北平雞│北京チキン

難易度: 調理時間:数日
『北京ダック』には味は及びませんが、家庭でも作れる『北平雞│北京チキン』のレシピを紹介します。調理時間の大半は鶏を乾燥させる時間なので、実際にはそんなに手間はかかりません。鶏の中に材料を詰めてオーブンで焼いて作ります。

北平とは中華民国における北京の公称です。中華民国は首都を南京に定めているため、北にも京都があってはおかしいと、北京の古くからの名称である北平を北京の公称に定めています。

中華民国の政府機能が台湾に移ってからの首都は台北…と言いたいところですが、実際にははっきりと"明文化されていません"。

もともと中華民国大陸時代の1931年に制定された 中華民國訓政時期約法という法律に「中華民國國都定於南京」という首都を定める一文があったのですが、この法律は1946年の中華民国憲法施行後に廃止されています。ではその憲法に首都を定める一文があるかといえば…。

当時憲法を制定するに当たって党内で南京にするか北京にするかという熾烈な論争が巻き起こりました。一度は北京に決まりかけるのですが、南京派は主張を譲らず、たかが首都とはいえ党が二分する危険もありました。蔣介石はひとまずこの問題を棚上げし、憲法に首都を明記しない方針を固めま、首都を定める一文が抜け落ちたまま中華民国憲法が成立しました。(実際の中央政府は南京に置かれています。)

同時期、国共内戦はますます苛烈さを増し、南京も1949年に陥落、国民党軍は1949年の12月に台北へ移転します。あくまで臨時首都扱いの台北は、捲土重来を期す国民党軍にとっての仮の住まいでしたが、その後東西冷戦構造に飲み込まれた中華民国は大陸に反攻することが出来なくなり、首都に関する規定がなされないまま台湾に居続けることとなってしまいました。

近年の台湾の歴史や地理の教科書ではどうなっているかというと、「中華人民共和国の中央政府は台北にある」という曖昧な表現となっています。少なくとも国民党の支持者が多数いるような状況では、首都が明文化されない状態が続きそうです。

ちなみに…、「台湾の首都ってどこ?」 という質問を台湾人に投げかけると、間接的に国民党支持か民進党支持かをだいたい判別できます。

[材料1]
鶏肉 ……… 丸ごと1匹

[材料2]
ネギ ……… 100g
ショウガ ……… 10g
蜂蜜 ……… 大さじ6

[材料3]
黒キクラゲ ……… 100g
豚肉 ……… 200g
ネギ ……… 30g
タケノコ ……… 200g

[材料4]
キュウリ ……… 2本
ネギ ……… 50g

[調味料1]
ラード ……… 大さじ1
酒 ……… 大さじ1
醤油 ……… 大さじ2

[調味料2]
テンメンジャン ……… 適量
パセリ ……… 適量

[作り方]
1.鶏肉をよく洗ってハンガーにかけ、直射日光に当てて2日ほど乾かす。夜間は冷蔵庫で保存する。

2.鍋に適量の水とすべての材料2を加え、加熱して沸騰させる。作り方1の鶏肉を入れて、30秒ほど強火で茹でる。鶏肉を茹でたら取り出して常温まで冷ます。鶏肉を茹でてから取り出して常温に冷ますことを3回繰り返す。最後にハンガーにかけて2-3時間天日干しして乾燥させておく。

3.材料3のタケノコを下処理し、その他の材料3と合わせて千切りにする。熱したフライパンに調味料1のラードをひいて溶かし、すべての材料3を炒めて火を通す。続いて酒、醤油を加えて味を整え、作り方2の鶏肉の体内に入れて口を楊枝などで閉じておく。

4.270度に熱したオーブンに、天板に乗せた鶏肉を入れて表面がきつね色になるまで20分ほど焼き上げる。表面がこげるようならホイルをかぶせる。

5.材料4のキュウリとネギを細かく千切りにして器に盛り付け、調味料2を混ぜ合わせたものを添えてソースにする。作り方4の鶏肉が焼けたら器に乗せ、胸側を包丁で切り開いて完成。

Point!
具と鶏肉の表面には火を通してあるので、鶏ももなど肉厚の部分に火が通ればオーブンから取り出してかまいません。竹串などを刺して確認し、表面が好みの色味になったら取り出しましょう。


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