宮保猴頭菇│宮保ヤマブシタケ

本日のレシピは『宮保猴頭菇│宮保ヤマブシタケ』です。ヤマブシタケを宮保ソースで絡めた料理なのですが、果たしてヤマブシタケとは何なのでしょうか?

ヤマブシタケは学名を Hericium erinaceum といい、日本、中国をはじめ広く北半球温帯以北に分布する食用キノコの一種です。台湾のものはおそらくすべて人工栽培品でしょう。

食用キノコとは言われますが、筆者は台湾に来るまでこのキノコの存在を知りませんでした。乾燥させたものを「猴頭」と呼ぶ漢方薬にするということですが、そちらもまったく聞き覚えなし。日本の一部地域ではスーパーでも流通しているようですが、それいがいの地域の人はこんなキノコ見たことも聞いたこともないことでしょう。

いわゆるキノコ型を呈しない珍しい形のキノコで、天然のものは木から長いヒゲが生えたようにも見えます。現在は菌床栽培が可能らしいので市場にて回っているものはほとんどが人工栽培したものだと思います。中国の四大珍味の一つとして、「熊掌(熊の手)」、「海參(ナマコ)」、「魚翅(フカヒレ)」と共に並んでいます。ナマコと猴頭は台湾でも割りとリーズナブルに購入できます。

もともと消化器系の病気に使う漢方薬として中国では時々使われていたようですが、近年は含有成分に抗認知症作用、抗悪性腫瘍作用があることが分かり数々の論文が発表されています。そしてこれを利用した詐欺も多発しています、気をつけましょう。

味はほのかに甘く、スープに入れればキノコ類に独特のすばらしい出汁が取れます。日本で食べるなら味噌汁やてんぷらの具材として使えば喜ばれることでしょう。今日は中華風にこれを使って宮保料理を作ってみます。結構しっかりした歯ごたえと旨味の料理が作れますが、なんと全素(完全菜食)料理です。当ブログでも過去に色々な宮保ソースを紹介しているので、同じ料理でも様々なバージョンのものが作れます。色々とお試しください。

日本では貴重なヤマブシタケですが、台湾では「南北貨」 や乾物を売っている店、市場や迪化街で手に入ります。まぁ、そのまま持ち帰ると税関で引っかかりますので気をつけてください。興味のある方はメッセージをいただければ乾燥品買って来て送りますよ。100gで300-500円くらいです。



難易度:
☆☆

調理時間:
2時間

材料:
ヤマブシタケ ……… 200g
 (乾燥品なら100gほど)
ネギ ……… 20g
 (別の葉野菜で代用可能)
乾燥トウガラシ ……… 10g




調味料:
オイスターソース ……… 大さじ1
酢 ……… 小さじ2
ケチャップ ……… 大さじ3
醤油 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1


作り方:
1.ヤマブシタケを一口サイズに割り、紙タオルで絞るなどして水気を抜いておく。乾燥品を使う場合は水に20分ほど浸けておき、柔らかくなったら水気を切っておく。(→Point参照)



2.鍋に油を注ぎ、160度ほどに熱したら作り方1のヤマブシタケを入れ、表面がきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。(→Point参照)


3.作り方2の鍋に油を少量残し、ぶつ切りにした乾燥唐辛子を炒める。続いてネギを炒めて香りを出したら作り方2のヤマブシタケを鍋に戻す。


4.調味料を加えてよく混ぜ合わせたら完成。

 写真ではケールを使いました。


Point:
ネギの代わりにバジルやキャベツなどと一緒に炒めてもいいでしょう。 鍋に入れるタイミングは野菜ごとに変えてください。

ヤマブシタケの戻し汁はいいダシが取れています。味噌汁のスープなどに使ってください。

ヤマブシタケの毛の部分がサクサクになるように揚げましょう。ヤマブシタケ自体は180度位で揚げてもなかなか焦げませんが、その場合一緒に入れた乾燥トウガラシが焦げます。トウガラシを取り出して置くなどして温度の調節を行ってください。

全素(完全菜食料理)で作るならオイスターソースをキノコで作った素オイスターソースに代えます。ウスターソースなどで代用してもいいでしょう。


ちなみに野生のヤマブシタケはこんな感じ。
栽培品とは鬚の長さが段違いです。(Wikipediaより)


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