橄欖醤蒸魚片│ヒラメの中華風黒オリーブ蒸し

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『橄欖醤蒸魚片│ヒラメの中華風黒オリーブ蒸し』のレシピを紹介します。ヒラメに刻んだ黒オリーブをベースにしたソースをかけ、蒸して作る料理です。をオリーブオイルの香りが食欲をそそります。

オリーブは学名を Olea europaea といい、モクセイ科の植物です。日本でも中国でも漢字で「橄欖」と宛てます。イタリア料理で欠かせないオリーブオイルの原料です。乾燥に強く地中海原産のため、古代よりヨーロッパで盛んに栽培されてきました。

漢字で橄欖(かんらん)とは書きますがこれは元々誤用で、明治時代にオリーブが日本に入って来たころにカンラン科のカンランという全く別の植物と混同されて同じ漢字が付けられたのが定着してしまったものです。中国でもそのままその字を使っていますが、こちらも日本の誤用をそのまま流用したために起こった悲劇です(笑)。オリーブオイルは中国語で橄欖油と書きます。

ヨーロッパでは「太陽の木」などとも呼ばれ、古代アテナイの象徴とされました。古代オリンピアの勝者にはオリーブの木で作った冠が授けられたのは有名な話です。よく勘違いする人がいますが、月桂冠は古代デルフォイの祭りの勝者に授けられたものです。オリンピアはオリーブです。

ハトと共に平和の象徴とされ、国際連合の旗にもオリーブの枝のデザインが使われています。

ちなみにハトとオリーブが平和の象徴とされるのは、聖書の故事に由来します。洪水から逃げたノアがハトを放ったところオリーブの枝を加えて戻ってきたため、ノアは洪水の終わりを知ったという故事に由来しています。

オリーブの語源は古代ギリシャ語で油を意味するエライヴァという単語にまで遡れます。このエライヴァという単語は多くの西洋語の「油」を意味する語の祖先です。英語の oil、フランス語の huile、イタリア語の olio、ラテン語の oleumなどは、すべて同じくオリーブを意味する単語が由来になっています。(スペイン語などはアラビア語由来です。)

世界を変えた植物の候補の一つに上げられそうですね。

檸香蒸鮮魚│白身魚の中華風レモン蒸

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾生まれのタイ料理『檸香蒸鮮魚│白身魚の中華風レモン蒸』のレシピを紹介します。まるごとの白身魚にナンプラーとレモン汁でさっぱりとした味付けをし、蒸して作る料理です。夏バテなどで食欲が低下しているときは、こういう酸味の強い料理が良いですね!

ナンプラーは中国語で「魚露」と書きます。露をはじめとする雨冠の漢字は気象現象を表します。天気予報などでよく使われる雨冠の漢字を抜き出してみましょう。

まずは「雨 yu3」、中国語の文法では気象現象は主語と動詞の順番が日本語とは逆になります。下雨(雨が降る)、下雪(雪が降る)、刮風(風が吹く)、打雷(雷が鳴る)、閃電(稲妻が閃く)などなど、勉強中の人は覚えておきましょう。

他にも「雪 xue3」、「雲 yun2」、「雷 lei4」、「電 dian4」、「霜 shuang1」、「霞 xia2」、「雹 bao2」、「露 lu4」、「霧 wu4」、「霊 ling2」、「震 zhen4」、「零 ling2」などは日本語と同じ意味でもよく使います。気象以外を意味する字もありますが、全部読めますか?

また日本ではほとんど使いませんが、台湾ではときどき見かける少し難しい漢字として「雯 wen2」、「霖 lin2」、「霰 xian」、「霽 ji4」、「靄 ai3」、「霹 pi1」、「靂 li4」、「靈 ling4」などがあります。人名やお寺の名前などを注意しておくと見つかります(笑)。

さていくつかの中国語のサイトで、雨冠の漢字でもっとも画数が多いのは「 bing4」という字があげられています。「雷」を三つ集めた字で39画もあります。意味は文字通り「雷の音」です。

しかし!それは標準語に限った話!古代中国の方言までを網羅した時点には「 beng4」という52画もある字が紹介されています。蜀(四川省)の方言を表す字だそうで、意味は「雷の音、大きな音」(笑)。きっとよりも大きな音なのでしょう。この字がフォントとして登録されていることにも驚きです。
(↑標準の大きさだと字がつぶれるので、bing と beng だけは文字を大きくしています。)

雷を三つと四つで意味も覚えやすいですが、なかなか使う機会はなさそうです。店名などにするとニュース番組がやってくるかも知れませんね。

大人になってしまうと学生の頃のように新しい漢字を勉強する機会が少なくなります。すでに知っている漢字でも旧字体や成り立ち、熟語などを調べていくと面白い発見があるものです。当ブログで中華料理をおいしく学びながら、漢字も学んでしまいましょう(笑)。


塔香牛肉片│バジルと牛肉の中華炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『塔香牛肉片│バジルと牛肉の中華炒め』のレシピを紹介します。台湾バジルと牛肉の薄切りをオイスターソースとごま油で炒めた料理です。ショウガやトウガラシを少量使って味にアクセントをつけています。

この料理名にある「塔」とは「九層塔」、つまり台湾バジルを意味します。台湾料理で名称に「塔」とあったら「ああ、台湾バジルを使ってるんだな」と考えましょう。

「塔」の語源はサンスクリット語の स्तूप (stūpa、ストゥーパ)で、もともと古代インドで饅頭型に盛り上げた土の塚を意味しました。このストゥーパは仏教が起こってからは今日でいう「卒塔婆(そとば)」に取り入れられ、やがて卒が取れて「塔婆」に、さらにそれが一文字に省略されてただ単に「塔」と呼ばれるようになりました。

元々土を盛り上げただけの塚を意味していたのですが、仏教が中国に渡ってから中国式建築の影響を受け、背の高い建築物、さらに転じて「何かを高く積み上げたもの」、すなわち今日でいう「塔」の意味が生まれました。土の塚から高層建築へ、形は大きく変わってしまいました。

さて、英語で塔を意味する「Tower」は、その他の西洋語と同じく古代ラテン語の「Turris(城砦、大宮殿)」を語源とします。このTurrisもさらに古くは古代ギリシャ人がエトルリア人を指して言った「テュレニア人(Τυρρήνιοι (Turrēnoi)」という語に由来するそうです。テュレニア人は高度な建築技法を持ち、古代ギリシャのアーチ建築や神殿も彼らの技術を流用して建てられているそうです。

西洋のTowerも何かを積み上げて作るという点で東洋の塔と奇妙な一致を見せており、発音も比較的似ていることから、Towerもストゥーパから派生して生まれた単語なのではないかという説もあります。

興味深いですね。


油菜炒羊肉│アブラナと羊肉の中華炒め

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『油菜炒羊肉│アブラナと羊肉の中華炒め』のレシピを紹介します。アブラナの葉と羊肉を醤油で炒めた料理です。羊肉独特の臭みをアブラナの葉の苦みが上手くカバーして消してくれています。

「油菜」と漢字で書くと一瞬なんの野菜のことか分からなくなりますが、これはアブラナのことです。ナノハナ(菜の花)やナタネ(菜種)と呼ばれることも多いですが、これらは同じ植物です。学名は Brassica rapa で、もともとは西アジアの麦畑に生える雑草だったのですが、農耕技術の伝播と共に世界各地に生息域を広げました。日本では弥生時代から栽培されている由緒ある野菜です。


アブラナって食べられるんですか?という方もいると思いますが、アブラナの"変種"の名前の方が野菜としては有名かもしれません。

例を挙げると
 B. rapa var. nipposinica - ミズナ
 B. rapa var. rapa - カブ(ヨーロッパ系)
 B. rapa var. hakabura - ノザワナ
 B. rapa var. perviridis - コマツナ
 B. rapa var. chinensis - チンゲンサイ
 B. rapa var. pekinensis - ハクサイ
 B. rapa var. glabra - カブ(アジア系)
などなど。

どうでしょうか?白菜やカブ、チンゲンサイ、コマツナもアブラナの変種なのです。(ただし現在は遺伝子による系統樹作成が進んでいるので学名が変わってくる種もあるかもしれません。)

種によって食感や味、食べる部位も大きく違いますが、どでも身近な野菜であることに変わりはありません。上気の別の材料で同じ料理を作って食べ比べてみると面白そうですね。



金針菇拌肚絲│エノキタケとブタガツのサラダ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
台湾の家庭料理『金針菇拌肚絲│エノキタケとブタガツのサラダ』のレシピを紹介します。豚の胃、ガツを細切りにして、少量のエノキタケと合わせたサラダ料理です。醤油と酢を合わせたドレッシングで食べます。

ガツはウシの第一胃、または豚の胃を表す言葉です。英語で腸、消化管を意味する Guts から来ています。ウシの第一胃はミノという用語があるので、ガツとはあまり呼びません。もともとは胃だけでなく小腸などを含めた消化管全体を指す用語で、単数形の gut は、もともと羊の腸を乾燥させて使っていたテニスのラケットの線部分などの名称にも使われています。

英語でも日本語と同じように「根性」や「忍耐」を意味します。他にも内臓の意味が転じて「(機械の)心臓部」などの意味もあるようです。

さて guts の和訳である「根性」は元々仏教用語です。性をショウとかジョウとか読むのは大体仏教由来の言葉ですが、ちょっと詳しく見てみましょう。

仏教では「仏の教えを聞いて、修行する能力のこと」を「機根(きこん)」と言います。また偉い人の教えを理解する度量・器のことで、人それぞれ異なります。人間の器の内、教わったことを呑み込む部分の大きさのことです。

「機」とは人の心のはたらき、「根」とはその人の根本的な能力のことです。

釈迦は教えを説くときには、各人の機に合わせて様々に話す内容を変えました。

これを「臨機応変」と言います。もともとの臨機応変の機は、場合を意味する「機会」の機ではありません。「人」に合わせるという意味なのですね。

この機根の考えは仏教ではとても大切にされ、「利根(りこん)」:素直に仏の教えを受け入れ理解する人、「鈍根(どんこん)」:素直に仏の教えを受け入れず理解しにくい人などの単語が生まれました。

仏典には例として、「毎日アワやヒエを食べ、 それを主食であると思い込んでいる人に、コメの存在を教えても信じてはくれない、ただ彼らは毎日の飢えをしのぐのが第一であると考えるだけだ」というようなことが書かれています。非常に哲学的な内容です。現代社会でも社会保障や犯罪発生率などを議論するうえで参考になりそうな話ですね。

さてさて、この機根という単語の「根」、つまり各人の能力、性とはその人の生まれついた性質のことです。この根と性を合わせて「根性」という言葉が生まれました。もともとは漢字の意味通り、各人が「生まれついて持っている(仏の教えを理解する)能力」の意味ですが、いつしか「教えを理解するまで努力する力」、「我慢強く教えを理解しようとする能力」のように転用され、現代のような意味に変化しました。

我々の根性はもともと一人ずつ違うことが前提です。もともとの意味からは少し変わってしまいましたが、全員に一様の根性を要求するような指導者にはなりたくないものですね。

それではレシピです。

 
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