八寶梨罐│八宝梨缶

難易度: 調理時間:1時間以内
山東料理からちょっと珍しい中華デザート『八寶梨罐│八宝梨缶 』のレシピを紹介します。皮をむいて中をくりぬいたナシに、もち米と各種フルーツを詰めて加熱して作る料理です。器になっているナシごと食べます。一度冷やしてもおいしいので、興味がある方は挑戦してみましょう。もち米の代わりに白玉などを詰めてもよさそうですね。

もともとこの料理は現在の山東省煙臺市の縣級市である萊陽市の名物料理です。萊陽の名産品である「茌梨」と呼ばれる品種のナシを使って作ります。茌梨は中国ナシの一品種で、明末から清代初期にこの地で栽培が始まり、朝廷へ献上されていました。庶民が口にできるようになったのはここ100年ほどの話です。大型の物は800gを超えるサイズとなります。日本で再現するなら二十世紀などの中~大型のナシを使って作りましょう。

中国で栽培されているナシは、正確には日本のナシとは異なる種で、チュウゴクナシと呼ばれます。中国語では日本のナシ Pyrus pyrifolia を「水梨」、「日本梨」、「沙梨(標準中文名)」などと呼び、自国のチュウゴクナシ P. bretschneideri は「鴨梨」、「白梨」と呼び分けます。ちなみにセイヨウナシ >P. communis はそのまま「西洋梨」です。台湾の市場ではほとんどが水梨か西洋梨、ごくたまに白梨を見かけます。

日本ではナシは弥生時代から食用にされていたようで、かなり歴史のある食材です。中国ではさらに古くから食用にされていたと言われています。

砂糖がなく、甘いものといえば果実くらいしか手に入らなかった時代、ナシの実は庶民にとって最高のごちそうだったことでしょう。歴史ある料理ですが昔の人の気持ちになって食べてみるとまた違った発見があるかもしれませんね。




[材料]
ナシ ……… 1800g
もち米 ……… 100g
缶詰ミカン ……… 50g
龍眼肉 ……… 50g
ウメ ……… 50g
ナツメ ……… 50g
スイカ ……… 30g
水 ……… 150cc

[調味料]
砂糖 ……… 100g
ママレードジャム ……… 小さじ1
ラード ……… 大さじ2
シロップ ……… 適量

[作り方]
1.ナシの上部を1/4ほど切り落とし、皮をむく。内壁の厚さが約1cmになるように壺状にくりぬく。これを沸騰したお湯に入れて2分ほど煮込んで火を通す。火が通ったら崩さないように注意して取り出し、水気を切っておく。

2.缶詰ミカン、竜眼肉、ウメ、ナツメ、スイカを0.5cm角のさいの目に切る。これらのフルーツを沸騰したお湯に一瞬くぐらせて火を通しておく。これを作り方1のナシの中に盛り付ける。

3.よく研いだもち米を水に浸けておき、水と合わせて蒸し器にかけて火を通しておく。炊きあがったもち米に砂糖、ママレードジャム、ラードを混ぜ、作り方2でフルーツを詰めたナシに蓋をするように詰める。

4.ナシを耐熱容器に乗せ、容器ごと蒸し器に入れて強火で15分蒸す。ナシを取り出し、シロップをかけて完成。

Point!
フルーツやジャムの種類は季節によって何でもOK、量はナシの大きさにもよるので適当に調節しましょう。

ウメは少し硬めの梅干しの種を抜いて使うとよいでしょう。 ほかのフルーツで代用してもOKです。

普通は熱いまま食べますが、もち米の代わりに白玉などを使えば冷やして食べられます。


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