火腿蚕豆│ソラマメとハムのあんかけ

難易度:☆ 調理時間:30分以内
浙江省の家庭料理『火腿蚕豆│ソラマメとハムのあんかけ』のレシピを紹介します。ソラマメとハムを中華スープで煮込んであんかけにした料理で、日本でも簡単に再現できます。

ソラマメは中国語で「蚕豆」と呼びます。日本ではサヤが空に向かって実るため「ソラマメ」と呼ばれ、中国では形が蚕に似ているため「蚕豆」と呼ばれます。

中国には非常に古くから伝わったマメで、なんと紀元前3000年にはすでに食用にされていた記録が残っているそうです。 日本にはインドの仏僧を通じて8世紀に伝わりました。古代とはいえ海峡を挟んだ地域で4000年近く伝来に差がある食材は非常に希です。日本にはソラマメよりもダイズの方が先に伝来(一説によると縄文時代)していたため、ダイズを発行させた「味噌」食文化が発達しました。中国でも紀元前4000年頃から大豆の栽培の痕跡は残っているそうですが、ソラマメが伝来した後マメといえばソラマメを指すようになり、これを発酵させた「豆板醤」食文化が発達しました。

もし古代日本にソラマメが伝わっていると、今我々が食べている味噌はソラマメで作られたものだったかもしれません。

またアジアではほとんど心配の必要はないのですが、ヨーロッパから中央アジアにかけて特定の酵素の欠損による「ソラマメ中毒」を起こす人がいます。人によっては花粉を吸っただけで致命的な中毒を引き起こす場合があるそうで、時代によっては教会や貴族によって食用が禁止されたこともありました。この酵素欠損症は人類全体における酵素欠損の中でも最大のもので、研究によると現在4億人の人がこの酵素を欠損しているとか。最大の人口密集エリアであるアジアにはこの酵素欠損を持つ人はほとんどいないので、ヨーロッパあたりでは結構な割合でソラマメ中毒を引き起こす人がいることになります。この酵素を欠損する人はマラリアに耐性があるそうで、古くからヨーロッパがいかにマラリアに悩まされてきたかを示す自然淘汰の証左ともなっています。西洋の友人がいたらソラマメを食べられるかどうか確認した方が良さそうです。


ちなみにかの有名な数学者ピタゴラスもこの遺伝子を欠損しており、逃亡中に目の前に広がるソラマメ畑に逃げ込めなかったため命を失うことになったとも言われています。


[材料]
ソラマメ ……… 300g
ハム ……… 75g
中華スープ ……… 300cc

[調味料]
塩 ……… 少々
砂糖 ………大さじ1/2
味の素 ……… 少々
酒 ……… 小さじ1/2
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1

[作り方]
1.ソラマメの下処理をした後、沸騰したお湯で茹でて火を通し、冷水に浸けて冷ましておく。ハムは細かく千切りにする。

2.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)を加え、中火で軽く焦げ目が付くまで10分ほど炒める。続いてハムを加えて混ぜ合わせたら、中華スープと塩、砂糖、味の素、酒を加えて味を整える。そのまま加熱して沸騰したら火を止め、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。

Point!
中華スープの塩加減によって加える塩や味の素の量を調節してください。

最後に刻んだネギを加えてもよいでしょう。

本場では最後に「鶏油」や「ラード」を振りかけます。手元にある方はお試しください。

お酒のおつまみになっている揚げたソラマメをフライパンでハムと一緒に炒めても美味です。

ハムの代わりに千切りにした豚肉や牛肉を使っても作れます。


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