難易度:☆ 調理時間:2時間
福建の老ホテル「聚春園」の名物料理といわれる『軟蟳粥│福建風カニ雑炊』のレシピを紹介します。カニ肉ともち米を中華スープで煮込んで作ります。
簡単に福建料理についておさらいしておきましょう。
福建料理は中国八大菜系の一つで、歴史的には大きく福州菜と廈門菜の二つに大別されます。このうち福州菜は現代に到るまで更に福州、閩南、閩西などいくつかの細かな流派に分かれました。小分類の福州菜は台湾へも多くの移民を送り出した泉州を中心とした地域の料理で、薄味爽快、新鮮、酸味や甘味を中心とした味付け、また紅麹を使った料理が特徴です。多くの魚介料理の他、スープ料理にも定評があります。閩南菜はこれまた台湾へ多くの移民を送り出した漳州一帯の料理で、酸味と辛味を中心とした味付け、また食材のうま味を引き出すような調理方法が特徴です。閩西菜は福建長汀地域から西南一帯の料理で、塩辛く辛めの味付け、また山の幸を多用したちょっと奇抜で独特な料理が多くあります。廈門菜は福州菜と同じような菜系ですが、それに加えて小皿に乗った小菜、野菜だけを使った素食、そして薬膳が多い点が異なります。
これらのうち福州菜と閩南菜は台湾料理に深い影響を与えており、食べ比べると「なるほど!」と思える多くの発見をすることができます。
いままで何度もこのブログで書いていますが、「台湾料理」→「福建料理」/「(台湾)客家料理」→「(広東)潮州料理」という料理の歴史を遡るグルメ旅行は本当におすすめです。ただのツアーでは絶対に行かない、日本では決して体験できない、そしてすべて台北市内で完了するHigeneおすすめのグルメツアー、ぜひご自身で計画を立てて色々なレストランを巡ってみてください。
それでは福建の名菜『軟蟳粥』をお楽しみください。ちなみに台湾でも食べられます。
[材料]
カニ ……… 1匹
もち米 ……… 200g(2合)
豚肉 ……… 100g
干しエビ ……… 50g
シイタケ ……… 5個
[調味料]
醤油 ……… 適量
胡椒 ……… 少々
味の素 ……… 少々
中華スープ ……… 1000cc
[作り方]
1.もち米をよく洗い、水に1時間浸しておく。豚肉、干しエビ、シイタケは米粒と同じ大きさになるようにみじん切りにしておく。カニを良く洗っておく。
2.もち米の水気を切り、蒸し器で40分蒸して火を通す。同時に蒸し器の別の層でカニを蒸し、火を通しておく。カニに火が通ったら荒熱が取れてから殻を割り、カニ肉を取り出しておく。もし卵があれば別に分けて米粒ほどの大きさにほぐしておく。
3.熱した鍋に大さじ4のサラダ油をひき、豚肉、干しエビ、シイタケを炒めて香りを出す。続いて作り方2で火を通したもち米を加えて混ぜ合わせたら、中華スープを加えて中火でもち米が好みの柔らかさになるまで煮込む。最後に醤油、味の素、胡椒で味を調えたら器に盛り付け、上にカニ肉と卵を乗せて完成。
Point!
もち米は一度蒸して火を通しているので、好みの軟らかさになったところで煮込むのを辞めてください。ただし他の材料と混ざり合わないといけないので、米粒が溶けてしまわない程度にしましょう。
中華スープの味によって醤油や味の素の量が変わります。適当に調節してください。
簡単に作るならカニ蒲鉾などを使って作ると良いでしょう。野菜はシイタケ以外加えないのがポイントです。
写真のようにカニの殻を飾りに盛り付けても良いですね!食べにくくなるだけですけど(笑)。
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