蛋(賣鹹鴨蛋)│鹹蛋を売る」という中国語での表現は、もちろんそのまま職業として鹹蛋を売るという意味もありますが、「死ぬ」という意味の隠語としても使われるそうで、埋葬時に使う灰が鹹蛋を作るときの周囲にまぶした塩灰に似ているからとも、南部地方の墓(台湾のお墓もそう)を子孫が修繕する時に、その様子が卵の殻を修復しているように見えるからだとも言われています。

台湾では主にアヒルの卵で作りますが、もちろん鶏の卵で作ってもOK。大きく分けて四種類の作り方、1.塩漬け、2.塩水漬け、3.酒漬け、4.辣醬漬けの四種類の方法がありますが、今回は塩漬けと塩水漬けの二種類の作り方を紹介します。

浸ける時間は必要ですが思ったよりも簡単に作れます。お粥の味付けに使ったり、炒め物の具として使ったりと、日本でもいろいろと応用が利く料理です。ぜひお試しください。ちなみに医学書である「本草綱目」にも子供の下痢を治す薬として記載されています。

できた『鹹蛋』は『鹹蛋蒸肉』や『肉粽』など、いろいろな料理に使えます。ゴーヤチャンプルーの卵代わりに『鹹蛋』を使っても美味しく作れるのでお試しください。卵黄だけをお粥に乗せて食べてもおいしいですよ。



難易度:


調理時間:
一瞬+熟成

SATAY AYAM│サテ・アヤム(マレーシアの焼き鳥)

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シンガポール、マレーシアの旅から帰ってきた甘口男です。

本日から数回、趣向を変えまして、シンガポールとマレーシアの有名料理のレシピを紹介したいと思います。出発前にシンガポールを訪れたことのある台湾の友人たちから「シンガポールに行くならこれを食べろ、あれを食べろ」と口うるさく言われており、食べたらその通り美味しく感動しました。

シンガポールとマレーシアの料理は、(両国には多くの華人がいるので当然なのですが)根底に中華料理の基本思想を受け継ぎながらも独特の発展を遂げており、日本料理とはまた違った独自の良さがあります。このブログの読者で中華料理ファンの方もそうでない方も、作ってみれば多くの発見に満ちたレシピに感動されることでしょう。ぜひとも挑戦していただきたいと思います。

それでは番外編、「日本で作れるシンガポール・マレーシア料理」の始まりです!



初回に登場するのはマレーシアの串料理である『SATAY AYAM』、いわゆる焼き鳥です。「SATAY」は串料理、「AYAM」が鶏肉を意味します。牛肉で作れば『SATAY DAGING』、豚で作れば『SATAY BABI』となります。(マレー語すこし覚えちゃいました…)名前を聞いてピンとこられた方は台湾料理通!そう、SATAYとは台湾庶民の味である『沙茶醬、沙嗲醬│台湾サテソース』の「サテ」のことなのです。台湾版サテソースの説明にもあるとおり、マレーシアのオリジナルサテソースはピーナッツを使った甘いもので、台湾の塩辛いサテソースとはまた違った独自の良さがあります。

SATAY(サテ)とはマレーシアの串料理を指し、この料理に使うソースに中華圏では漢字を当てて沙茶醤、沙嗲醤などと書かれます。調べてみたところ「SATAY」のもともとの語源が福建語のようで、中国語→マレー語→中国語と奇妙な変遷を経た単語のようで驚きました。

もともとこのような串料理は中東の「ケバブ」がアラブ人を通じてマレー半島を下り、シンガポールまで伝わってきたもので、この料理を中国南部、福建省の華人たちがアレンジし、マレー半島全域で人気を博したのが100年ほど前の話。一本の串に肉の塊を三個通して焼き上げた料理はマレー半島の華人たちにその形態から「三塊」と表記され、福建語で「Sar Tae(サテー) 」と読みました。これが現在マレー半島全土で食べられる人気料理、「サテ」の由来です。ちなみに福建系の台湾語でも「三塊」はサテーと発音します。

この料理に使うピーナッツベースのソースをサテソースと呼び、特に台湾のものは原形を留めないほど変化してさまざまな料理に使われています。台湾の友人たちとサテソースを使った料理を食べる時はこの手のうんちくを語ってみてはいかがでしょうか?マレーシアならどこでも、シンガポールなら「老巴剎沙哆街」や「Satay Power」などのものが有名です(場所は後記)。

南国料理らしく本来は少し変わった材料を使いますが、一部日本でも手に入る類似の材料に変更しています。本来使う材料も併記してありますので、手に入れば使ってください。

異国情緒あふれるちょっと変わった焼き鳥の「サテ・アヤム」。それではレシピいってみましょう。 ソースと肉の処理部分の二段レシピです。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内 + 熟成

風通薬酒│風通薬酒

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たまにはこんなマニアックな料理のレシピはいかがでしょうか?筆者こだわりの薬種シリーズでその名も『風通薬酒』。

「経絡を通し、寒を散らし、痛みを止め、四肢の麻痺、風湿による麻痺を鎮め、筋骨の痛みをとり、腰膝に力を与え、古傷を癒す」とまぁ小難しい効能のある薬酒です。大陸の方の漢方薬局では、お年寄り向けにこういう薬酒を裏メニューとして量り売りしていたりしますが、観光客はまず取り合ってもらえません。台湾の漢方薬局でも薬酒を販売しているところはありますが、これまた観光客にはまず縁のないローカルな習慣なので、興味があっても探し出すことすら難しいでしょう。

というわけで自分で作ってしまいましょう。日本でも漢方薬局に問い合わせれば材料は全て手に入ります。薬酒作りを趣味にするのもいいかもしれませんね。

筆者も台湾の友人向けに先日薬酒を作成しました。現在熟成中ですが、出来上がったら製作過程も含めて紹介したいと思います。


難易度:
☆☆☆(材料入手による)

調理時間:
1時間以内+熟成

酒醉排骨│酒酔いばら肉煮込み

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本日はちょっと換わった作り方をする絶品上海料理『酒醉排骨』の紹介です。一度煮込んだバラ肉に酒をまとわせてつくる料理で、使うお酒の種類によりさまざまな風味を楽しめます。

上海は古くから物流の中心であったため、周辺地域の新鮮な食材を使った料理が特徴です。また、別の地域の料理人が別の地域の食材をアレンジして調理するというスタイルも特徴で、常に新しい料理が生まれ続けているのが面白い地域です。特に20世紀に入ってからさまざまな新料理が開発され世界中に広まりました。一昨日紹介した『香蕉海鮮卷』なども上海の料理の一つです。同じような調理法で作る『酒醉田螺│酒酔いタニシ』という料理もあるのですが、まぁ、食べたい人がいればレシピを紹介します(笑)。

ある地域の一流料理人が、見たことの無い食材を一流の腕前とアイディアで調理するという料理の鉄人のような場面が日常的に行われているのでしょう。珍しい食材の組み合わせや、あっと驚く調理法が楽しめる料理です。台湾市内にもいろいろな上海料理の店があるので、興味のある方は旅行時に訪れてみると良いでしょう。

本来は紹興酒や老酒を使って作る料理ですが、日本酒や焼酎で作るのもアリでしょう。お酒のアテにも最適な大人向けの料理です。


写真は衣をつけてあげた肉に酒の香りをつけたもの
(レシピの調理法とは異なります)

難易度:
☆☆

調理時間:
3時間

楊桃湯│スターフルーツジュース

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台湾の街角で売られている『楊桃湯』 を紹介します。湯とかかれていはいますが冷やして飲まれることの多いトロピカルなフルーツジュースです。楊桃とは断面が星の形をしたスターフルーツという果実のことで、台湾の果実店でもそのまま売られています。日本ではほとんど見かけることのなりトロピカルフルーツの一種です。和名を「五斂子│ごれんし」と呼ぶのですが、英名のスターフルーツと呼ぶのが一般的です。

筆者も以前風邪を引いたときに、友人に飲まされたことがあります。ジュースとはいえ、日本ではほとんど飲むことのない、塩気の利いた甘い味はかなり好みが分かれると思います。興味のある方は台湾旅行時に一度試しに飲んでみてください。砕いた氷入りのもの、温かいもの、熱々のものなど選んで注文できます。またジュースの中に果肉が1-2切れ入っているので、ジュースを飲み終わった後は果肉を食べます。

中華料理ではこのスターフルーツをスープに入れたり、サラダに入れたりして使うこともありますが、台湾ではそのまま果物として食べるか、この『楊桃湯』として飲むのが普通です。果肉に高濃度のシュウ酸を含むので、腎機能不全者は果肉を食べるのを控えてください。

『楊桃湯』の作り方は結構複雑で複数の工程を経て、長時間熟成させて作ります。台湾で一度飲んでみて興味がある方は作ってみるとよいでしょう。声のかすれや喉の痛みなどに効くといわれています。



難易度:
☆☆

調理時間:
数日~熟成

自製XO醬│自家製XO醤

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本日はなんと『XO醬』の簡易レシピの紹介です。さまざまな味のものが市販されており、いいものは脳がしびれてしまうほどの旨みを誇りますが、本日はなるべく簡易な手順で日本の家庭でも作れるようにアレンジしたXO醤の作り方を紹介します。

簡易版とはいえ材料はかなり本格的ですので、日本の市販のXO醤以上のものは作れると思います。本場の高級XO醤を買うよりは安く済むはずです。

今まで紹介した『XO醤』を使ったレシピは以下の通りです。参考にしてください。
XO醬炒麵』、『XO醬炒飯』、『XO醬拌胡瓜』、『XO醬拌四季豆』、『XO醬炒蘆筍』、『麻婆豆腐』、『青椒牛肉絲』、『老皮嫩肉』、『乾燒大蝦』(他にもあると思いますが、ひとまずこれだけ。)

干し貝柱はなかなか高価ですが、それだけおいしいものができます。腕に自信のある方は挑戦してみましょう。



難易度:
☆☆

調理時間:
1時間以内

台式泡菜│台湾式浅漬け

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台式泡菜│台湾式浅漬け

台湾の多くの飲食店にはビュッフェ形式で食べられる「小菜」と呼ばれる小皿料理があります。注文した商品が出てくる前のつなぎや、ちょっとだけ別の味を楽しみたい時などに好きな皿を取って食べます。材料は種類が豊富で、居酒屋の付け出しや料亭の小鉢料理のように食卓に彩を与えてくれます。

野菜を使ったものが多いですが、肉、麺、海鮮類などを使ったものもあります。「冷拌」と呼ばれる調理済みの食材を冷性のソースと絡めた形式のものが多く、保存のため冷蔵庫に入っていることもあります。

ちなみに台湾と大陸ではこの「小菜」の意味がすこし異なり、台湾では注文した商品が出てくる前にちょこっと食べる小皿料理の意味ですが、大陸では2-4人が食べられるちょっとしたおかずを意味します。また、韓国料理で小皿でてくる大量のおかず類も小菜と呼ばれます。

牛肉麺の店には麺の上に乗せて一緒に食べられる小菜が、お粥の店では粥の具として使える小菜が提供されていることもあり、一品だけ注文した料理でもさまざまな味を楽しむことができるのです。料理をする家庭でも保存の利く便利な野菜料理として作られ、料理好きな人の家の冷蔵庫にはタッパーに入った小菜がずらりと入っていることも。


小皿の上の小さな食文化、台湾の小菜料理のレシピも時々紹介することにしましょう。今日は『台式泡菜│台湾浅漬け』です。大体どこのお店でも食べられる小菜の基本中の基本で、日本の浅漬けのように非常に簡単に作れますのでぜひお楽しみください。



難易度:


調理時間:
1時間以内

材料:
キャベツ ……… 1/4個
人参 ……… 30g
生唐辛子 ……… 1/4本

調味料:
酢 ……… 50cc
水 ……… 100cc
塩 ……… 少々
ごま油 ……… 小さじ1


作り方:
 1.キャベツはよく洗い、ぶつ切りにする。少量の塩(分量外)で軽くもんで5-10分ほど放置し、水気をよく切っておく。

2.人参は皮を剥いて薄切りにし沸騰したお湯にくぐらせて火を通す。生唐辛子は薄切りにする。

3.全ての調味料をよく混ぜ合わせドレッシングを作る。

4.全ての材料をビニール袋に入れ、ドレッシングと共に振ってよく混ぜ合わせる。そのまま20-30分ほど放置し、食べる前に取り出して水気を軽く絞ったら完成。


Point:
ドレッシングに少量の砂糖を加えることもあります。お好みでどうぞ。

新鮮な人参なら、茹でなくても作れます。

塩で水を抜く時間を3時間ほどに延ばし、ドレッシングに浸けて冷蔵庫に5日ほど放置すれば、超本格『台式泡菜』になります。

しばらく浸けてすぐ食べるならボウルでもつけられますが、大量に浸けたり数日放置する場合はビニール袋やガラス瓶を使いましょう。ガラス瓶を使うときは瓶の口にラップを貼って密閉してください。

酢を増量したり、皮を剥いたニンニクを数個一緒に入れておいたり、少量の醤油を加えたりと好みの味を作りながら探してください。また少量の鰹節や煮干を入れるとほんのりとだしが効きます。





薬酒:周公百歲酒│周公百歳酒

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薬酒:周公百歲酒│周公百歳酒

本日は薬酒のレシピです。ご存知のように台湾では、日本以上に市内いたる所に漢方薬局があります。今回はその漢方薬局で瓶ごと買うことができる薬酒の紹介です。日本だと養命酒が有名すぎて他の薬酒の名前を聞くことは少ないのですが、台湾では多くの種類の薬酒を買うことができます。

ちなみにかの養命酒は「酒」と「医薬品」の両方のカテゴリーに登録されており、中身はまったく一緒なのですが、値段とパッケージが違います。「酒」の方は酒税がかかっている分値段が高く、酒店、スーパーなどでも買えます。「医薬品」の方は酒税分だけ安く、添付文章なる説明書が同封されているのと効能効果が明記されており、薬局でしか買えません。値段と箱と同封物が違うだけで、中身はまったく同じですので、好きなほうを買ってください。いやぁ、勉強になりますね(笑)。

最近は台湾でも養命酒の販売が本格的に始まりました。テレビでも結構な数の広告を打っているので、今後の売り上げがどうなるのか楽しみです。

市内各所にある廟での祭りの際などは、有志らが高級な薬酒を注文し参拝者に振舞うことがあります。漢方薬局によっては店先に薬酒のビンを飾っていることもあるので、注意して街を歩くと多くの薬酒を見つけることができます。20リットル以上の巨大な瓶で数年以上浸けた超高級薬酒になると一瓶10万元以上で売られていることがあります。

地元の名士や見栄っ張りなおじさんが、高価な薬酒を奮発して買ったはいいが、誰も飲まず、名前すら忘れ去られ、台所の角に放置されている…。十数年後蓋を開けてみれば見事に熟成された超高級薬種が完成しており、一口飲めばすばらしい味と効果にびっくり!あなたの友人宅にもそんな名薬酒が眠っているかもしれません。台湾の家庭を訪ねる機会があればご主人に聞いてみて、あれば一口飲ませてもらいましょう。

上手に浸けた薬酒はそのまま飲むだけでなく、他の料理にも使えます。料理酒の代わりに使うだけで芳醇な香りとコクを料理に与えることができるので、一つ自宅でも作っておくとよいかもしれません。

さて、前置きが長くなりましたが、本日紹介するのは『周公百歲酒(しゅうこうひゃくさいしゅ)』。名前の通り周公が百歳まで飲んだ酒という意味です。中国の歴史上名君とされる人物は数多いですが、最も古い時代の名君の一人である東周の周公が三代にわたって飲用し、全員が100歳を超えるまで生きたという、近代文学(1840年代の「歸田瑣記」という書籍)に登場する薬酒です。実際に3000年前にこのお酒があったかどうかはまったく確かではないので、鵜呑みにしないようにしましょう。

配合されている薬剤は『十全大補湯』や『八珍湯』などとある程度共通しており、非常にバランスの取れた全方位対応型の薬酒です。配合されている材料があまりに完璧で「百酒の長」との別名をもち、薬酒の中の薬酒として非常に有名です。台湾各地の漢方薬局で酒の量と飲む日時を伝えれば、材料を浸けた瓶入りの薬酒を手に入れることが出来ます。結構な値段しますけど。

材料さえあれば作るのは非常に簡単で、日本でもお酒だけ準備すれば作れます。お酒に成分が染み出し、飲めるようになるまで2ヶ月ほどかかりますが、他の薬酒を作るのも同じくらいかかるので出来上がりを期待してじっくり待ちましょう。

周公のように100歳まで生きたい方は毎日チビチビと飲むといいかもしれません。


台湾には家庭で飲むための多くの薬酒レシピがあり、生活・文化と密接に関連しています。少しずつ紹介していきますので、時々お付き合いください。

各種材料の説明は難しすぎるので省きます。興味のある方はグーグルで検索して自分で調べてみましょう。

材料はサイトでそのうち販売予定です。



難易度:
☆☆☆(材料入手難度による)

調理時間:
30分以内+2ヶ月(熟成)

材料:
黄蓍 ……… 12g
熟地黄 ……… 8g
生地黄 ……… 8g
亀板 ……… 8g

川芎 ……… 6g
麦門冬 ……… 6g
白朮 ……… 6g
防風 ……… 6g
羌活 ……… 6g
茯神 ……… 6g
山薬 ……… 6g
枸杞 ……… 6g
当帰 ……… 6g
芍薬 ……… 6g

陳皮 ……… 4g
五味子 ……… 4g
肉桂 ……… 4g
高麗人参 ……… 4g

材料2:(好みで加える)
山茱萸 ……… 4g
大棗 ……… 100g

調味料:
氷砂糖 ……… 200g
 (全量を蜂蜜に代えてもよい)
蜂蜜 ……… 100g
ホワイトリカー ……… 1500-1800cc


作り方:
1.材料を水でよく洗い、雑物を取り除く。大きな材料は砕いておく。

2.ホワイトリカーに材料を全て浸け込み、蓋をして暗所で20日放置する。数日に一度蓋を開け軽くかき混ぜる。

3.20日経ったら蜂蜜、氷砂糖を加える。数日に一度蓋を開け軽くかき混ぜる。更に20日ほど放置して完成。



Point:
出来上がった薬酒を一回10-20ccずつ一日1-2回飲みます。

砂糖、蜂蜜などの甘味料を最初から加えると、浸透圧の関係で材料の成分が染み出しにくくなるので、ある程度成分が染み出してから加えます。

2ヶ月待たずとも飲むことはできますが、1ヶ月以上待つと味がまろやかになり、非常に飲みやすくなります。

より大量を浸ける場合は材料を倍倍してください。

ガラス瓶ではなく陶製の壷に入れ、出来上がるまで土中に埋めておくのが正しい作り方ですが、そこまで本格的に作る必要はないと思います。

 
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