難易度:☆ 調理時間:半日
シンプルイズベスト!鶏肉、酒、塩、ショウガのみで作る『清燉子雞│中華風チキンまるごとスープ』のレシピを紹介します。鶏肉の旨味を存分に味わえるシンプルな料理です。調理時間にも注目です(笑)。
鶏は紀元前6世紀の古代バビロニアの書物に食料として記載されているほど、古い食用肉としての歴史があります。中国でも明代あたりから王侯貴族や有力地主などに普通の食事として食べられるようになりますが、それまでは肉食自体が一般的ではありませんでした。鶏肉も豚肉もそうですが、古代中国では肉はお金持ちの病人が食べる薬として扱われていたほどです。もちろん皇帝貴族は毎日のように色々な肉類を食べていたそうですが…。
近代に入るまでヨーロッパやアメリカなどの西洋諸国でも、鶏肉はそれほど一般的な食材ではありませんでした。これが爆発的に普及するのは第二次世界大戦時に牛・豚肉が不足してからです。近代的養殖手法が確立してから一気に普及しましたが、それ以前は年に一度のお祭りで七面鳥を食べるくらいだったようです。洋の東西を問わず、わずか数十年で食生活が一気に変わったようで、それに伴って様々な新しい鶏肉料理が生まれました。
中華、和食、西洋料理…、今我々が食べているほとんどの鶏肉料理は100年前には存在すらしていなかったことを考えると不思議な感覚に陥りませんか?100年後の人々はどんな料理を食べているのでしょうか。宇宙時代を見据えて虫食の研究も進んでいるようですので、100年後には見た事のない和食や中華が食卓に並んでいるかも知れませんね。
写真は黒木耳が入っています。
[材料]
若鶏肉 ……… 1匹分
ショウガ ……… 5g
紹興酒 ……… 大さじ1
[調味料]
塩 ……… 大さじ1/2
[作り方]
1.きれいに洗った若鶏肉の上から沸騰したお湯をかけ、表面に軽く火を通す。若鶏肉を土鍋に入れ、沸騰したお湯を八分目まで注ぎ、土鍋に蓋をしてお湯を張った普通の鍋の上に乗せる(→Point参照)。
2.1時間ほど中火で加熱したら土鍋のふたを開けてアクを取り除き、ショウガ、紹興酒を加えて蓋をし、更に2-3時間加熱する(→Point参照)。
3.鶏肉に火が通ったら土鍋を外し、塩を加えて味を調えたら完成。
Point!
土鍋の底がすっぽりはまるくらいの鍋が理想的です。鍋の水面は土鍋の底から2cmほど離れるくらいにし、土鍋と鍋の間には楊枝などを挟んで蒸気を逃がす口を作っておきます。土鍋が丸ごと入る蒸し器や大型の鍋を用意できるならそれを使ってもかまいません。無理ならごく弱火で沸騰させないようにじっくり土鍋を過熱しましょう。
隔火で加熱しているので、加熱しすぎて鶏肉が固くなる事はありません。お客さんが来るまで4時間でも5時間でも加熱を続けましょう。普通の鍋の中の水は適宜足してください。
材料も調理も簡単なものですが、鶏肉の旨味を引き出すためにとても時間がかかります。朝から仕込んで夕方食べるくらいの覚悟で挑戦してください。
野菜がほしい方はまずヤマイモを加えるのをお勧めします。蓮の実や薏苡仁などの炭水化物系の野菜や、木耳などの茸がおすすめです。
『清燉子雞』は実は薬膳料理のベースとして活躍します。田七、枸杞、大棗、杜仲など様々な生薬を単品加えてみることから始めましょう。慣れてきたら生薬を組み合わせてオリジナルの薬膳料理に挑戦です。
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