難易度:☆ 調理時間:30分以内
久しぶりに「中餐丙級證照」シリーズの更新です。『皮蛋柴魚拌豆腐│ピータンの冷奴』という残暑の季節にピッタリの冷性料理です。
料理名にある「柴魚」は、中国語で正式には鰹そのものを指します。ですが普通台湾で「柴魚」または「柴魚片」といった場合「カツオブシ」を意味します。「カツオブシ」自体の正式な中国語は「木魚(花)」というのですが、なぜかあまり使われないようです。
日本ではカツオを加工した食品が縄文時代から東北地方で食べられていたそうで、奈良時代には干し魚として最も高級な調味料として宮廷に献上されるようになります。まだまだこの段階では単なる干し魚ですが、室町時代に燻製にする方法が現在の和歌山県で発明されます。この製法が四国や鹿児島に伝わり、まさに日本の味を形作ることになるのです。更に時代が下がって江戸時代中期に四国でひょんなことからコウジカビを付着させるカツオブシの製法が発見されます。それまでの製法に比べて長期保存が可能でしかも味がよいということで、製法は秘伝とされましたがあっというまに日本中に広まることになります。
現在もカツオブシは、ただ乾したもの(生利節)、燻製にしたもの(荒節)、カビを付着させたもの(本節)の三種類があり、後ろのものほど高級品とされます。
台湾には日本統治時代にもたらされ、特に南部地方で大量に作られて本土に送られました。戦争終了と共に技術も失われてしまいましたが、数十年前に日本から再び技術を導入し、現在は花蓮・台東地域で台湾製のカツオブシが国内向けに製造されています。カツオブシは多くの台湾料理、特にスープの出汁として使われますので、日本人が台湾料理を食べたときに感じる「妙な懐かしさ」の原因ともなっています。
この『皮蛋柴魚拌豆腐│ピータンの冷奴』も、ピータンさえなければまさに『冷奴』そのもの。最も日本を感じることの出来る台湾料理というのはこういうものなのかもしれませんね。
[材料]
ピータン ……… 2個
豆腐 ……… 1丁
カツオブシ ……… 適量
[調味料]
醤油 ……… 大さじ3
砂糖 ……… 大さじ1/2
水 ……… 大さじ2
[作り方]
1.ピータンを蒸し器で5分ほど蒸して火を通し、殻をむいて6等分に切る。豆腐は水気を切り適当な大きさに切り分けておく。
2.鍋に全ての調味料を入れて一度沸騰させソースを作る。
3.器にピータンと豆腐を盛り付けてカツオブシを振りかけたら、作り方2のソースをかけて完成。
Point!
通常売られているピータンはそのままでも食べられるので、蒸す作業はなくてもOK。
調味料は普通に醤油だけの方が日本人には合うと思います。
0 コメント :
コメントを投稿