難易度:☆ 調理時間:3時間
中華米料理シリーズ。台湾の米料理といえばこれを紹介しないわけには行きません。『麻糍│ もち』のレシピを紹介します。色々な作り方があるのでまとめていくつか紹介しちゃいます。
『麻糍』は日本語の「もち」に漢字を当てたもので、台湾語で「Moa-Chi」などのように発音します。『麻糬(発音同じ)』などとも書かれます。
我々日本人が日常的に食べる杵と臼で搗いたいわゆる「搗き餅」は、実は世界的にみてもかなりの少数派。というか日本と台湾(および客家のすむ福建、広東省の一部など)くらいでしか食べられません。その他大多数の地域では「搗き餅」ではなく、もち性を持つ穀物の粉に熱湯を注いで作る「練り餅」を食べます。
台湾の搗き餅は大きく二系統に分けられます。一つはもちろん日本人が伝えた『もち』で、もう一つは客家に伝わる『糍粑(もち)』です。日本で餅の製作が始まったのは古墳時代(7世紀ごろ)といわれているのですが、このころ中国にあった王朝は唐。杵と臼で搗く『もち』は遣唐使により唐から伝わったという学説もあります。客家は唐王朝の生き残りとも言われるので、唐から伝わった日本の『もち』と、唐王朝の末裔である客家の『糍粑(もち)』が台湾に同居している(かもしれない)というのは不思議な話です。
「搗き餅」、「練り餅」の別に関わらずどの地域でも『もち』はハレの日に食される縁起物。もちろん台湾でも年越しや成人の祝い、そして各種お祭りで食べられます。台北市内にもいくつか有名な餅の専門店があるので、旅行時に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?日本のものとほとんど変わらない見た目と味に驚かれることでしょう。
[材料]
もち米 ……… 600g
[調味料]
きな粉 ……… 適量
砂糖 ……… 適量
[作り方1](近代的手法)
1.もち米を使って「粿粉團」を作る。作り方はこちら。
2.「粿粉團」を直径4-5cmほどの球形に成形し、沸騰したお湯に入れて中火で15分ほど茹でて火を通す。
3.作り方2で火を通した生地を、杵で20分ほど搗いて粘りを出す。
4.生地を適当な大きさにちぎり取り、きな粉と砂糖を混ぜ合わせたものをまぶして完成。
[作り方2](一昔前の手法)
1.もち米を使って「水磨粉」を作る。作り方はこちら。
2.「水磨粉」をガーゼなどを引いた蒸篭に移し、強火で40分ほど蒸して火を通す。
3.作り方2で火を通した生地を、杵で20分ほど搗いて粘りを出す。
4.生地を適当な大きさにちぎり取り、きな粉と砂糖を混ぜ合わせたものをまぶして完成。
[作り方3](古代の手法)糍粑
1.もち米ををガーゼなどを引いた蒸篭に移し、強火で40分ほど蒸して火を通す。
3.作り方1で火を通した生地を、杵で20分ほど搗いて粘りを出す。
4.生地を適当な大きさにちぎり取り、きな粉と砂糖を混ぜ合わせたものをまぶして完成。
Point!
製法が新しくなるほど、同じもち米を使っても粘りが増します。また同じ米と作り方で作っても湿度や気温で完成品にも若干の差が出ます。実際に食べるときは『麻糍』の完成度よりもきな粉などの調味料の方が味の違いとなって現れますので、それほど気にする必要はありません。
日本の『餅』は基本的に作り方3です。
台湾では『きな粉餅』のほか、ゴマと海苔をまぶしたもの、でんぶ(肉鬆)をまぶしたものなど、様々な味付けのものが食べられます。
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