炸芋棗│タロイモ揚げ団子

難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の宴席料理『炸芋棗│タロイモ揚げ団子』のレシピを紹介します。台湾ではお菓子としても食べられる伝統的な料理で、タロイモ(またはサトイモ)で餡を包んでサクサクに揚げて作ります。

地域によっては『炸芋角』などとも呼ばれる料理で、台湾をはじめ中国南部地域で広く食べられます。タロイモは大きな芋の周辺に小さな子芋が連なって収穫されることから、子孫繁栄や家族の賑やかさを象徴する食べ物とされ、この『炸芋棗』も古くは結婚式で食べられる代表的な宴席料理でした。また母芋と子芋が連なることから母親の愛情の象徴ともされました。

タロイモは農暦の八月から中秋のあたりに収穫の最盛期を迎えます。福建省や台湾には「七月半鴨、八月半芋」という食に関する諺もあり、古くから八月のタロイモが最もおいしいと言われています。

明清時代に台湾に渡ってきた台湾の漢人は、福建省や広東省に残る古くからの風習を少しずつアレンジしながら現代に伝えています。「八月にタロイモを食べる」という風習はもともと閩南地方の風習で、台湾にも当初はそのままの風習が伝えられました。台湾の漢人らは福建省と違い慢性的な倭寇の襲撃に悩まされていました。そこで米以外の兵糧食が発達することとなり、中でも熱量の高いタロイモが特に重要視されました。これにより台湾ではタロイモに吉祥以外の意味、「団結」「活力」「闘争」などの寓意が加えられることとなったのです。

さらに!台湾の原住民の一部にはタロイモを船に見立て、大漁の願掛けを行う部族がありました。しかも中国語では「芋(Yu4)」と「魚(Yu2)」の発音が似ているため、台湾の漁民らはタロイモに漁の安全や豊漁の願いを込める事にもなりました。

こうしてタロイモに様々な寓意が加えられるに伴ってタロイモの消費量はますます増え、様々な調理方法や味付けが生まれました。台湾は中華料理の世界でも特にタロイモ料理が発達した地域といわれています。タロイモは台湾料理を代表する食材の一つですので、旅行に来たら様々なタロイモ料理を楽しんでみてください。

タロイモ料理の多くはサトイモで代用できます。



[材料]
タロイモ ……… 600g(皮を剥いた重量)
 (なければサトイモで代用する)
片栗粉 ……… 大さじ3
小豆餡 ……… 適量

[作り方]
1.タロイモの皮を向き、適当な大きさに切って蒸し器にかける。火が通ったらボウルなどにいれ、片栗粉と混ぜ合わせながら潰して生地を作る。

2.小豆餡を2cmほどの球状に整形しておく。

3.作り方1の生地を適当な大きさに等分し、作り方2の餡を包んで手のひらで卵形に成形し皿に並べておく。

4.手のひらに少量の水をつけて作り方3の芋の生地を成形し、表面に少量の片栗粉(分量外)をまぶす。140度に熱した油で表面がサクサクになるまで揚げたら取り出して油を切って完成。

Point!
最後に片栗粉をまぶさずに揚げるとタロイモの生地に細かい穴がたくさん開いた網状の『蜂巣炸芋角』になります。同じように作れますが、崩れやすいので注意しましょう。

中の餡は小豆餡以外にも、『鹹蛋』、豚ひき肉など様々なものが使われます。砂糖で甘く味付けしたり、塩をきかせたりと味付けも様々です。


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